ぎっしりと書庫に眠りし秋ひらき 2000/09/02 01:57
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☆1「哲男さん、注目ありがとう。覚えていますか、小生が東京の日大病院で生誕<1940年十一月3日・明治天皇誕生日>したとき、あなたは小生に一瞥だにせず、(さ、お母さん、早くお家に帰りましょう)と言った一言を。あれから幾星霜、はじめて一瞥して下さいました」。
☆2「秋を追ふ一本釣りの海ひかり」
☆3「汝の名はレギオンに如かず秋の花」
☆4「蟹味噌を啜りてひらく秋の海」
☆5「秋川の海の子らが上に法師蝉」
☆6「書き写す聖書の秋は澄みきりぬ」
☆7「晩秋の大学に建つ聖母像」
☆8「人生を書きなほしたき秋岬にて」
☆9「不忍の秋に浮きたり友ひとり」
4年前の朝、小説家の友が不忍の池に浮いていた。遺書はなかった。
☆10「独酌で飲む酒辛し秋深く」
「馬鹿は死ななきゃ治らない、死んだら仏の邪魔になる」秋竜山。皆さんは?
その名はレギオン 2000/09/02 12:07
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☆11「かなかなや深林一里の道をゆく」
田舎の小学校時代、毎日、片道一里の道を通っていた。
☆12「ひぐらしや小さな秋を見つけたり」
☆13「秋は澄み森田童子はめぐりさり」
森田童子のグル-プは1983年解散した。
☆14「廃校となりし母校の木に鴉」
☆15「秋の中喝采もありし詩集捨て」
「愛または憎しみと共演しないとき、女は凡庸な役者だ」ニ-チエ(善悪の彼岸)。
皆さんは?
我が名はレギオン 2000/09/02 15:36
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聖書「レギオン」。「6000人を一単位とする軍隊」。転じて「烏合の衆」さらに転じて「大勢のひとびとに命令出来る者」。
☆16「夏帽子阿弥陀に朱雀高校の門」
☆17「渡月橋欄干にもたれ荻の月」
学生時代、渡月橋まで10分の元郷士宅に下宿していた。
☆18「かりがねの道遥かなり古都の門」
☆19「落魄の秋を訪ねて三千院」
☆20「荒涼と大いなる西部に落揮あり」
「ああ おまへはなにをしてきたのだ・・・・吹き来る風が私に云う」。(中也)。
名はレギオン 2000/09/02 17:10
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☆21「黄金の稲穂は島いちめんを登りつめ」
とびお君、どう?
☆22「ふりむくと空蝉のような妻眠り」
☆23「夕焼けにつつまれし群像皆若し」
☆24「五月祭寮歌の下でどよめきぬ」
☆ 25「しらたまの酒は初孫初しぐれ」
「学道の人、世間の人に智者もの知り知られては無用なり」。(正法眼蔵随門記)。
我が名はレギオンに如かず 2000/09/02 21:44
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☆26「母の死を青幻に描く秋の涼」
一色次郎「青幻記」。
☆27「海上の道に流れる残暑かな」
☆28「朝顔を夜に移して冬の旅」
☆29「か>る夜をは独酌にして秋を描く」
☆30「秋の雲汝の手紙はあの辺に」
☆31「霧の音汝と流れし仮の宿」
☆32「長子泣く寒村の秋の稲穂かな」
☆33「長子継ぐ家なき庭に落穂かな」
☆34「打ちのめしうちのめされる稲田かな」
☆35「露草や耳鳴りの古里母遠し」
「洗濯機」さま、いつも貴兄の状況判断には、感服しています。でも、その筆名?何とかなりませんか?せめて本名。
風林火山にて句作 2000/09/03 00:36
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☆36「フル-ツの村の夕暮れさらに秋」
☆37「天龍へ流れ入る雲雪崩れ打ち」
☆38「裸婦像は秋の微笑をたたえをり」
☆39「漁師ひとり乱気流に巻き飲まれ」
☆40「死者一人秋の予報に海しずか」
温子さん、今どきの時間は静かだね。みんな寝てしまったんだ。「たましい」の話しを聞かせてよ。
渚にて 2000/09/03 02:01
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☆41「閣僚の西郷像に秋の老ひ」
☆42「ナイアガラ瀑布を見たし秋天に」
☆43「秋薫る女(ひと)が過ぎゆく橋の上」
☆44「聞き耳を立てる子猫に鈴虫が」
☆45「たましいの話をしのぐ秋の虫」
「学道の人は、すべからく貧なるべし。財おほければ必ずその志しを失う」(正法眼蔵随聞記)。冗談じゃないよと思うんだけどなあ、皆さんは?
たましの話しをしのぐ秋の虫 2000/09/03 09:45
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☆46「放たれし鮎はするりと岩清水」
☆47「鞍馬にて火祭り照らす青春も」
☆48「朝早き嵯峨の豆腐に若葉かな」
☆49「病みあがり仕込み杖さながら秋の道」
☆50「残暑にて一本の杖で蛙打ちのめし」
最近は、夢の中でも俳句を作っている。依頼原稿も一本、すっとばしてしまった。なんだか悪い病気にかかっているのかもしれない。
命長ければ恥多し(徒徒草)。 2000/09/03 11:07
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あたりまえだと思うんだけど?
☆51「極道もすこし過ぎたり秋の雪」
「秋の雪」秋田の銘酒。
☆52「渓谷の釣舟草を目にて漕ぐ」
☆53「父遠し萩中学までの蛍雪を」
父は旧制萩中から陸軍士官学校にいった。村から萩中には片道4時間かかつたという。まさに「蛍雪時代」。
☆54「一天をつらぬく雄山積乱雲」
☆55「夏惜しむヨットの白帆巻き上げて」
☆61「秋移し兄弟仁義に明日ありや」 2000/09/03 12:01
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☆56「秋の海弧舟の漁師は老ひにけり」
☆57「断崖に蛇垂れる秋怒濤」
☆58「引き潮の年齢もなし天の川」
☆59「新月に抱かれし晩年母涼し」
☆60「書斎にてあずき氷と夏溶かし」
☆66「汝の名はやはりレギオン秋の風」 2000/09/03 15:52
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☆62「硫黄島もぬけの殻に砂嵐」
☆63「罪と罰あるいは磔刑の夏を疑ひぬ」
☆64「天城越え名もなきひとの生き別れ」
☆65「秋悲し錆びた鎖の銀時計」
父は士官学校の銀時計組みだった。
美女は命を断つ斧(西鶴) 2000/09/04 09:53
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皆さんは?
☆67「熊蜂の巣突く子らは秋に散り」
☆68「蜜蜂の大軍唸る夏の峰」
☆69「鳳仙花その峠にて詩人散る」
☆ 70「海ゆかば白刃を渡る月もあり」
人間は欲に手足の付いた物ぞかし 2000/09/04 13:57
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☆71「老人がシャボン玉の中にいる昼下がり」
☆72「ひたひたと水湧く夜の村祭」
☆73「鬼やんま秋の鮎川すれすれに」
☆74「愛されず寒村に咲くすみれ草」
☆75「赤とんぼ木立にまぎれる子守唄」
哲男さん、小生の機械はだいぶ前から何にも出ないよ。
越後姫さん、東京も肌寒いよ。何だか心もね。
簡単なる文章が最も面白き者なり(子規)。 2000/09/04 17:56
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☆76「秋の空渡りし雁も暮れゆけり」
☆77「わが影にすすきヶ原がひろがって」
☆78「月下にて編笠揺れる風の盆」
☆79「新涼のベンチに忘れし夏帽子」
☆80「秋の水小鴨が二、三羽浮いてをり」
☆81「老ひふかその人が描く花水木」
☆82「ひまわりの畑をめぐる秋の蝶」
☆83「文鎮を忘れし句帳に秋の風」
☆84「独弾の音の切れ味秋を鳴る」
☆85「やはらかき手のひらでつつむ返り花」
未だ生を知らずいずくんぞ死を知らん(論語)。 2000/09/04 20:36
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☆86「指揮者立つ独壇場の秋鳴らす」
☆87「夏と秋あひだで吾子の白い歯が」
☆88「眼帯の右目に秋のかげろふが」
☆89「殉教の裔秋を動かさず」
☆ 90「泉までかなかな蝉についてゆく」
☆91「秋暁やまぶたのうらで海が澄み 2000/09/04 23:33
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☆92「僧ひとり濡れ縁であおぐ星ひとつ」
☆93「秋の卓盃に月夜を浮かべたり」
☆94「野心なき青年も立つ男鹿岬」
☆95「万緑のしずかなる死を肯定す」
今夜は寒い。シャワ-を風呂に切り換えようかな。明日は大雨の怖れあり。皆さん気おつけて!
☆96「哲学が秋夜に動くか野辺にまで」 2000/09/05 00:42
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絵馬さんに。
☆97「大鳴りの地震は秋をかさねつつ」
☆98「緋牡丹の壷に鎮まる美術館」
☆99「さみだれて詩集をめくる夜半かな」
☆100「パンの木の下に一匹の山羊眠る」
とびお君、貴重な時間を割いてもらって申し訳ない。メ-ルが駄目なで、こちらから電話します。その後の百句どうなるのかなあ。きりがなくなるけど。
☆101「鉛筆を削りて終わる蝉の声」 2000/09/05 19:01
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☆102「暗き書庫漱石全集秋を閉じ」
☆103「ほずきの市路地裏にひっそりと」
☆104「くちずけはほうずきの薫り遠き日に」
☆105「大いなる蛇行の生を秋うねり」
☆106「パリに死す詩人の墓に涼献ず」
☆107「まなうらに鮎川流れし古里もあり」
☆108「千年の杉はうねりて秋に立つ」
☆109「青嵐の吊り橋少年と驢馬渡りゆく」
☆110「病院の秋の子くらりくるりと車椅子」
小生を手伝って下さる五名の方々、ありがとう。心から感謝します。しかし掲示板で、めったな事を言えなくなってしまった。その辺は予期に計らって下さい?
こんばんは 2000/09/05 22:46
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星麿さん、了解。
☆111「座を立ちし老僧の背に蝉しぐれ」
☆112「秋しずみ老僧はすでに六道に」
☆113「棲み古し母郷なければ夏つばめ」
☆114「亡き友へ葉書を出しおり信天翁」
☆115「竹の秋嵯峨野に眠る主の墓」
学生時代、嵯峨野に下宿していた。その元郷士小松家の主の祖父は小生の母方の祖父と陸軍大学で同期だった。偶然の一致である。
そしてレギオン 2000/09/06 00:03
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☆116「書架に置くヨットのライタ-秋の中」
☆117「蜂蜜を牛乳で溶く秋ひとり」
☆118「背骨を恐竜の骨かと信天翁」
先日、病院に行った時、机の上に骨の模型があった。「先生、これは恐竜の骨ですか」「いや、背骨だよ」。短い会話でした。
☆119「母百歳まで至る途中の曼珠沙華」
☆120「妹のうすき乳房に秋の麦」
現在、角川の「俳句」の付録「俳句手帳」を使っている。今まで、その二册を潰した。一册で590句書ける。あと、十余册残っている。今まで俳句に興味がなっかったけれど、雑誌「俳句」は、十余年ぶん、そっくり、そのまま保存してある。俳句の地獄に宝庫あり?
おやすみスプ-ン 2000/09/06 02:27
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☆131「花の蝶北の原野を舞ひて秋」
☆132「初鮎に挑む青年立つ瀬あり」
☆133「泉掬む子らに晴天秋祭り」
☆134「盲蝉太陽に向かってまっつしぐら」
田舎の子らは残酷だった。爪で蝉の目を潰して天に放つのである。そうすると蝉は、あかりをもとめて太陽に向かって一直線に飛ぶ。
☆135「鳶職の東京タワ-に雪横殴り」
咳してもひとり 2000/09/06 11:39
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☆136「大菩薩唖蝉閑と山眠る」
☆137「地ビ-ルの芯から冷えし地下街で」
☆138「大つぶの巨峰を贈る小つぶの老母かな」
☆139「新しい二千円札ひらり蝶」
☆140「寒梅の腰つよければ椅子も揺れ」
「一山を覆へる霞や花の冷え」(桂信子)。
この句が悪いのは「花の冷え」。「花冷え」でなければ季語として通用しない、とは俳壇のプロたちの言。何だか皆さん、おかしくない?
名はレギオン 2000/09/06 17:11
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☆141「野火遥か青春の碑はすでに建ち」
☆142「おしみなく愛を奪うか秋の風」
☆143「血と麦をひらけば青し秋の風」
☆144「青春の歌集は薄しすすき吹き」
☆145「黒髪に子蜘蛛巣を張る秋の夜」
温子さん、小生は詩を止めたわけではありません。現に「ユリイカ」「現代詩手帳」ほかに七編、今年になってから書いている。ただし、「現代詩にはメッセ-ジが欠けている」。いずれ詩の雑誌に、そのことを書こうと思っています。
それでもレギオン 2000/09/06 21:26
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おるかさん、了解。「かおる」が「おるか」みたいなものですね。
☆146「力士来る秋場所に立つ伊達男」
☆147「掲示板午後深閑として緑なり」
☆148「首なしの地蔵に遊ぶ我ひとり」
☆149「ドラムカン夏に置き去りビ-トだけ」
☆150「そら豆の一斉に鳴る秋は過ぎ」
哲男さん、この句、寺山修司かな?
そしてレギオン 2000/09/06 21:54
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☆151「まほろばに声掬むひとあり吉祥に」
☆152「破戒僧なりたし我もさんま焼く」
☆153「天界の鈴虫涼し秋の夜は」
☆154「頬杖の長びく汝に天の川」
☆155「しずかなる咳ひとつみつ秋の夜」
星麿君へ!
さらにレギオン 2000/09/07 00:12
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☆156「点滴のゆるりと落ちる秋もあり」
☆157「病室に閉じたる点滴秋の中」
☆158「点滴のさびしき秋の夜長かな」
☆159「たましひの点滴落ちぬ萩の夜」
☆160「手も足も眠ることなし澪標」
まほろばの君に伝言あり。『銀猫』の飯島章の作品「風に寄せて」はいい。すなわち森田童子とおなじく現代詩が「歌謡」となる。
眠れレギオン 2000/09/07 01:49
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☆161「秋立つやそこらの草に名をつけて」
☆162「氏素性たしかめる余地なし秋の婚」
☆163「蛇苺おぬしは武士の末裔か」
☆164「まつさをな海をひろげるくらげあり」
☆165「風の盆ふわりとよりそふ女あり」
絵馬さん、季語と季語のぶつかり合いは機械の機能の機能のぶつかり合いと良くにていますね。それが上手くいかないとエラ-が頻発する。
名はレギオン 2000/09/07 11:11
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☆166「野佛や知らん顔する秋の空」
☆167「ここ過ぎて悲しみの市鰯売る」
☆168「桃熟れてしめやかにゆく婚礼も」
☆169「学僧や金閣寺の秋を戸惑ひぬ」
☆170「雉子撃ちの古里の銃声遥かなり」
どなたか三好達治の俳句について詳しい方、ご教授下さい。
レギオン目覚める 2000/09/07 17:05
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☆171「月明の下に蛙の銀の笛」
☆172「五稜郭はかなき戰の赤とんぼ」
☆173「秋の峰より落ちる蛇の滝」
☆174「秋昏れて異国の丘から帰還せず」
☆175「京五條橋の上にて扇舞う」
☆176「越後獅子雁鳴き渡る城下町」
☆177「椎の木の林のそばに葱坊主」
☆178「菜の花の畑に入り日薄れゆく」
☆179「麦畑教会の時計かちかちと」
☆180「いろり端山家の媼が柴を焚き」
hagiさん、「測量船」にありますか、ありがとう。実は思いあまって以前「朝日」に達治の句について書いていた宗左近に電話をしたところ、あまり知らないとの答えでした。小生がパソコンで俳句を書いている、と言ったら「僕はそのような文明の利器に関係のない古い人間だからね」とおっしゃいました。電話を切ったあと、はたと納得。彼は詩集「縄文」のひとでした。三好達治全集は全巻持っているので、これから、さっそく調べてみます。
絵馬さん、洗濯機さん、おるかさん、茶袋さん、星麿さん。小生が、さりげなく示した桂信子の一句「一山を覆ふ霞みや花の冷え」が、それほどまでに重要な問題を持っているとは思いませんでいた。
この句を問題にしているのは角川「俳句」平成8年9月号。鼎談「無季でもいい作品をみとめるか」。
その出席者のひとり青柳志解樹の発言は次ぎのとうりです。
「花の冷え、はとてもおさまりのいい言葉なんですよね。五音でぴったり納まる。もともと「花の冷え」という季語はないんです。「花冷え」という時候の季語があるから「花の冷え」はずいぶん多くのひとが遣っています。誰かが遣って、とてもそれがよさそうだからそのまま受け入れちゃっだろうね。だけど私は遣いたくないね」。
他のふたりは答えず。となるとこの掲示板でのやりとりのほうが、はるかにすぐれている。
明日は十五夜 2000/09/11 20:19
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☆181「十五夜は雲に隠れし母子の家」
☆182「明月の門に佇む僧ひとり」
☆183「満月を背負ひて老母の針仕事」
☆184「名月の古里に一家の墓ありや」
☆185「名月の下に鳴き入る青蛙」
明日は曇り。満月は見えない。
訂正 2000/09/11 20:26
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名月の門に佇む僧ひとり
疾風 2000/09/11 23:34
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☆186 迷走し疾風のごとし秋台風
☆187 秋しぐれぬれるにまかせる軒の花
☆188 痩せ細る列島の腹をねらふか嵐の秋
☆189 扇風の絵図まはり来る嵐の秋
☆190 大つぶの雨にすさめく秋すだれ
☆191 村の家のめす台風もうひとつ
冬月君、少し上手くなったね。ところで『零の発見』の著者は誰だっけ?
鵜呑み 2000/09/12 01:44
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☆192 台風が村々の麦を鵜呑みにし
☆193 秋の海荒れるにまかす波の舌
☆194 おぬしなどくたばるものかと青ひ麦
☆195 麦秋の台風ひそと台所
☆196 伝書鳩まぎれし母の秋の便
☆197 長子継ぐ仏具屋秋暮れゆけり
☆198 台風に胸張り聳ゆ大欅
☆199 夜鴉が鳴りをひそめる秋嵐
☆200 冬の月沈まんとして浮く海の果て
冬月君、きみとナンバ-を争っていた。勝った!。「老人くたばりやすく額崩れやすし一瞬の荒飲もうなりがたし」。おさきに失礼!
怒濤 2000/09/12 11:56
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☆201 突堤で怒濤に喰い入る秋の魚師
☆202 一瞬の雲の切れ目に鈴虫が
☆203 手を打つもならぬひとりの秋怒濤
☆204 農を継ぐ長子をのめす秋の嵐
☆205 風雅など叩きのめして秋嵐
コヨ---テ 2000/09/12 16:17
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☆206 さりさりと梨むくゆびに朝匂ふ
☆207 午後零時振り子が止まる野分け哉
☆208 開禁のシャツの道ゆく野分け哉
☆209 頭領が頂点で揺れる秋嵐
☆210 月下にてコヨ-テ忍ぶ家の辺に
茶袋さん、まだ、お休みかな?なにしろ時間が、あべこべなんだから。
ニュヨ-クは、憧れの都会でした。『真夜中のカウボ-イ』みたいにね。そこにコヨ--テが出るなんて!
『俳句遊び』興味はあるけど、余裕がないなあ。上の句、註がないと成立しない。『我が友ニュヨ---クの茶袋へ』と。なんだか、おかしいかな?
絵馬さん、ありがとう。岩波の芭蕉は持っています。小学館の『松尾芭蕉』も。しかし、勉強していない。反省します!
満月そしてリチャド-・ライト 2000/09/12 22:50
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☆211 さはやかに芭蕉のこして野分ゆく
☆212 芭蕉なる憂愁の生涯峠越え
☆213 月ひとつ戸惑ひなきかと翁に聴く
☆214 月下にて義仲寺の翁の墓
☆215 アメリカの息子も詠みたり翁の音を
洗濯機さま、驚きました。佐伯彰一の訳もいいのれすね。
芭蕉。元禄七年(1694年・51歳)逝去。いまを去ること、三百四年。我々はなにをやっているのだろう。
天皇の月 2000/09/12 23:58
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☆216 閉閑の翁が道ゆく凩の
☆217 若き日の芭蕉も見たり秋の月
☆218 佐和子とふ無明の秋に詩人死す
☆219 芭蕉の死忘れし我に秋の老いひ
☆220 望月は奈辺にありや秋嵐
哲男さん、わが古里、羽月部落は大変な事になっている。猿が出没して柿の実を片っ端からもぎとり、猪が我が者顔に田畑をあらしている。もう人間の棲むところではなさそうだ。母からの伝言。我々は山猿の子孫であることを、お忘れなく!皆さんには私事にて失礼。
温子さま、セイコウドルシュエは大変な代物だった。七万はする。形見分けですね。
天皇の月 2000/09/13 02:23
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☆221 満ち欠ける月下に鈴虫転がりぬ
☆222 天皇の月を想ひて悲しまむ
☆223 千年の天皇の月は引き潮に
☆224 無差別に月は天上に傘をさし
☆225 あれはねえ天皇の星だと子らいはぬ
「差別」?少し関心がある。「差別」の問題は、ついに南北朝の動乱の絵巻を辿らねば駄目だ。被差別部落の側に立った中上健次は、うめくように、そういって去っていった。もともと、天皇は「賤民」であり、同時に「選民」だった。その天皇制の謎を解きあかさないかぎり、いわゆる「差別用語」を云々しても何事もはじまらない。あと天皇制国家が母系制であることも念頭に置かなければいけない。かなり、しんどい問題だが、それを解いた者は残念ながら、誰ひとりとしていない。美濃部亮吉?の「天皇機関説」も駄目だった。執拗に我々は、そのような観点を念頭にして現実の「差別」の問題を考え抜く必要がありそうだ。
野猿 2000/09/13 08:22
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☆226 寒村の凩に飛ぶ野猿あり
☆227 母からの便り淋しき秋の風
☆228 荒れ果てる秋に猪が突っ込めり
☆229 柿の木の猿(ましら)の下の一件屋
☆230 古里遠くなほものめすか秋嵐
過疎の村に野猿の来襲。手のほどこしようがない!
訂正 2000/09/13 08:48
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☆229 柿の猿(ましら)の下に一軒屋
柿の木の猿(ましら)の下に一軒屋 2000/09/13 10:21
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度字?でした。
☆231 水瓶座水をのみ干し天乾き
☆232 蠍座の蠍の星は我の性(さが)
☆233 満月の海に怒濤と疾風が
☆234 腰ひねり一句をひねる木瓜(ぼけ)の花
☆235 満月を肴の盃の秋意あり
晴れて来た 2000/09/13 11:38
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☆236 満月を掬む盃の上(へ)に秋意あり
☆237 少女期が終わる枯木に黒揚羽
☆238 少年期ピ-ス吸いつつ秋を巻く
☆239 青春をふり返らざる枯木灘
☆240 書斎にて我より淋しき蚊が迷ひ
これから新宿俳句文学館に出発!
棕櫚竹 2000/09/14 16:01
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☆241 棕櫚竹の道ゆく日傘くるくると
☆242 百日紅ふたりがひとり秋の風
☆243 らいてふがひとりぼっちの矯正会
☆244 俳句館深閑として秋を閉じ
☆245 端座して迷ひし秋に布石打つ
絵馬さん、もうすこし経ってでいいから、時間をもらえないだろうか?句集についての相談あり。宛てがないでもないのですが、まず千句も見てもらいたいのです。
秋暁 2000/09/14 20:28
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☆246 秋暁の荒田に立ちし若き父
☆247 秋暁の母が掬む水旨し畦
☆248 海風のやさしい松に降る月夜
☆249 藁屋根の故郷にひとつ落椿
☆250 大海の底に聳える山に蟹
メ-ルようやく開通。どなたかの通信が重くて、入り口を塞いでいた。それをプロバイダ-に削除してもらったら61通、無事発見。この掲示板のくだらないのも削除できる。
柿の木 2000/09/14 23:46
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☆251 俳句にはドスの鋭さ秋ひえて
☆252 愛(かな)しみの流れの中に鮎の影
岸風三婁?の俳句作法のひとつは「俳句はドスのするどさ、短歌の切れ味は長刀的」。
☆253 田に伸びし人影は月あかりまで
☆254 柿の木に母晩年の月ひとつ
☆255 サッカ-に十字を結ぶ秋の影
サッカ-の夜間中継を見ていると、選手の影が十字になって動いている。
天の川背の子の寝息深くなり 2000/09/15 02:15
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☆256 月に泣く詩人の手紙赤穂から
☆257 僧ひとり美濃に降ろして枯れ野バス
☆258 篤実の賦なれば涼し夏風の句
俳人「斉藤夏風」。
☆259 新宿(あらじゅく)の納豆汁をすする秋
☆260 魂魄を眼前に据え花眠る
上の句は基角ですか?友だちに聴かれました。
梵さん、茶袋さんの言、皮肉だよ。
水引草 2000/09/15 11:44
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☆261 大菩薩越えし旅人の戒名は
☆262 一筆に託す秋風赤穂から
☆263 根幹を成す合掌や大欅
☆264 秋雨降り仏間で凛と水引草
☆265 嵐山貧しき学僧秋ひとり
清水哲男の歳事記は本にするものだとばかり思っていた。そうでなければ虚しいよ。
シドニ-の秋 2000/09/15 15:59
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☆266 武蔵野の句帳の中に青蛙
☆267 大つぶの霰一瞬武蔵野を
☆268 シドニ-の秋に発して戦果待つ
☆269 整骨医秋に架けたる晩鐘を
☆270 青線の一帯もあり蝶ひとつ
今日からオリンピック。人種闘争に注目!。
絵馬さんへの伝言、伝わったかな?
水澄まし 2000/09/16 19:14
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☆271 一生を映画で終わる蛍川
☆272 老いひたす渓谷に浮く水の秋
☆273 どろどろと雷鳴り渡る秋祭り
☆274 少年期ゆめまほろばの水澄まし
☆275 去る夏に子どもがひとり水澄まし
雷により、しばし退避!。梵さん。句の乱れ打ちではなく、今度は、まとめて五句見せてくれない?小生は他者の句のうんこを肥料として句を書いている身の上だから。
姫ゆり 2000/09/16 22:49
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☆276 姫ゆりを卒然と挿す老母かな
☆277 火薬庫がくぬぎ林で眠りをり
☆278 火薬庫を見廻る老父に落葉に散り
☆279 藤村の破戒終わらぬ木曽路秋
☆280 秋蝉の絶へし枯野に僧ひとり
金メダルて一体、何個あるの?
蛇 2000/09/17 00:12
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☆281 蛇衣脱ぎ捨ててあり地蔵坂
☆282 川泳ぐ蛇うねりゆく水の秋
☆283 蛇が巻く梢の先の秋の月
☆284 写真撮る鈴虫の音と美術館
☆285 秋涼にひとり百人町の俳句館
さて、ここで一風呂。
草花 2000/09/17 01:58
Access from kichijoji2-220.teleway.ne.jp
☆286 舟大工骨組み立てし秋の浜
☆287 月影を置き忘れたり写真館
☆288 草花の古里もありしか涼秋に
☆289 夜烏も鳴きをり秋の遠い火事
☆290 秋暮れて子ら飛び跳ねる空手館
おやすみなさい。
秋冷え 2000/09/17 16:47
Access from kichijoji3-17.teleway.ne.jp
291 秋水の藻の中めだか掬いをり
292 秋冷えの文に一筆火の匂ひ
293 花埋み秋かも知れず女ひとり旅
294 花緒なる俳人昏れる秋の道
295 秋の夜のひとりぼっちの遠き火事
哲男さん、そんなの、事勿れ主義だ。小生のでも誰のでもいい。削除すべきは片っ端から削除すべきだ。小生「平和と民主主義」が嫌いだ。むしろ、文学的な「戦争と平和」を望む。削除、要再考されたし!
破牢 2000/09/17 18:09
Access from kichijoji3-57.teleway.ne.jp
296 火の手挙げ何を怒るか秋雄山
297 大菩薩白骨温泉は秋の果て
298 老ひ秋は未来の明日かさんま焼く
299 噴煙の入道のめす秋の島
300 破牢せし流人の墓に蚊が少し
絵馬さん、俳句の場合、「私なら、こう書く」と言われた時、なるほど、と思いますね。その時、御当人の承諾を得れば、その句を、自家薬籠中?のものにしてかまいませんか?
柿 2000/09/17 19:33
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301 柿を剥く皮はくねりて終わる秋
302 病むひとの唖蝉が止まる梁の上
303 秋味のビ-ルは苦し夜汽車揺れ
304 少年院サッカ-ボ-ル秋開き
305 焼き討ちの本能寺あたりの秋の虫
温子さん、格別、怒らないけど、もっと文学的に喧嘩をしたらどうですか?たとえば藤村の「破戒」を念頭に於いて「差別」の問題について論じるとか、あるいは北条民雄の「いのちの初夜」とか。梵さんには、少し、そういうところがあるけれど、もし、やらせたら小生のほうが上手だよ。
冬月君、デリカシ-て「優柔不断」てことも意味するよ。
秋の月 2000/09/17 22:47
Access from kichijoji1-90.teleway.ne.jp
306 秋の月餌食をねらふ蛇うねる
307 土筆生えそこを狙って測量士
308 御老女がすらりと締める秋の帯
309 蛇苺嫌はれし子の家出かな
310 湯豆腐や秋のなごりの南禅寺
井川博年からファックス。「俳句研究」10月号。三浦雅士が「俳句・現代詩戦争」という一文を書いている。コンピュタ-俳句にも関係あり。彼をつかまえて、どこかで論争したい。
残生 2000/09/18 00:18
Access from kichijoji2-151.teleway.ne.jp
311 残生にひとまず舞うか秋の蝶
312 武蔵野の風落ちてなほ秋の虫
313 カッコウの巣にうねりゆく蛇の秋
314 颱風の迷ひし道にひそむ蛇
315 青春の幻影に映える夕月夜
温子様、たとえば掲示板は商業雑誌の一ペイジと同じです。誰もが手にとって眺めていると考えたほうがいい。そこで考えるべきは、読者が、そのペイジに、どのような興味を示すかどうか、書き手は、もっと考えたほうがいい。これは、あなたのみならず他の書き手諸君にも言えます。
絵馬さんが、かつて俳句には地(背景)と図(主題)が必要だと言った事と掲示板作りは同じなのです。
颱風一家月下美人 2000/09/18 02:11
Access from kichijoji3-20.teleway.ne.jp
316 常日頃疎遠の軒に月下美人かな
317 立ちどまる路地裏に咲くすみれ草
318 尼寺に仮眠をしたり秋匂ひ
319 聖戦の句抄も知らず秋の虫
馬酔木に「聖戦句抄」あり。
320 シベリアの凍土詩人の手記氷り
おやすみなさい。
放蕩 2000/09/18 10:07
Access from kichijoji2-200.teleway.ne.jp
321 蛇滝のしぶきを霧に余は霞み
322 秋に逝く吾子の墓なし桐箱に
323 放蕩の吾子もありしか秋の墓
324 仏具師になりし長子の秋深し
325 武蔵野の猛然緑樹にひとり立つ
病院 2000/09/18 11:07
Access from kichijoji2-215.teleway.ne.jp
326 秋虚しさらに畳んで鶴を折る
327 銀杏や汝の峠か雲の嶺
328 卑屈なり閉鎖病棟秋も閉じ
329 清潔な病院暗し匙の音
330 叩き割る皿のス-プに薄い葱
病院とは?
北海 2000/09/18 11:56
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331 破門され帰る家なし曼珠沙華
332 水割りの氷りは根室の居酒屋で
333 北海の旅にしあれば氷り割り
334 流氷の終わりの旅は岬まで
335 花言葉水で割ったり詩人逝く
田村隆一
夕焼けや涙の谷に渇く蛇 2000/09/18 16:06
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336 目薬の瞑目に浮く水すまし
337 秋の駅錆びたナイフのなごりかな
338 果てしなき残党たちの秋長し
339 スロ-ガン曵き壮年の秋暮れず
340 秋風は血統に乗りカインまで
風説によると、セクトの内ゲバ悲惨な状態のまま、現在まで暗闘を続行している。
我の名は荒ぶレギオン秋の風 2000/09/18 23:29
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341 初猟の猟銃天に向け磨く
342 秋場所や深閑と去る水戸泉
343 老力士精悍のまま秋を去る
344 塩を撒き塩を踏み締め秋去りぬ
345 鷹渡りあしたは水戸の泉まで
水戸泉引退!
おるかさん、注目していて下さってありがとう。なによりの励みになります。ただいま出版社を模索中。感触なきにしもあらず?
小沢書店の倒産に衝撃!小生の著書2冊。『詩の荒野』と『三島由紀夫』。社長とは青年期からの友だちだったのに。
健次郎君、ありがとう。やっぱり、あなただったの!各務君によろしく。京都の行路社は健在?
谷内君、梵さん。三浦君の件、『現代詩手帳』10月号と多少関係がありますから御覧になって下さい。
目玉焼き 2000/09/19 01:10
Access from kichijoji2-190.teleway.ne.jp
346 耳若し受話器に聴ゆ蝉しぐれ
347 脱会の秋櫻子に鳴くほととぎす
出来過ぎ?
348 目玉焼きおぬしなど知らぬと朝寒し
349 ほおずきの里の便りは乱れ書き
350 若き友受賞せしとの秋の聲
江口充へ。
凶作 2000/09/19 02:07
Access from kichijoji3-18.teleway.ne.jp
351 清水の星下りしは墓の街
352 柿の木や去来の墓に落葉かな
353 凶作の田畑に鴉一羽のみ
354 凶作の農少年に柿ひとつ
355 凶作の子ら日の丸弁当に餓え
おやすみなさい。
紅葉 2000/09/19 09:34
Access from kichijoji1-46.teleway.ne.jp
356 初紅葉待つ茶屋ありし老夫婦
357 ほおずきを舌に転がす汝の味
358 月下ふたり野菊の墓に詣でけり
359 一代の紅葉に終わり家系断つ
360 処刑され髪ひとすじの秋終わる
絵馬さん、三浦雅士は、ひどすぎる。いたぶらねばね。
京人形 2000/09/19 10:58
Access from kichijoji2-143.teleway.ne.jp
361 真夜の秋夢の死に落ちがば起き
362 涼秋や祖母の形見の京人形
363 道連れと別れて仰ぐ天の川
364 大輪の花火の下の笹の舟
365 水中花悲しみの恋浮かべをり
昨日、平凡社「俳句歳事記(秋)」を買う。
ほうずきの月 2000/09/19 11:59
Access from kichijoji1-78.teleway.ne.jp
366 麦熟れてサリンジャ-の晩年淋しけり
367 水つねに繰り返しをり九頭竜を
368 秋燕大仏の掌で思案顔
369 秋簾書斎の窓で我に問ふ
370 ほおずきの月の下にて次郎寝る
秋津 2000/09/19 15:40
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371 草野球漱石投げしは変化球
372 玉砕の島夏酒場に日本人
373 洞窟の戦禍に酒場夏落揮
374 藁葺きの明治を残す木曽の道
375 故知らず名を告げ秋津に入水す
家に「会社四季報」がある。あれは「会社歳事記」として利用出来ないものでしょうか?
白神 2000/09/19 16:36
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376 ふるさとを探しあぐねしひまわりも
377 格子戸の京の下宿の守宮かな
378 かまきりが鎌を振り上げ天仰ぐ
379 憎らしき人の鬼籍に菊の花
380 一望にして白神山系の残り雪
冬月君、これから歯医者。話しはあとで。
清川八郎 2000/09/19 23:29
Access from kichijoji2-182.teleway.ne.jp
381 庄内の稲の風吹き余を忘れ
382 索漠と清川村に稲の風
383 刺し殺す清川八郎秋の月
384 油断なり八郎の柄秋の錆び
385 秋新選浪士が止め暗夜にて
祝五十万は結構だけど、どうして皆、下手な川柳に関わるの。どうかしてる。
裸婦像 2000/09/20 00:09
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386 俳句文字一瞬の秋に鳩撃たれ
387 歯科医師の裕子のゆびに秋なごみ
388 裸婦像に妻とは違う秋の涼
389 驢馬飼を連れサンチョパンサの帰郷かな
詩人石原吉郎へ。
390 甲斐の末裔(すえ)梨は鈴なり野にひびき
久しぶりだな蝉息!疲れたの?
秋水 2000/09/20 02:30
Access from kichijoji2-217.teleway.ne.jp
391 秋水にしみ入るごとし書をひらき
392 武者ぶるひ野に立つ父に凩が
393 壮年の父の手硬し秋の斧
394 母の手が秋水を掬む村祭
395 切れ味の刃物をひたす秋の水
温子さん、「清川八郎」。新撰組の先駆けの新潮組?の領袖。彼の配下だった近藤勇らに尊王攘夷、勤王佐幕?の権力争いに巻き込まれ暗殺される。稀代の秀才であり、策士でもあった。篠田正浩の映画『暗殺』の主人公。
黒葡萄 2000/09/20 11:46
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396 哀しみの青春の書を開く秋
397 青春の書に銀杏の栞かな
398 壮年の心に落ちる桐一葉
399 俳僧の鎮める心秋の寺
400 我窮す目の前おおつぶの黒葡萄
絵馬さん、兜太の句は良くない。現代詩は、それで壊滅状態に陥った。
孤独 2000/09/20 12:36
Access from kichijoji2-156.teleway.ne.jp
401 石を持て追われし秋に啄木記念館
402 孤独とはみなし児独身落葉焚く
403 解脱まであと何マイル曼珠沙華
404 独酌で啖呵を切るか秋の老ひ
405 ほおずきの里も病みをり便り絶え
お腹がすいた。
猟師(またぎ) 2000/09/20 15:29
Access from kichijoji1-38.teleway.ne.jp
406 音階を踏みはずしては隣家秋
407 九谷焼秋風乗せる皿一つ
408 雪原で猟師が狙ふ黒兔
409 竹の子の御飯を愛でる加賀のひと
410 山籠る猟師が降りる里の秋
おるかさん、兜太の句、それにしても、この句には余情がない。上手い句なのですか?
婚姻 2000/09/20 16:52
Access from kichijoji3-43.teleway.ne.jp
411 許されぬ婚姻の夜螢かな
412 婚姻の昏らき夜あり落葉散り
413 琴立てて秋草に見入る若き母
414 若き漁師寒風に集う芋煮会
415 離婚せし友より手紙秋しぐれ
冬月君、今度の「新潮新人賞」は「媒介と責任-石原吉郎のコミュニズム」(中島一夫・32歳)。たぶん、『新潮』11月号に掲載されるでしょう。石原吉郎に句集があるのは御存知ですか?また『詩塾』にこられたし!話が山積している。
おはよう苦虫 2000/09/21 06:23
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420 秋に秋重ねて柿のひとつみつ
419 天蓋の蓋を開ければ秋の月
418 乳母車銀河鉄道の母子のを乗せ
417 知床の岬に流氷妻灯る
416 汝抱かぬカナンの地まで秋の果て
その時、私は森の道に迷っていた。
白鳥 2000/09/21 08:01
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421 母殺し自転車疾走秋の果て
422 出口なき病院の門に秋の修羅
423 海鳴りの天草になごりの寂の秋
424 白鳥のグレイスケ-リ-秋の水
425 平成にあらず明治の雪恋し
生誕 2000/09/21 19:51
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426 箒星光を曵くか我が性(さが)に
427 満月の欠けたる影に我死なむ
428 生誕の淋しきひとに夜の薔薇
谷内君、三浦雅士のいう事は空論だ。もう止めよう。それと清水さんとあるけれど、どちらの清水?
429 愛されずしてのっそりと蝦蟇蛙
430 天秤に架けし汝の句秋の揺れ
会津 2000/09/21 20:27
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431 末裔の会津の友に桐一葉
432 蕎麦の糸すする会津の秋深し
433 薩長の憎しみを継ぐ奥会津
434 長州の末裔なれば花ならず
435 会津盆関東一声に不平あり
---長谷川裕一君に
寒村 2000/09/21 23:37
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436 新米の俵ずしりと貧重し
子供のころ、新米の俵を前にして家族は麦飯を食べていた。新米は供出しなければいけなかったからだ。「餓え」がつらかった。
437 麦飯を食べる子らは皆痩せ細り
438 寒村の子らのみはしゃぐ麦畑
439 望郷の想ひ伝へよ雁渡し
石原吉郎へ。
440 海苔巻きを頬ばる子らの運動会
濁酒 2000/09/22 00:27
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441 追ひ討ちの貧に窮して濁り酒
442 酔ひ潰れ濁酒に飲まれる寒き村
443 農家には理想などなしと鴉鳴く
444 旱魃の飢え恐ろしき濁酒かな
445 目を据えて濁酒に飲まれる老農夫
夜学生 2000/09/22 13:04
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446 夜学生ノ-トに閉じる秋の花
447 夜学生凩の駅で待つ終電車
448 秋ひえて目覚めたくなし夜学生
449 秋の訃報配り終わりて夜学生
450 落葉散る誰とも似ない夜学生
極道 2000/09/22 18:06
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451 鴎鳴く海霧の岬秋怒濤
452 病院へ戻る刻あり柚子ひとつ
453 風雅なる道に戻らぬ秋の月
454 柿襲ふ鴉寒村をあざ笑ふ
455 極道になりたくもあり柿ひとつ
三浦雅士を批評する方々の御意見はだいたい分かったつもりです。小生が現在知りたいのは、30年余「現代詩」を書いてきて、いきなり俳句に開眼?してしまった自分の不思議さに戸惑うからです。勿論、それは自分自身で、きちんと論理的に解決しなければなろません。その問題のひとつは、現代詩が壊滅状態にある現在、俳句から口語自由詩を再構築する道が何処にあるのかを問わなければ、小生にとって一切が無意味なのです。
「言葉、この奇妙なるイキモノ!」。
当を得たりとばかり、「図書新聞」から『連句の読み方』(安東次男著・思潮社・3800円)の書評依頼が来ました。安東次男は詩から俳句に転向した人です。どなたか本書に挑戦してみませんか?ただし、小生、読む前から悲鳴をあげています。
土俗 2000/09/22 20:15
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456 土俗とは秋に置かれし青磁かな
457 雨垂れを掌に受けとる秋祭り
458 伝来の家系図もなし竹槍も
459 濁り酒肴に痩せし秋刀魚
460 秋空を鴉が帰る井の頭
『俳句歳事記(冬)』(平凡社)吉祥寺東急紀伊国屋にて。
柿 2000/09/22 23:13
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461 嵯峨豆腐そっと掬いて秋澄みぬ
462 むつみ村柿なき道に立ちつくし
463 柿熟るる世紀末よりあと一歩
464 戦場の塹壕から生まれし花吹雪き
鈴木六林男氏へ。
465 東京の空に遠雷どろどろと
本日、角川『俳句』10号到着。
編集室 2000/09/23 00:09
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466 人影のなき編集室に柿ひとつ
467 颱風の眼に見据えられし青蛙
468 閑古鳥鳴く書斎にも秋の虫
「閑古鳥」という「鳥」は、実在するらしい。
469 流れゆく一葉の舟の故郷かな
470 郷士館とほきに在りて桐一葉
裕一君、CDありがとう。こんな事が出来るんだ。とびお君、共有テストメ-ル届いた?
レ-ニン 2000/09/23 02:09
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471 山の父ずぶ濡れの杉を曵きにけり
472 しめやかに露草を踏む土踏まず
473 レ-ニンの外套凍土に立ちつくし
474 寒月の澄みたり村の一軒家
475 レ-ニン笑ひの髭に霜の色
おやすみなさい。
鳳仙花 2000/09/23 06:04
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476 書庫の秋幾山河あり狭き間に
477 片恋や秋水で素足洗ひをり
478 俳諧を登りつめたる野菊かな
479 紅葉が襲ふ全山我ひとり
490 鳳仙花半島の夜霧深し
俳句には「雪をんな」「六道」「黄泉」「女郎花」などの言葉が、ごく一般的に使われている。現代詩には、めったに使われない言葉だ。やはり俳句と現代詩は、まったく異相を異にする文学なのだろうか?
狂句 2000/09/23 12:44
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481 氷山の砕ける海に鯨寝る
捕鯨が盛んな頃、友だちの兄は捕鯨船の乗組員で、目を輝かせて、その情景を話していたという。
482 塩を打ち丸齧りトマト少年期
483 木漏れ日の書斎の紅茶しずめをり
484 秋の夜も更けて狂句一気に書き下ろす
485 雨脚が武蔵野一帯の秋清め
おるかさん、その他の句よろしく。御迷惑をかけます。
シドニ- 2000/09/23 16:09
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486 シドニ-を抜ける春にて競泳す
487 抜き手切るしぶきを曵きて春の水
488 シドニ-のビ-チに春のボ-ル巻き
489 シドニ-の果実が熟るる端境期
490 バット切り青空へ飛ぶ火の礫(つぶて)
とびお君、あたりまえだと思うのですが。
とびお君、ありがとう。とにかく1500句完成。9月23日(土)。黙秘権 2000/09/23 17:41
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491 蝸牛木の根本まで黙秘権
492 涼秋のつま先までの昼寝かな
493 雨の日の鳥の木に垂れる蛇もあり
494 黙秘権山眠るまで覚めるまで
495 母の死を知らぬ椋鳥飢えを待ち
どなたか童話「椋鳥の夢」の著者名を御存知の方いらしゃいませんか?
少林寺 2000/09/23 20:28
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496 老木が秋を伝えし少林寺
「少林寺」。禅宗の初祖、円覚大師が正法眼蔵を伝授した寺。
497 老木を惜んで映す竜ヶ窪
498 正法を眼蔵するか秋の寺
499 鴨川のせせらぎを聞く老舗秋
500 崩れゆく京の老舗に桐一葉
冬月君、それ下さい。でも「つま先」は、そのままで。
温子さん、なるほど。でもクロ-ルは?
「抜き手切るしずかなるみお春の水」かなあ。これならどうですか?これからも批評下さい。