日食について

 7月22日は日本で見られる46年ぶりの皆既日食の日でしたが、
残念ながら天気が良くなかったですね。
ところで、皆既日食はナゼこんなに見られないかと言いますと、次の3つの条件が必要なんです。

1) 新月である事
  日食は太陽が月に隠されるので、地球ー月ー太陽の順に並びます。この並びは必ず新月の日です。
  月はほぼ一ヶ月で地球の周りを一周しますので、新月は30日に一度はやってきます。

2) 太陽と月の軌道面の一致
  地球が太陽の周りを回っている軌道面に対して、月が地球を回っている軌道面は5度傾いています。
  ふたつの軌道面が一致する新月の日が1年に2回あります。
  よって、地球上のどこかで毎年2回、日食があります。(皆既日食とは限りません!)
  *日食には「皆既日食」「金環日食」「部分日食」があります

3) 地球からの"見かけの月の大きさ"
  月が地球をまわる軌道がほぼ円軌道ですが、少しだけゆがんだ楕円軌道です。
  その関係で地球から見た月のみかけの大きさは、大きく見えるときと小さく見えるときの差が10%もあります。
  (地球が太陽を回る軌道も楕円軌道ですが、その差は3%と小さい)
  地球からの見かけが、太陽より月が小さいときで、地球ー月ー太陽と並んだ日食は
金環日食 「金環日食」と言い、
周りが"指輪"のように太陽の光が見えます。
  地球からの見かけが、太陽より月が大きいときで、地球ー月ー太陽と並んだときは
皆既日食 「皆既日食」です。
周りにコロナも見られます。

 以上の3つの条件がそろう皆既日食は、地球上のどこかでは1〜2年に一度あります!
しかし、皆既日食を見られるチャンスが非常に少ないのは、下図のように「日食を見られる範囲が非常に狭い」からです。
日食図

7月22日の皆既日食帯は下図のグレーゾーンでした。(屋久島から奄美大島のかけてのトカラ列島)
部分日食は日本中です。
日食帯
 これから日本で見られる日食は
2012年5月21日 金環日食 トカラ列島、九州、四国、近畿、中部、関東の大部分、東北の一部
2030年6月1日  金環日食 北海道の大部分
2035年9月2日  皆既日食 中部、関東の一部
 以上のように日本から見られる皆既日食は26年後の2035年です。
*月はほんの少しずつ地球から離れています。よって遠い未来は皆既日食は見られなくなります!*



2009年7月22日の皆既日食
連続写真 
硫黄島付近の船から撮られた写真です
左上から10:10、10:50、11:14
ダイヤモンドリングが11:24、中央の皆既日食が11:26、右中のダイヤモンドリングが11:32
左下から11:24、11;59、12:49です。

下の写真は硫黄島付近の船から見た皆既日食です。
まわりにはコロナが見られています。
この写真では分かりませんが、テレビ中継では拡大してプロミネンスも見られました。
皆既日食
皆既日食の時の風景です。
日食風景
 左は中国の武漢での、皆既日食中の風景写真です。
明るい惑星はもちろん、1等星程度の星も見えてきます。
あたりは薄暗くなり、360度の周りは"夕焼け"のようになります。