暑くて暑くてどうしようもない日曜日。この日は事前にオフ会が予定されていたが、僕は「仕事の都合で間に合わないかも知れない」と連絡をしてあった。
実際は間に合ったのだけれど、たまたま入ったパチンコで「確率変動」してしまい、しかも連続遊技オッケーの「3」でのスタート。5回フィーバーしているうちに間に合わなくなってしまった。
オフ会に参加しなかった分、先に会場に着いてしまい、列に並んで開場を待つ。そこにオフ会のメンバーが登場したのだけれど、「指定席」なのにどうして並ぶのか不思議だったようだ。
今日のライブは色々と見所がある。
久々にドラムを加えてのバンド編成であること、そしてオープニングアクトにemikoを迎えてのコンサートだ。
emikoは「沢田聖子の妹分」として、5月1日にCDデビューしたばかりの新人で、SMCが送り出した純粋の新人といえる。
事務所には結構前から所属しており、ピアノやボイストレーニングを受けながら、スタッフとして活躍していた。
時間になり会場入りし、懐かしい顔と歓談をするうちに開演間近となる。
いつもならステージ上の楽器類をシゲシゲと眺めるのだが、リズム隊を加えたフルバンドにパーカッションもあり、所狭しと並んだ楽器類は全てが判然とはしない。そうこうするうちに開演となった。
オープニングアクトemikoのステージ(全曲ピアノの弾き語り)
最高の笑顔でステージに登場するが、歌やMCは相当緊張している様子が伝わってくる。
1.どんなにつらい事があったとしても
「逮捕しちゃうぞthe MOVE オリジナルサウンドトラック」に収録された曲で、emikoの作詞作曲。CDデビュー曲でもある。早くシングル出してくれないかな。
2.遠くで
5年前、事務所の社長に出会い、そして聖子さんのピアノの弾き語りを聴き、それまでまったくピアノと縁があったわけではないのに、みんなの薦めもあってピアノのレッスンを始めたemiko。まだ上手く手が動かないときに、聖子さんから練習曲としてプレゼントされたのがこの曲だそうだ。
3.Yell〜あなたの隣で〜
99年4月〜6月まで「板東英二の欲張り家(ハウス)」のエンディングテーマとして流れた曲。(現在は聖子さんの「ガンバレ!」が流れている)CDデビューより早くテレビで毎週曲が流れていたわけ。
emikoのピアノはベース音の力強さがメリハリを強調して、歌全体を引き立たせていた。これからを応援したいアーティストだ。
沢田聖子のステージ(フルバンド編成)
編成は、エレキギター&アコースティックギター(坪井寛)、ピアノ&シンセサイザー&アコギ(戸塚修)、ペース&フルート&アコギ(山内かずよし)、ドラム(あくいきいちろう)、パーカッション(大石まりえ)、ボーカル&ギター&ピアノ(沢田聖子)
1.Natural
2.ボヘミアン
3.smile
4.風の予感
のっけからアップテンポ、メジャーコードの曲3連発! そして、若干の挨拶を後に、4曲目。さすがにドラムがあると迫力と音の広がり、そして曲のメリハリが違う。ベース・ドラム・エレキギター・シンセと揃えば、ほぼCD収録時のアレンジが再現できて、ものすごく馴染みやすい。smile発売時は、僕も既にファンクラブ会員で、自分の中の沢田聖子もそれなりに落ち着いた場所にいたのだけれど、これ以外の3曲はそれぞれレコードやCDでその時代と共に感慨深く聴いた曲だ。おもわず涙が出そうになる。特に「風の予感」は、タイトルを頂いて僕がwebで連載している小説だ。坪ヤンはおそらくエレキをアコギに持ち替えていたはず。(場所が悪く見えない)
5.約束の場所
6.少年とドルフィン
アルバム「海からの贈り物」に収録された2曲。パーカッションの綺麗なイントロとシンセの効果と、濃いブルーを基調とした照明もあいまって、深い海の底にいるようなイメージを演出。
7.シオン
聖子さんは「とても大切な曲です」と、MC。弾き語りなどでは普段ピアノで演奏するメロディーが、坪ヤンのアコギで再現される。ピアノのイメージが強い曲なんだけど、ギターにも良く合う。
8.約束
この曲ではフルートが入る。web上でも何度か語っているが、「約束」とかなり似たシチュエーションに自分がいた頃があり、それが曲の発表時期と重なっていたた。実は当時はそれほど心に響かなかったのだけれど、幸い「約束」が成就したため、今ではものすごく僕にとって大切な曲になっている。涙が出る。
9.あなたからF.O.
ファン以外の人から定評のある曲。といっても、僕の周囲だけなのかも知れないが。遊びの要素も含めて、聖子さんの曲の中ではもっともテクニカルにアレンジしやすい曲のひとつではないかと思う。今回は、訊くところによるとギター5本による演奏だとか。(だから、場所が悪くてステージの全てが見渡せないの)。確かに、聖子さんと戸塚さんと山内さんはギターを持っていた。坪ヤンは間違いなくギターだろうし、この曲にパーカッションははずせないから、ドラムさんもギターに持ち替えていた?
MC
長いMCで定評のある聖子さんのコンサートだが、今回、MCらしいMCはここだけ。今は亡き村下孝蔵さんを偲ぶ話である。僕もレポートしているヒートビートでの聖子さんとのジョイントライブが、おそらく村下さんの大阪での最後のステージだった、その前日も湯村温泉でジョイントライブを行ったなどの想い出話をする聖子さん。
湯村には著名人の手型をとって展示されており、聖子さんと村下さんも手型を取ってきたとか。完成までにはまだ時間がかかるらしいが、是非見に行きたいとのこと。僕も行きたい。
涙をこらえることが出来ず、時々つまりながら語る聖子さんでした。
10.風の便り(村下孝蔵)
11.夢の中へ(井上陽水)
「夢の中へ」は村下さんとのジョイントライブでよくやった曲だそうです。コーラスがとても綺麗でした。
ライブで歌うにも著作権使用料が絡んでいて、事前にJASRACに申請をして、会場のキャパや入場料や曲の長さに応じた著作権使用料を支払わなくてはいけない、ということを知って以来、自分の持ち歌以外をライブで聴くと、このことを思い出してちょっと白けてしまったりする。余計なことを知らなければ良かった。
メンバーが退場 ここから聖子さんのピアノ弾き語り
12.さよならも言わずに
13.流れる季節の中で
14.悲しむほどまだ人生は知らない
15.振り向けばいつもあなたがいた
いったい何がきっかけで聖子さんのコンサートに来たのだろう、僕の斜め前に20代前半と思われる女性二人組がいて、ずっと気になっていた。何が気になっていたかというと、ここまでフルバンドでの演奏だったので、楽しく迫力のあるライブだったけれども、悪く言えば、多くのアーティストがテレビなどで演奏するのと大差ない、ということだ。やっぱり沢田聖子の魅力のひとつとしてピアノの弾き語りを聴いて帰って欲しい。僕は新しいファンに対してそういう気持になりつつあった。しかし、ちゃんとそういう曲も用意されていたのだ。
この中で僕は「悲しむほどまだ人生は知らない」に一番共感している。この曲の発表当時、僕は別に落ち込んでいたわけでも何でもないんだけど、本当に心が震えた。生きていると、どこかの時点で、なんらかのきっかけで、「あの頃は良かった」と今を悲観することは一度や二度はある。そんなとき、一体誰が、「悲しむほどまだ人生は知らない」なんて思えるだろうか。普通は思えない。どうしてこんな詞をつむぐ事が出来るのか。僕が聖子ファンになった決定的な曲がこれである。
メンバーが登場 再びフルバンド編成に
16.風を感じて
17.笑顔が好きだから
18.走って下さい
19.ガンバレ!
タイミングとしてはここで立つべきだった。ファンクラブ優先予約なので5列目(優先予約としては悪いほう)であり、こういう前の席だと、会場の様子が掴みにくく、立つタイミングがわかりづらい。もっとも他人のことなど気にせず立てば良かったのかも知れない。気持ち的には立っていた。
しょっぱなと同じく、アップテンポ&メジャーコードの曲で、曲紹介もMCも挟まないメドレー風。(曲と曲の間に区切りはあったが聖子さんのいつものステージからすればメドレーといって差し支えないだろう)
いずれもテレビに関連する曲ばかり。「風を感じて」は予定とは異なり未だに「笑顔が一番」のオープニングに採用されていないが、番宣では流れていたという情報もある。「走って下さい」はタイアップではなく、「熱闘甲子園」で採用されたとか。僕はリアルタイムでは知らない。
20.雨よ流して
懐かしい曲。フルートも入ってしっとりとした感じ。ミディアムテンポ&メジャーコードで、とりあえず最後の曲となる。立っていたらここでいったん座ることになるのだが、はたして曲順はこれでいいのだろうかと、ふと疑問を感じた。
アンコール
MC
ここでようやくメンバー紹介。ひとりづつ入場するメンバーに「どうでした?」とマイクを向ける聖子さん。後ずさりをする戸塚さんがおかしかった。
パーカッションの大石まりえさんは、なんとなんと、イルカオフィスからイルカの妹分としてデビューした聖子さんの後輩なのだそうだ。
その他のメンバーは、山内さんとアッキーが、聖子さんと同級生。坪ヤンももう32歳などと、年齢の話になる。
それから近く行われるイベントライブ(愛は地球を救う)の告知。こちらは情報コーナーを参照してね。
また、12月には「あの頃を想い出してスペシャル」を実施。去年「あの頃を想い出してVol1」があり、今回「Vol2」ではなく「スペシャル」なのは、前回はファンクラブ会員限定だったのが、今回は一般発売するからのようだ。「Vol1」と同じ時代の曲をするようである。
長いMCの後、差し入れタイム。以前に比べて差し入れタイムは短くなっており、ステージ上の聖子さんに直接渡すのではなく、入場時にスタッフを通じて渡すのが主流になりつつあるようだ。賛否両論あるだろうが、僕はスタッフ経由でいいと思う。
21.PRESENT
22.Don't forget forever
23.友達
ほとんどの人が立っての手拍子。「Don't forget forever」は初めて聴いたときステージのオープニングにふさわしい曲だなとか思ったけれど、なかなか聴くことが出来なかった。「友達」は定番の合唱ソングで、僕も気持ちよく声を出した。といっても、静かな曲以外はほとんど一緒に唄っていたんだけどね。手拍子を打ちながら一緒に唄っていると自然と笑顔になって来るんですよ、僕は。最高にハッピーな一時です。ほぼ200曲ある発表曲のほとんどが唄える自分って、なんかすごい。(知らない曲もあるよ。「ノンストップエレベーター」とか。いったいどんなエレベーターだろう?)
24.インマイハート
アンコール2
「本日の公演は全て終了しました」のアナウンスと共に会場が明るくなるが、手拍子はなりやまず、席を立つ客もほんのわずか。
2回のアンコールを経験することは珍しくないけれど、たいてい事前に用意されていて、アナウンスが流れることはない。
そして、「終了」のアナウンスが流れれば、もう一曲だけ聴かせてよ、という想いがあっても、客は席を立ち始める事が多い。
そういう意味で、これは純粋のアンコールである。
前日の名古屋で同様の現象があり、このあとアカペラで一曲歌ったという情報が事前に流れていたせいもあるらしいのだけれど、僕はもちろん知らなかった。
25.初恋(村下孝蔵)