東京と名古屋(追加公演は除く)の公演は完売しており、大阪のみ当日券有りの様子だったが、会場を目前にしたバナナホール前はものすごい混雑だった。
バナナホールとしても異例の入りではないだろうか?
僕の整理番号は70番で、僕の記憶の中のバナナホールのキャパからすれば、この番号はかなり厳しいのではないかと思っていた。
ところが、顔見知りの人の話を聞くと、彼は一般発売で70番台のチケットを持っている。僕のようにファンクラブチケットを持っている人が先に入場し、次にバナナ直売のチケット、そしてプレイガイドなどの一般発売チケット、という入場順なので、それだけでも150枚は売れている。
入れるのか? 立ち見が大量に出るのではないか?
などなど恐慌をきたしていた僕は、会場に入ってびっくり。なんと、座席配置が変わっている。
バナナの客席は3段の雛壇になっているが、その一番前の部分からテーブルが撤去されて、丸椅子が並んでいるではないか。
パイプ椅子ではない。丸椅子だ。
しかも左右の余裕が全くない。一人分の専有面積イコール丸椅子の直径である。これはひどい。
2段目の雛壇はテーブル席だが、1段目から撤去されたテーブルが2段目と3段目に設置されてるのだろう、いつもよりテーブルとテーブルの間が狭い。
そこにじゃんじゃん人が押し寄せて、ざっと数えたところ、250人〜270人位の入場者数だ。
その後立ち見が出たとしたら300人に近づいていたかも知れない。
驚異だ。。。。。
MC集&ちょっとした感想
「気にしないで」の曲終了後、今の歌のタイトルわかりますか? と聖子さん。
「ネバーマインド」
「ぶー」
なんてやりとりが客席とステージで行われる。
正解は「気にしないで」。フレーズに「ネバーマインド」というのがあるからで、僕もメモに「ネバーマインド」と書いていたので、慌てて訂正する。
海外旅行の時、タクシーの運転手さんに「ネバーマインド」と言われたのが曲作りのきっかけだった。「ノープロブレムじゃなくて、ネバーマインドなんですね」
「あなたからF.O.」はシングルヒットを意識して、コード進行から先に生まれた曲であるとエピソードを披露。
クラウンからフォノグラムへの移籍は、アルバムはコンスタントに出るものの、シングルヒットが出ないので、事務所(イルカオフィス)の判断で当時ヒット曲作りが上手かったフォノグラムへの移籍をしたようだ、という話題。本人曰く「迷いに迷ったフォノグラム時代」だそうで、ヒットチャートにのせるための曲提供を受ける中、シンガーソングライターとしてのスタンスに揺れを感じていた時代なのだそうだ。
しかし、と言っていいのかどうか迷うところだけど、僕は結構この時代の曲が好きだ。
「今日のステージは、『あの頃を思いだして』という昔の歌を弾き語りで聴いてもらうライブで、去年に続き2回目。前回はファンクラブ限定で、一般発売をしなかったんですが、どこでききつけてきたのか、質問や問い合わせが事務所にきたんです。ファンクラブ会員でなくても聴きたい、とか。ファンクラブに入ればいいのにね」
当時曲提供や詞の提供を受けた方々の話。実際にお目にかかる機会はあまりなかったようなのだが。MCでは西島三重子さんや佐藤純子さんの名前が出た。他に秋野渚さんや中里綴さんなどの詞も僕はお気に入りである。
ステージに飾られた4枚の懐かしいポスターは、前回の「あの頃を思いだして」と同じく初期クラウン時代のもの。「探したんですけど、フォノグラム時代のポスターが無くて」
過去の栄光(?)夜のヒットスタジオ初出演のエピソード。なんと、チャゲ&飛鳥と同じ日に初出演だった。
快調にお喋りをとばす聖子さんは、両親の話題まで。(確か、ダディーズフォトグラフという曲を受けての話題だった)
父親は定年退職した後、やりたいことをやるんだと、主婦業を始め、母親は「一家に主婦は二人いらない」と、外で働き始めたとか。今や実家に帰ると、父の手料理をたらふく食べてくるらしい。(おいおい、あなたも主婦でしょう?)
アルバム「TOOTOO」のジャケット写真は、小樽で撮りました。でも、顔がアップ過ぎてどこで撮ったのかさっぱりわかりません。
「都会人」の前には「これからする曲はなにかわかりますか?」と、当時のエピソードを語る。シングルヒットを狙った作品であり、この曲を頂いたときは随分悩んだ、などなど。とすれば、間違いなく都会人であると気が付いた。会場からも「都会人」の声が飛ぶ。いつだったか「この曲は嫌いで2度と唄うことはない」と何かの機会に語っておられたが、それも過去の話と吹っ切れたということだろうか?
個人的には「都会人」は悪い曲ではないと思う。ただし、詞のワンフレーズが失敗で、この曲から普遍性をなくしてしまった。言うまでもない、「流行のカフェバーで」という部分だ。ここがいかにも陳腐なのだ。例えば、「夜に賑わう店で」などとすれば、いつの時代にも通用する歌になったはずである。「ルージュなんてお前に似合わない」なんて詞は人を惹きつけると思う。いつだってそういう女の子はいるものだ。
かぐや姫再結成と紅白出場、南こうせつのサマーピクニック復活、沖縄のアマチュアバンド「かぐやひも」などの話。実はかぐや姫再結成の影の功労者が、沢田聖子と村下孝蔵なのだそうである。聖子さんと山田パンダさんがジョイントでライブをやっているということを、村下さんが伊勢正三さんに語ったのがきっかけだったとか。聖子さんと村下さんはジョイントで一緒にあちこち回る仲だったので、聖子さんを通じてパンダさんのことを聞き知っていたわけだ。
「へえ、パンダさんまたライブやりはじめたんだ」ということで、かぐや姫再結成への背中を押すことになった。
直前のパンダさんとのジョイント(大阪と沖縄)でも、チラチラと紅白出場の話題は出かかっていたのだが、この日が正式発表だった。
ライブのところどころで「聴きたい歌はありますか」と、何度か会場に話しかける聖子さん。会場からリクエストが飛ぶが、最初の数小節だけをくちづさみ、「ご満足いただけましたでしょうか?」に会場が湧く。なかには思い出せない曲もあり、客席から歌詞の冒頭を教えてもらう一幕も。
フォノグラムに所属していたときの歌に限定しているのだし、ソロの弾き語りなのだから、マジでリクエストに応えるコーナーがあっても良かったと思う。ピアノが無理ならワンコーラスだけのアカペラも悪くない。伴奏無し熱唱はいままでにも披露したことがあるし、マイク無しで会場に声を響かせたことだってあるんだから。
今後のライブの予定についても簡単に触れた。年末に川崎で行われる「アコースティックパーティ」、冬の間富良野で行われる「チャペルコンサート」、そして大阪には6月にコンサートが決まったとのことだった。
一度くらいはチャペルコンサートにいきたいものだが、果たして今シーズンは北海道へいけるだろうか?
===曲目===
1.雪ひとひらに
2.気にしないで
3.あなたからF.O.(フェイドアウト)
4.アスファルトの上の砂
5.愛をいそがずに
6.今夜の靴は踏みはずして
7.ダディーズフォトグラフ
8.冷たい言葉で傷つけて
9.都会人(ギター)
10.あなただから(ギター)
11.季節〜シーズン〜(ギター)
12.想い出のオルゴール
13.ひとりぼっちの破局(カタストロフィー)
14.風の予感
15.Just a Minute!〜時を止めて
16.ナチュラル
17.小さな船
18.アデュー(アンコール)
19.Don't forget forever(アンコール)
20.まっすぐに愛(ダブルアンコール)