立礼の茶事


立礼(りゅうれい)とは
椅子に腰を掛けて手前をする、茶道のスタイルです。

裏千家十一代お家元玄々斉宗室が
時世をかんがみて、明治7年に考案されました。
現在では、いろいろな流派で実施されています。

立礼の茶事では、亭主は
点茶盤(てんちゃばん)に道具を仕組み、円座に座って手前をします。
お客様も円座に腰を掛けて、
喫架の上に置かれた懐石料理やお茶を頂きます。

立礼の茶事は畳に正座をしなくても出来ますので、
正座の苦手な方や、おみ足の不自由な方をお迎えしたいとき、
また、暑い盛りにも開催される事が多いようです。






2012年6月22日

拙宅での月釜や茶事にお越し下さった方が
御自宅での茶事にお招き下さいました。

マンションで立礼の茶事という御案内でした。

外腰掛は、ベランダを上手に使用。
外腰掛から東京湾が見えました。これは立派な御馳走ですね。
リビングに玄々斎のお好みの点茶盤を設置されていました。
こちらの御亭主も茶事の魅力にとりつかれた方なんですね。

お懐石は手作り。社中がお手伝いをしていました。
お話しの上手なご亭主で、心からもてなして頂きました。
ご自宅で当たり前のようにさりげなく、客を持てなして亭主をこなす。
半東を指示して、客と笑う。かなりの実力者です。
後座の床は桂籠に紫陽花。道具はこの時期の趣向で。
海外旅行で求められた各国の道具も優しくて、上品で、
ご亭主のようにとても爽やかでした。

私はこのような御亭主の手作りの茶事が大好きです。
得難い一期一会でございました。有難うございました


2003年10月15日

今回お招き頂いた茶事は、
ご亭主が永年、温めて来られた企画で
このたびやっと開催にこぎ着けられた念願の茶事です。


正客さまはスペインご出身の神父さま、
次客さまはインドご出身の神父さまでした。
そして、この茶事の実現に係わり合った
有縁の者が相伴にあずかりました。

神父さまのおみ足を考慮しての立礼の茶事でしたが、
茶事に向かうご亭主の真っ直ぐなお心が
すがすがしく感じられました。

初座は香席でした。
幸運にも、かの一木四銘を聞かせていただきました。
400年振りに目覚めた細川家、伊達家ゆかりの香です。

後座の道具組は、利休居士以来の
キリスト教と茶道のえにしを、深く感ずるものでした。

ひたむきさは人の心を動かします。
日本各地から、一碗の為に集まった有縁の皆さま、
その皆さまとの、またのお目もじを念じつつ。。。



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