第 10 章



 
アクセスカウンターは嘘つきかも?

 自分のページにいったいどれだけの人が来てくれたか、これはとても気になります。

 そこで、ページにアクセスカウンターを設置し、自分で自分のページにアクセスをしてその数値をチェックします。個人ページにおいてはこれが最も一般的な訪問数を把握する方法でしょう。
 また、アクセスカウンターには、「このページにはこれだけの人が来てくれているんですよ」と訪問者に告知する意味もあります。どれだけページの完成度が高くてもテーマによって人気が左右されるのは仕方がないことですから、カウンターの数が大きいほど箔がつくというものでもありませんし、そもそもカウンターの数は操作できますから、箔付けとしてはあまり意味がありません。しかし、自分の応援するページのアクセスが増えていれば読者としても嬉しいものです。

 望む人が望むときに見てくれたらいいんだとアクセスカウンターを付けない人もいますし、正確な数字を掴まなくてはいけないからとアクセス解析のためのCGIを設置しているページもあります。表紙ページだけチラリと見て「ここは自分の望むページじゃない」と中身を見ない人がいることを考慮して、あえて表紙ページとは別のページにカウンタを設置し、「このページを気に入ってカウンタをひとつすすめてやろうと思った人だけそのページに行ってください」と宣言したページもありました。

 いずれにしても、アクセスカウンターの数値は「おおよその目安」にはなっても、正確な数とはいえません。

 なぜカウンターは正しい数値を示さないのか? なるべく精度の高いカウンターにするにはどうすればいいのか? これがテーマです。


 
カウンターが正しくない理由

 まず、正しい数値以上にカウンターが進んでしまう要因をチェックしましょう。

 ひとつは、先にも書きましたが、本来そのページを望まない人がアクセスした場合。これは正しく「読者」とは言えないでしょう。しかし、表紙ページにカウンターが設置されている限りは、そういう人の訪問もカウントしてしまいます。魅力ある表紙ページを作って、どんな読者も虜にする、というのなら話は別ですが、それが可能だとしても限度はあるでしょう。興味のない分野のページなら、そこで終わりなのですから。

 二つ目は、表紙ページに目次も掲載している場合です。一人の読者が色々なコンテンツを見てまわるのに何度も表紙ページを往復することになり、その度にカウンターが進んでしまいます。通常はいったん閲覧したページはパソコンのキャッシュという部分に保存され、2度目からはいちいちサーバーにアクセスせず速やかにそのページをキャッシュから読み出して表示するのですが、なにかの拍子にリロードしてしまいカウンターを進めることもありますし、ジオのカウンターはどうやらキャッシュに保存できないようで、そのたびごとにカウンターをまわしてしまうという癖があると聞いたことがあります。カウンターをフルパスで記入していれば、本文はキャッシュから読み出してもカウンターだけ再度アクセスしてしまうということもあるようです。
 ページをキャッシュに保管しておく期間はパソコンごとに設定しますから、ページ作成者の方であらかじめそれらを類推して割り引いて考える、というのも困難でしょう。

 次に、新しい訪問者があったのに、カウンターが進まない要因を挙げてみましょう。

 日を改めての再訪問なのにキャッシュから読み出してしまってカウンターが進まない、ということがあります。また、訪問者が「表紙ページ以外のページ」をブックマーク(お気に入り登録)してしまい、カウンターのあるページを経由せずに閲覧する場合も、カウンターは進みません。BBSなどは直ブックマークするユーザーが多いのは事実です。さらに、CGIが正しく作動してカウンターを表示したり数字をひとつ進めて記憶する、という手順を待ちきれず、訪問者がさっさと次のページへ行ってしまう、ということもあるでしょう。さらには、アクセスが集中しすぎてサーバーやCGIの処理能力を超え、とうとう訪問者があったことを認知しない、ということもありえます。アクセスが特段に集中しなくてもサーバーが処理してくれないというのは珍しいことではありません。

 しかし、これらを相殺して、だいたい目安としては正しい数値である、と僕は思うことにしていはいますが。

正しくカウンターを作動させる細かな工夫あれこれ

 厳密に全く正しい数値を表示させることは不可能ですが、それにより近づけるための工夫はいくつか存在します。

 まず、「表紙ページ」と「目次ページ」を作る方法です。このとき、カウンタを「目次ページ」に設置するのです。こうすれば、表紙ページだけを見て本文を見る意思のない人はその場でUターンしますから、2枚目に表示される目次ページに設置してあるカウンターは進みません。本来読者となりえない人の訪問はこれでカウントしなくなります。(もっとも、目次まで進んで「やーめた」というひとまで排除は出来ませんが)
 また逆に、「表紙ページ」にカウンタを設置すれば、本文と目次を行ったり来たりするひとがカウンタを進めてしまう恐れがなくなります。
 これをさらに進めると、「表紙」「(カウンタ付きの)トップ」「目次」と3枚のページを用意しておけば完璧ですが、本文にたどり着く前に僕ならいやになってもう閲覧をしませんね。

 つぎに、フレームページを使う方法です。フレームの「メニュー」を表示させる部分にアクセスカウンターを設置しておけば、「本文」をあっちこっちと移動して閲覧しまくる読者がいても、カウンターは最初にひとつ進むだけです。何度も表紙ページを往復したために一人でカウンタをじゃんじゃん回す、ということは起こりません。また、フレームページにしておけば、お気に入りのコンテンツに直接ブックマークしても、つなぎなおせば最初のページが表示されてしまいますから、数え損なうということもありません。

 フレームは画面が小さくなる、うっとおしいなどの理由で嫌いだ、という人もいるでしょう。そういう場合は、擬似フレームを利用するといいでしょう。フレームの表示割合を、0%と100%にしてしまうのです。こうすれば、見た目にはフレームは表示されず、しかし、ブックマークを利用してつなぎなおしたときに、必ず最初のページが表示されるという効用は得られます。僕はジオとは別のところで全く趣旨の違うホームページを開いていますが、ある理由で必ず表紙ページから入って欲しいために、この手法をとっています。カウンターのためではないんですけど、後でカウンター数をより正しくする為にも利用できるなと気がついたのです。

 しかし、読者の立場になってみると、各コンテンツに直接ブックマークをすることを作者の都合で拒否されてしまうのは、ちょっと意地悪をされているような気分になるかもしれません。

 最後に、この「とらおランド」で使っている裏技を紹介します。それは、「表紙ページをふたつ作る」という方法です。最初にアクセスするのは「表紙ページA」で、こちらにはカウンターがついています。ファイル名は「index.html」で、ファイル名を省略してURLアドレスだけでアクセスすればこのカウンターの付いた「表紙ページA」が表示されます。リンクの場合は当然このページにしていただくようお願いしていますし、例外はあるものの検索エンジンにもこのページで登録しています。僕の場合は表紙ページの中に目次がありますから、訪問者はここから各コンテンツへのリンクを辿るわけですが、実は戻って来れません。各ページから「表紙へ戻る」ためのリンクは当然ありますが、その行き先は「表紙ページB」なのです。表紙ページBは表紙ページAと全く同じですが、アクセスカウンターが設置されていません。僕はこのページを「menu.html」というファイル名にしていますので、確認してみてください。(アクセスカウンターと関係ありませんが、表紙ページC「top.html」もあるんです)

Webリング

 最近あちこちのサイトで「○○リング」に参加しています、などという表記を見かけるようになりました。「リング」とはいったいなんでしょうか?

 リングとは、テーマを同じくするサイトが参加登録をするもので、その際には「ナビゲーション」の設置が義務付けられます。ナビゲーションの中には、「前のサイトへ」「次のサイトへ」などのリンクが設定されていて、訪問者はこれを辿ることで同様のテーマのサイトを次から次へと渡り歩くことが出来るのです。

 通常、サイト同士は「リンク」でつながっています。しかし、ひとつのサイトにはたくさんのリンク先が設定されていますし、リンクのひとつを辿った先のサイトでもやはり複数のリンク先を持っています。おまけに、そのようにしてリンクを辿って訪問したサイトではかなりの確率で「共通のリンク先」を持っているものです。

 これでは読者はどこから見ていいかわからず、場合によっては迷子になってしまいます。

 また、サイト同士が「リンク」するには、メールなどで連絡をし合って相応の手続きをとらねばなりませんし、相互リンクをしてお付き合いを継続できるサイト数にはおのずと限界があります。同様の趣旨でホームページを開いていても作者同士がこのようなつながりを持っていなければ、読者はそのサイト同士を行き来することが出来ないのです。

 しかし、「Webリング」は、登録したサイトが輪状につながっていますので、訪問者は順路を辿るようにひとつづつ見聞することが出来、その中のからお気に入りのサイトを見つけることが出来ます。

 ページ管理者は一方的に登録するだけで仲間になれアクセスアップが期待出来ますし、読者は付き合いのないサイト間を渡り歩くことが出来ます。なかなか便利なシステムです。

 リングは開設も登録も無料です。僕は「パワフルオンライン作家」というリングを主宰し、また、いくつかのリングに入っています。

 あなたがサーファーとしてリングを利用するのは簡単です。あなたの訪れたサイトにナビゲーションが設置されていれば、そのナビゲーションの「次へ」などのリンクを辿るだけです。また、Webリングのホームページにアクセス、検索して、興味のあるテーマでリングが開かれていれば、そこからそれぞれのサイトを訪問することが出来ます。

 また、あなたがホームページ主宰者として既存のリングに参加することも簡単です。サーフィン中に気に入ったリングがあれば、ナビゲーションにはそれぞれのリングの主催者が作る「リングの案内や参加規約」の書いたページへのリンクがあります。また、Webリングのホームページから、あなたの望むリングがあるかどうか検索し、登録することが出来ます。

 新しく自分でリングを開く場合は、少しだけ手間がかかります。開設作業自体は簡単ですが、自分の主宰するリングの説明や参加規約を掲載したページを作成し、ナビゲーションを作らねばなりません。また、日常運営として、参加サイトを募り、そして、参加希望の申し出があればサイトを訪問して参加してもらうかどうかを審査します。審査がオッケーなら、登録作業をします。

 ちなみにこれは「リング」です。「リンク」ではありません。
 具体例をでっち上げて説明してみましょう。
 「犬のホームページリング」というのがあるとします。
 ここには、犬について記述のあるホームページが登録されています。あなたがそういうページを作っていたならもちろんあなたも登録できます。
 リングに登録したページには、ナビゲーションバーというのがあって、[前のページへ][次のページへ][ランダム][リスト]などと表示されています。
 リングに登録したページは「輪」のように繋がっていて、しかもその順番が決まっています。だから、[前のページへ]をクリックすると、いま表示されているページのひとつ前にあるサイトへ移動することが出来るんですね。
 こうして訪問者は、自分の趣味にあったページ、興味のあるページを、「検索エンジン」などを使わずに、次々サーフィンすることが出来るのです。
 さらに、Webマスターにとっては、いちいちメールなどで連絡を取り合って、相互リンクを貼らなくても、例えば20のサイトが登録されているリングに仲間入りすれば、自分も一気に20のネットワークを組めることになるわけです。
 特に自分で何かをしようという思いがなければ、新規開設をするよりもどこかに参加だけしたほうが圧倒的にラクですが、自分で主宰するのはやりがいがあり楽しいものです。新しくリングを開設する場合は、同様の趣旨のリングが既に存在しないかどうかを確認し、既存のものがあるときは、既存のサイトの趣旨や特徴と自分がやろうとしているそれとを比較してより特徴付けるなどの工夫が必要かもしれません。

 Webリングのホームページhttp://www.webring.ne.jp/

バナー広告

 この講座の最後に、バナー広告について触れておきましょう。ジオシティーでは市民が広告をとって掲載することが禁止されており、無料レンタルサーバーはジオに限らずたいていそうです。サーバー側で広告を募集して収入を上げ、それにより無料でサーバースペースをホームページ開設者にレンタルするわけですから当然ですね。

 しかし、もし自分のホームページに広告を掲載することが出来れば、趣味でホームページを作るだけで小遣い稼ぎが可能になるのではと野心を燃やしている人もいるでしょう。

 バナー広告の料金システムには、大きく分けて4つあります。(今後はもっと増えるかもしれません)

 ひとつめは、「表示回数」による契約です。ひとつのページにゴテゴテとたくさんのバナー広告があると、見づらい上にページも重くなりますが、このシステムをとっている所はせいぜいひとつ〜若干のバナー広告しか表示しません。数少ない広告スペースにローテーションで契約回数分だけ表示するのです。例えば、1万回表示していくら、という契約になり、所定の回数が表示されれば、それで終了です。時間帯の指定なども出来、広告を見せたい層が多くアクセスする時間帯に集中的に広告して、効果をあげることが出来るらしいのですが。

 ふたつめは、「クリックの回数」で料金が決まる契約です。どれだけ多くの人が閲覧するページであっても、サーファーがその広告をクリックしてくれないことには、広告料金は入って来ません。ちなみに1クリックで2円〜5円程度、最近10円というのもありましたが、おそらく破格でしょう。

 みっつめは、「売上実績」による歩合制です。サーファーが広告をクリックして広告主のページを閲覧するだけでは収入にならず、実際に広告先から商品を購入するとか有料サイトの会員になるとか、実際の売上がないと収入になりません。売上に対して10%〜40%ぐらいが広告料になるようですが、売上が多ければ多いほどレートが良くなるというシステムがほとんどのようです。

 よっつめは、「月額固定制」です。何人そのページを見ようと、実際のクリック数や売上がいくらであろうと関係ありません。しかし、広告主側ではアクセス解析などで広告料金に見合ったクリックがあるか、売上があるか等常にモニターをしていますので、効果のないサイトに対してはすぐに打ち切りという措置がとられます。(中にはまったくモニターしていないようなところもあるようですが)

 個人ページの場合は、「表示回数」によるものは、その管理とメンテナンスに手間がかかるため、あまりやっていないようです。ホームページの広告だけで生計を立てるなら、いい方法かもしれません。実際には会社組織としてホームページ業を行い、営業マンがきちんといて、というような場合でないと難しいのではないでしょうか。

 「クリックの回数」や「売上実績」によるものは、Web上でいくらでも広告先を探していますという告知を見つけることが出来ます。いくら広告をしても売上につながらなければ何も支払わなくていいのですから、広告主としてはこんなにいいメディアはありません。一方、ホームページ作成者側にもメリットがあります。「簡単に自宅で稼げて」なんて仕事はたいてい最初に講習費用や登録費用を払わされたりしますが、そういう初期費用が一切かからない上に、実売がなければお金を受け取らないのですから気楽です。しかも、人気ページを作成し訪問者が増え販売実績が上がれば、結構な金額が稼げます。(と、たいてい説明してあります) レートは広告主側であらかじめ設定されています。

 一番美味しいのは「月額固定制」で、金額も自由に設定できる上、先払いをしてもらうことも可能です。もちろん、アクセス数を無視した金額で、かつあまりに身勝手な条件をつければ、誰も広告を出してくれません。目安として、表紙ページの一番上に掲載するとして、月のアクセス数×0.5円〜1円くらいなら、契約につながりそうです。割引交渉をされるでしょうから少し高めに設定するのも方法ですが、初期提示があまり高ければ交渉前に「遠慮します」と言われるでしょう。このあたりの落とし所は少し経験が要るかもしれません。

 広告は、Web上に「広告募集中」とわかりやすく表示しておけば、それなりのアクセスのあるサイトであれば、放っておいても注文が来ます。営業活動は必要ありません。また、広告主とサイトを仲介するメールマガジンやWebページもあります。

 もし、あなたのホームページが広告を掲載できるのであれば、ダメモトでためしに「広告募集中」と書いてみるのもいいかもしれませんね。

 風変わりな広告収入として、「広告を見てお金をもらう」というのもあるそうです。これは、サーフィンをしているときに所定の広告を自分のPCに表示させれば、お金がもらえるというものです。この広告システムを企画しているところが広告主からお金を取って、その一部があなたに支払われるわけです。ホームページを持っていなくてもサーフィンするだけでお金がもらえます。

 ただし、金額は高くありません。時間制限の上限いっぱい広告を見たとしても、テレホの固定電話代と、プロバイダ料金をまかなえるかどうかという程度でしょう。しかし、結果としてただでインターネットが出来るのですから、魅力といえば魅力かもしれません。これでお金をそれなりに稼ごうと思えば、自分の下に子会員を勧誘すればいいそうです。何代か先の子会員の分まで、その子会員が広告を見た時間に応じて収入があると説明されています。このシステムに参加したからと言って参加費や登録料など初期費用を払うわけではなく、一方的にお金をもらうだけですから、ネズミ講でもなんでもないのですが、僕は誰かの下につくというのが嫌でやっていません。

 
 



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