お砂糖は脳のご飯
お砂糖の甘さは安全印
人間は本能的に甘さを求めています

私達の遠い祖先は、甘いものは安全で身体に必要なエネルギ−源であることを本能的に知っていました。そして
“甘さ”を手がかりに安全な食物を求めました。例えば、赤ちゃんに砂糖水を与えるとにっこりとほほえみます。こ
れは赤ちゃんを育てる母乳にほのかな甘さがあるからです。成長期の子供達が甘いものが好きなのも、私達が
疲れた時に甘いものが欲しくなるのも、お砂糖が人に必要なエネルギ−源だからです。お砂糖の甘さはまさに安
全印なのです。

お砂糖は天然、無漂白です

お砂糖の主な原料はサトウキビやてん菜(さとうだいこん・ビート)です。その葉の表面で根から吸い上げた水(H2O)と空気中の炭酸ガス(CO2)をもとに、太陽エネルギーによってお砂糖が作られます。
雪が白く見えるのと同じです
サトウキビやサトウダイコンを原料として精製(不純物を取り除くこと)して作られるお砂糖は、一粒一粒が無色透明の結晶です。この結晶の表面で光が乱反射するため白く見えるのです。雪や氷が白く見えるのと同じ原理です。


何にでも向くようにきれいに精製します

淡泊で甘さにクセがない上白糖やグラニュー糖は、素材の持ち味を生かしたお料理やパン、お菓子、アイスクリーム、清涼飲料などのほか、糖衣錠などの医薬品などに使われています。何にでも向く万能派のお砂糖にするために精製するのです。

きれいな形の結晶です

お砂糖はどんなに小さくても、一つ一つの粒がきれいな形の結晶をしています。8面体から15面体が一般的で、高純度のお砂糖は無色透明の結晶になっています。自然がつくる地球最高の天然甘味料です

原料はサトウキビとサトウダイコン

お砂糖の原料は世界各地で採れます。主な原料のひとつのサトウキビは暑いところが好き。高温多湿で年間平均気温が20度以上の熱帯や亜熱帯でよく育ちます。日本では鹿児島県と沖縄県が主な生産地です。一方もうひとつの原料のサトウダイコンは寒いところが好き。比較的冷涼なところで育ちます。日本では北海道が生産地です。サトウキビからとれるお砂糖も、サトウダイコンからとれるお砂糖も、同じ成分のお砂糖になります。

サトウキビはイネの仲間

サトウキビ(甘しょ、または甘しゃ)はイネ科の多年生植物です。完熟した茎は直径2.5〜5cm、高さ3m以上になり、中に糖分を蓄えます。

サトウダイコンはホウレン草の仲間

サトウダイコン(てん菜、ビート)はアカザ科の2年生植物で、ホウレン草の仲間です。根が大根のように太くなり、中に糖分をたっぷり蓄えます。

砂糖は炭水化物

炭水化物とは、ブドウ糖、果糖、砂糖などの糖類やごはん、パンなどに含まれるデンプンのことで、植物の光合成によって作られるものです。身体のエネルギー源になるとても重要な栄養素です。ごはんやパンを食べると体内で消化され、デンプンからブドウ糖になります。このブドウ糖が、身体や脳のエネルギーになるのです。砂糖はブドウ糖と果糖からできているため、消化が速く、すぐにブドウ糖として吸収されます。砂糖は、ごはんやパン、そばなどと同じ炭水化物で、人間に必要な栄養素の一つなのです。

ブドウ糖とは?

別名グルコース。白色の結晶または粉末で、爽やかな甘さがあり、甘味はお砂糖の70%。水に溶けるとき熱を吸う性質があり、チューインガムに利用して清涼感を与えたりします。そのほか、果物缶詰の香りの増強や保持にも。また、酸化すればグルコン酸となり、酒類、食酢、清涼飲料水などに利用されています。

果糖とは?

別名フラクトース。白色の結晶で、甘味はお砂糖の1.25〜1.7倍。自然界ではリンゴ、トマトなどに多く含まれています。高温で甘味度が低下する性質があるので、冷たい清涼飲料水やアイスクリームなどには効果的です。

甘さは大切なのです

お砂糖をはじめとする甘いものは、脳の速効性エネルギー源として大切です。疲れている時に甘いものが欲しくなったり、脳の発育速度が著しい子供達が甘いものが好きなのは、脳がエネルギーを欲していることを意味しています。私達の身体の健康・心の健康とお砂糖との関わりを明らかにしていくこと、それが私達の幸せな生活につながるのです。

砂糖と人間の歴史

人類とお砂糖の出会いは今から2300年前、西インド遠征中のアレクサンダー大王一行のサトウキビ発見から始まります。記録には「蜜蜂がいないのに蜂蜜を生む葦がある」と残っています。サトウキビは、原産地の南太平洋ニューギニア周辺からインドへ、そしてマルコポーロやコロンブスなどの手によって世界中に広まりました。サトウダイコンからお砂糖を作る方法は、約250年前ドイツで実用化され、その後ナポレオンの奨励もあり発展し世界中に広まりました。
日本にお砂糖が伝わったのは8世紀頃、少量で貴重だったため薬として利用されました。室町時代には茶の湯の発達とともにお砂糖を使った菓子作りが盛んになり、江戸時代には庶民にもお砂糖が広く普及したため、徳川吉宗がサトウキビ栽培を奨励し大いに発展しました。これだけの長い歴史が、お砂糖の安全性を物語っています。

国連のお砂糖安全宣言

1997年4月国際的な機関であるFAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機構)が、「砂糖の摂取が行動過多(HYPERACTIVITY)や糖尿病に直接結びつくことはない」「砂糖摂取が肥満を促進することはない」とお砂糖が安全な食品であることを宣言しました。
<お砂糖の種類>
和三盆 三温糖 中双目