アカハラダカの時刻別飛来数

 今年の9月は上旬が強い北東風で、アカハラダカの飛来数はなかなか伸びなかった。
 ようやく10日になって、風向きに西が入った途端に一気に4万を超えるアカハラダカがやってきた。
 観察総数48,608羽を時刻別にグラフ化すると、ピークは10時台であることがわかる。
 この時刻帯はこれまでの観察実績から、ちょうど朝鮮半島から直接飛来すると思われる頃である。
 ということはそれまで島内に下りていた個体数はそれほどではなかったようだ。
渡りの本格化はこれからかもしれない。



 ちなみに昨年、9万を超えるアカハラダカが飛来した9月19日は、それまでの悪天候で島内に滞留していたアカハラダカが早朝に一斉に飛び出した。
 この時は渡りのピークは11時台だったが、これも当日に半島から到着した個体群で、この日は3時過ぎまで渡りが続いた。
 このことからも内山峠での渡りは天候がよくなると(上昇気流が生まれる日差しがあり穏やかな北西風がある)まず早朝にそれまで島内に滞留していた個体が旅立ち、ついで10時ごろから半島から到着する群れが観察される。
 一方、アカハラダカの旅立ちが6〜7時で、その飛翔が時速約50Km程度だとすると、朝鮮半島南部の海岸線からなら内山峠には8〜9時ごろには到着するはずである。
 しかし実際はそれより2時間程度遅れて観察されている。そして釜山近くのなど半島南部の海岸線でアカハラダカの飛び出し口は確認されていないから、半島の内陸部から飛び出していることが考えられる。