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産院の選び方(外科と産婦人科の連携)
乳がん治療後に妊娠して産科を受診する場合、いろいろな方法があるみたいです。
- 乳がんの治療をした病院に産科があった場合、そこで受診する
- 乳がん治療以前に出産経験があった場合、その病院で受診する
- 婦人科検診などで通っていた病院に受診する
- 自分で病院を選び、受診する
治療後に妊娠した場合、基本的には「乳がんの治療は終了」しているわけなので、乳がんの治療をした病院と関係ない病院に受診するケースも多いようです。また、産科の診察ではお産入院の時や妊娠時に特有のトラブル(切迫流産など)にも対応できるように、夜間に当直医がいる、自宅から近い、といった観点での病院選びをする必要もあります。
外科と産婦人科の連携ですが、産科に受診の際に外科から「乳がんの治療経過など」についての紹介状が出ることもありますが、医師を介さずに自分で乳がんの既往歴について産科の医師に申し出るだけ、というケースもあります。乳腺外科の医師から特に紹介などがなく、自分で産院を探す場合もあるようです。
(このあたりは、個々の患者さんの事情や希望によって変わってくるでしょう)
私の場合ですが、乳がん以前に産婦人科を受診したことはありませんでした。乳がん手術後にホルモン療法をしている中で婦人科検診を年に1度することになり、東京での主治医に婦人科クリニックを紹介していただきました。その婦人科クリニックには入院・分娩施設がないので患者さんに妊婦さんがほとんどいなかったこともあり、気楽に受診ができました。妊娠しての受診でない場合、大きなお腹の妊婦さんに囲まれる、産婦人科特有?のある種の幸せな空気が漂っている雰囲気は、どうにも居心地が悪くなってしまうものです。
ホルモン療法を止めた後、乳腺外科の主治医と相談してこのクリニックで婦人科検診(子宮・卵巣の超音波による診察、子宮頚癌、体癌の検査)を受けて婦人科的観点では問題がないことを確かめました。その後妊娠検査薬で陽性反応が出た時、まず訪れたのがこのクリニックで、胎児心拍を確認した後、妊娠9週までこのクリニックで診ていただき、初期流産の可能性が低くなってから産科のある病院に転院しました。
転院に際して、私はまず乳腺外科の主治医に相談に行きました。そこで主治医から産科で定評のある病院を紹介されたのです。産科−新生児科−小児科に力を入れていて、ハイリスクな妊婦さんも多く受け入れている、NICU(新生児集中治療室)もある病院でした。乳がんの治療経過について記された紹介状を書いていただいたのです。
個人開業している産科医院でも、妊娠経過自体を観察するのには問題ないのかもしれません。しかし、個人病院の医師にかかる妊婦さんは、これまで特に大きな病歴などがみられない人が多いのではないか、病歴、特にがんなどを過去に患っていては、医師だけでなく看護師さんや助産師さんも慣れていないのではないか、という思いがあり、個人的にはいろいろなケースの妊婦さんを扱っている病院の方が通いやすいのではないかと考えました。
ハイリスクな妊婦さんという点では、心臓や腎臓、糖尿病、喘息などの内科疾患、薬を服用しながらの妊娠といったケースの方が産科と疾患の治療を平行して進める必要があり、乳がんの場合は基本的に服薬は終了しているので、過去の既往歴ということになります。でも、「過去にがんを患った」という事実があり、「片方の乳房を全摘している」状態で産婦人科にかかるのには心理的にも抵抗があったので、治療経過を書いてもらった紹介状により、随分楽に受診することができました。また、助産師さんもあらかじめ紹介状に目を通していただいたせいか、特別視することなく接してくださいました。
ただ、産科の医師はやはり産科としてのプロですので、あくまでも婦人科的な面からの診察であり、乳房を診察することはありません。紹介状を持参した時にも「乳房については乳腺外科の先生に診ていただいてください」というスタンスでした。逆に、乳腺外科の主治医も妊娠経過については分かりませんので、完全に産科の医師に一任しています(ホルモン療法での薬剤が胎児の発育に影響していないか気にかかっているようでした)。紹介状に対して返事をいただいた後、乳腺外科の受診の時は産科で言われたことを話し、産科の受診の時は乳腺外科の医師の言葉を伝えて、自分で管理するようにしていました。
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