現在は新交通システムで運行されている西武鉄道山口線に、
かつて走っていたコッペルの活躍をご紹介します。
3.走れ!コッペル(頸城のコッペル 謙信号)
1972年に奇蹟の復活を遂げた元頸城鉄道のコッペル。「謙信号」という愛称がつけられていました。
その後1973年に井笠から「信玄号」と客車がやってきて、西武鉄道山口線に一大ナローの楽園が生まれました。
謙信号は、信玄とはと異なり「アラン式」バルブギヤのロッドを持ち、
逆転機からロッドの制御以降が独特の動きをするのが特徴です。煙室扉も中央部がもっこりと出っ張っていて
独特の風貌でした。
1972年に盛大に復活した謙信号も1976年にひっそりと終焉を迎えました。
最終運転を終えた「謙信号」は粛々とカマに水を注がれ火を落とし、、誰に見送られるでもなく西武鉄道を後にしました。
そして、翌1977年には、台湾から西武鉄道が輸入したコッペル527号が謙信に換わって登場。
もう一台の532号もいずれ登場するのは確実でした。その時点で残る信玄の命も決まっていたのです。
明日無き謙信。何を見つめているのか・・・
アラン式ロッドの動き
朝、出庫する謙信号。白い煙、白いドレイン。全てが謙信最後の「命の証」でした。
信号所で出発を待つ謙信号。
ユネスコ村で入換え中の謙信号。煙室の煤け具合がいいですね。
信玄と比べて一目瞭然なのが、水タンクが小さいことです。
車両管理所で休む頸城のコッペル。
1976年撮影
すべて アサヒペンタックスSPU SMCタクマー55mm f1.8
ネオパンSSS