矢吹丈、世界バンダム級王者ホセ・メンドーサに挑戦
 WBC世界バンダム級タイトルマッチが日本で執り行われる事が決定した。
 試合会場は日本武道館。世界王者ホセ・メンドーサ(メキシコ)に挑むのは勿論、東洋・太平洋チャンピオン矢吹丈である。
 ホセ・メンドーサは、矢吹と引き分けた無冠の帝王カルロス・リベラ(ベネズエラ・世界ランク6位)ハワイの猛牛サム・イアウケア(アメリカ・ハワイフェザー級王者)を僅か1ラウンドでマットに沈めた、本物のチャンピオンである。
 この完成されたボクシングと言われ、これまで数多くの猛者を倒してきた王者ホセに対し、復帰後破竹の勢いでのし上がった、殺し屋・地獄からの使者などと呼ばれる下町のヒーロー矢吹丈の力が、どこまで通用するのか、注目の一戦は間近だ。

挑戦者・矢吹(左)と王者・ホセ(右)

■矢吹丈、波乱の軌跡を追う。
 今や、日本ボクシング界のホープであり、その人気もうなぎのぼりである。
 彼の人気は、その強さだけではなく、彼自身の生い立ちにより、大きな共感を得ている。
 幼い頃より矢吹には身寄りが無く、少年時代を孤児院で育った。その後、荒んだ生活を続け、一時は東光特等少年院に収用される。彼にボクシングを教えた恩師、丹下段平(丹下ジム会長)に出会ったのもその頃。
 少年院を出た後、プロボクサーとしてデビュー。快進撃を続けるが、少年院時代からのライバルであった力石の死後、しばらくボクシング会より姿を消す。
 一年のブランクを経て復帰した矢吹は、さらなる強さを見せ、多くの世界戦を勝ち上がり、東洋・太平洋チャンピオンとなった。

■矢吹vsホセ、因縁の前哨戦。
 冷徹なボクシングで知られる韓国の強豪金龍飛を、厳しい減量を乗り越えて打ち破り、東洋・太平洋のタイトルを奪った矢吹丈の祝勝会が、TV関東の主催の下行われた。その祝勝会に、ホセ・メンドーサが矢吹の激励に現れた。
 ホセの来日は、全く知らされておらず、突然の世界チャンプの登場に、会場は一時騒然となった。
 また、ホセは矢吹に激励を送ったあと、すぐに空港よりメキシコへ発ったという。日本滞在時間は、僅か3時間であった。
 これ対して矢吹陣営は、サム・イアウケア戦を行うホセを追ってハワイへ渡った。敵愾心剥き出しの矢吹に対し、王者の貫禄で迎えるホセ。二人の対決は、多くの注目を集めている。
■カルロス・リベラ、重度のパンチドランカーとして、療養施設に収容。
 矢吹との死闘を引き分け、ホセに1Rで破れたカルロス・リベラが、日本の白木ジムの管理する療養施設に収容されたということが明らかになった。
 ホセとの試合後、一時期行方不明とされていたカルロスであったが、矢吹の世界タイトル前哨戦、ハリマオとの試合会場に姿を現していた。
 医学界の権威、ドクター・キネスキー氏の診断によると、カルロスは重度のパンチドランカーであり、深刻な脳障害が発生しているという。
 この報告を受け、白木ジムの白木葉子会長は「無理なマッチメイクを行った我々の責任である。」とし、カルロスの今後の生活を保証すると発表。療養施設に収容し、回復を待つ方針である。


ボクシング心理占い
フィニッシュブロウは何?

貴方の放った最後のパンチで、相手はマットに沈みました。
貴方が最後に放ったパンチはどれでしょう?
ジャブ  慎重派。石橋を叩いて渡る性格の持ち主です。危険な壁はいつも回避してしまうので、大きな成功は難しいかも。
ストレート  正攻法。教科書どおりに物事を進めていく性格の持ち主です。トラブルに対してめっきり弱いので、柔軟な思考を持ちましょう。
フック  意外性。色々と試行錯誤を重ねていく性格の持ち主です。とにかく好奇心が旺盛で、時に本来の目的を忘れてしまうコトも。
アッパーカット  一か八か。いつも大穴狙いで、冒険に挑む性格の持ち主です。大穴という物は、当たる確率が低いゆえに配当が多いのだと理解しましょう。

 『あしたのジョー』果たして、この作品に対し、何を語ることが出来るだろうか?
 もし私がまだ10代であれば、或いはコメントの付けようがあったかも知れない。しかし、成人し社会の中に組み込まれたしまった大人にとっては、矢吹丈の生き方は、眩しすぎるのである。
 だからといって、矢吹の生き方は必ずしも誉められた物ではない。彼の生き方は、突き詰めれば彼自身の我侭である。
 人は時にこれを『信念』と言い換える。信念を貫き通すために、それ以外の事柄を全て、自分自身を含めて犠牲にするのである。そして人はそういった生き方に強い憧れを抱く。それは信念を貫く生き方は、凡人には非常に困難であるからだ。
 人は何かを行うとき、対価を求める。それはお金であったり、地位や名誉であったり、異性であったりする。このどれか一つだけで満足できる人は、非常に少ないだろう。
編集後記
 矢吹丈は戦いの先に何を求めたのか?私は、彼は何も求めていなかったように思う。ただ彼は、全てを吐き出したかったのだろう。彼が全てを出し尽くし、真っ白な灰となったところで、この物語は終わっている。
 自分の全てを叩きつける。それを受け止めることが出来た男が、力石徹であり、カルロス・リベラであり、ホセ・メンドーサなのだ。
 結局、矢吹にとっては世界タイトルという栄光に対しては、何の魅力も感じなかったのでは無いだろうか。強い敵を求め続けた結果、タイトル戦に辿り着いた。といったところだ。
 長い戦いの末、矢吹は判定で負けてしまうが、ホセの圧倒的強さは、矢吹にとって、とても幸福なことであったろう。ホセの強さにより、矢吹は全てを出し切る事が出来たのだから。ホセにとっての矢吹は、死神でしかなかったかも知れないが。

 もう少し熱い生き方しようかな。。。編集長