しだれ桜茶会雑感


西林寺の座敷からの眺めは素晴らしかった!
高台にある座敷の縁先に、枝垂れる糸桜、
はらはらと上空に舞う花びら、その枝の向こうには青空!

西林寺は徳川家康の側室だった
お萬の方ゆかりの浄土宗のお寺です。
西林寺さんと私がこの世で出会ってから、まだ日は浅いのですが、
当家も家康の時代から400年間、浄土宗の信徒でした。

「400年の間に西林寺さんときっと何かのご縁があって
ご先祖様の後押しを頂いて、この座敷に座ることが出来たに違いない」
はらはらと舞う桜を眺めながら、私は400年の時空を旅したのでした。

樹齢160年の糸桜は見事な花を咲かせます。
160年前は、裏千家では玄々斎の活躍した時代です。
玄々斎は沢山の点前を考案されましたが、茶箱もその一つです。

玄々斎の頃、地上に芽を出した1本の若木が
幹を太らせて枝葉を広げ、美しい花を咲かせている。
近在の人達が桜の下に集い、桜は功徳を与えている。

その木の下で沢山のご縁に支えて頂いて、
茶箱の点前で施茶をさせて頂ける幸せ。
そしてお越し頂いた方々に、この座敷で出会えた幸せ。

この世に命を頂いて、大きな力で
生かして頂いているという事に感謝しています。

             2006年4月6日  夕茜


TOPに戻る