ECMに移籍しての1作目です。このCDの大きな特徴は、やはりECM特有の透明感のある 音で録音されていることです。全編、緊張感のある演奏が展開されており、質の良い現代ク ラシックか純邦楽を聴いているような気分になりますECMのオーナー・プロデューサー、マン フレッド・アイヒャーの面目躍如たる作品です。1曲目の最初の30秒でのけぞってしまいまし た。 グループとしての音の変化は、ポール・マッキャンドレスがソプラノ・サクソフォーンを吹き 始めたことと、ラルフ・タウナーがシンセサイザーを弾き始めたことです。ソプラノ・サックスと オーボエは元々音色が似ていますが、ラルフ・タウナーがシンセサイザーを弾くというのは衝 撃でした。彼は電気音アレルギーだと思っていましたから・・・。 しかし、この後も使用し続けられるシンセサイザーは、既にデジタル・シンセ全盛の時代に ありながら、骨董品的なアナログ・シンセを選び、その音をアンサンブルに溶け込ませていま す。後のオレゴンの諸作では、決して目立ったメロディーを弾かず、和音を響かせ続けるこ のシンセ音が、グループの特徴の1つになります。
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Oregon (POCJ-2213)
MUSIC: 1.The Rapids (Ralph Towner) [8'25"] 2.Beacon (Oregon) [2'52"] 3.Taos (Oregon) [6'11"] 4.Beside a Brook (Paul McCandless) [4'19"] 5.Arianna (Glen Moore) [6'25"] 6.There Was No Moon That Night (Oregon) [7'17"] 7.Skyline (Oregon) [1'18"] 8.Impending Bloom (Glen Moore) [7'51"]
PERSONEL: Paul McCandless (soprano saxophone, oboe, English horn, bass clarinet, tin flute, musette) Ralph Towner (Profet 5 synthesizer, piano, classical guitar, 12 strings guitar) Glen Moore (contrabass, viola, piano) Collin Walcott (tabla, sitar, percussion, tongue drum)
RECORDING DATA: Recorded at Tonstudio Bauer, Ludwigsburg, February 1983. Produced by Manfred Eicher. |