懐石料理

茶事の料理を作る上で留意したい点がいくつかあります。 
まず献立作りです。
旬の食材、形、鮮度、色や味のバランス等を考えて献立をつくります。
少なくとも数日前には食品売り場を覗いて
今の旬を見ておかないと、良い献立が作れません。
同時にお客様の年齢、嗜好なども食材と相談しながら考えます。
また、茶事の趣向にも適った献立を考えたいと思います。

献立作りは大変ですが、とても楽しい作業です。
プロの作った料理とは比べられないと思うのですが、
素人料理でも、真心を込めて作った料理は、美味しいと感じます。
お客様として席入りして手作りの懐石料理を頂いたときは、
作った方の真心までが伝わってまいります



お敷に飯椀、汁椀、向付けを乗せて

懐石料理の手順   一汁三菜   風炉の場合
膳を運ぶ 燗鍋、盃台、杯 飯器 汁替え 煮物椀 焼魚 (亭主相伴)
飯、汁、向付
箸洗い 千鳥の杯 湯桶 膳を下げる (炭手前) 主菓子
八寸、燗鍋 香物

一汁三菜とは
一汁が味噌汁で、三菜は向こう付け、煮物椀、焼き魚の3品です。
朝茶事などでは焼き魚を抜いて一汁二菜とします

献立として必要なものは以下の9品です
1、飯 茶事の飯は炊きたてを先ず差し上げます
裏千家の場合 一文字に飯を盛ります
2、味噌汁 西京味噌と赤味噌等をあわせて使用します
味噌に負けないしっかりとした出汁が必要です
旬の具を入れます
具と相性のいい添菜と溶き辛子を必ず添えます
3、向付 炉の正午の茶事の場合、よく鯛などの白身魚が使用されます
お造りでも昆布締めでもいいのですが、相性のいいツマを添えます
加減酢と山葵も忘れず盛りつけます
朝茶などでは生魚を使用しませんので 干魚や酢の物などを
夜噺は寒い時期ですので、熱々の蒸し物などを使用します
4、煮物椀 一番のごちそうです
真蒸や旬の野菜、口取りなどをバランスよく、量も十分に入れます
5、焼魚 やはり旬のものを
6、箸洗い 千鳥が始まる前に少量の吸い物で口中を清めます
実もごく少量を
炉の食材、風炉の食材、どちらにも使用できるもの があります
7、八寸(海の物、山の物) 一口で頂けるものを食感や色形を塩梅よく
8、湯桶 お焦げと湯と少しの塩で
9、香物  通常3種くらい  
朝茶では5種くらいを器に盛ります
沢庵はブラシ形に切ります
酒  吟味して選びます
他に強肴として 煮物 和え物などを出す場合も多くあります


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