『風邪の猛威』 〜なつかしい思い出とクリスマス〜







「ハックション!」

「あれ?ポルトス・・・風邪かい?」
「ああ・・・どうもそうらしい。ハックション!ううう・・・さぶ!最近なんだか鼻水が出てきて・・・ああ、ハックション!」
「へえ・・・鋼のようなポルトスの肉体も・・・風邪の菌には全く歯がたたないってわけか(笑)!」
「何だとアラミス、それどういう意・・・ハックション!ああ・・・ハックション!は、は、は、ハックション!!!(ぐすぐすぐす・・・!)」
「な、ポルトス・・・ちょっと・・・これ、汚いよ。おい、な、何とかしろ!・・・あ〜あ、もう鼻水で私の服がベチョベチョだ・・・。」
「ふん。俺を外にずっと突っ立ってる銅像だとでも思ったから罰が当たったのさ。アラミス!ああ・・・ハックション!」
「って・・・それは私のハンカチだ。鼻をかむなら、自分のを使え!!!」
「ポルトス・・・悪いことは言わないが・・・今日は早く帰って寝た方がいいな。熱が出てくるかもしれん。今年の風邪は質が悪いという話だしな・・・。他の連中に移したら大変だ!」

アラミスの紅潮した顔。風邪がひどく、苦しそうなポルトスの顔。それでも、売られた喧嘩は買う2人。ここは銃士隊の控え室。四角いテーブルを囲んで、一発触発も危うい状態になったアラミスとポルトスの様子に・・・アトスがため息をついて、読んでいた本から顔をあげた。

「ああ、そうするよ。アトス。でも・・・今夜は俺、夜勤だったんだよなあ・・・。」
「それなら、ダルタニャンが代わってくれるはずだよ。あいつ・・・クリスマスに夜勤が入ったもんで、相当いじけていたからな。ポルトスと交替できるなら最高だろう!」
「クリスマスに夜勤か・・・それも嫌だが・・・仕方ないな。俺も馬鹿をやったもんさ。寒くなってきたのに、雨にぬれてびしょぬれのまま・・・一日中着替えもしなかったからな・・・。」
「先日の勤務かい?」
「いや・・・ただの決闘さ!」
「そんなことがあったのか???」

思わず目を見合わせるアトスとアラミスを残して、ポルトスは銃士隊の控え室を後にした。その後、話を聞いたダルタニャンは、
「これでクリスマスはコンスタンスと過ごせる!」
と叫び、昼間の勤務に引き続き、その疲れもどこへやら・・・喜んで夜勤に出かけて行った。

「アラミス・・・今夜は・・・。」
「そうだな。私とアトスの2人で夕食を食べに行ってもつまらないし・・・今夜はこのままめいめい家路につこうじゃないか!ポルトスの風邪がうつってるかもしれないし・・・注意するに越したことはないからな。」
「そ・・・そうだな・・・。(つ、つまらない・・・か・・・。苦笑)」

アトスの寂しそうな表情に気が付いたのか?気が付かないのか?・・・アラミスはそのままアトスに背を向けたまま、徐々に遠ざかっていった。アラミスの姿が、アトスの視界からどんどん小さくなり、ついには視界から完全に消えてしまうと、アトスは再び大きなため息をついた。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ハックション!ハックション!」
「ん?どうした・・・アラミス、風邪でも引いたのかい?」
「い、いいえ・・・大丈夫です。風邪なんて引いていません。」
「しかしなあ・・・。」
「アトス様、私のことは気にせず・・・。」
「アトスでいい。・・・いつもそう言っているではないか?」
「あ、はい。アトス様。いえ・・・アトス・・・。」

キラキラと光る青い瞳。美しい金色の髪。まだ幼さが残るあどけない表情。つややかな肌。折れそうなほど細い腕。華奢な体つき。銃士隊の入隊を希望している16歳。しかしまあ、年齢の割には・・・どうも幼すぎる・・・というよりも、女にしてもいいような・・・少女のような体つき。手は小さく、指は細い。馬には乗れるが、一度も剣を握ったことはないという。貴族出身だとは言うが・・・貴族の子弟なら、いくら何でも剣術くらいはできるだろうとは思うが・・・まあ、父親が僧侶に育てたかったというのなら、剣術に縁がなくても仕方がないとは思うが・・・。

「アトス・・・何を考えている?そちらが来ないなら、私が行くぞ!」

ふいに、アラミスの剣先が、考え事をしていたアトスの喉元をめがけて突き出されてきた。アラミス・・・すごみのある男の言葉を使う割には、どことなく声が高い。びっくりして顔をあげ、しどろもどろになりながら、アトスはようやっと言葉を発した。

「おい、アラミス!おい、ちょっと待て!アラミス!」

アトスが慌ててアラミスの剣を振り払う。勢いはあるが、力がないアラミスのやわらかい剣。案の定、アトスの力のある剣に振り払われたアラミスの剣は、あっさりとその華奢な手から落ちてしまった。アラミスの剣は、大きな音を立てて、地面の上に転がった。

「ハックション!」

目の奥に鋭い光を宿しながら、剣先を突き出してくるのは良いが・・・まだパリに出てきたばかりのアラミス。生活環境になかなか慣れず、風邪が引きやすくなっているようだ。一日も早く剣術を習得したいという気持ちは分かるが・・・もう少し自分の体調も考えてくれなくては・・・剣術を教える側も困るというものだ・・・。剣術には恐ろしいほどの殺気を感じるし・・・毎日、毎日剣の練習に明け暮れているのだが・・・その割には、力が弱く、体力がない一面もある。

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ふふ・・・あの頃に比べたら、アラミス・・・君は確かに風邪を引かなくなったな。剣にも力があるし・・・今では私が負けるかもしれん・・・。」

視界から消えたアラミスの後姿に、アトスは寂しそうに語りかける。

「アラミス・・・君は・・・本当は・・・女なんだろう?・・・そうなんだろう?16歳のあの日、トレヴィル隊長の屋敷の門をたたくあの日の直前まで・・・君はドレスを着ていたんだろう?」

一度聞いてみたい。でも・・・聞けない。アラミスに初めて出会ったあの日から、アトスの胸には、いつもこの質問が、胸の奥底にしまわれていた。アラミスが女だという証拠をつかんだわけではない。でも、そう思われるふしは・・・たくさんある。しかし・・・直接口に出すのは怖い。もし・・・自分が口にすることで・・・アラミスを傷つけることになるかもしれない。アラミスが自分の前から去って行くかもしれない。それが・・・何よりも怖いのかも・・・しれない。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アラミスの家。

人一倍体が丈夫なポルトス。剣術の他に、拳銃のことや弓術等・・・ポルトスは他にもいろいろと面白いことを教えてくれた。16歳。トレヴィル隊長の屋敷の門をたたく直前まで、女として育てられてきた少女ルネにとっては、ものめずらしいことばかりだった。アトスは貴族的でどこか近寄りがたい感じがしたが、ポルトスの前では、世間知らずの自分でも、最初から冗談を言えた。本来なら、先輩であるはずのポルトスなのに、不思議と、ポルトスの言葉の揚げ足をとったり、からかったりしていた。アトスも優しかったが・・・アトスとは違った別のもの・・・言葉ではうまく表現できないが・・・自分が求めている何かが・・・ポルトスにはあり、それが・・・恋人を失い、家を飛び出し、帰る場所を失ったアラミスにとって・・・唯一の心のやすらぎでもあった。

アラミスは台所に立ち、帰りに買ってきた食料をテーブルの上に並べると・・・早速料理を始めた。元々、料理など一度もしたことがない。いや・・・フランソワと出会ってから・・・すこしづつ料理を教わってきた。風邪を引いた時に出す料理。クリスマスのお料理。お誕生日のお料理。・・・貴族だから自分で料理をする必要はないだろうが・・・愛するフランソワのために、何かをしてあげたい・・・と言う気持ちは、貴族の娘として生まれた私にも・・・芽生えていた。

今日は・・・風邪を引いたポルトスのために・・・料理を作る。

「私は・・・ポルトスが好きなのだろうか?・・・違う。ポルトスを好きなんだろうけど、フランソワを好きだった気持ちとは、どこかが違う。それは、ダルタニャンにも言える。好きだけど、フランソワを好きだった頃の「好き」とは・・・どこかが違う。それじゃあ・・・アトスは?アトスは・・・好き・・・?・・いや、アトスもポルトスもダルタニャンも・・・友達として好きなだけさ。フランソワとは違う!」

料理をしながら・・・アラミスは1人つぶやく。

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

フランソワが風邪を引いたとき、暖かいスープを作って持っていったことがある。
「これ?ルネが作ったの?」
「うん。」
言葉少なに、恥ずかしそうに顔を下向けるルネ。フランソワは、うれしそうにスープを飲んでくれた。生まれて初めて作った手作りのスープ。
「美味しい?」
不安で不安でいっぱいだったあの日。フランソワ・・・あの日・・・フランソワに作ってあげたスープ・・・あれは・・・本当はまずかった。そうとは知らず、私はフランソワに残さず食べさせてしまった。まずそうな顔をしなかったフランソワ。だから・・・知らなかった。自分では食べなかったから・・・知らなかった。家に帰って・・・料理を教えてくれたばあやが真っ青な顔で私を見つめるまでは・・・。

「どうしたの?」
「お、お嬢様・・・あの・・・スープは?」
「フランソワに持って行ったわ。」
「それで?」
「フランソワ・・・とても喜んで飲んでくれたけど・・・どうしたの?」
「あああ・・・もうおしまいだわ・・・。お嬢様のご結婚話も・・・きっとお断りされるに決まってる・・・。ああ・・・そしたら、私のせいだわ!!!」
「え?」

あの時は驚いた。まさか・・・フランソワのために作ったスープに、そうとは知らず、ばあやの常備薬が入っていたなんて・・・。フランソワ・・・相当スープが苦くて・・・大変だっただろうなあ・・・。だいたい・・・ばあやが調味料の空き瓶に自分の常備薬なんて入れておくから・・・!!!いつもは自分の部屋に置いておくのに、あの日は、台所で薬を飲んでいる時に、ネズミを発見したらしくて・・・そのまま薬を台所のテーブルの上に置いたまま・・・すっかり忘れてしまったらしい・・・。私がフランソワのために料理をすることを知っていたから、ばあやは日中台所に入ってこなかった。ばあやが自分の部屋に常備薬がないことを知って、慌てて台所に来た時は、私はもうスープを持って家を出てしまった後だった・・・。慌てて、スープの残りを味見してみた。

「うおっつ・・・!ゲェ・・・な、何これ・・・ひどい味。」

あの日、泣きながらフランソワのところに駆けて行った・・・。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(あれからもう何年が過ぎたかな・・・?)手を動かしながら、思い出に浸るアラミス。一晩かけて・・・お料理は出来上がった。

「さて・・・できたぞ!早速、ポルトスに持って行ってやろう!!!」

ポルトスの家。

「やあ、ポルトス・・・おはよう!調子はどうだい?」
「ああ・・・最低さ。昨夜は晩飯抜きだったんでね。」
「どこかで食べてこなかったのかい?」
「まあな・・・。金も底をつきてる。給料前だろう?」
「そうだな・・・。」
「アトスと食事・・・したのかい?」
「いや・・・昨日は私もまっすぐ帰った。」
「どうして?」
「さあな・・・。」

「それより・・・晩飯抜きの上に、今日も朝食抜きなんだろう?私の手料理で良かったら・・・食べてくれるかい?」
「そ、そいつはありがたい!願ったりかなったりさ!」

アラミスは持ってきたお料理をテーブルの上に並べた。

「どうぞ。」
「いやあ・・・風邪を引くと、いつも怖い顔のアラミスが急に優しくなるから・・・これだけは最高だ!」
「いつも怖い顔だと?」
「そうさ・・・ううう・・・相変わらず下手だな。アラミス!」

スプーンで一口。ポルトスがまずそうに口をへの字に曲げ、顔をしかめる。フランソワとは全く正反対の男だ。今日はまずいはずがない。ちゃんと味見をしてきたのだから!
「風邪で舌が麻痺して・・・味が分からなくなったんじゃないか?まあ、食いしん坊のポルトスには、良い薬だな。しばらく食べなければ、少しは痩せるだろうし!第一、朝から晩まで休みなしの胃袋だ。たまには休ませてやるのも必要かもな!」
こちらも冗談半分やり返す!これが・・・楽しいのかもしれない!

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

銃士隊に入りたての頃、新しい生活環境に慣れず、数週間で風邪をぶり返していた私に、他の隊員には内緒で食事を運んでくれたのが・・・ポルトスだった。ポルトスは自分でも食いしん坊なだけあって、食事にうるさかったが・・・私が人一倍華奢で風邪を引きやすい体であることを・・・とても心配していたらしかった。
「銃士隊に入りたがる奴は、みんな荒くれ者ばかりなんだぜ。君みたいな華奢な男が銃士隊に入りたいなんて・・・驚きだね。でもまあ、せっかく銃士隊に入るための訓練をしているんだ・・・ぜひ、正式の隊員になってもらいたいものだね。男なら、銃士隊にあこがれるのは当然だからな!ハハハ!まあ、俺も銃士隊にあこがれて入ったし・・・アラミスも頑張れよ!俺は馬鹿だから、学問の方はからっきしダメだけど・・・食事と体調のことなら任せてくれ!これは専門分野だからな(笑)!俺、食事にはちょっとうるさいんだ!その点はアトスより上かもな!」
胸を張ると鋼のような胸板になるポルトスの堂々とした体。毎日鍛えているだけあって、ちょっとやそっとではびくともしない。
「・・・でも・・・ポルトス様のように太りたくはないですけど(笑)?」
アラミスが、銃士隊に入ってから、初めて言えた冗談だった。ポルトスは目を丸くしていたが・・・。
「何だ、何だ、アラミス。君も俺より口が達者なのかい?全く生意気な奴ばかりだな・・・。俺の周りは(笑)!・・・ポルトスでいいよ!・・・そうだ。アトスが剣術を教えているみたいだから・・・俺は、拳銃の使い方を教えてやるよ。弓道はやったことあるかい?」
アラミスが女だと分かれば、また違った対応をしたかもしれないが・・・ポルトスはポルトスなりに・・・自分の面倒を見てくれた。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「どうした?」
「いや・・・もうすぐクリスマスだなあ・・・と思ってさ。」
考え事をしていたアラミスに・・・ふいにポルトスが声をかけた。「まずい」と言いながら、どの皿も綺麗に空っぽである。いつもは誰よりも素直なこの男なのだが・・・風邪や怪我の時ばかりは、手のつけようがないほど我ままで言いたい放題である。まあ、誰しもが、風邪や怪我の時は、甘えたくなる気持ちはあるだろうが・・・。
「クリスマスか!そうだな。よし、俺も、クリスマス前には必ず風邪を治すぞ!クリスマス料理は俺の大好物ばかりだからな!!!」
「全く・・・ポルトスは食べ物のことしか頭にないんだな・・・!」
「当たり前さ!人は食わずには生きていけないんだからな!アハハハハハハハハハハ!」




<クリスマスイヴ!>

「おい、ポルトス、今夜は夜勤か?」
「いや・・・今夜の夜勤は代わってもらった。恋人にふられて、クリスマスがつまらなくなったという奴にな・・・。」
「そうか・・・。ところで、ダルタニャンが、コンスタンスの家でクリスマスパーティをやるらしいんだけど、みんなでやらないかって言ってるんだ。ポルトスも夜勤がなくなったなら・・・一緒に行かないか?マルトーの食事は、私の食事より美味しいはずだしな!」

クリスマス前までに風邪を治して元気になったポルトス。クリスマスの夜勤を交替したことを昨日まで悔やんでいたが・・・どうやら・・・うまく別の隊員を丸め込むのに成功したらしい。どんな手を使ったのか分からないが・・・あの怪力・・・。交替させられた隊員は、相当怖い思いをしただろう・・・。まだ若い、新入隊員が・・・クリスマスイヴの夜勤に出勤していく後姿が、アラミスの視界からどんどんルーヴル宮殿に向けて遠ざかっていった。

コンスタンスの家。

「あら、アラミス様にポルトス様。ようこそ、おいでくださいました。どうぞ。」
「2人のクリスマスパーティに・・・悪いね。こっちまで招待されて・・・。」
「いいえ。クリスマスですもの・・・みんなでパーティをした方が楽しいですわ。」
「2人っきりのクリスマスと言うのもあるのにかい?」
「ええ♪」

「それじゃあ、みんなそろったところで、乾杯といきましょう!」
「メリー・クリスマス!乾杯!」
「乾杯!」
「うわあ・・・クリスマスケーキだ!美味しそうだなあ!!!」
「本当だ。すごいよ。マルトー!おいらに大きいの頂戴!」
「はいはい。ジャン。・・・ほら、ポルトス様も・・・そんなに押したら、ケーキが切れませんよ。」
「俺にも大きいのをくれるかい?」
「んまあ・・・それではポルトス様・・・子どもと一緒ですよ(笑)。」

「あ、雪だわ。雪が降ってきたわ。」
「本当だ。明日はホワイトクリスマスね♪」

窓の外。ちらちらと舞い落ちる白くて冷たい、でも美しい雪。明日はホワイトクリスマス。みんなの顔が輝いた。アンヌ王妃様の侍女をしているコンスタンス、お母さんを探しているはだしのジャン、コンスタンスのお父さんのボナシュー、コンスタンスの家で働いているマルトー、コンスタンスの恋人のダルタニャン、そして、ダルタニャンの友人、アラミスとポルトスと・・・あれ?誰か・・・足りない。アトスは?

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「お、おい・・・誰か忘れてないか?俺を忘れてるぞ・・・みんな・・・。俺もクリスマスパーティに入れてく・・・ハックション!ハックション!」
「アトス様・・・ダメですよ。寝てなきゃ。私がお料理を作ってきてあげますから、今夜は私と2人っきりのクリスマス♪いい時に風邪を引いてくれましたわ♪」
アトスの下宿。下宿の女将がうれしそうにアトスの部屋を出て、階段を下りていく足音が聞こえる。
「な・・・なぜ・・・こうなる・・・。こんな日に、何で風邪を引く・・・。アラミス・・・私にはなぜ・・・料理を作ってくれないのだ・・・。おい・・・アラミス・・・。ポルトス・・・くそう・・・ポルトス・・・うらむぞ!!!人に風邪をうつしやがって!!!」

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しかし、誰一人、アトスの欠席に気づいた人はいないまま・・・コンスタンスの家のクリスマスパーティは・・・今、最高のクライマックスを迎えようとしていた・・・。かわいそうなアトス・・・。

「あれ?・・・アトスは?」
「そういえば・・・?いない・・・みたいだね・・・。」
「お誘いしたのに・・・変ねえ???」
「な〜に!どっかの美人とよろしくやってて忙しいのさ。」
「そうだな(笑)!!!」







〜おしまい〜






 
〜メリー・クリスマス〜

久しぶりに『三銃士小説』を更新しました。去年の11月から1年以上、長きに渡って『三銃士小説』をお休みさせていただいていましたが・・・今回、カウンタ、54000HIT・・・久しぶりに報告があり、執筆させていただくことになりました。リクエストは、「私が書きたいものであれば、何でも良い」ということでしたので、今年もまた、「クリスマス三銃士小説」とさせていただきました。去年の記録を見ると、2006年11月30日の更新ということですので・・・本当にまん丸1年更新してませんでした。申し訳ございません。
『三銃士小説』・・・今回の舞台とテーマは、54000HIT時、ちょうど私が風邪を引いていた真っ最中であったことから、11月下旬からクリスマスまでの期間の設定で小説を書かせていただきました。せっかくのクリスマス・・・風邪を引いてしまったのでは、せっかくのパーティのご招待も悲しい結果に終わりますので、どうか皆様、風邪を引かないように注意して・・・楽しいクリスマスをお迎えくださいませ。


                            2007/12/01
トップページに戻る