沢田聖子のそよ風の街角コンサートレポート
Best Seloction Vol.1 あの頃を思い出して 1979〜1983
大阪バナナホール(1998年8月1日)
8月1日といえば、大阪ではでっかいイベントが行われる日です。
PLの花火大会。
富田林、河内長野周辺の電車はとにかく寿司詰め状態になり、道路は閉鎖され、会場の周辺ではりっすいの余地なく人がうごめく。
会場から遠く離れた場所でさえ、花火が見える限られた場所に、うじゃうじゃ人が集まってくる。
例えばそれは、ビルの屋上だったり、高台の公園だったり、障害物の少ない河川敷だったり。
大阪の人々がお祭り気分で大移動するわけで、猛烈な暑さの中、浴衣姿の女の子達が、うろうろしたりする。
残念ながら、バナナホールに集まった沢田聖子ファンクラブの面々は、ボクの予想よりも女性メンバーが多かったにもかかわらず、浴衣姿を目にすることは出来ませんでした。
浴衣はね、見てる方は涼しげでいいかも知れないけれど、着てる方は大変なの。暑いし、動きにくいし、着崩れたらどうしようと気になるし。
以前そんなことをきいたことがあるので、何か楽屋裏を見てしまった想いがするのか、「夏祭りに来る女性は浴衣でなくちゃならん」というほどの強い思い入れを持つことが出来ない。
17時過ぎにバナナホール前に着くと、もう20人弱の人たちがいる。ホール入り口を塞ぐようにして、外を向いてキンチャンの姿も見える。
ボクはつまらないことに神経質で、「本当に今日の公演だろうか。中止になっていないか、日にちを勘違いしていないか」というのが、本当にいつもいつも気になるのだ。
で、会場までやってきて、「本日の公演○○○○」と書かれているのをみるまで安心できない。
とくに今日はツレがいる。会社の後輩の女の子で、おそらく観客最年少ではないかと思ったりしているが、ファンクラブ限定イベントに、「沢田聖子を初めてきく」というひとが紛れ込んだわけである。
会社でボクがアコースティックラブバラッズをかけていて、「いいですね、これ」とつぶやいたのが運の尽き、あいやいや、きっかけでありました。
開演待ちの人たちが道路にはみ出しはじめ、バナナのスタッフが「道路に出ないで下さい」と、ときおり観客整理をしている。周辺から苦情が毎日のように出るのだろう。
客がいないと商売にならないけれど、その客が苦情を誘発し、商売の邪魔になってしまうというジレンマを、ボクは良く理解できる。
うちの職場がそうなのだ。うちの場合は、ひとではなくて路上駐車。
しかしこのくそ暑いのに、狭いホール前のわずかな場所に、全員が集まれるか。早く中に入れてくれればそれでよろしい。
開場はほぼ時間通り、整理券番号順の入場で、入れば自由席。グランドピアノがデンと置いてあったので、舞台に向かって左側に座る。ピアノを弾く指が見えるからだ。
ボクと後輩の女の子は、ドリンクにビールとワイン、フードは唐揚げにフランクフルト。なんとなく居酒屋の様相を呈してきた。
本日のフードはポップコーンとフライドポテトがわりあい売れているようだ。
4人テーブルなので、あと二人座れるようにと、僕たちは横並びで座ったのだけれど、長い間誰もやってこない。結局、所要でぎりぎりに駆けつけたつばクロウさんがやってきた。知っているひとでやれやれである。
タイトルでネタバレしているけれど、そう、登場した聖子さんは浴衣姿。
舞台左右に2枚づつ古いポスターが提示されていて懐かしい。
おしゃべりも、「ファンクラブのイベントである」「今日は、初期の4年間の曲をやる」「あの頃を想い出して」なのである、ということを意識したもの。
普通のコンサートなら「先日沖縄でダ(ラ)イブをしまして」とか「テレビ番組の収録をしまして」などの話題がメインになるようだけれど、今日のテーマは「あの頃を想い出して」
駅張りポスターのそばに立って、誰か気が付いてくれないかなあと、待っていたことがあるとか、「留年するかも知れない」と言う状況に立たされながら、「卒業」を歌っていたとか。そんなエピソードを語ってくれました。
そんなわけでMCも長かった(ような気がしただけで、実はいつもとあまり変わらないらしい)り、話題があっちこっちとんだりしながらで、曲の途中のMCの内容を割愛して公演曲を紹介します。
- さよならも言わずに
- シオン
- ミモザの下で
- キャンパススケッチ
- みどりの頃
- 青春の光と影
- 落ち葉の部屋
- 春
- いつか君に
- 憧憬
- 遠い街にあこがれて
- 卒業
- 真くんへの手紙
- 青春エピローグ
- 流れる季節の中で
- ラストバケイション
- ボヘミアン
- モニュメント
- 素敵な朝(アンコール)
- 走って下さい(アンコール)
- 雨よ流して(アンコール)
アンコールではGパンとTシャツに着替えて、手足をぐいぐい動かしながら、さあ、やるぞ、という感じで登場しました。浴衣の時は、歩く姿さえいつもと違っていたんですが。
今回のライブは例外なし、全てピアノの弾き語りだったのですが、ピアノの表現力の深さ・広さというのはすごいなあと感じたのでした。
レコードできいたとき、そうそうイントロのメロディーは確かこんなんだったなあ、というのを、当時の記憶鮮やかなボクの耳に、ピアノだけで再現してくれますから。(特に最初の方の曲)
どの曲か忘れたのですが、エンディングでは高音部だけを使って、まるでオルゴールのような旋律まで聴かせてくれましたし。
初期の頃の曲って、こんなにマイナー調の曲が多かったかなあ、とも感じましたね。
ツレの感想は「まことくんがいちばんよかった」そうです。ボクは相変わらず「走って下さい」ですね。
思い入れの強い曲ではあるのですが、それ以上にピアノの迫力や力強さが耳に残りました。エレピではこうはいかないですね。
こう書くと、なんと名古屋がエレピでの弾き語りだったそうです。ううんん。多分アレンジが少し違うんだろうと思うんですが、悪いこと書いちゃったかなあと反省してます。反響があったので、今更書き直さないことにしますね。
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