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俳句航海日誌9500句! 清水昶( 武蔵野)          01/11/15 /Thu 13:51



            初時雨



496         軒に佇ち人待ち顔や初時雨



497         鶏小屋の深閑たりし初時雨



498         あだし野や小仏無数初時雨



499         秋晴や所在なきかな文机




500         朝帰り酔ふて候初時雨



●本日、朝4時、長谷邦夫さんと一緒に新宿ゴールデン街より帰宅。
長谷さん、全員合格の私立大学生の質の低下、どうしようもないですね。間、ホットきましょう。

●先日の塚本邦雄、一晩3000首は誤り。正確には300首。その程度なら小生も出来る。

本日を以て俳句航海日誌矢数俳諧9500句。10000句まで、跡500句。質を落とさないように注意されたし!皆さんの御批評乞う。















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/14 /Wed 12:10



            庄内柿



491         満月を積荷としたり酒田沖



492         冬月の沖に停泊麻薬舟



493         庄内の柿が便りの証かな



494         庄内の熟柿の里に父母は亡し



495         カリカリと庄内柿の里の家



●先日、雪女の里、酒田から庄内柿が、どつさり送ってきた。子規と同じく小生は柿が好物である。

●一巻が600頁を越える全16巻の「塚本邦男全集」(ゆまに書房)が出た。

コンスタントに?いや自由自在です。テーマがあればいくらでも歌は作れる、一晩に3000首できることまあれば、一週間で5首のこともある。まあ後者の方が楽だけど。

と、言って塚本邦男、高笑い。(朝日新聞)。現代の西鶴,甲斐も形無し。


●掲示板に関する清水哲男の大岡裁き、お見事!

●さて、詩俳塾にお出掛け!










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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)         01/11/14 /Wed 01:45



            山女



486         冬凪や波止場に立ちし影法師



487         闘魚飼ふ硝子に頭突きかましをり



488         露の葉におんぶバッタの泣き寝入り




489         紺碧の空天然の山女釣り



490         煙草吸ひびくともせずや山女釣り



            (今日の名句)



           いかさまは世に動きをり海鼠喰ふ 石原八束



有無、そのようだな。



●         手遅れの男愁嘆秋深し 甲斐



有無、あきらめが深い。秋と、あきらめに引っ掛けた。あまり上手くないねえ。





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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/13 /Tue 23:53



            岩魚



481         食べ頃の岩魚郷に宿をとり



482         食べられる運命を待つ岩魚郷



483         どんぶりに岩魚醤油の一二滴



484         塩焼の岩魚の串に酒を酌み



485         渓流に岩魚尽くして料理せり




            (今日の名句)



            戸隠の神の炉に焼く岩魚かな 宮下翠舟




有無、古来から岩魚は神秘的でロマンチックな「幻の魚」と言われてきた。












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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/13 /Tue 20:49



            蝸牛角上の争い



476         蟻地獄餓死寸前よお母さん!



477         浮き上がる真鯉ぱくりと握手かな



478         金魚売り金魚と一緒に歩きをり



479         金魚とは目高の先祖がへりかな



480         蝸牛角上の争ひテロルかな



●以上5句は菊田守詩集「仰向け」(潮流社)の感想文である。菊田さん、ありがとう。



            (今日の名句)



           目つむりて邯鄲の声引きよせし 上村占魚



●この句は中国に伝わる故事、はかなさを現す「邯鄲の夢」「邯鄲の枕」は違う。詠んで字のごとし。


●タリバンのカブール放棄は、囮作戦だ。米英軍の地上部隊を誘い込み一挙に殲滅する。注目せよ!   甲斐軍司令部発信






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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)        01/11/13 /Tue 18:21



            刺身包丁



471         水すましおすまし子らの水溜り



472         子ら掬ふお玉杓子や夕日まで



473         天敵の蛇を尻目に遠蛙



474         悪童に遊びなきゆへ蛇叩きつけ



475         秋の水光る刺身包丁ひたひたと




             (今日の名句)



            邯鄲の骸透くまで鳴きとほす 山口草堂



●邯鄲は鳴く虫の女王として親しまれている。何故か若い人より熟年者に邯鄲の声は好まれる。その理由は声の周波数に関係があり、普通の虫は4キロヘルツと邯鄲は2〜3キロヘルツと低い。このため誰の耳にも良く聞こえ熟年者にはやわらかく響くのだという。(鳴く虫の博物誌)。お分かりヘルツ?

●先程ままで昼寝しておった。その間にアフガンの首都カブールが北部同盟の手で、あっけなく陥落していた。これは「邯鄲の夢」ではあるまいか?

●後悔しない俳句航海日誌の夏休み分が梵先生の手によって一挙に公開されていた。これは作者にとってひどくありがたいこと。でも先生が、まるで鬼の首をとつ鷹のように喜ぶのは解せぬ。先生は頭が狂っていらっしゃるのだろうか。あの蛇のようにしつこくて下品で口汚い先生を野放しにしたのは小生の責任でもある。今度,会ったら刺身包丁で刺し殺す!これも「邯鄲の夢」であろうか?

●明日は楽しい「詩俳塾」〔381甲斐)。これは「邯鄲の夢」ではない。お出掛けなされ。 -----------------------------------------------------------------------
俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)        01/11/13 /Tue 13:31



            無花果



466         無花果の甘き寒村の子かたまりぬ



467         秋のテロ全学連ガ夢の跡



468         藍染めに秋帯留めの老婦人



469         霜柱踏みて長子の去りゆけり



470         たれを待ち蛇と遊ぶや稲田姫



●昨日、蕎麦屋中清で日竜の中島君から「八岐の大蛇」伝説に出てくる稲田姫の話を聞く。なお銘酒「稲田姫」あり。




            (今日の名句)



            無花果を食う天刑の名をうけて 平畑静塔



有無、何やら剛胆にして端然として。








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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)         01/11/13 /Tue 12:18



            栗



461         十薬を束ねて母を訪ねけり



462         子ら遊ぶ蛍袋を手でかこみ



463         この百合を無名戦士に捧げむか



464         沛然と雨の旅情や雁渡し



465         栗の艶中世の色の光りかな




●何やら報復戦争が始まって以来、心が晴れぬ。



           しぐれゆく山河わが心にも雨の降る 甲斐

















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)          01/11/13 /Tue 11:35



            修司忌



456         水すまし夕日に手を振り子ら帰る



457         苦き酒酌みて眺める秋の雨



458         修司忌や完全な死体となりきれず



459         青ざめた馬は聖夜に旅立ちぬ



460         刈り込みのお召し列車や麦畑



註・癩予防法は1931年(昭和6年)民族浄化、無癩日本を旗印に全ての患者を根こそぎ強制収容・隔離した。療養所への患者送り込みは「お召し列車」と呼ばれる特別列車が使われた。患者は行動、住居、職業選択、学問、結婚の自由などありとあらゆる人間としての権利が奪われた。(ハンセン病国賠訴弁護団)



















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/13 /Tue 02:05





アメリカン航空機A300人乗り、ケネデイ空港発サントドミニカ行きニューヨーククインズビル地区に墜落。日本時間、午後十一時過ぎ。住宅炎上中。
テロの可能性濃し。疑心暗鬼。我々は何をなすべきか?

          

            和を以て尊しとなす 聖徳太子



冗談じゃない、もう止めろ!   甲斐軍司令部発信


































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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)        01/11/12 /Mon 17:41



駄目だ谷内さん、16万円が読売の記者の貴方に払えないはずがない。ボーナスがある。可愛い奥様もいる。それでも駄目なら家屋敷を売り払ってでも買うべきだ。
ちなみに全集に収められている患者の大半は既に死者。印税の心配は無用かと思う。言い方は悪いが全集が売れれば皓星社の丸儲け。彼らとて慈善事業にのみ出版企画をしているわけではないだろう。

小生は、これから貴方と同じ辛い思いのため飲み屋で一杯ひつかけてくる。帰宅するまで再考されよ。







































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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/12 /Mon 14:33



            寒月



451         寒月の冴えわたるかな地中海



452         寒月のかうかうたりし荒野かな



453         貧乏の赤面の庭赤万両



454         井の頭公園首ふる赤万両



455         武蔵野の雨に打たれる赤万両



            (今日の名句)




            冬菊や検診後の父癌で死す 冬月



●冬月君、君は時として名句を作りますね。失礼!この名句を生み出した所以は多分、お父さんの死への切実な想いと自分の現在が重ね合わされているからでしょう。



●谷内さん、御託をならべず「ハンセン病文学全集」を即刻、予約購入すべし。(前期・後期合わせて全20巻)一冊予価8000円として16万円。ばら売りはせずと聞く。貴方なら買えそうだ。もし買わなかったら貴方は正義面した正真正銘の偽善者だ。図書館で読む等とは言わせない。皓星社のためにもハンセン病患者のためにもだ。即日、朗報を待つ!ただし小生、営業にあらず。

全集は来年秋,刊行予定と聞く。藤巻さん皓星社のHP掲示板アドレス、この掲示板に貼り付けられよ。また全集に関して誤記があったら訂正されたし。


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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/12 /Mon 12:14



            万両



446         万両に誕生日あり鳥の糞



447         万両の鉢植赤き雨の中



448         万両を赤えり好み鴉かな



449         万両の赤鴉の糞から生まれ出る



450         万両の赤き実に降る雨ひとしきり



●わが家の箱庭には千両、万両の実が今、武蔵野の雨に打たれている。しかし貧乏人にとつて、その情景は何処か虚しい。お分かり?

●昨日アジトで上野朝夫さんにお会いした。お〜い冬月君、彼が君に会いたがっている。頭の良さそうな(ここが肝心)青年らしいからとのこと。彼は子供が居るからホモではない。でも時には両性具有の場合もありうる。おい美男子、婚前交渉、ご安心されたし。

















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俳句小海日誌 清水昶( 武蔵野)        01/11/11 /Sun 14:50




            千両・万両



441         万両を咲かせて旧家庭誇り



442         仏壇にせめて万両供へよか



443         千両の箱庭風の溜まる場所



444         千両を活けて床間しずかなり



445         万両の貧しき家の育ちかな



            (今日の名句)




            杉苔に万両溺れ寂光土 富安風生



有無、千両・万両の花の季語、貧乏人ほど使いたくなる。












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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/11 /Sun 13:38



            秋風



436         頬杖に読書の秋風去りゆけり



437         たれか死ぬ夕方百舌の叫び声



438         秋風に告ぐわれの消息とふなかれ



439         秋風のやはらかきかな母の里



440         晴天の秋に必ず凶事あり



            (今日の名句)



            秋風や殺すにたらぬ人ひとり 西島麦南



有無、この句は小生の私生活を見抜いている。だとしたら馬鹿にされたものだ。

●梵先生、谷内さんの真面目な質問に対してのみは礼儀正しく、喝謙虚に誠実に誠意を込めて言葉使いを丁寧にへりくだり、なお笑みを絶やさず糞真面目にお答えしたほうがよろしのではありませんでございませんか?
そうしないと掲示板の紳士淑女諸氏にもご迷惑が罹ると思いますが。









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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/11 /Sun 12:04



            葡萄



431         黒葡萄十字軍ひそかに出港す



432         葡萄酒やしかと人間の血は水ならず



433         葡萄狩り子らあつまりて赤い舌



434         一房の葡萄の灯り病床記



435         牧丘の巨峰天は青に満つ



            (今日の名句)



          帆を張りしときナイル河夕焼けし 石原八束



有無、この句の風景の度量?気に入った。

●昨日の朝日新聞「ハンセン病元患者支援薄れる関心」を読む。熊本地裁の異例の控訴断念の勝訴判決、その後、半年経っても元患者に補償金を約束通り支払っていない事実に驚いた。国民の側も、その事実は知らされていなかった。今まで小泉のやったことは、その事だけだったのに、この裏切り者!









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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/11 /Sun 03:25



            大根



426         古戦場大根引の夕陽かな



427         農婦らの腰かたまりて大根引



428         大根を干す大盤台の一軒家



429         大根を引き抜く極意腰落とし



430         大根の土洗ふ川水迅し



            (今日の名句)



            銃声のあとの放心冬の山 佐藤幸寿


            猟銃の射抜く谺の雪崩かな 甲斐





●           贈り来し写真見てをる炬燵かな 虚子

この句は、どう好意的に深読みしても駄句。ならば小生の拙句。

            修正の中也見てをる笑止炬燵かな 甲斐





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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)          01/11/11 /Sun 00:56



            咳



421         咳払い一つ高座の馬生かな



422         咳の子の重荷に揺れるランドセル



423         煙草吸ふ夜更けの読書咳一つ



424         咳一つ噂の人や影法師



425         血痰の茅舎の咳は句を鳴らし



            (今日の名句)



           咳き込めば我火の玉のごとくなり 川端茅舎



●当時、まだ結核は不治の病であった。茅舎は亡くなる2日前もホトトギスに投句している。彼にとって俳句は自己救済の文学でもあった。













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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/10 /Sat 21:41



            死者



416         自衛艦船出のあとに秋の雨



417         原爆忌冬目をひらく死者もをり



418         花咲かぬ穴に死体の炭坑夫



419         死者の手が海から生える月明り



420         遺書の無き葬儀の列に秋の雨



            (今日の名句)




            水汲む水煮るそしてながねぎ 阿部完市



●やけに冷え冷えとした句だなあ。この句は津沢マサ子さんから送ってもらた2002年現代俳書カレンダー(俳人協会)から採った。












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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/10 /Sat 20:33



            海鼠子(このこ)



411         松葉蟹歩きは松葉杖のごとし



412         越前蟹海鳴りの旅荘に往生す



413         ずわい蟹われに喰えよと赤くなり



414         独断と偏見満ちる海鼠かな



415         酒酌みて海鼠子と仲の睦まじき



            (今日の名句)



            死後のわれ月光の朧束ねゐる 佐藤鬼房



有無、何やら格好いい句である。さてNHKで千円札の聖徳太子3時間でも見ようかな。見たら千円くれるかな。しかし、ちと長すぎる。何しろ日本は日出ずる国、でも今はアメリカに隷属する日没する国。豚野郎がのさばる国、唾棄すべき国、嫌な時世だ、畜生め!












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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/10 /Sat 19:07



            柿葉鮨



406         風呂吹や湯気の手前で酒を酌み



407         大根の丸ごと眠る旧家かな



408         親子連れ柿葉鮨の旨きかな



409         旧約の掟厳守や秋のテロ



410         放蕩の跡取り息子寒造



●差別一口噺

ある男がある女をののしった。お前は豚のような野郎だ!
かっときた女は男を侮辱罪で告訴した。
裁判長は男に罰金刑を言い渡した。
男は裁判長に尋ねた。

じゃあ豚にお前は人間のような野郎だ!と言ったら罪なんでしょうか?
裁判長は、ノンと答えた。
「では、言い直すことにします。お前は人間のような豚野郎だ!」。
裁判長は、しばし頭を抱え込んだ後で言った。

無罪!


           鈴虫の更けゆく夜の書斎かな 甲斐







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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/10 /Sat 14:49



            鳶職



401         頑丈な腕水に入れ寒造



402         塩鮭のお茶漬けさらり病み上がり



403         新海苔の巻鮨の香に青のれん



404         名月や筋金入りの鳶の酒



405         農昏し氷雨の村の鴉かな



訂正396       暖房の音鳴る昨日今日も小糠雨


            

            (今日の名句)



          抱き合いていのち減りゆく夕日中 折笠美秋



●         破婚せりいのちの初夜の月明り 甲斐









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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/10 /Sat 12:29



            暖房車



396         暖房の音に昨日も今日小糠雨



397         暖房の切れし書斎に雨の音



398         暖房車眠る赤子の目に泪



399         待ちぼうけペチカの駅で指ほぐす



400         暖房車ゆつくり止まる水の駅




            (今日の名句)



            秋の江に打ち込む杭の響かな 漱石



有無、この句は澄みきった秋の風景を良く伝えている。

●谷内さん、貴方は冬月君言うところの中学の学級委員程度のレベルどころではない。冬月の言い方は褒め殺しで失礼だ。正確には小学生程度の人権擁護の知識しか持たない、いい子ぶりした偽善者、低能、阿呆、間抜け、精神薄弱児(註・これは差別用語)。この問題にかぎって小生は馬鹿馬鹿しくて、もう答えない。








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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)        01/11/10 /Sat 02:45



            炭俵



391         炭の火や貧しき土間の灯懐かしき



392         貧農の独り頑張る炭俵



393         炭俵村一番の伊達男



394         炭俵ずしりと眠る納屋の隅



395         俵編む夜鍋仕事や父母老ゆる



            (今日の名句)




          木曽のなあ木曽の炭馬並び糞(ま)る 兜太



●有無、この句は屹立一句の馬籠唄。上手く出来ている。


●あのなあ谷内さんハンセン病に於ける、らい病、癩病という言葉自体が差別用語だと思っているんか。ハンセン病患者自身が、その言葉を使って文学作品を書いているんだぜ。それを抜きにしてハンセン病文学は成立しえない、と以前も書いた。第三者が書く場合でも文脈上で判断すべきだ。お分かりか石頭。苛々苛々!
ところで、この武蔵野の鴉の野郎、本当に雀や鼠を喰ってしまうんだ。ありゃ何だか気持ち悪い。

●清水哲男へ。削除の件だけど、そちらの作法通りに試みても、どうしても削除出来ないことがある。今回の3重打ちしてしまった削除は自分で削除が出来た。機械の相互関係のミスなのかしらん。



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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/10 /Sat 00:41



            京都御所



386         一茶忌や近頃鴉雀喰ひ



387         新蕎麦や酒の噺に友が出来



388         灰の世に素知らぬ顔の籠猫



389         天皇の塀の低さや雪の御所



390         学生の淋しき雪の京都御所



            (今日の名句)




            生い立ちは誰も健やか龍の玉 化石



●村越化石は元ハンセン病患者。その背景を抜きにしたらこの句は成立しない。即ち屹立一句だとしたら詠めない。

ところでさ小生の公明新聞新聞文化欄「ハンセン病文学の彼方へ」にへ異論を唱える谷内さんとあきこさん、この句の鑑賞を是非お願いしたい。なお、ご両人、ハンセン病についての資料はパソコン検索で膨大に出てくる。それを踏まえた上できちんと御発言されたし。


●長谷邦夫様。フクちゃんは早稲田のマスコットだとラジオで学長が横山隆一を追悼していおった。彼も、それを喜んでいたらしい。かくして小生の推論は当たり!




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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)        01/11/09 /Fri 23:20



            枯野



381         シャベル立て寒村の父雪の降る



382         吹雪く月革ジャン走るオートバイ



383         ジャスミン茶香に正午静かなり



384         バス降りて老僧一人枯野かな



385         枯木立瘋癲病院今昔
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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)        01/11/09 /Fri 14:27



            一茶忌



376         秋茄子を味噌一文字に漬けてをり



377         山芋の身を売る話夜更けまで



378         里芋の顔して高座呑兵衛さん



379         一茶忌や庭に子雀あつまりぬ



380         熱燗や甘口辛口噂立て




            (今日の名句)



            一茶忌の蕎麦雀のごとく喰ふ 青柳志解樹



●一茶忌・十一月一九日。この揚句、最初は雀を喰うのかと思いぎょっとしたが上手い!













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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/09 /Fri 13:27



            フクちゃん



371         角帽のフクちゃん湯豆腐とともに起き



372         あら熊さん独身主義や秋の暮



373         フクちゃんを看取る戦後や秋深し



374         フクちゃんは早稲田卒業式に欠席す



345         幾秋ぞフクちゃん履きし下駄の音



●追悼、横山隆一

2001年十一月8日午前一時四分、脳梗塞のため鎌倉の病院で死去。享年92。

●ところでさ長谷邦夫さん、横山隆一は、どうして子供のフクちゃんに角帽を被せたの?早稲田大学にフクちゃんを入学させたかったのかしらん。

















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)        01/11/09 /Fri 11:57



            伊万里



366         八頭西郷どんの逝くを見る



367         廃坑の伊万里の黒土しぐれかな



368         秋の昏素朴な花器や伊万里焼



369         雪の降る海渡る伊万里赤絵かな



370         秋茄子のぶらりと下がる夕日かな



●学生時代、伊万里の友人宅に行ったことがある。炭坑は既に廃坑となり、炭塵で土は真っ黒。何だか荒涼とした風景が印象的だった。


●ははあ分かった。公明新聞文化欄の小生の記事「ハンセン病文学の彼方へ」。先程、公明新聞から電話あり。抗議の二件のみ。即ち皓星社の藤巻さんと高田あきこ。両者とも同じ内容。
例えば大岡信編集を「監修」と誤記、ハンセン病患者の句作の初期は「慰安娯楽の具として考えられていたらしい」云々。後者の言説は俳人にしてハンセン病俳句に詳しい林桂氏の言説。もっとハンセン病文学について勉強されたし!

熊本地裁の告訴の患者のほとんどは公明党員と聞く。彼らからの抗議は一切無し。どうしたことだろう?











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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/08 /Thu 14:10



            柳葉魚(ししゃも)



361         柳葉魚喰ふ飢へたる江戸の珍味なり



362         目に泪うるめ鰯の酒を酌み



363         牡蠣舟の波乗り旨し浜の風



364         荒海や岩にはりつく手鈎牡蠣



365         牡蠣を曳く広島原爆許すまじ



訂正357       岩礁に返へり咲きたる浜野菊



            (今日の名句)



            是がまあつひの栖か雪五尺 一茶



註・文化十年(1813)一月、一茶が流浪の生活に終止符を打って郷里に帰ってきた時の句。ちなみに彼の享年は六五。









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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)     01/11/08 /Thu 13:10



            木枯



356         童話見る秋の月夜の赤ランプ



357         岩礁に振り返へリ咲いたる浜野菊



358         海の道木凩一号乗りて来る



359         露ほどの世なりや島原の子守唄



360         ちちろ鳴く父恋しさの里子かな




●この句、虚子辺りにありそうだが、ま許す。



             (今日の名句)




            凩や雲吹き落とす佐渡の海 会津八一



●凩の名句多し。ま、その中から拾った一句。








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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)     01/11/08 /Thu 12:12



            情事



351         海老スープ髯はね上げて赤面す



352         ストリップ前座の噺柿の種




353         邯鄲の情事の叫び星一つ



354         籾殻の納屋の情事や家鴨鳴く



355         鰯雲籠の自転車走らせる



            (今日の名句)



            冬蜂の死に所なく歩きけり 村上鬼城



有無、嗚呼無情といった悲哀感が、この句にはある。













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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/08 /Thu 11:28



            双頭の鷹



346         鈴虫のりんりんと鳴る旅の宿



347         硫黄島夜陰に毒蟻上陸す




348         紙芝居裕子演じる秋の声



349         荒野より来る少年憂国忌



350         双頭の鷹の寺院や秋の月



            (今日の名句)



            友禅の下絵を案ず西鶴忌  夫佐恵




●西鶴は浪速の住吉社の社前で、一昼夜2万3千5百句の大矢数句を吐いた。即ち、俳句で下痢を起こしたのである。現代の西鶴,甲斐も下痢気味である。











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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)     01/11/07 /Wed 15:54



            牛刀



341         宗匠は鞄に秋をぶら下げて



342         船長の月と漂ふ冬の海



343         黒金の牛刀ひたす秋の水



344         雨の降る留守番役の繭ごもり



345         山茶花のいのちを散らす薄日かな



            (今日の名句)



            勝ち独楽は傷誇りして廻りけり 高杉和子



有無、子供の頃から小生、負け独楽であった。














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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/07 /Wed 14:37



            雪柳



336         渡月橋渡る学僧秋の月



337         満月に停泊したり貨物船



338         雪柳舟を流して最上川



339         二階屋に小さき秋が棲込みぬ



340         住込みの新聞配達冬に入る



            (今日の名句)




            味噌蔵に手塩まぶしき寒の入り 淑恵



有無、上手い!しかし酒田の米倉倉庫は見たことがあるが味噌蔵は見たことがない。

●メイル受送信、未だ出来ず。腹が減った。











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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/07 /Wed 13:35



            酒樽



331         冬に入り武蔵野眠る大欅



332         冬に立つ戦雲南に移りゆく



333         アフガンに報復戦争冬に入る



334         カラオケの屋根にあつまる寒鴉



335         酒樽の上に一羽の寒鴉



●           間違へた蛇忽は蛇笏冬に入る 甲斐



            (今日の名句)



            蓮堀の素手も極意も泥の中 朝倉淑恵



有無、そのようでござるな。










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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/07 /Wed 12:28



            立冬の美術館



326         マリア像すがし立冬の美術館



327         お出掛けの襟を正して今朝の冬



328         今朝の冬牛乳壜に雫かな



329         今朝の冬霜焼の村思ひ出し



330         真青なる空や立冬の美術館



            (今日の名句)



            凪ぎわたる地はうす眼して冬に入る 蛇忽





有無、蝉息どん、蛇忽は平仮名の使い方が卓越している。
ところで「西武戦線異常なし」や?











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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/07 /Wed 11:23



            読書の秋



321         図書館の胸像濡らす秋しぐれ



322         セロ弾きのゴーシュ鳴らすや冬銀河



323         溜息の読書の秋も逝きにけり



324         読書の秋読みもせずして塵の山



325         読み棄ての塵の山かな秋の夜



●読書の秋とは言うけれど、最近、さっぱり本が読まれなくなった。携帯とパソコンのせいらしい。新聞も駄目。
わが家は本に山におののいている。3階の書庫は満タン。1階2階の書棚もぎつしり。玄関は本の山。古書店も値段は二束三文。特に現代詩は売れない。それに近頃、塵紙交換も来ない。このままでは家が本に押しつぶされる。


            本の山秋の夜更けの悲鳴かな 甲斐

●お母さ〜ん!













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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)        01/11/07 /Wed 09:55



            棄民



316         顔洗ふ雫のままの秋の水



317         秋の蚊を叩き潰して棄民かな



318         棄民らにパンをと祈る青テント



319         雪崩打つアフガン難民昏き雪



320         深井から洗顔したり水の秋



            (今日の名句)



           国一つたたきつぶして寒のなゐ 安東次男



有無、地震で国一つ叩き潰すか。あり得るな。

●清水昶「ハンセン病文学の彼方へ」(公明新聞文化欄11月4日・日曜)。図書館にて御覧あれ!












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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/06 /Tue 13:58



            朝市



311         遠火事や赤い舌出し犬の吠え



312         竹を割り熟柿の枝伐り落とす



313         背を伸ばし長老もぎとる柿熟れし



314         朝市の笑いの中や花キャベツ



315         枯木立洗ふ荒波枯木灘



            (今日の名句)



            肩に来て人なつかしや赤蜻蛉 漱石



●まあ、さり気なくも淋しくも、と言うところ。たいした句ではあらぬなり。














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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)          01/11/06 /Tue 13:13



            家鴨



306         家鴨浮く野川の辺り紅葉かな



307         しぐるるや落柿舎に寄る僧一人



308         紅葉を貫通するや特急車



309         爆心地晩秋に起きぬ死者五千



310         命令の爆死は聖夜を越へてなほ



●タリバンのテロ予告は不気味だ。二、三日中に何かが起こる。全世界が今、黄昏時。海上自衛隊千人の運命も、どうなるのだろう?報復戦争による日本人の初の犠牲者は彼らなり。





















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)          01/11/06 /Tue 12:16



            初しぐれ



301         旅の宿唐傘の待つ初しぐれ



302         小夜しぐれ娘の手前煙草消し



303         しぐれ宿女一人の灯がともり



304         京しぐれ格子戸の灯の高瀬川



305         しぐれつつ女坂より赤い傘



            (今日の名句)



            叱りつつ馬を憐れむ吹雪かな 佐藤紅緑



●人馬一体、吹雪の中を進む。この光景、今は昔なり。


●小生の「俳句日記」、プロの俳人が1年掛けて句作するところを一日で仕上げている計算になる。10年一日、これ天才の哀しき業なり!











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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/05 /Mon 16:28



            秋の蝉



296         芦刈の遠くに人の煙立ち



297         芦刈の人の田舟に浮く独り



298         秋の蝉山林に鈴鳴らし逝く



299         秋の蝉ほそりても命のあるかぎり



300         満月に最も近き信濃かな



            (今日の名句)



          しぐれつつ美濃は真青に竹の幹 古賀まり子



有無、この人の、やはらかな一行の抒情詩、好きだなあ。














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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/05 /Mon 13:09



            寒卵



291         寒卵一卵生の誕生日



292         寒村や灯ともし頃の家鴨汁



293         鶏肉の腿で葱煮る余生かな



294         冬銀河鉄道に乗る信濃駅



295         南極のカレー南蛮すする秋



註・蕎麦屋「中清」に、南極、北極のカレー南蛮蕎麦、うどんの珍味あり。小生は今、そこの丁稚なり。



            (今日の名句)




            今生の汗が消えゆくお母さん 古賀まり子



            もう駄目だ蝶もトンボも鳥の内  甲斐








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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/05 /Mon 11:58



            赤い鴉



286         徳島の酸橘搾るや古里の朝



287         右翼にはあらず硯を洗ふ一水会



288         信長の舞ふや一期去年の雪



289         灼ける砂零の発見十字軍



290         寒夜まで赤い鴉のジャズ喫茶



註・生演奏ジャズ喫茶「赤い鴉」は吉祥寺駅北口にある。



           (今日の名句)



          原爆許すまじ蟹かつかつと瓦礫あゆむ 兜太



          原爆忌蟹赤々と煮へる街 甲斐


有無、やはり兜太さんの方が上手か?







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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/04 /Sun 16:39



            枯木立



281         枯木立何やら急ぐ僧一人



282         ずんずんと影を濃くする枯木立




283         誤爆なり木っ端微塵の秋の月



284         ずんずんと遠きに光る秋の月



285         木枯や歳月茫々吹き抜けり



            (今日の名句)



            秋蝉も泣き蓑虫も泣くのみぞ 虚子


            何やら悲し秋のゆふぐれ 甲斐














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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/04 /Sun 15:38



            木枯一番



276         戸を叩く凩の客夜半過ぎ



277         肩すくめ木枯一番やりすごし



278         木枯の道を旅する影法師




279         武蔵野や凩一番初名乗り



280         泣きたくて木枯の野へ迷ひ込み



●本日の東京は木枯一番。もう冬なんだ。


            大寒小寒山から小僧が飛んで来る


昨年の今頃、このことわざが掲示板をにぎあわせたな。あれから一年!。歳月茫々。















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/04 /Sun 12:45



            銃眼



271         秋の雨永遠に来ないバスを待つ



272         銃眼に兔の踊る月夜かな



273         猟銃の谺のあとや雪崩来る



274         猟犬の鎖を鳴らし雪の降る



275         少年の犬放つかな大夕焼



            (今日の名句)



            雨の花野来しが母屋に長居せり 中塚響也



有無、上手いが、もう一息!

●昨夜は、井川博年、筑紫盤井両君と会う。彼等と別れた後も小生、深夜2時まで飲み続ける。二日酔い無し。健康に黄をつけましょう。











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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)     01/11/03 /Sat 17:02



            花野菜



266         むささびは忍者のごとし飛ぶ月夜



267         一人子の夕日の畑花野菜



268         少年期砂浴び眠る羽抜鶏



269         おんぶばつた背の子風の子守唄



270         一葉忌露一滴の命なり



            (今日の名句)



            淋しさに又銅鑼打つや鹿火屋守 原石鼎



●今、武蔵野は何とも言えぬ夕暮れの淋しい秋の雨。バカボンドさんも淋しそうだな。さて小生、これから蕎麦屋「中清」で一杯ひっかける。じゃによって、お出掛けいたします。













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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/11/03 /Sat 14:21



            火吹竹



261         天高く賛美歌の中友の逝く



262         教会の赤ストーブに喪主背を丸め



263         古里の父老ひゆく夜や抱き火鉢



264         葬儀場業火に入れし死人花



265         火吹竹にぶき光りの寒夜かな



            (今日の名句)



            天道虫間一髪を飛びにけり 奥坂まや



有無、上手いけれど、この写生句、もうひとつ何かが足りないかも知れない。

●バカボンド様。小生「我が生誕に罪あり」(太宰治)てな心境です。












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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/03 /Sat 12:10



            田原坂(たばるざか)



256         のれん分けあとに一羽の寒鴉



257         秋雨や西郷どんの田原坂



258         揚雲雀散弾銃の夕日かな



259         かけす鳴く夕日に家があるごとく



260         百舌の鳴く無名戦士の墓の辺に



            (今日の名句)



            菊の香よ露のひかりよ文化の日 万太郎



●この句、季語が3個もある。しかし悪くはないが無理がある。ネックは、内実を失った「文化の日」。
もともと「文化の日」は「明治節」。「明治節」には歴史的意味があった。万太郎は「明治節」を念頭に、この句を詠んだのであろう。「明治節」の呼称が廃止されたのは昭和23年。
だから昭和15年11月3日生まれのダイエーの王監督、大鵬親方、元フライ級の世界チャンピオンの海老原(アル中で死す)、詩人の清水昶(アル中の死に損ない)らは正確には、「明治節」生まれ。



           (今日の名句)


           降る雪や明治は遠くなりにけり 草田男


           明治節文化の果てのオホーツク  甲斐
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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/03 /Sat 02:15



            南瓜(かぼちゃ)



251         南瓜の馬車硝子の靴の舞踏会



252         年賀状描きて地獄の一丁目



253         憂世ゆへ写楽美術館秋の昏れ



254         ど真ん中その銘酒ゆへ紅葉酔ひ



255         鎌イタチ橋上の人急逝す




            註・鮎川信夫詩集「橋上の人」。



            (今日の名句)



            鰯雲人に告ぐべきことならず 楸邨



●あまりにも有名な句だが、考え込ませる句でもある。

おやすみなさい







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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/03 /Sat 01:11
            


            友禅



246         見納めや戦中戦後針供養



247         小樽とは坂の町なり雪だるま



248         坂の町秋の日傘は昏れてゆき



249         遠雷や地蔵坂上喪中過ぎ



250         友禅を流す鴨川水の澄み



            
            (今日の名句)



            小窓より恋人覗く月夜かな 津田このみ



●作者は1968年生まれ。ゲ〜エ。坪内稔典さんの「船団」所属。句は如何にも幼く幼稚だが写真で見る限り別嬪さん。それで採ったに過ぎない。ま、好みの問題ね。












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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/11/03 /Sat 00:05



            遠雷



241         東大の銀杏並木の昏きかな



242         遠雷や古里の母より電話かな



243         遠雷やビニールハウス長子出ず



244         遠雷や傘を忘れて坂の町



245         菜の花や籠に赤子の眠りをり



            (今日の名句)




          そこからは歩く花野の郵便夫  加藤かな文



          郵便配達は二度ベル鳴らすや死人花 甲斐



●さて、明日十一月月3日は明治節・文化の日・清水昶の生誕祭。

吉祥寺の蕎麦屋「中清」(電話0422.22・3049)で掲示板の集まりあり。上野朝夫さんの落語の相談、その他,ワイワイがやがや。場所は吉祥寺駅北口から成蹊大学手前方面、徒歩十分。時間6時より。会費、ざる蕎麦一杯なり。





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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/02 /Fri 14:49



            独逸人



236         秋の暮ホラホラこれが僕の骨だ



237         竹馬の空気で地球歩く子ら



238         家父長の梁に忍従の蝸牛



239         飛島の烏賊舟荒海にのし上がり



240         独逸人熊手を買ひて蕎麦すすり



●昨日、吉祥寺の蕎麦屋「中清」で独逸人3人が、ざる蕎麦を食べていた。聞くとミュージシャンだとカタコト英語で答えた。



            (今日の名句)



         花ゆさりゆさりとあなたを殺そうか 時実新子



●         嫉妬とは鬼百合の花斬るごとし 甲斐









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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/02 /Fri 12:46



            盲目の秋



231         梯子酒一軒二件秋の月



232         ほろぶ世の吉凶兆す秋の月



233         青春の碑銘に咲きし曼珠沙華



234         盲目の秋無限の前に腕を振る



235         雪橇の馬に曳かれて少年期



            (今日の名句)



           追撃兵向日葵の影越えたをれ  鈴木六林男



●勿論、戦中吟。何か凄い迫力である。














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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/02 /Fri 12:02



            喝采



226         蝸牛時をのばして雨の旅



227         喝采の遠くにありや五月祭



228         蜘蛛の糸あ々それが古里の家



229         人情の蜜柑の色のごとしかな



230         駆逐艦地雷の海の水母かな



            (今日の名句)



            前生の桔梗の朝に立ち昏む 中村苑子



註・前生(さきしょう)。有無、この人は、いつも自分の死を前提にして現世を詠む稀有な俳人だった。

●仙台のみゅうこさん、如何にも中也。最近は少し四季派の詩人達の詩をパロデイ化する試みに挑戦しています。











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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)     01/11/02 /Fri 02:57




           馬骨さん、わかり申した!




天匂践を空(むな)しゅうことなかれ時に笵蠡(はんれい)なきにしもあらず

中国春秋時代の故事。日本では南北朝時代、後醍醐天皇が隠岐に流される時、南朝方の忠臣児島高徳が密かに桜の幹に書き記した詩句。
しかし、この天皇奪回作戦は失敗。
この時代から天皇制の起源と差別の問題の謎が発生。

            

            山崎、天皇を撃て!


おやすみなさい




























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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/02 /Fri 00:49



            黒いオルフェ



221         嗚呼おまえはなにをして来たのだと寒鴉



222         母上の秋の帯締め爽やかに



223         大菩薩峠に泊まる秋の月



224         どしゃぶりの秋の峠や大菩薩



225         黄昏て黒いオルフェの巴里祭



            (今日の名句)



            夕焼を溜めて踏切り開きけり 村田一広



●有無、気持ちは分かるが梵句なり。


            お風呂でも入るか秋の月の影 甲斐


●じゃぼん!








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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/02 /Fri 00:08



            黒馬



216         波止場にて口笛の鳴る寒夜かな



217         半旗垂れ憎し秋の領事館



218         オルガンの鳴る教会に秋の鐘



219         鄙びたる野天風呂にて秋の風



220         天高し黒馬の眸走りぬけ




            (今日の名句)



          かたつむりゆつくり怒り溜まりゆく 大元祐子



● 去年今年報復戦争の愁ひあり 甲斐


●絶世の美女、峯尾聡子さん、お手紙落手。この掲示板を毎日、見てくださってありがとう。でもさ、梵さんの凄さって、それにゃ〜に?









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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/01 /Thu 16:01



            珈琲館



211         手や足はひえびえとして教会堂



212         汚れちまつた悲しみに今日も中也の冬帽子



213         冬帽子古書店街に流れゆく



214         紅葉舞ふ並木通りや珈琲館



215         押し花の紅葉神田珈琲館



            (今日の名句)




            白日や林檎に蜜の入る音 大坪重治



有無、これは頂き、旨そうだ。


●           雑俳の駄句1万の秋の暮 甲斐


●           そう悲観しなさんさと秋の暮 梵







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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/01 /Thu 13:08



            花魁草



206         花魁草五重の塔にしなだれて



207         眠草触れて看護婦走り出し



208         友の逝く蜜柑の丘に秋の海



209         金魚草淡き接吻の味のこし



210         芋判を作りおはよう年賀状



●本日より年賀状発売開始!ゆ〜つ。



            (今日の名句)



            東京ににんげん多く酉の市 山崎聡



註・この句は俳人協会のカレンダーから採った。はたして名句なりや?

●また、炭そ菌で一人死亡。アメリカはアフガン重爆を中止せよ!








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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/01 /Thu 12:17



            天道虫



201         折鶴蘭病床枕にしなだれて



202         玉虫の玉の艶出してをり法隆寺



203         黄金虫金子光晴アジア貧窮す



204         天道虫天下の動乱知らぬ顔



205         テロリストの悲しき心啄木忌



            (今日の名句)



            牛刀にくらき喉あり冬の水 杉田桂



●牛刀にくらき喉?何となく分かるけど?


●本日はアメリカのハローウインの夜。有無、日本とは一日遅れだ。
子供達がテロに合う恐れ蟻、と全米に警告が流されている。










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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/11/01 /Thu 11:23



            冬の麦酒



196         十字架に十字砲火や聖夜まで



197         蓮根の穴弾倉のごとし穴



198         決闘で死すガロアの髯の霜



註・ガロア・フランスの数学者・「群論」あり。



199         真昼間の冬のビールは立ち尽くし



200         客待顔のれんに冬のビール壜




●9200句になった。それを虚しいと言う勿れ。

天匂銭を虚しゅうする勿れ時に範礼無きしもあらず

←何処か間違えたかな?













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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/10/31 /Wed 17:34



            蕎麦掻



191         生きてゐる鰭の鰭酒生き返へり



192         田舎屋家の夕日にかがむ葛湯かな



193         蕎麦掻の灯ともし頃の一軒家



194         蕎麦通の蛇に飲まれし清兵衛さん



195         灯のともる頃古里の近くの手毬唄



            (今日の名句)



            高熱の鶴青空に漂へり 日野草城



有無、いかにも病中吟なり。


●小菅さん、小生の機械、メイルの発信は出来るが受信が出来ない。どうしてだんべえ、梵さんに聞いてみる。










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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)     01/10/31 /Wed 13:22



            ハローウイン



186         眼の革命描くや秋の石火針



187         叱られてが餓鬼大将の狸吊り



188         むささびの月夜に飛ぶや高尾山



189         秋の暮落人美人に膝枕




註・山口県むつみ村は平家伝説が残っていた。それゆえか、あっと息を飲むような美人が少なからず居た。そこで子供の小生、母親が呼びに来るまで近所の落人美人の膝枕、狸寝入りと洒落込んだが、考えてみると早熟な餓鬼だった。
ちなみに富農の倉には槍や刀も仕舞ってあった。しかし、あれは黒澤明の「七人の侍」のごとく落武者狩りの戦勝品かと思われる。



190         ハローウイン南瓜のお化け歩き出し




註・本日は10月31日はハローウイン。南瓜をくりぬき目鼻口をつけた提灯を飾り夜には怪物に仮装した子供達が近所を廻り菓子をもらったりうする。万聖節の前夜祭。古代ケルトが起源で秋の収穫を祝い悪霊を追い出す祭。(大辞林)










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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)     01/10/31 /Wed 11:56



            狸汁



181         噺家の物真似旨し狸汁



182         初蕎麦をすする独りののれんかな



183         落下傘部隊掃射のテロの秋



184         テロの秋栄誉賞など不名誉な



185         そぞろ寒成人病の薄き青



●昨日、成人検診の結果が出た(糞尿の部)。白血球9100(標準値3300〜9000)以外は全部、白。血圧は140/86。ほぼ完全健康体にして頭脳明晰。飲兵衛にしてヘビースモーカーの小生にしては異常なしの、この数値は異常。来る11月3日(明治節・文化の日)は精神年齢八十歳(心は十二歳)の誕生日。
でも長生きすれば、それだけ金がかかる。死神様、貧乏神様、我を救い給え!

●昨夜は帰途、居酒屋に立ち寄り、ご飯も食べず寝てしまった。我が人生に喰いなし!
















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)         01/10/30 /Tue 16:50



            清水坂



176         天高く紙飛行機を打ち上げる



177         遠出して散歩の犬や草いきれ



178         じゃが芋の相談長し夜更けまで



179         清水坂素足に赤い下駄の音



180         着ぶくれの電車鎖骨の軋みかな



            (今日の名句)



           雪はしづかにゆたかにはやし屍室  波郷




           牡丹雪霊安室におもきかな  甲斐



●波郷には悪いが甲斐句の方が優れているな。

●一郎君は今年の菊池寛賞を既に受賞している。彼が、たった百万貰ったと何ほどの事があろう。おっと小生は、の〜べる賞。大判小判がザックザックザックザク・・・・・

●清水哲男の痛風、ビールは厳禁の筈。彼はビールの外、他の酒は飲めない。ビール党の悲劇発生!ご心中,察し申し上げ候。笑止!
さて今から瘋癲病院に。お出かけ。ヤクが切れた。


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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)        01/10/30 /Tue 13:28



            里芋



171         山芋の根深き恨みテロ続く



172         濡れてゐる里芋の葉の母郷かな



173         寒村の里芋転がる土間の闇



174         里芋の深夜に太る噂かな



175         印度語の灯る学院夜学生



●昨日の梵語・印度語についての説明に少しの間違いあり。

梵語・印度語のすべての言葉(名詞も形容詞も)動詞で作られている。

なお東京神田東洋学院は印度哲学を教えている。興味のある方は問い合わせされたし。


















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)        01/10/29 /Mon 13:18



            末枯



166         末枯や酒酌む古老の指太し



167         末枯て無名の鬼の墓木立



168         末枯や臥しては起きる達磨かな



169         末枯の身に百年の孤独あり



170         梵語汲む月に兔が跳ねてをり



●今日,会うことになっている印度哲学学会の植木君によると梵語では動物は、すべて動詞で構成されているという。そして「月に兔」の故事も実は印度語から由来している。あな、面白し!

●珈瑚(かこ)。出た泥棒!



             (今日の名句)



             修司忌やモカ珈瑚の苦きかな 甲斐











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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)       01/10/29 /Mon 11:47


            野麦峠



161         六道の辻の辺りや十三夜



162         凶作に売られてゆくか村の月



163         七草の秋に降る雨音も無し



164         野麦峠女工哀史は夕焼けて



165         雨読して田畑に遊ぶ青き虫



           (今日の名句)



           軽口にまかせてなけよほと々ぎす 西鶴




●          元禄に遊ぶ西鶴雨霰  甲斐














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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/10/29 /Mon 03:39



            死霊



156         大根を引き抜きて野良夕日かな



157         竹とんぼ秋を惜しむや還らざる



158         寒に入り哄笑三鬼の鬼面顔



159         通夜の客かたまる道に蟻の列



160         般若家の死霊の棲家冬の家



註・埴谷雄高著「死霊」。



            (今日の名句)


            なまなまと白紙の遺髪秋の風 蛇笏



            秋惜しむ蛇笏の遺髪散りにけり 甲斐








            


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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/10/29 /Mon 02:06



            百舌(もず)



151         百舌鳴くや訃報の家もありしかな



152         秋燕の去りゆく山辺少年期



153         いつせいに落ちる夕日の稲雀



154         秋燕のふつ飛ぶ彼方青き山



155         モカコオヒーあくまで苦きや修司の忌



●質問・コウヒーの漢字は如何にして出すべきや?



            (今日の名句)



            ぜんまいののの字ばかりの寂光土 茅舎



●こりゃ、思いつきの妙味と言うべきかな?










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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)     01/10/28 /Sun 21:50



            片栗粉



146         病み上がり長屋ですするとろろ汁



147         信長の亡霊残菊のなごりかな



148         月の出やとろりと浮きし柚子湯かな



149         片栗粉とろりと入れたか冬の海



150         片栗粉とろりと中華すする秋



            (今日の名句)


            絶命の寸前にして春の霜 野見山朱鳥


●左様なれど「死ねば死にきり自然は水際立っている」(高村光太郎)。
















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)      01/10/28 /Sun 20:09



            蓑虫



141         寒の水ごくりと呑みて目覚めをり



142         蓑虫の蓑を借りたし山の人



143         蓑虫の一生老ゆる母の里



144         蚯蚓鳴く古里の墓まであと何里



145         おけら鳴く天皇賞や外産馬



●今日の天皇賞は、予想に反して外産馬が優勝した。かくて大穴。土砂降りの府中競馬場の観衆は7万。この句は泣き寝入りした競馬フアンの気持ちを見事に汲み込んでいる。



            (今日の名句)



            酒止めようかどの本能と遊ぼうか 兜太



●一見駄句と思える、このような句、しかし、なかなか梵人には作れない。小生ならば作れる。









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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)     01/10/28 /Sun 18:33



            青虫



136         虎落笛古里は落人部落なり



137         渡る世に辻斬りのごとし鎌イタチ



138         朝顔と釣瓶出迎へ朝帰り



139         も少しの辛抱だよね露の玉



140         葉キャベツの青虫頑張る伸び縮み



            (今日の名句)



           廃鉱の清水の放つひかりかな  桑原立生



註・第47回角川俳句賞受賞作品。昭和21年静岡生。おめでとうございます。「寒の水」50句中、この一句気に入り申した。


●伸びに伸ばしていた新聞原稿出来上がり。ハンセン病文学の彼方へ。










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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/27 /Sat 12:54



            七竈(ななかまど)



131         七竈並木通りに犬の舌



132         廃坑の山に真っ赤な七竈



133         ぼた山の脇に隠れて七竈



134         廃坑の夕日に濡れて七竈



135         七竈開拓史には花をそえ



            (今日の名句)



            いなずまやどの傾城とかり枕 去来



註・謹厳な去来にしては珍しく艶っぽい句であると言われている。(山本健吉)














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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/27 /Sat 11:48



            河豚



126         河豚ちりの花びら酒酌む夜長かな



127         岸壁で河豚釣る子らのふくれ顔



128         落ちて来る男おいどん蒲団干す



129         干蒲団田舎教師の上の空



130         団地妻蒲団を叩き子を叱る




            (今日の名句)



            人体も半ばは涙 姫水木  折笠美秋



註・彼は筋萎縮性の難病に罹り全身不随となった。この句は彼の最後の作品。小生は20代後半に彼や高柳重信と鼎談している。その時は若手俳人のホープで小生と同じく元気な美青年だった。やんぬるかな美秋!











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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/27 /Sat 03:56





奇十さん、誰しもが生まれながらにして癌細胞を持っているように生まれながらにして癩箘を持っている特異体質の人もいます。それが、いつ発病するかどうか問題です。
しかし現在はアメリカからの特効薬プロミン(昭和23年・1948年)の開発により完治。
しかし、プロミン開発以前の患者は癩者の三大受難、発病の宣告(死)と失明の恐怖、気管支切開の苦痛に悩まされています。「喉切り三年」は死の宣告。
「らい予防法」は皇太后生誕90年以降、有刺鉄線内に「らい者狩り」開始。しかし、この病気は伝染性は無し。


        子規まつり癩文学を負ふわれら 浅香甲陽

この句は子規より自分達「癩患者」の方が苦しだと言う異義申し立て。しかし、この句、子規よりは劣るのは何故か?
































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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/27 /Sat 01:15



            癌病棟



121         野垂れ死に富士の裾野は夕焼けて



122         骨の月癌病棟に友独り



123         咳き込みて振り返たる秋の月



124         秋むざん管人間となりし友



125         軒下に独り鬼の子隠れん坊



            註・鬼の子・蓑虫



            (今日の名句)



            生い立ちは誰も健やか龍の玉 村越化石


●化石氏はハンセン病患者。草津楽泉園で大野林火の指導を受ける。 -











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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/26 /Fri 16:55



            金色夜叉



116         かうかうと金色の月ペルシャ猫



117         竹落葉掃いたあとからまた落葉



118         小坊主や遊びがてらに竹落葉



119         今生のわかれ金色夜叉に月



120         大欅樋のつまりて大喧嘩



●わが家の裏手には篠一族の住む大豪邸がある。そこに聳える武蔵野市指定の大欅の落葉は付近一帯の家の樋を詰まらせるので苦情が絶えない。そこに住む中野好夫の次男坊に、こないだ文句を言ったら、枝を切るにしろあんまり木おおき過ぎるので植木職人も怖がって上りたがらないらしい。
こうなったらチエンソーを買ってきて小生が根元から切り倒す。


















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)   01/10/26 /Fri 15:49



            トマト



111         犬の舌秋の夕日と散歩かな



112         人間は一本の管秋の暮



113         叱られて逃げるが勝の放屁虫



114         風流をきはめ大樹独活の花



115         丸囓りトマト夕日の少年期



            (今日の名句)



         渡世とはしてやつたりの語ぞ桃の花 伊藤信吉



有無、そのようなものであろうかなあと思って見る。(渡世人・甲斐)














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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/26 /Fri 13:01



            娼婦



106         街娼の国際通り秋の雨



107         娼婦佇つ花園神社秋の月



108         花キャベツ異国の美少女濡れてをり



109         寒鴉夜の新宿歌舞伎町



110         赤い月里に一陣つむじ風



註・赤い月・レッドムーン(馬鈴薯の新種)



            (今日の名句)



           冬の雷女医はするどく歯を削る 八木忠栄



●歯科医師裕子に想いは募るが、ありゃ痛いだよなあ。










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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/26 /Fri 11:51



            炭焼小屋



101         ごうごうと炭焼小屋に火をかまふ



102         どす巻の差別に昏し秋の村



103         秋の夜するめ縮めて酒を酌み



104         茄子の花赤きにうつむく風の里



105         雪やまず八木忠栄と酒を酌み



●忠栄さん、処女句集「雪やまず」(書肆山田)ありがとう。出版記念会で一杯やっか!


            (今日の名句)



           うたたねの泪大事に茄子の花 飯島晴子



有無、観賞用の茄子の花は、かなり淋しげだ。うつむいて、うたたねしているような趣があるな。吉祥寺の蕎麦屋「中清」に置いてある。










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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/26 /Fri 10:40



            亡国



96          アフガンに亡国の理想あり雪の来る



97          雪の来る独り住まいや出前蕎麦



98          初蕎麦の鍵屋が渡る河童橋



99          馬肥ゆる府中の森に紙吹雪



100         溜息のひとつ幸福逃げる秋



●この「幸福」いったい何処へ逃げるのだろう?天国か地獄か。



            (今日の名句)



            神の留守一刀彫の鬼うまれ 能村研三


有無、上手くできている。











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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/26 /Fri 00:50



            草餅



91          草餅や野辺より帰る母の味



92          寒村に飢へあり帰る蓬餅



93          成蹊もジャズ鳴らしをり欅祭



94          秋の風トランペットのジャズ喫茶



95          鉄棒の少年夕焼けぶら下がり



            (今日の名句)



            枯葉散る府中の森の紙吹雪 青山雁



●相当、東京競馬場で痛めつけられましたね、青山さん。














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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/25 /Thu 16:14




            溜息



86          物真似の旨き噺家とろろ汁



87          勇退の教授の机茶碗酒



88          溜息の出る正午過ぎ秋うらら



89          分け入りて青山にひそと野菊かな



90          秋場所の終わりしあとの夕日かな



            (今日の名句)



            天高き根岸に遊び串団子 榛名



註・根岸の里の秋の夕暮れ!


●谷内さん、高橋睦郎詩集「恢復期」寄贈されたるも未読。










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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/25 /Thu 13:48



            寒鴉



81          淋しさのかぎり尽くし月見酒



82          灯を求め何を迷ふか寒鴉



83          冬銀河居酒屋の夜流れゆき



84          冬帽子葬儀の席に忘れられ



85          秋の空武蔵野一帯眠り込み




            (今日の名句)



            花はみな咲きて子規忌のもの思い 榛名



●昨日の「詩俳塾」の榛名さんの作品。五千石の門下。










                                                


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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/25 /Thu 12:15



            開拓史



76          山火事のバケツの水や開拓史



77          銀杏散る大学生の応援歌



78          紅葉散る山の彼方の開拓史



79          開拓の荒涼たるや七竈



80          延命の月夜に眠る旅鴉



●戦後の幼少年期、山口県の僻村「むつみ村羽月部落」に移り住んだ。そこには,何処からとも由え知れず移り住んで来た開拓部落があった。当然のように恐ろしい山火事が起こる。
いつせいに半鐘が鳴り渡り村民総出の消防隊が組織され、火消し役となる。山火事の恐ろしさは消防隊が、煙に巻き込まれる事だ。
しかし、あの時、平謝りにあやまっていた火元の開拓民一家は、その後、どうされたであろうか。

●俳句手帖16冊目を潰す。2001年宇宙の旅、10月25日、完了。
















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)   01/10/24 /Wed 12:21



            綿菓子



71          綿菓子の子らかたまりて秋祭



72          秋惜しむポケットの中小銭入れ



73          赤トンボ流れる夕日孤児の泣く



74          秋空に松坂牛の声伸びる



75          華麗なる淋しさ秋の上の坂



註「上の坂」・芥川龍之介の旧居跡に「上の坂」はある。

●青山雁さん、がってんだ!さて「詩俳塾」へお出かけ!




















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/24 /Wed 09:55



            葡萄



66          赤き舌出してかたまる葡萄狩り



67          筒抜けの空教会に赤ワイン



68          密封の赤葡萄酒に黙祷す



69          赤ワイン神父も祈る赤い顔



70          石女の夕日に赤い花石榴



●冬月君、昨日は狸に騙された!頑張って俳句文学館に行ったものの事務局に笑われた。仕方がないので荒川進君と新宿でストリップ。薔薇と酒の日々。鬼畜米英。

●差別用語一覧

淫売・娼婦(春を売る人)。父兄会(保護者会)。足切り(二段階選抜・門前払い)。鬼のような夫婦(不適切)。とするならば(虐殺夫婦)か?馬鹿馬鹿しい。
















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)  01/10/23 /Tue 11:00



            蝗・稲子(いなご)



61          勝つまでは欲しがりません蝗喰う



62          貧しきを怒りて稲子喰ふてをり



63          雨に濡れバッタの翅もかたまりぬ



64          寒村のきちきちに射す夕日かな



65          寒村に稲子炒めるフライパン



●東京は雲一点ない秋晴。今日は楽しい新宿百人町の「詩俳塾」。冬月君、あきこさん、散歩のつもりで来られたし。


●ははあ谷内さん、この掲示板が夏休みだったためハンセン病問題についての論議、御覧になってないな。貴方の宿敵「干論茶の掲示板」には昨年七月十四日からの保存版「俳句航海日誌」あり。そちらを御覧になって、その石頭を冷やされたし。
















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)   01/10/23 /Tue 02:31



             ショパン



56           ショパン聴く秋の夜雨は降り続き



57           遠景に振り向く人の秋日傘



58           ががんぼの盲滅法ぶち当たり



59           居合刀立て咳払ひ紅葉狩り



60           杖立ててどつかり座る紅葉狩り



●谷内さん「ノートルダのせむし男」も、差別語。切りがない。
もう眠くなった、おやすみ!





















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)   01/10/22 /Mon 23:40



            桐一葉



51          コスモスの葉陰で遊ぶ幼年期



52          雑草のコスモス廃家に揺れてをり



53          コスモスの風に吹かれし一軒家



54          友逝きて手紙の背中桐一葉



55          桐一葉武家屋敷跡二三舞ひ



            (今日の名句)



            やはらかに人分け行くや勝角力 几菫



註・10月23日(寛政元年・1789年)、蕪村の高弟、几菫の忌日。句作最中に急逝。享年49。句は清雅さで知られていた。

●谷内さん、ドフトエフスキーの「白痴」も差別語です。これは「知的障害」。「俺さ昨日、知的障害で徹夜したよ」。どうですか?










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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/22 /Mon 20:08



            大覚寺



46          草に濡れ閻魔蟋蟀忍び鳴き



47          子ら帰る山の夕日に烏瓜



48          大覚寺本を開きて鹿威し



49          鹿威し水したたりて大覚寺



50          鳴子鳴る古里の夕暮遙かなり



●学生時代、京都嵐山の嵯峨野一帯の旧郷士小松家の門番小屋を借りて下宿していた。京都の風景は観光客が引き上げた夕暮れ時が最も優れている。
例えば大覚寺の「鹿威し」。深閑とした庭に水を受けて鳴る竹筒の音が澄みきった音で木霊する。お寺の縁側に座っての読書は、今も忘れられない醍醐味でもあった。

●谷内さん、貴方には致命的にユーモアの精神が欠けている。「知恵遅れ・低能→知的障害・知的発達の後れた子」。

いちゃもんをつける・落としまえ・ガサ入れ・ガンをつける・狂言強盗・けつをまくる・サツ・シマ・しらみつぶし・スケバン・助番・ずらかる・タタキ・たれ込み・チャリンコ・デカ・ぱくる・暴力団狩り・ホシ・ブタ箱・ムショ・ヤク・やばい。

以上「差別用語辞典」より。こりゃあ日常生活も大衆文学も警察も暴力団も崩壊するは必須。やばい!
こうなりゃあ、たこ部屋(劣悪な作業員宿舎)かドヤ(簡易宿泊所の集まっている場所)にでもスケ(淫らだが愛する人)と一緒にシケ込む(お泊まり)致しますか。






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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)    01/10/22 /Mon 17:45



            優曇華(うどんげ)



41          拳銃を試射してみたき秋の海



42          笹舟を流して光る秋の川



43          優曇華の夕べ凶事起こらずや



44          ががんぼの爆死の音の驚かず



45          風に揺れ薄翅蜉蝣命なり



註・薄翅蜉蝣(蟻地獄の成虫)。以前、梵先生のことを「薄馬鹿野郎」と差別用語で申しましたが、あれは、蟻地獄の成虫の誤記でした。謹んでお詫び申し上げます。
しかし、この忙しいのに、なんで、こんな下らない(下らない・上方から上等な醤油が江戸へ下らない、と言う意味)詫びを入れなきゃならんのだ。



















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俳句航海日誌 清水昶( 武蔵野)  01/10/22 /Mon 13:37



            のうぜん



36          天高し地に戦雲の覆へども



37          名流の最上をすべる紅葉舟



38          のうぜんの花昏きうち婚姻す



39          のうぜんの絡まる花に嫁ぐかな



40          借景や良しひとまずは繭籠



            (今日の名句)



            みじか夜や毛むしの上に露の玉 蕪村


有無、「虫愛ずる姫君」のような女性感覚かなあ。















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俳句航海日誌 清水昶(武蔵野)   01/10/22 /Mon 12:13



            竹の水仙



31          農学校麦秋にかがむ賢治かな



32          新しい記憶に苦き青林檎



33          老人の肝据えるかな竹の秋



34          蕗取りの母の背中に夕日かな



35          竹の水仙咲かせ遊郭甚五郎



註・落語「竹の水仙」。もともと左甚五郎なる彫物師、実在したかどうかは不明。日光東照宮の眠り猫、上野東照宮の龍などを作ったとされるが伝説上の人物。要するに「写楽」のような人物かもしれない。

●「差別用語」について一言。

アンコールワットの遺跡は、つんぼのような静寂であると同時に耳をつんざくばかりの轟音でもあった。(石原吉郎)

この「つんぼ」を「耳の悪い人」に変換したら様にならぬ。













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俳句航海日誌 清水昶(武蔵野) 01/10/22 /Mon 02:09



            幽霊



26          伊賀上野芭蕉も見たり破れ傘



27          幽霊を季題とすべし秋の夜



28          秋の夜わが幽霊は澄まし顔



29          紫陽花の雨に舟浮く高瀬川



30          初鮎を流してゐたり少年期



            (今日の名句)



            血痰の花つつむこと冬の夜 岩城久治




●岩城さん、失礼しました。亡くなられたのは癌で奥様。奥様を、わがことのように愛されていたのですね。

●谷内さん、先程の川柳揚句は作者が「らい患者」であることを認識した上で読まないと、良く分からないと言う意味です。
差別用語については、以前、掲示板でさんざん議論したはず。小生の考えでは、文脈上の緊張感に於いて差別用語は使うべき時は使う。例えば聖書に於ける「癩の谷」は今の聖書では「皮膚の弱い人々の谷」と改訳されている。これでは何がなんだか分からない。
落語にいたっては「めくら」「つんぼ」「びっこ」「唖」の出てくる演題は、全部、駄目。目茶苦茶でござりまするがな。(花菱あちゃこ)。




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俳句航海日誌 清水昶(武蔵野)   01/10/22 /Mon 00:06



            茄子の馬



21          地球独楽机上に澄みて秋の月



22          天動説信じ夜店で独楽を買ふ



23          蝮酒湯治場に舐めて旨きかな



24          茄子の馬朝の廊下に艶を出し



25          天狗舞ひ一本ぶら下げ秋の月




            註・「天狗舞い」。お酒の銘柄。



            (今日の名句)



            光芒のメスの行方を問ふなかれ 無名子



●谷内さんに捧げる。作者は逝去した「らい患者」。









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俳句航海日誌 清水昶(武蔵野)   01/10/21 /Sun 17:19



            またたび



16          雪渓に流れる水の青きかな



17          荒涼と硫黄に雪の恐山



18          またたびの花振り向かず流れ者



19          またたびの花に目を止め湯治客



20          またたびの花にはじゃれる籠猫



            (今日の名句)



            新蕎麦や律儀に暖簾割りて入る 岡田史乃



故・岡田隆彦夫人で結社誌「篠」主宰の史乃さん、久しくお会いしていませんね、お元気でしょうか?














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俳句航海日誌 清水昶(武蔵野)    01/10/21 /Sun 16:03



            新茶



11          鎖骨折り曲がる廊下に秋の昏れ



12          新茶入れあふるるばかりの月夜かな



13          美酒少し舐めて満月盃に入れ



14          酔ふほどに舌のもつれる冷奴



15          泥鱒鍋かこむ土方の二三人



            (今日の名句)



            唖蝉の差別用語と思はずや 舟久保倭文子



有無、先日、ある新聞記者から「差別用語辞典」を見せてもらった。「唖」「めくら」「つんぼ」それに「部落」「癩」「らい病」も駄目。こう、癌時柄目では落語も文学も成立しなくなる。しかし「差別用語辞典」そのものが「差別用語」を使っている。ありゃ何だ?


            唖蝉の真昼に青き空愛す 甲斐









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俳句航海日誌 清水昶(武蔵野)   01/10/21 /Sun 13:19



            新米



6           喝入れて新米を喰ふ柔道部



7           新米の学生食堂に鴉かな



8           うつむきて新米洗ふ水の朝



9           新米の秋田小町や横恋慕



10          ふつふつと新米に耐へる電気釜



            (今日の名句)



            麦秋のしんかんたるに耐えゐたる 安住敦



有無、麦秋の今の季節は、そのやうな気持ちにもなりますなあ。

●ケーブルをパソコンに繋げば一瞬にして受送信が出来る。光りファイバーを使っているせいだろう。

●かよさん、梵の薄馬鹿野郎は旅に出しました。可愛い子には旅をさせろ。今頃は狼に喰われて野垂れ死にしているかも知れません。可愛そうなことをしたもんです。南無阿弥陀仏。








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俳句航海日誌 清水昶(武蔵野)   01/10/21 /Sun 11:42



            あめんぼ



9001        立棺の昏き廊下に秋の暮



2           湯殿山湯流れに跳ぶ青蛙



3           秋の雨古書街に動く傘の列



4           いぢめられ帰る途中に蛇苺



5           あめんぼに傘かがみをり水溜



            (今日の名句)



           刹那刹那に生く焚火には両手出し 津田清子



有無、この人生観や良し。人生達観の境地かな。

●しまった!オットセイさん。まだ健在の岩城久治さんを殺してしまった。お知り合いなんですか?今度お会いした折りは、こういうふに頭を下げていたと申し上げてください。♪