沢田聖子のそよ風の街角
  沢田聖子のそよ風の街角

 
 
 

聖子さんへの思い入れを熱く語ります

 

 ラジオからシオンキャンパススケッチがよく流れていたのを覚えています。後でデビュー曲は後者だと知ったのですが、どちらかというと、前者の方が、メジャーだった印象を今でも持っています。
 彼女についていたキャッチフレーズはイルカの妹分(イルカオフィスのオーディションを受けてデビューしたのでした)であり、セーラー服シンガー(高校生だった)でした。
 そして、もうひとつ。松田聖子と沢田聖子、一字違いで大違い。何が違うかというと、名前の読み方。ラジオのパーソナリティは、結構混乱して紹介していたものです。
 でも学校などで話題になるのは、もっぱら松田の方ばかり。気がついたら、松田ばかりが、テレビにでるようになり……、だけど僕は沢田に夢中になっていた。
 ハスキーなのに透明感のある声が、不思議な魔力と共に、僕の心の奥まで響いた来るのでした。



      アイドルだったあのころ

 あのころ、といわれても、どの頃だったか、はっきり思い出すことは出来ません。20年近くむかし、ということになるでしょうか。
 聖子さんは僕よりほんの少し年上で、その歌の世界も僕の青春よりも2〜3年先を歩いていました。
 常に、その詩の世界は憧れだったのです。
 少年にとって「彼女が欲しい」とか、「女の子の憧れの的になりたい」とか、それは物語だけの世界ではなくて、とても生々しい現実的な問題です。けれども、実際にそういう恩恵にあずかれるのは、クラスメイトの中で一人か二人、限られた存在でありました。
 僕はテニス少年ではありませんが、聖子さんのような女の子に、キャンパススケッチや雨の日のサンシャインのような、「想い」や「行動」をとらせるようなシチュエーションは、男の子の永遠の憧れでしょう。
 そうしていつしか少年も少女も大人になり、恋に恋する時代を卒業して、「見た目がかっこいい」「スポーツマン」といった第1印象的なもてる要素から少しづつ遠ざかって、現実の出会いと別れを繰り返していくのでしょうね。



      今も借りたままのあれこれ

 KBS京都のハイパーナイトを雑音にめげず一度だけ聞いたことがあります。その前の週かまたはもうひとつ前の週か、一通のお便りがその時の話題の発端でした。
 実際のラジオの中でのやりとりはともかく、僕は別のことに思いを巡らせていました。
 借りたままになっているもの。
 聖子さんの「青春の光と影」「少女期」そして、本の「少女期」。
 本当の所持者は、僕と妻の共通の友人で、僕たちの仲人を務めたあげく、離婚をしてしまった(おいおい)という経歴の持ち主。彼女は再婚をして遠くへ行ってしまったので、返却することはもうかなわないんだろうな。
 写真集「Potential」も持っていますが、今頃になって、ファンの間で、これほど騒がれる写真集になるとは思ってもいませんでした。発売日に買ったのですが、当時をれほどねっしんなふぁんだったかどうか、実は自身がないわたし。



      悲しむほどまだ人生は今も知らない

 聖子さんの詞のフレーズのいくつかが、今でも時々、頭の中を駆けめぐります。
 それまでは、音楽の中のストーリーとして、ある程度客観的に聖子ワールドを眺めることが出来ました。
 それが出来なくなったのは、「悲しむほどまだ人生は知らない」
 きっと今なら「すごい詞をかくひとがいるものだなあ」
 で、終わっていたかも知れませんが、その時の僕には、心の奥底までしみこんでくる、重大な意味を持ったフレーズでした。
 こんな事を言うと著作者からは「心外だ」といわれるかも知れませんが、聖子ワールドの中で、「悲しむほど...」と、同一の世界観を持った曲が、今でも僕は一番好きです。
 例えば、「切なさを抱きしめて」や新曲の「PRESENT」も、そんな印象を受けました。



      想いでの曲あれこれ

 ファンとしての熱中の度合いというのは、時とともに変化していくものだと思います。いまでこそファンクラブに入り、地方公演に時々追っかけたり、行動としては、かなり熱心なファンということになるのでしょうが、ある種それはライフワーク的になってしまっていて、もっともっと夢中だった頃がありました。
 逆に、熱が冷めていた時期もあります。一番熱が冷めていた時期と、聖子さんが活動を停止されていた時期が重なるので、他のファンの方のように、活動停止時期のじれったい想いを感じなくて済みましたから、幸いだったのかも知れません。
 まあ、そういう極端な例は別として、熱中の度合いは増えたり減ったりします。
 もっとも減ったからと言ってアルバムの購入をやめてしまう、なんて所までは冷めはしませんでしたが。
 そしてそのたびに、心に突き刺さるフレーズを突きつけられて、ぐいっと熱中への道へ引きずり戻されていったのでした。
 ライブで聞いたことはありませんが、「ステディーガール」や、一人関西を離れて(彼女とも別れて)暮らしていたときに聴いた「約束」、「悲しむほどまだ人生は知らない」は前述の通りで、同名タイトルの小説なんかも書いてみました。僕たちの結婚前にちょうど発表された「乗り越えていけるね」。
 妻はまた別な曲に思い入れが深いようですが、ここでは触れないでおきます。



      初めてのコンサート

 学生時代、友人が聖子さんのコンサートに行くと知り、嬉しいやら悔しいやら。身近にファンがいたという嬉しさと、自分は行けないという悔しさ。
 結局僕がはじめてライブに行ったのは、結婚後のことでした。
 沢田聖子を何も知らない妻を無理矢理引き連れての「アコースティックサマーコンサート」でした。
 あれ以来僕は聖子さんのことを「予習のいらないライブ」と呼んでいます。
 いままで色々な方のライブに行きましたが、残念ながら、それまでに曲を聞き込んでいないと夢中になれないことがほとんどだったのです。
 詞を知っているから、メロディーが耳になじんでいるから、口ずさんだり、手拍子をしたり、できるのですが、正直言って、先入観がなければ何を歌っているのかさっぱりわからない。
 でも、聖子さんの場合は違っていました。
 僕はほとんどの曲を知っていますが、妻は全く知りません。(あるいはシオンは知っていたも知れませんが)
 そのライブは一つ一つの音と歌声が、はっきりと耳に届く、クリアーでピュアなライブでした。それは今までにないライブ体験で、いくつもの音が重層的に重なったダイナミックな音楽を聞き慣れていた耳には、聖子さんのシンプルながら、まるで音符のひとつひとつがくっきり浮かんでくるような鮮やかな音楽が、とても新鮮に感じたものです。歌詞の一つ一つが理解できるのではじめての人も安心。予習のいらないライブとはそういうことです。聖子さんをまるで知らなかった妻がたった一度のコンサートでファンになりました。
 好きな曲の傾向は僕とははっきりと異なっているようです。
 地方ライブへの遠征は一人旅になるのですが、おかげで妻は認めてくれています。
 子供が大きくなったらみんなで、やがては二人だけで、地方公演を言い訳にして、旅に出ようね。
 それまでどうか聖子さん活動を続けていて下さい。
 イルカさんだって、冬馬君に子供が出来て、もうおばあさん、それでも現役ですもの。



      ネットフレンド

 僕は同一のホームページ上でいくつかの種類のコンテンツをアップしています。メインのコンテンツはどうも創作の方に片寄っているのですが、何故かチャットにお越しいただける方は聖子さんのファンが多いです。
 聖子さんの情報を扱ったページの方々とのお付き合いが一番はやく、リンクもそういう方々から始まったせいかもしれません。
 聖子さん関連のリンクはかなり充実していると、実はひそかに自負していたりもします。
 僕がページを作り始めた頃は、これから新たに聖子さんページに参入するのは難しいのではないかと思えるほど既に充実したページがいくつかあり、じゃあ自分はどんな取り上げ方をしようかと思い悩んだ結果、「曲紹介」のコーナーを作って、ひとつひとつの曲(全てではないのですが)にそれぞれコメントを付けてみようと思ったわけです。
 ところが、その後から聖子さん関連のページが、増えること増えること。
 聖子ファンはインターネットにはまりやすいと言う性質を持っているのかも知れません。
 そうして、ネットを通じて、ファン同士の交流がどんどん進んでいくのです。
 みなさんもお越し下さい。



      一流のシンガーへ

 「ヒット曲が欲しい!」
 ライブなどに行くと時々本人の口から聞く言葉です。そのわりには、ヒット曲を意識した売り方をしていないように僕は感じます。まず第一に、自分が納得できる活動をしたい。そういう想いが伝わってきます。
 だからこそ、20年を越える歌手活動が出来ているし、ファンも離れずにいるのだとも思います。やはり、ブームにのった手法というのは、ブームと共に去っていくものなのでしょう。
 けれどもある時、「アニメのエンディングテーマを担当することになりました」と知らされ、背筋がゾクゾクしたことがあります。
 それまでも聖子さんの歌は、ローカルのCMソングや昼のドラマのテーマソングに起用されたことはありましたが、いよいよゴールデンタイム、ほぼ全国放送のアニメです。
 「笑顔が好きだから」という曲で、アニメ「赤ずきんチャチャ」のエンディングテーマなのです。その後に「笑顔がいちばん」という日曜朝の旅番組のエンディングテーマとしても起用されました。
 その後、「笑顔がいちばん」のオープニングを担当することになり、おかげで「青空」「smile」「Present」と順調にオープニング曲としてシングルが発売、さらに今後「風を感じて」が予定されており、既にシングルカットされています。「風を感じて」のカップリング「ガンバレ!」もMBS系列の全国放送でエンディングテーマとしてタイアップされています。
 そうこうするうちにローカルながらテレビレギュラーを持つようになり、「smile」がオープニングに、「どんなときでもあなたを想っている」がエンディングに使われています。「うわさの町WA」というKBS京都の番組で既に4クール目に突入、今時としては長寿番組です。
 ひとつの曲がこのようにふたつ以上の番組でテーマ曲になるなんて、まるでビートルズクラスのアーティストだなんて思ったことがあります。
 テレビ大阪で「赤ずきんチャチャ」が再放送されたときなど、我が家のように「テレビ大阪」と「KBS京都」を両方視聴できる地域では、4番組で合計5曲、毎週テレビで聖子さんの歌が流れていたわけです。こんなことはメジャーなアーティストでもあり得ないでしょう。(メジャーだから掛け持ちすると支障があるのかも知れませんが)
 さて。
 僕は聖子さんのことを一流のシンガーだと思っていますが、「一流」を名乗るのに、もうひとつ要素が欲しいと思っています。
 それが、本人も言う「ヒット曲」です。
 アイドルじゃないんだから、常にヒット曲を出さなくてはいけない、などと言うことはありません。たった一曲でいいんです。
 沢田聖子と言えば、この曲、というようなヒット曲が欲しいんです。
 今まで一番売れた曲は「卒業」らしいですが、「沢田聖子? ああ、知ってるよ」といってくれる僕のまわりの人達にとっては、聖子さんの代表曲は「シオン」のようです。
 シオンは確かに代表曲です。
 でも、マイナーです。
 僕が望むのは、例えば、イルカさんと言えば、「なごり雪」と言われるような、誰もが知っていて唄える曲、です。
 今後の活躍に期待しています。


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