沢田聖子のそよ風の街角コンサートレポート

In My Heart Concert2000
00/6/4(日)




 指折り数えて驚いたのだが、聖子さんのメイン(と、勝手に思っている)のライブ活動である「インマイハートコンサート」は10カ月ぶり。ジョイントやイベントを除いたソロライブでも6カ月ぶりである。
 ファンクラブに入るまでは情報に乏しく、このインマイハートコンサートしか観ることはなかったけれど、何となく年2回、というイメージを持っていた。去年はライブとイベントあわせて7回聖子さんに触れているが(もちろん、触ったと言う意味ではない!)、メインのライブが一回しかなかったことになる。(レポートは6こしか書いていないけれど)
 シリーズが増えているのは確かだけれど、フルバンド編成によるインマイハートコンサートが年2回欲しいところだ。
 というわけで、随分大きな期待を持って、ライブ会場へやってきたのである。

 開演に先立ち、馴染みのSさんとステージのセッティングの見聞。Sさんは昨日の名古屋公演も見ているから、解説をお願いした。
 開演前のステージ上は暗くて奥の方がよく見えなかったが、バンド経験もあるSさんの解説で、「いつもとだいぶん違う」ことがあきらかになる。
 バンドメンバーの紹介などはステージの合間のMCで順次行われたし、バンド編成自体の組み替えもあったのだけれど、先におおよそ紹介しておこう。

 のざきよういち(漢字がわかりません)・・・キーボード
 メーカーがいつもと違い、KORG(シンセ?)とKAWAI(エレピ?)。ピアノ、アコーディオン、ピアニカなども曲により演奏。
 あくいきいちろう(漢字がわかりません)・・・ドラム・パーカッション
 ドラム編成がいつもと異なり、タムがひとつ多い。そしてシンバルがなんと6枚。ただしキックペダルはないようだった。
 今出宏・・・ハーモニカ・ギター・コーラス  久しぶりのステージサポート。腰のホルスターに数本のハーモニカを差していてかっこいいです。
 山本なおや・・・(漢字がわかりません)・・・ベース・ギター
 音楽的なことはわからないですが、これまでの方と奏法が全く違っているのか、別の楽器に思えるほど。興味深いです。
 坪井寛・・・ギター(エレキ・アコースティック)・フラットマンドリン・コーラス
 アコギもいいけど、つぼやんはやっぱりエレキギターですね。
 沢田聖子・・・ボーカル・ギター・ピアノ・アコーディオン
 以前はどの曲の時にどんな鳴り物を使ったかレポートしたけれど、今回は省略!

1.No Goodbye
2.自問
3.距離を越えて
4.いつか君に
5.春の娘
     わあー! これはのっけから意外な展開。マイナーコード曲4連発! 弾き語りだったらズドーンと暗くなるところだろうね。ところがこれをフルバンドでギンギンにこなしていくので、ちょっとメッセージ性の強い古いタイプのロックって感じ。わるくない。聖子さんの唄はもともとイメージや雰囲気ではなくて、歌詞に強い主張を持っているのが多いから、こういう聴かせ方の方が受け入れやすくて、うったえる力も強いんじゃないかな? レコードやCDで聴くと(ご近所の手前ボリュームをセーブするせいもあるけど)アップテンポのハードな曲ばかりとは言い難い。にもかかわらず、さすがはライブ会場、さすがはフルバンド。迫力満点。もちろん全て知っている曲だけれど、懐かしい曲ばかりでタイトルを思い出せなかった。まさか「坂道の少女」からセレクトされるとは思ってなかったもんね。聖子さんはアコギ、坪やんがエレキ。「春の娘」は坪ヤンはアコギで。MCも皆無に近く、どんどん続けてやるのもいい。ライブのスタートはやっぱりグイーッて引っ張っていって欲しいよね。

6.初恋
    この曲、「初恋」っていうタイトルだったんだ。すっかり忘れていた。メジャーコードのバラード曲。透き通った感じのするこの曲を、坪ヤンによるアコギの早いコードストロークと、流れるようなエレピが見事に演出。

MC
 ようやくMC。こんなのも珍しいね。
 ここでは主にはじめてのメンバーの紹介。血液型の話題とか色々あったようだが、詳しくは覚えていない。申し訳なし。
 年齢もこの二人の加入で随分若返ったとのこと。ドラムのアッキーとベースの山本さんが思いっきり茶髪。ステージ上ではいいけれど、街を歩くと浮くだろうなあ、と余計な心配をしてしまう。(だって、年齢が・・・・30代だしね)

7.夢物語

    やっと気が付いたんだけど、5曲目からは曲ごとに随分演奏がかわっていた。一曲ずつ丁寧に演出しているのがわかる。さらにここからは編成の変更が行われた。全員がちょっと前に出てきて楽器を持ちかえる。
    キーボード→アコーディオン。電子楽器から離れて、パイプ椅子に座る。ハーモニカ→ギター。ドラム→パーカッション。ただし、スネアドラムだけ傍らにセッティングされている。
    夢物語は聖子さんがアコーディオン、坪やんはフラットマンドリン、そしてパーカスはスネアを中心とした演奏。シャンソン風? なんて一瞬思ったけれどシャンソンがどんなのかチャンと知らないから、書かない。(あ、書いてしまった)

8.すべては君のためだけに
    坪やんと山本さんのアコギ2本構成。正統的なフォークソングという感じでちょっと切ないラブソングを彩る。

9.約束
    もしかしたら、ここ数年はシオンに次いでたくさんライブで披露されている曲ではないだろうか? ファンの間でも根強く、リクエストも多い模様。まだ遠距離恋愛なんて言葉が一般化していなかった時代の作品だと思うけれど、いつまでも心に染みる曲。のざきさんのピアノと今出さんのハーモニカのみ。のざきさんは電子楽器を扱うときとまるで奏法が違い、一人でリサイタルを行う「ピアニスト」みたいな演奏で聴かせる。ピアノの表現力の深さを感じた。残念ながら聖子さんのピアノではここまでは表現しきれない。

10.明日をかえたい
11.笑顔が好きだから
    アレンジとしては、少し前のアコースティック風フルバンドを踏襲したライトな感じ。ベースやドラムを使わない。重厚にドーンとせまってはこないが、ひとつひとつの音がピュアに響いてくる。

MC
 かぐや姫の復活ライブに行ったことを中心に。この間にアコースティック編成の楽器を撤収。

そして、メンバーが退場 ここから聖子さんのピアノ弾き語り

12.まっすぐに愛
13.シオン

メンバーが再び登場 今回の基本フルバンド編成に戻る
14.Hold on tight to your dream
15.せつなさを抱きしめて
16.ガンバレ!
17.一緒に暮らそう
18.風を感じて
19.smile
20.In my heart

    メジャーコード&アップテンポの曲をこれだけ続けてやることは珍しいかも。パワー炸裂のフルバンド編成ならでは。どこかに短いインターバルがあり、また、楽器の持ち替えも若干あったけれど、もうメモしていない。(ごめんね。このあたりを詳述しているのが僕のライブレポートの特徴で、他のサイトのライブレポとの差なんだけど・・・ノリノリで放棄しちゃいました)
    客層が違えば総立ちタテノリだね。僕は立たせていただきましたけれど。同じ時間と空間を共有してすごく快感でした。
    と、いうのも、理由がありまして。僕はライブでは「一緒に声を張り上げて唄いたい」という欲求が凄く強いんです。でも、ピアノの弾き語りとかになると、そんなことしていたら周囲の人に迷惑ですからね。遠慮してるのよ。ピアノの弾き語りもそれはそれで凄くいいんですけどね。(最近は2種類のライブシリーズがあるから嬉しいです)
    客席も真っ暗ではなくて、ステージからある程度見えるみたいでした。聖子さんも「一緒に唄って!」というのが好きらしくて、スタンディングで一緒に唄っていると時々目があって、そういうときは微笑んでくれました。ウレピー!!! なんだかミーハーですけど。
    「一緒に暮らそう」は未発表曲。松下電工の「家屋の新築・改修」販促用ビデオのテーマソングとなっている。だから、新しいお家で「一緒に暮らそう」なんだろうけれど、この曲、すごくいい。悪いけれど表に出ない販促用ビデオにしておくのは惜しい曲。核家族とか両親共働きなどが社会的にあれこれいわれたのは遥か昔のことだけど、「家族みんなで仲良く一緒に暮らそうよ」というメッセージが込められたこの曲は、こんな荒れた世の中にこそ、今の生き方を問い、そしてとても暖かな気持にさせてくれる、なくてはならない曲だと思う。歌詞を噛みしめていると涙が出た。
    今回のライブには予定していたツレが急遽来れなくなったので、沢田聖子初体験(といっても昔の曲は結構知っている)というMを連れてきたんだけど。濃いファンでもほとんどが初めて聴く「一緒に暮らそう」を、Mはなんと一緒になって唄っている。どういうこっちゃ。Mの友人が松下電工の社員でショールームに遊びに行ったときに見せてもらったと言うことでした。「なんとか手に入れてくれ」と懇願したが、果たして実現には至っていない。うーん、無理かも知れないね。
    「In my heart」をこんな編成とアレンジで聴くのははじめて。CDだと「荘厳」な感じがしたけれど、このライブは「壮大」をイメージさせる演奏でした。

アンコール

21.君のために
22.Natural
23.友達

    これまたうれしー! 実は実は、「君のために」は僕の大好きな曲で、でも、これまで僕の参加したライブでは全くやったことがなく、アンケートでリクエストした記憶もないし、ファンの間でも話題にならないし、生で聴くのはあきらめていた。「友達」は定番の「みんなで唄おう」曲。

アンコール2

24.想い出のオルゴール

    ピアノの弾き語りでした。

 ここ数年の中では、最高の出来のコンサートではなかったでしょうか。
 全体構成もそうだし、曲ごとのアレンジもそうだし。まあ、僕の好みにあっただけかも知れませんが。
 しかし、最低なのがひとつ。場内アナウンスが棒読みだ。僕の方がまだ上手にアナウンスできるぞ。それに、まだアンケートを書いているのに会場からの追い出しにかかるヒートビートスタッフ、まだタイミング的に早いぞ。あと15分くらいは大目に見て欲しい。ホールはともかく、ロビーぐらいいいじゃないか。コンサートって言うのは、余韻も大切なんだから。(ライブの後、ドリンクを注文してくつろげた沖縄D−SETが懐かしいな)
 それはともかく、ロビーに「本日の曲目」が張り出してあったのには驚いた。ポスターか何かの裏に急遽書かれたらしく、折り目が付いている。(行がいがんだり行間がアンバランスになったりするのを防ぐために、こうするでしょう?)
 タイトルを思い出せない曲が若干あっただけに、これは助かりました。いったいどなたのアイディアでしょうか。続けて欲しいですね。


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