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アフォーダンス

アフォーダンス(affordance)

これは、アフォード(afford)「〜ができる」「〜を与える」などの意味を持つ動詞をアメリカの知覚心理学者によってつくられた造語である。

このアフォーダンス論を考えると、非常に複雑であり、また問題もあるのでここでは一部触れることにする。

■アフォーダンスとは

・アフォーダンスは事物の物理的な性質ではない。
・動物にとっての環境の性質
・知覚者の主観が構成するものではない。
⇒環境の中に実在する知覚者にとっての価値のある情報である。

例えば、1枚の紙がある。これは、破れるだろうか?紙は普通、破ることをアフォードしていると言える。しかし、ダンボールだったらどうだろうか。よっぽど力に自信がある者でない限り、破るということをアフォードしていないのである。

人によって当然のこと知覚が異なるために、アフォーダンスは人によって異なるが、紙の場合は「破れる」「破れない」など、他にもあらゆる情報を始めから実在させているのである。そして、これらのアフォーダンスは我々がどんあ状況においても不変であり、文化や言語にも関係なく、そこに情報を備えているのである。これは、今まであった人間の情報処理過程の理論とは異なるものである。

・今までの情報処理過程
入力⇒ 情報処理⇒ 出力

◎情報の定義

  1. 言葉や図(パターン)などのメッセージ。感覚器官(五感)を通して受ける色々な刺激。→見たこと、聞いたこと、感じたことに基づいて行動を起こす・起こさないを決定する。
  2. 伝達される情報を定量化する。どれだけ情報を送ったか、受け取ったかを把握しなければならない。コンピュータにおいては0と1の2進数を利用する。
  3. 情報とは情報を受ける人に意味のある形に処理されたデータであり、現在または将来の決定において現実のものになる、または価値が認められるものを言う。

アフォーダンス理論情報は環境そのものの中に実在する。知覚者が意味付けをしているのではなく、環境からピックアップしている。

オブジェクト・環境の中から知覚者がその状況に応じた自分とって価値のある情報を発見し、獲得するのである。知覚者によってピックアップする情報は千差万別であるが、アフォーダンスはその都度現れたり、消えたりするものではないのである。

2005/12/28 追記
アフォーダンスは生態心理学でのキーワードです.アフォーダンスを理解するためには,アフォーダンスという概念が生まれる背景を知る必要があります.生態心理学関係のページはこちらにまとめてあります.



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