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インターフェイスの重要性と目的

言葉の誕生、道具の誕生、文字の誕生、産業革命… そして、情報化社会。

 今、私達は21世紀を迎えようとしている。そして、環境が大きく変わろうとしている今、私たち人間はどのような位置に存在し、今後どういった人間であってゆけばよいのだろうか。

 20世紀以前、我々人間は自然の中で生き、人間もその自然の一部というような営みを続けていたが、20世紀になると次々と身の回りの物が人工的なものになり、今や我々が生活している場に自然というものが消え去ろうとしている。そして、自然の一部であった人間のはずが、自然が人間達の創った世界の一部となろうとしている。人間は、より快適な生活を求め文化を発展させ、爆発的なスピードでテクノロジーを発展させ、人間は環境そのもを作り変えてしまった。しかしながら、人間はあせりすぎた。『快適な生活=テクノロジーの発達』というような精神を持ち、テクノロジーだけが一人歩きをし、我々人間は取り残されてしまったのである。皮肉な話しだが、その結果、工業化による環境汚染、計画性のない急速な交通機関の発展が交通渋滞を招き、大気汚染を促進し、人工物による自然に帰らないゴミ処理の問題など、多くの問題を作り出してしまったのが現実である。

さらに、身近な生活面でのテクノロジーの浸透。気づいてみれば、ほとんどが電子化され、リモコンなどによる遠隔操作も可能な毎日。しかし、あまりにも急速な発展を遂げ、人間はハイテクに囲まれた生活を夢み、機能を増やせ増やせと超多機能な機器になった。人は多機能という点だけにとらわれて、結果的に、高性能なはずの多機能が、多機能過ぎて使えなくなり、さらにその多機能がボタンやスイッチを複数設置したのである。

戸惑う人間…。

不便な多機能。

何が悪いのか?使えない人間が悪いのか?それとも、使えないモノを作ってしまった設計者が悪いのか?作ったのは設計者だが、世の中が悪いといえるのではないだろうか。世の中がそういった雰囲気だったのであり、すべての責任を設計者に押し付けてはならないのである。ようするに、最初はインターフェイスの良し悪しは気づきにくいものであり、特にボタンやスイッチのみで構成されるハイテク機に関しては、誰もがそんなことには興味がなく気づきもしなかったのが実際であろう。が、やはり設計者にも責任がないわけではないのである。設計者を含むエンジニア達は、様々なハイテク機器を考案、開発し、インターフェイスもエンジニア同士で設計した。それゆえ、機能を付加することを重視し、ボタンやスイッチがたくさんついた物になってしまった。だが、すべてを把握しているエンジニアにとっては、それは何も不便なことはなく、すばらしいものだったに違いない。それを、無理やり説明書に書き、ユーザーはそれに従った。
 そしてまた、その頃は大量生産の時代でもあり、実用性があればすぐに生産を開始し次々と改良を加え、さらに生産性の良い低コストでできるような設計にもしてしまった。そのため、さらに使い勝手は重視されないものとなっていったのである。そして、運悪くこれらがまた良く売れた時代でもあった。また、それらの製品が一般家庭に普及すると、今度は機能の付加をより重視し、企業同士の競争も激しくなった。各企業は、客からのクレームがない限り、機能の付加を繰り返し、結局使える機能より使えない機能の方が多いくらいになってしまったのである。
 その後、ボタンの数は徐々に減ってきた。しかし、それに比例し機能が減るということはあまりなく、見た目はシンプルになったがさらに複雑なものになってしまったケースも少なくない。とはいっても、見た目に気を配り始めたのは良い方向だった思う。

 そして、今現在見た目だけなく、機能もだいぶ厳選されたものとなり、改善されつつある。しかしながら、すべてが解決したわけではなく、いまだにテクノロジーは一人歩きしているといえる。また、ある程度使えるようになった人間は、次は美しさを追求し、またもっと高レベルの機能を追求し始めている。それに加えて現代は新たなる問題として『高齢化社会』『障害者のためのバリアフリーデザイン』などのユニバーサルデザイン、またコンピュータの教育機関への進出、コンピュータリテラシー、すべてがデジタル化されていく中で人間らしさの喪失、人間の技術的スキルの低下なども発生しているのである。

 今後、これらの問題を踏まえた上で新しい価値観を探求し、人間とテクノロジーのギャップを埋め、より「人間のため」になるインターフェイスを設計していかなければならない。そしてまた、21世紀は20世紀より、遥かにモノや情報が氾濫し、高度情報化社会も到来する。人間にとって、いやすべての生命にとっての環境が完全に人工化されたものとなるのは、すぐそこまで来ているにちがいない。

 それゆえ、そのモノや道具のインターフェイスが人間の生活を左右すると言っても過言ではない。今後も、テクノロジーの発展は人間に大きな利益をもたらすであろうが、そのテクノロジーを人間の適した形で提供するためにもインターフェイスは非常に重要なのである。さらに、インターフェイスはアフォーダンスに影響している。このことも、考えていかなければならないだろう。

したがって、21世紀は

『インターフェイスの時代』 

だと私は思うのである。

なぜなら、

それが環境だからだ!

人間は環境で変わる。

インターフェイスで人は変わる…

16/Aug/1999 Keita Watanabe


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