歯周病への取り組み(歯科衛生士編)

 日本人成人の多くが、歯周病にかかっているという報告は皆さんご存知かと思います。

 当院では、歯周病の兆候が見られる、すべての患者様に歯周病の検査を行い、歯磨きの指導や歯石の除去を行います。そして、さらに必要であれば、外科的な治療を行い、定期的なメインテナンスを行っています。

 歯周病の治療において、歯科衛生士が果たす役割はとても重要です。当院では、歯科医師が歯周病の診断を行い、治療方針を決定します。歯科衛生士は歯科医師と連携して、歯周ポケットの検査や、歯磨きの指導、歯石の除去などの
歯周基本治療を行います。軽度の歯周炎であれば歯周基本治療だけで十分対応できます。

 近年、歯周病の治療が、原因除去の治療から、歯周形成外科、再生療法へと専門性の高いものへと進歩しています。その新しい技術の成功は、歯周基本治療の成功に大きく影響を受けます。つまり、歯科医師だけが最先端の技術を勉強しても、必ずしも良い結果を得られないことがあるのです

 歯科衛生士には、歯石を除去する技術はもちろんのこと、患者様に歯周病の原因や進行について、知識を深めていただくことや、歯磨きの上達によって治療の効果を上げること等、指導に関する能力が要求されます。さらに、患者様のお口の中の微妙な変化について歯科医師に報告することも求められます。

 歯周病の治療は、患者様と歯科衛生士、歯科医師の連携プレーで進められますので、情報を共有する上で、歯周病に関する専門知識は、歯科衛生士と歯科医師が同じレベルであることが重要であると考えられます。

 この10年間ほどの間に、歯周治療の概念は大きく変化しています。歯科衛生士各自が勉強して、対応していくのはとても大変です。そこで当院では、まず歯科医師が資料を作成し、歯科衛生士に配布、講義を行うという形式で、さらなるレベルアップを図ろうとしています。最終目標は、歯科衛生士による症例発表を院内で行い、ディスカッションできるようになることです。まだ、始めたばかりの試みですが、一歩ずつ前進していきたいと思います。



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