イ.欲しいタイプのS型が見つかったら
運良く目指すS型が見つかったら、先ずは手に取ってみてください。最初は機能のチェックをします。レンジファインダーカメラはファインダーが命です。 一眼レフは、ファインダー機能を撮影レンズが兼ねていますが、レンジファインダーカメラは撮影レンズを覗かずに、カメラのファインダーを覗き、 その中でレンズの繰り出し量を距離計に連動させて ピントを合わせるのと同時に、フレーミングまで行わなくてはなりませんので、ファインダーが持つ役割は重要なのです。ファインダーの中、ほぼ真ん中に色が付いた部分があります(これをスパッターといいます)。 レンズの距離ヘリコイドを動かすと、連動して二重像の中の像も動きます。スパッターの中で像が一致したときが合焦したときです。この部分が薄かったり、カビが生えていたりすると、ピントが合わせずらくなりますのでパスしたほうが無難です。 オーバーホールである程度は機能の回復が可能ですが、費用も掛かります。 次に、カメラ側についているヘリコイドの連動をチェックします。S型はカメラ側に標準レンズを使用する際のヘリコイドが付いているので、ヘリコイドの連動にガタがないかチェックします。 キーキーと音がしたり、連動がスムースでない場合は、ショックが加わっている可能性が高く、フランジバックも狂っている事があります。ファインダーと並ぶメカニズムの最重要部分ですので、その場合も、初心者は避けたほうが無難だと思います。 最後にシャッターです。レンジファインダーカメラはレンズとシャッター幕の間に一眼レフのようなミラーが無いので、レンズが幕を焼いてしまっているものがあります。小学生のときに、虫眼鏡で黒い紙に太陽光線を集めて火を熾したことを思い出してください。 布幕のものは、小さな穴が開いている事がまれにあります。小さい穴なので肉眼では中々確認できませんが、フィルムを入れると確実に感光します。ストロボ光を当てればすぐに分かります。しかし、布幕はまだ交換できるので、穴が開いていてもそれ程の心配はいらないと思います。当然交換料は掛かるのですが・・・。 一方チタン幕を使用したものは、もう交換部品はありませんが、大変丈夫なので幕が焼ける事はありませんし、シャッターの動きが正常だったら大丈夫でしょう。 さあ、レンズです。一般的にS型には50ミリ標準レンズが付いています。50ミリレンズには、特殊なもの以外ヘリコイドが付いていませんので、ガラスの程度で選ぶ事になります。ガラスにキズやカビがある場合は、やめておいたほうが無難です。絞り羽根に油が滲んでいるものは、当面撮影に影響はありませんが、 油が固まり羽根が動かなくなるなどのトラブルの原因となりますのでお勧めしません。外観はどうあれ、レンズが綺麗なものをお勧めします。 機能に問題が無ければ後は外観です。中古カメラですから、若干の傷やスレは当然あると思います。注意したいのは「あたり」があるか?です。「あたり」というのは、ボデイが凹んでいないかです。皆様も写真がお好きなら分かると思いますが、カメラというものはチョットやそっとのことでは凹みません。 凹んでいるという事は、かなりのダメージがそのカメラにかかった事がある。ということの裏づけになります。今は、修理の結果、なんとも無いように見えても、いつか、部品を無理に付けていたりしたことの弊害で、後でトラブルを起こす可能性があるので、「あたり」があるものはやめておきましょう。 「あたり」以外では、メッキがはげている、塗装が落ちている。などがありますが、撮影にはまったく影響しませんので、気にしなくていいと思います。とはいっても、いくら中古カメラとはいえ綺麗な方が良いこと、これは間違いありません。 多くのカメラを見て、どの程度でいくら位するのか?。など、常日頃から目を養っておくことが大切です。 今回の格言 1.ファインダーが命。 2.シャッター幕にご用心 次回は、お店以外での買い方を掲載する予定です。 |
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