川人昭夫メモリアル

君の心に太陽の花を
〜我が友、川人昭夫先生に捧げる〜
坂野栄一

君のタクトを見つめる 若人の輝く瞳
タクトが振り下ろされると 遠いギリシャの紺碧の空から
詩神ミューズの女神たちが舞い下りる。
徳島の文化の伝統は 美しい調べに満ち
若人の豊かな心は 愛と平和の幸福に包まれる
 
僕たちは 忘れないだろう 決して
若い背広姿の君が 初めてベートーヴェンの「運命」を指揮した時の感動を
君のフルートが奏でる「祖谷の粉挽歌」の透明な音色を
未明童話の「赤いローソクと人魚」の幻想の世界を
市高の空に向かって 高らかに歌いあげる君のテノールの響きを
そして 君が作曲した市高賛歌をみんなで大合唱したあの感激を
 
君は愛するだろう 限りなく
市高を 市高の空を 土を 川を 海を 山を
君は見ただろう 音楽室の窓から
春は葦芽が萌え 空にひばりが歌うのを
海風の吹く夏は 海が星屑を散りばめたように金色に輝き
紅葉の秋は 真紅の夕日が紫紺色の眉山の山陰に急速に落ちてゆくのを
西風のうなる冬は 吉野川が白い牙をむいたように波立つのを
 
君はこの春 桜吹雪の中 市高を去ってゆく
僕たちは忘れないだろう いつまでも君を
君の若い命の燃焼を 愛する市高の定演を
僕たちは贈ろう 温かい拍手を
青春の足跡を残して去ってゆく君に
感謝と激励の拍手を
そして 君の心に捧げよう 花を
市高の花 太陽の花
ありがとう 川人先生
ごくろうさん 川人先生
さようなら さようなら 川人先生
僕たちの愛する川人昭夫先生
川人昭夫プロフィール
昭和17年6月4日 阿波町で川人利夫の次男として生まれる。
昭和30年4月 阿波中学入学
野球部のキャプテン、4番、エースとして活躍
阿波郡駅伝大会にアンカーとして出場
昭和33年4月 阿波高校入学
音楽部入部、フルートを始める。
高1、県音楽コンクール入賞「メヌエット」
高2、同コンクール1位「ハンガリア田園協奏曲」
高3、音楽部部長
昭和36年4月 香川大学教育学部入学
管弦楽団、合唱団指揮者として活躍
昭和40年4月 徳島市立高校赴任
昭和42年9月 合奏コンクール県大会最優秀校
昭和42年10月11日 徳島市立高校第1回定期演奏会を開く
昭和43年8月 合奏コンクール県大会最優秀校
昭和44年8月 合奏コンクール県大会最優秀校
同四国大会優秀校
昭和45年8月 合奏コンクール県大会最優秀校
昭和47年5月11日 「市高賛歌」発表会
昭和47年12月8日 近藤知恵子(市高合唱部OG)と結婚
昭和48年8月 合奏コンクール県大会最優秀校
昭和48年12月29日 長男、大地誕生
昭和49年4月23日 川人3兄弟によるフルートコンサート(労音主催)
昭和49年8月 合奏コンクール県大会最優秀校
昭和50年8月 合奏コンクール県大会最優秀校
同四国大会優秀校
昭和51年8月 合奏コンクール県大会最優秀校
同四国大会優秀校
NHK合唱コンクール最優秀校
昭和52年4月 市高応援歌「太陽の花」発表
昭和52年7月28日 長女、杏子誕生
昭和53年8月 合奏コンクール県大会最優秀校
同四国大会優秀校
昭和53年10月 「土柱小唄」発表
昭和54年11月 第1回藍青賞受賞
昭和55年8月 合奏コンクール県大会最優秀校
同四国大会優秀校
NHK合唱コンクール最優秀校
昭和56年8月 合奏コンクール県大会最優秀校
同四国大会優秀校
NHK合唱コンクール最優秀校
昭和56年11月 県高校文化連盟発足、音楽部会副部長
昭和57年3月 「ふるさと徳島の歌」作曲
昭和57年3月28日 徳島市立高校第15回定期演奏会
昭和57年4月 阿波高校赴任
昭和62年8月 全国高校総合文化祭出場
昭和63年4月〜 県高校文化連盟音楽部会長
平成元年4月 城北高校赴任
平成2年8月 吹奏楽コンクール県大会金賞、県代表
平成3年8月 吹奏楽コンクール県大会金賞
平成5年3月27日 城北高校第1回定期演奏会を開く
平成5年4月〜 県吹奏楽連盟副理事長
平成5年8月 吹奏楽コンクール金賞
平成5年10月 東四国国体で式典音楽隊を指揮
平成6年8月 吹奏楽コンクール県大会金賞、県代表
平成6年11月7日 「城北讃歌」発表会
平成8年8月 吹奏楽コンクール県大会金賞
平成10年3月29日 城北高校第6回定期演奏会で最後の指揮
平成10年12月7日 永眠
川人先生賛歌
湯浅真人
 1998年12月9日、川人昭夫先生の告別式の日、会場は1000人を越える人であふれました。教育界から、県内すべての音楽界から、そして全国から大勢の教え子が駆けつけました。式場には、川人先生指揮市高オーケストラによるチャイコフスキーの交響曲第5番が流れていました。いよいよ御出棺のとき、城北賛歌や生演奏の市高賛歌に、皆が声を上げて泣きました。先生のお人柄をしのばせる盛大かつ暖かい告別式でした。
 川人昭夫先生は、いつも生徒と共に泣き、笑い、遊び、そして音楽を楽しんでいました。川人先生は全身で音楽の喜びを教えてくれました。川人先生の練習にはいつも笑いが絶えませんでした。そしてその中で、「楽しむ音楽」「追求する音楽」の本質を教えてくれたのです。川人先生の教えを受けた人は皆、音楽が大好きです。
 このCDには、徳島市立高校、阿波高校、城北高校での、川人先生指揮による演奏が収められています。このCDが単なるメモリアルにとどまらず、音楽的に第一線の名演ぞろいであることがおわかりただけると思います。徳島県にこれほどの功績を残した音楽教育者がいた事を、私たちは誇りに思い、このCDを宝としたいと思います。

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