春の彼岸

                        3月21日 彼岸の中日
                      3月18日〜3月24日

これは天文学的には太陽が、地球の公転軌道の延長である黄道と、地球の自転軸に垂直な平面赤道面との交点方向に見える、瞬間ということになります。この日は太陽は真東から昇り、昼と夜の長さがほぼ等しくなります。この春分の起きる時刻は今年は国立天文台の予測計算では21日の16:35となっています。

(実際には太陽の頭が出たところで日の出とし、太陽が全部沈んだところで日没とする為、彼岸の日でも太陽の視角の分だけ昼が長くなります。)

日本の伝統ではこの日はお墓参りをして、ぼた餅を食べます。またお寺でも彼岸の法要をします。この時期は農耕を始める時期でもあるため、先祖の霊に今年の豊作を願う行事などとも結合しているようです。

なお、春のお彼岸と秋のお彼岸(秋分)が一般に対にされるのですが、どちらかというと、春の彼岸の方を盛大に祝うところが多いようです。
これは秋の彼岸はお盆の祭りをやってから日がたってなくて予算が立たない為ではないかと言われています。
                                  
お彼岸につきものの「ぼた餅」と「おはぎ」ですが、基本的にご飯のままのものに、あんこをかぶせたものをおはぎ、つぶして餅状にしてからあんこをかぶせたものをぼた餅といいます。基本的には牡丹の季節に近い春がぼた餅、萩の季節に近い秋がおはぎと言いますが、秩父地方では、春も秋もおはぎです。
               
                                                 
「お彼岸」とは?

 「彼岸」とは「かなたの岸」と言う意味ですが、「かなたの岸」とは理想の世界、仏の世界のことだそうです。我々の住む世界(此岸:この世)が迷いの世界であるのに対して、生死の海(輪廻の世界)を越えたさとりの世界をさして言います。世界を境地と言い換えても可。理想の境地。仏の境地。 

 いわゆる「お彼岸」の習俗は日本のみに行われて、春分秋分に祖先の霊を祭るようになりました。インドでは行われていなかったし、中国でも行われていません。在俗信者は寺院に参詣・墓参し、僧侶に読経・法話を行ってもらい仏事を行います。この法会を「彼岸会」と言います、「彼岸に到る法会」の意味です。即ち春分秋分の前後三日の七日間を期して行う法会を言います。お盆(盂蘭盆会)と共に最も民衆化された、生活の中にとけこんだ仏教行事であります。日常の生活を反省して仏道精進する、良き機会であるとされています。我が国に於て古来より行われた行事であり、その起源は古く、聖徳太子の頃とも言われています