五事式の茶事


五事式の茶事とは七事式のうちの五つを組み合わせた茶事です。
通常は廻り炭 (懐石、中立ち) 廻り花 且座 花月 一二三 の順でいたします。
裏千家では且座の代わりに仙遊で催すこともあります。

七事式についてご説明いたします。
七事とは 花月 且座 廻り炭 廻り花 茶カブキ 一二三 員茶 の7つをいいます。
裏千家八世の又玄斎一燈宗室居士が、長兄の表千家七世如心斎らと共に制定しました。
その後裏千家では代々のお家元が新たに他の式を制定しています。

七事式は繰り返し修練することによって「一味清浄法喜禅悦の境を悟る事が出来る」といわれます。
無心に七事式を修練することによって、修行僧の悟りにも似たものに近付けるという事でしょう。

また、五事式は実力伯仲の者同士でするのが一番楽しく、
それまでの互いの修練の積み重ねが、一座建立に直接繋がります。





五つの花入れに各自が花を入れます


2014年4月2日

廻り炭や且座の稽古は毎年しているものの、五事式の茶事は久しぶりでした。
一番の心配は廻り炭、懐石の運び、且座と続く体力です。
が、茶道をする上で心掛けているのがプラス発想。
ここは自分を信じて、本懐石での五事式をする事にしました。

お客様全員が五事式の茶事初体験という事でしたが、
正客さんが茶事巧者で、主客共にリラックスして茶事を進める事が出来ました。
廻り花の花を頂きましたので、花寄せにしました。
春の色の花に囲まれてとても幸せ。

ベテランの水屋が懐石をスムーズに準備してくれました。
汁替えなしで、八寸は二種一緒にお付けして、
なんと!二刻で茶事が終了。
どんなに素晴らしい茶事でも正座には限界があります。
参加の皆さんの修練・協力の賜物です。

和やかなうちに一会が終了しましたが、
「ふんわりと許してくださるので、安心して参加できました」
と、お客様。本日一番の褒め言葉でした(笑)
茶事って主客で楽しむものですものね。







2009年4月30日

久しぶりで五事式の茶事をしました。
ベテランの正客さんをお迎えして、
他流の方を交えてのお茶事でした。
流儀は違っても一座建立の心は同じ、
共にベテランの連客様に支えられて
無事に一会をおえる事ができました。

五事式の茶事の進行は初座が廻り炭、懐石、
後入りは廻り花、旦座、花月、一二三の式です。
そのすべてを亭主が一人で動きますので、
体力の必要な茶事ですが
これからは途切れる事なく、毎年
五事式の茶事を積重ねて行きたいと思いました。



2005年4月12日

五事式の茶事にお招き頂きました。
ご趣向で、待合いで折据を回し、
札の順番に従って席入りさせて頂きました。

ベテランの皆様との五事式はスムーズに進行し、
廻り炭では種火を割ったら少しずつ赤みがまして、
種火から火が熾きる幸運に恵まれました。

花寄せではどの花も清く美しく、
仙遊の香もかぐわしく、、、、。
美味しいお濃茶を頂いた後、薄茶は花月で。

今年の春を実感しました。


2004年2月11日

今年も五事式の茶事をしました。
今回は役割分担茶事で、
台所もすべて分担しあう手作りの茶事です。
私は詰めとして席入りをしました。

五事式は幾度か経験しましたが、今回の茶事は
ご亭主の長年の修行の成果がそこここに垣間見られ、
キチンと修行を積まれたお姿が感動的でした。
くわえてお人柄のたまものでしょうか、
和やかで、楽しい茶事になりました。
五事式初参加の方からも、難しいものと思っていたけど
とても楽しかった!の声。

グループ茶事は互いの信頼関係が必須です。
社中も茶歴も異なるメンバーが、互いを尊敬しあいながら
茶事を積み上げて来られたという事は
本当に素晴らしい事だと自賛しています。


2003年4月30日

初めて五事式の茶事を体験したときのことですが
流儀の先輩が「お稽古茶事だからお気楽に」と誘ってくださいました。

長年修行を積まれた諸先輩に囲まれての初体験の五事式でした。
とても良いスタートを切らせて頂いたと、今でもとても感謝しています。

今年、その時の先輩と
再び五事式の茶事をする機会に恵まれました。
会場は先輩のご自宅です。
「あなたの修行の成果を拝見したいから」と
茶事のすべての準備を整えて、私に花(亭主)を所望されました。
予感はあったものの予習なしの本番です。

連客のみなさまの温かいまなざしの中、
茶事を無事終了しました。
「良く修行なさいましたね」というねぎらいの
お言葉を頂いて、
先輩の懐の深さを
思うと共に
私も後に続く人にこの恩をお返ししたいと痛感した五事式でした。


2002年4月30日

今年も炉の晦に五事式の茶事をしました。
今回は茶事百戦錬磨の正客様をお迎えし、心も新たにして臨みました。
席入りの時はあいにくの空模様となりましたが、
雨が茶席に作り出す陰影もまた格別です。

初座は廻り炭です。
今回は、連客様の日頃の修練に支えていただいて
手早く廻り炭が進みましたので
灰から掘り起こした種火を二つに割ったとき
炭が真っ赤に色付いていました!

しばらく炉の花ともお別れですので、
廻り花では、椿にも名残を惜しみたいと思い、椿を探しました。
この付近の椿はすでに散ってしまっています。
あちこち走り回ってやっと一輪の「春の台」を確保できました。
正客様からは「良く椿が手に入りましたね」との嬉しいお言葉!

仙遊 花月 一二三 と式は滞りなく進んで
今年の五事式の茶事を終えました。


2000年3月26日

懐かしい茶友を正客にお招きして、五事式の茶事をしました。
今回は 廻り炭 懐石 花寄せ 仙遊 濃茶 花月 一二三の式 の順に致しました。
春の一日を共に修練できる幸せは 裏千家の茶道を学び続けた賜です。
次回のお目もじが楽しみです。


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