妊娠・授乳期の乳がんのフォローアップ

 妊娠すると、これまで受けていた検査が受けられなくなります。レントゲンを撮ることは基本的に不可能になりますので(妊娠中期以降は、どうしても必要な場合1枚程度撮ることもありますが)、マンモグラフィーや肺のレントゲン写真などは撮れなくなります。また、CTやMRIなども撮れなくなり、骨シンチも不可能となります。
 妊娠中に検査可能な項目は、乳腺の超音波、視触診、血液検査(腫瘍マーカーの測定)くらいになりますが、これらの検査を妊娠中に続行するかどうかは、乳腺外科の医師により考えがさまざまのようです。妊娠中は乳腺外科の診察がほとんどなかったというケースもあります。理由としては次のようなことが考えられます。
 これは、医師の考えによるところが大きいので、患者の方も妊娠中の乳がんのフォローアップについては、自分の希望と合わせて主治医と相談されるしかないと思います。ただ、定期的な乳腺外科の検診がなくなったとしても、自分で何か不安なことがあったり、おかしいと思うことがあったらすぐに乳腺外科医に相談できる体制があったほうが安心ですね。乳房についても、乳がんの罹患がなければ、まずは妊娠中の変化を疑って、産科の医師や助産師に相談することになると思いますが、乳がんの既往歴がある場合は、まず乳腺外科医に相談して生理的な変化なのか、病的な変化なのか判断していただくと安心と思います。

 私は家族関係のこともあり、手術は愛媛県で受けています。その後、東京にも主治医を見つけつつも帰省の際には執刀医に診察してもらっていました。妊娠については、前述したように病理の結果や経過を踏まえて、両方の医師から許可を受けています。
 妊娠したら、今までみたいに愛媛まで診察に行くわけにはいきません。執刀医の先生の見解は、「妊娠中は乳がんのことは考えずにいた方がいい」というものでした。それはそれとして踏まえつつ、私は心に不安なものを残したままの妊娠生活を送るのも難しいと考えていたので、東京での主治医に診ていただいていました。先生も、「妊娠授乳期の乳房は変化が大きく、診断の正確性は欠けるところがあるので、病院や医師によっては妊娠・授乳期の定期検診はなしにするところもありますが、超音波での乳腺のチェックと腫瘍マーカーだけ測りましょう」という考えでした。
 ノルバデックスの服薬中止後は、3ヶ月ごとに乳腺の超音波を受けていましたが、妊娠中も同じペース(3ヶ月時と7ヶ月時)で超音波の検査と採血をしました。7ヶ月の検査以降は出産まで乳腺外科は受診していません。産後に母体が回復してから再び検診を受けることになっています。また、定期的に自己検診を行うようにして異常がないかチェックしていました。

 私には乳がんの他に、喘息の持病もあります。発作予防に吸入ステロイド剤をずっと使用してきました。それは妊娠中も続けられていましたが、喘息の主治医に「発作を起こしてしまい、胎児に十分な酸素がいかなくなるのが一番よくない。今の吸入ステロイド剤は胎児への影響はないので使用を止めることなく使いつづけるように」と指示されたため、使いつづけました。よって、妊娠中は産科の他に乳腺外科と呼吸器科を掛け持ちで通っていました。

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