軒下を借りての神田喧嘩の花ならず        2000/08/17 01:48 
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(余白501)ホ−ムペ−ジの軒下。



(余白502)  『青竹もひん曲がっているよ右翼の木』



岡井隆に。



(余白503)  『あおぎ見る北斗星に影ひとつ』



(余白504)  『欲望という名の電車停車の秋の駅』





(余白505)  『純潔をのそりと侵犯すべし蝦蟇蛙』



(余白506)  『蝦蟇蛙のびきって親友の我を待つ』



(余白507)  『蝦蟇蛙ずぶ濡れの我と一緒に雨宿り』



(余白508)  『ぐんにやりと死んだふりする蝦蟇蛙』



(余白509)  『ふるさとに帰省したのか蝦蟇蛙』



(余白510)  『酒壜を吊るし蝦蟇の里に帰りたし』



つかれたよ蝦蟇蛙。



病院に秋風めぐって水車   2000/08/17 17:22
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(余白改稿1)200句までの句を点検した結果ほぼ3割りが駄句と判明。がっくり。改稿すべき句を拾っている。ラジオでは沖縄「那覇高校」が「兵庫育英」にめった打ちにされている。



(余白2)  『銀の匙ひと匙掬って梅雨去る』



(余白3)  『円月に鈴虫転がす渓谷が』



(余白4)  『蝉しぐれ赤い日傘が受けて立つ』



(余白5)  『手紙来ぬ病少年に霞み草』



(余白6)  『雨情庵よしきりするどく朝を裂き』



(余白7)  『羽根ひろげ孔雀がつつむ憂国忌』



(余白8)  『鉛筆を噛み切る子もあり夏休み』



(余白9)  『阿波遠し逢ひたしきみらと粋歌連』



(余白10)  『蝸牛落葉埋もれてものおもふ』



下萌える闘牛すがし地をはねて   2000/08/17 23:20
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(余白511)冬月君、読んでくれてありがとう。小生の句は、いまのところ火炎太鼓の乱れ打ちみたいなもので少し荒っぽいかもしれない。君の句は気まじめすぎるきらいがあるよ。かたっぱしから他人の句をよみこんで、そこから自分の性格に合った言葉を拾ってみたら?小生は少なくとも一日、500句ぐらい当たりをつけているが、気にいるのは、そのなかの2、3句で他は駄句に等しい。この掲示板で本格的に俳句をやろうとしているひとがいないのはさびしい。でも徳子さんの句



  『灯をいれて岐阜提灯の桔梗かな』



はいい。どうしてだか説明出来ないけど。



(余白512)  『放たれし馬に落輝のひぐらしが』



(余白513)  『暗緑にまぎれし鴉何ねらふ』



(余白514)  『老父ありじっと見つめる鮎の影』



(余白515)  『あじさいの寺で迷うか蝶ひとつ』



(余白516)  『烏賊釣りのランプさびしき故郷あり』



(余白517)  『水芭蕉池にひたりてぬしを待つ』



(余白518)  『手を打てば青竹の鳴る郷士館』



(余白519)  『仏壇のマッチを擦れば母の雪』



(余白520)  『万緑にまきこまれたり蛇の里』



串刺しの鮎のちからのなごりかな   2000/08/18 11:16
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(余白521)健さんへ。福島泰樹の件、調整はしますが宮城は遠いよ。これからも、小生の句の批評お願いします。でも、小生が「小生」を批評しているようでおかしいよ。



ねじめ君の登場にびっくり。



(余白522)  『雁わたる故郷を見捨てし画学生』



(余白523)  『法師蝉やっと来たのか武蔵まで』



(余白524)  『法師蝉合掌ひとりたれか死ぬ』



(余白525)  『九頭龍に詩人ありけりしぶきあげ』



(余白526)  『九頭龍ははげしき怒り腕を組む』



(余白527)  『寺さえもしずめる九頭龍雲怒濤』



(余白528)  『月山にひぐらし晩夏を鳴きとほす』



(余白529)  『線路さへ枕にしたか夏の月』



(余白530)  『勲章が空蝉の木にぶら下がり』



「あきこ」さん、8月15日を書いた俳人の文章を見つけました。



「混迷状態の中で指揮の統一を欠き将校と争う兵隊、もう階級は無いのである。夜には一層激しくなった。・・・・線路を枕に鉄道自殺をする将校・・・・割腹自殺をする将校、ピストル自殺をする下士官など犠牲者が続出した。私達の班は弾薬庫の歩哨に立った。・・・・弾薬庫にちかずく者は射殺せよとのこと・・・・今日まで生き残った者を射殺することは出来ない。夜間ちかずいて来る者には空にむけて発砲。非常に緊張した歩哨であった。』(木村照映)。



おそらく「関東軍」の潰走状態もそのようなとき、始まったと思われます。



たたみ込む一句にひらく霧ヶ峰   2000/08/18 16:34
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(余白531)徳子さん、もとのままのほうがいい。  『灯(ひ)を入れて岐阜提灯の桔梗かな』でしょう。すらりと言葉が流れてきれいだ。



(余白532)  『羽ひろげ鷹が攫んだ蛇頭かな』



(余白533)  『縦歩く蟹はますぐに雷の海』



(余白534)  『夏高しどろどろと鳴る陣太鼓』



(余白535)  『ひた走る血統なき馬土佐の道』



土佐には、血統のない競走馬を育てる有名な牧場があるという。



(余白536)  『水を掬む祭りのあとの童子らは』



(余白537)  『キイン−と鳴る球児に雷来たる』



ただいま甲子園に雷鳴ひびいている。松商学園3−鹿児島樟南7、おおつぶの雨が落ちてきた。



(余白538)  『蕗むいておんなの二の腕もむかれけり』



(余白539)  『馬冷やす湧き水にめだかおどろいて』



(余白540)  『青林檎齧り山野は甘く舌に染み』



深閑とうねる蛇頭に蝶ひとつ   2000/08/18 21:17
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(余白541)「あきこ」さん。「事実は事実」です。石原吉郎にも  『事実』と言う作品があります。読みなおして見て下さい。あの文章は角川の  『俳句』平成7年10月号からの引用です。木村照映氏がどのような句を書かれいるのか付記はありません。



(余白542)  『蛇頭なら聞いてくれるか忍ぶ恋』



(余白543)  『蛇頭など素知らぬ顔の青蛙』



(余白544)  『しなやかに蛇うねりゆく九頭龍に』



(余白545)  『蛇衣脱ぎ棄てたのか雪女』



(余白546)  『蛇もまた舌をまく沼蓮浮かび』



(余白547)  『蛇の目傘くるりとまわす京美人』



(余白548)  『難関をするりと抜ける蛇頭あり』



(余白549)  『蛇道あり夏の道踏み家抜ける』



(余白550)  『蛇しずかはげしき夏を知らぬげに』



ゲッセッセマネ夜に至らず鴉来る   2000/08/19 01:56
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(余白591)正義の味方とびお君。明朝細字ですね。



(余白592)  『宵ならば灯点ずる下士かなし』



岡田以蔵に。



(余白593)  『秋風に吹かれて下士はたれ殺す』



(余白594)  『骨壷にからりと転がる秋の蝉』



(余白595)  『陣営に霜立ちてなほ廃城の秋深し』



ゲッセマネ夜に至らず鴉来る   2000/08/19 11:51
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(余白591)千里さま。「聖書」の問題です。「あきこ」さんが挙げている詩人石原吉郎も特異なクリスチャンでした。彼はバルト神学に傾倒していました。御存知かも知れませんが、バルト神学は端的に言うと「梯子を登ってみて、振り返ると、その梯子がはずされていた」という逆接で成立しています。



つまり「神をもとめて懸命に祈ってはみたものの、ついに神は現れなかったということを暗示しています。それはアルベ−ル・カミュの不条理とも通じていきますが両者とも、それでもなお「神」は存在を信じ抜こうとしました。あのフランスからの悲惨な独立闘争アルジェの闘いを闘ったカミュにとって、実存主義者のサルトルは許しがたい存在でした。かくて神の存在の是非をめぐって苛烈な論争が展開したのです。
そのような論争を念頭においたまま歳月がたちましたが、意外な事に「神」の問題を扱った宇宙物理学者ホ−キングとの出会いでした。聖書の「創世記」すなわち「ビッグバン」は生命論にほかならなかったのです。
最近バチカンのロ−マ法王庁が千年のキリスト教徒の犯罪について洗い直しをはじめたとのニユ−スを聞きました。かぎりなく興味があります。



さきがけて不凶を知らせる法師蝉   2000/08/19 18:25
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(余白596)谷内君、著作権の件、詩歌句の引用は、いろいろ友人の編集者に聞いて調べてみましたが、若干の感想を付ければ大丈夫です。ましてやこの掲示板ののように応答形式の場合、全文掲載してもさしつかえないでしょう。ただしアメリカの場合、たとえ小説からの一行の引用でも、いちいち著者の承諾が必要だそうです。我々はアメリカに生まれなくってよかった。!



冬月君、小生は人間的に暇なのです。その代わりお金がなくて品性が下劣になってしまいました。そのような小生に名句の一献を!



(余白597)  『烏賊飯の列車がとまる海の駅』



(余白598)  『ひらひらと若葉の舟に蟻ひとつ』



(余白599)  『しずかなる黒い絨毯蟻動く』



かつて  『黒い絨毯』という映画がありました。アフリカで突然発生する「軍隊蟻」は行進する先々の牛や人間に襲い掛かり食い散らしていきます。その獰猛さは感動的ですらありました。



(余白600)  『みな殺し軍隊蟻に序列なし』



(余白601)  『めくら蝉じりじりじりと生きてをり』



(余白602)  『まぼろしの日本軍あり盆すぎて』



(余白603)  『野に散った兜のひとつに秋の蝶』



(余白604)  『牡丹散る喪屋に垂れをり雨すだれ』



(余白605)  『ひまわりの墓標もありし國ざかい』



血と麦の聖書にすさぶ虎落笛   2000/08/20 00:31
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(余白606)千里さん、読んで下さってありがとう。長い眠りに就いていた聖書をさりげなく取り出して読み返してみました。マタイ伝26章。小生の学校はプロテスタントの同志社だったので否応なく聖書は持たされます。しかし当時は聖書をひらきもしませんでした。その後、何か自分がやりきれなくなった時、ふと聖書の存在に気ずき、あたかも弁当箱を持ち歩くかのように持ち歩いていたのですが中身の味がどうしても駄目でした。すなわち聖書のがわが小生の信仰を勝手に拒んだと自得しています。「ゲッセマネ」の一句は駄句です。驚くに値しません。塚本邦雄の短歌を読まれてみたら、恐らく敬虔なキリスト教徒は失神してしまうでしょう。反キリストの地獄絵のような美学がひらかれています。
温子さん、よく考えてみます。ただしバルトはもう古いとい言われると少し首をかたむけざるをえません。



(余白607)  『学校に聖書を忘れ秋暮れぬ』



(余白608)  『神父らに犯されし学校蛇の宿』



(余白609)  『聖書閉じ目に浮きくるは彼岸花』



(余白610)  『神学徒報復せしか秋の果て』



(余白611)  『血と汗の盃に鴉の影よぎり』



(余白612)  『晩鐘を鳴らして教会独立す』



(余白613)  『崩れゆく教会の伽藍にパンひとつ』



(余白614)  『ピ−ス吸う神学生にパン遠し』



(余白615)  『夏痩せてゆこうかエデンの東まで』



秋掬みておはようスプ−ンひと匙の   2000/08/20 11:28
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(余白616)温子さま、「いまどき、司牧者以外の誰が「バルトのロマ」などに取り組もうとにするのでしょうか」?



(余白617)  『膝枕してあおぎたし秋の星』



(余白618)  『一番星見つけそこねて泣きぬ夏』



(余白619)  『生まれたるかげろふたれの終命か』



(余白620)  『蝸つむりゆたりと生きよ昼寝する』



(余白621)  『みだれ酒少なくなりし晩秋に』



(余白622)  『雨ならば甲斐に立ちたし信濃捨て』



  『蝸牛甲斐も信濃も雨のなか』(飯田龍太)。



(余白623)  『ほろびゆく甲斐にさんさんと秋の蝉』



(余白624)  『つよし秋生きよとしずむ鮎の影』



(余白625)  『冬月やひやりと生豆腐ひとり沁み』



骨格の正しき町に女下駄   2000/08/20 18:09
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(余白626)ロシア原子力潜水艦浮上せず!全員絶望の模様。ひとりでも助かることを祈る。もし神が存在するならば・・・・



(余白627)  『黒板塀崩れる路に白犬が』



(余白628)  『同版画貼った詩集に鷺の花』



(余白629)  『蘭画にも描かれて舞子はにかんで』



(余白630)  『蟻地獄ぬしが仕掛けた罠がちり』



(余白631)  『屏風絵にまことしやかな白虎生き』



(余白632)  『百穂生え一穂がそよぐ句もありや』



(余白633)  『潜水艦しずめる閑に花ありや』



(余白634)  『樅の木にのこりし家紋に西日射し』



(余白635)  『断崖に一輪の花そよとせず』



火襖の原潜のうちに花も絶え   2000/08/20 20:20
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(余白636)ロシアは最初から原潜の乗組員を救助する気持ちはなかった。彼等はひたすらに船員の死を祈っていた。イギリスに特殊潜航艇を依頼した時点で艦内の船員の死はすでに確認されていた。今夜9時、全員絶命のニュウズが流される。



(余白637)  『病に臥しそぞろにすぎる下駄の音」



(余白638)  『原潜の死者散華といはず断ち切れり』



(余白639)  『ひたすらに沈黙する神の海』



(余白640)  『待つといふ潮風のみの寒の入り』



(余白641)  『国家てふ巨大な家のめだかかな』



(余白642)  『われ関せず高校野球の夏激し』



(余白643)  『学徒兵名投手没した夏の海』



(余白644)  『火を投げしごとし一球夏遠し』



(余白645)  『いっさいを断ち切ったあとの曼珠沙華』



嵯峨野には竹の水仙いちめんに   2000/08/21 01:44
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(余白646)絵馬さん、小生の  『天皇陛下の銀時計』(邑書林)を買って下さってありがとう。右目白内障は年内に治療の予定、前歯三本はもしかしたら入れ歯になるかもしれない。歩行障害は散歩で治療中、脳病院には軽いドラッグと薄い抗圧剤をもらいにいくだけ。頭脳のハア−ドデスクは俳句によって修理中。恋煩いはいちおう修繕完了なれど再発の危険あり。それらを全部完治したあと「完全な死体」として生を断ち切る予定。



ところで絵馬さん、読者の迷惑を省みず、この15句をどのぐらいピ−ドで作句出来るかパソコンの時計を睨め付けながら作ってみたら、約40分かかった。



ときどき批評してくれる宮城の健さんという方は元気なのだるうるうか?



(余白647)  『月光の下に子仏無数念仏時』



(余白648)  『三輪車空に飛びたし秋の霞喰い』



(余白649)  『眼科医が目を洗うたび秋澄みぬ』



(余白650)  『採血の注射器ずぶり曼珠沙華』



(余白651)  『車椅子転がす名手我の秋』



(余白652)  『白内障洗いなほして秋おちぬ』



(余白653)  『深川の木場出身の箸さばき』



(余白654)  『満月を背負ひて病ひの老母ゆく』



(余白655)  『大覚寺かんかんと鳴る鹿威(しかおどし)』



(余白656)  『桜桃忌ひっぱる言葉の赤い糸』



(余白657)  『我が罪は秋風にあり脚力半壊す』



(余白658)  『頂上や三途の秋を一望す』



(余白659)  『異神あり原潜のロウ−ラ−じりじい蝉の声』



(余白660)  『目撃者秋完了せず木枯らしへ』



貝割はぴりっとひきしめ野の海に   2000/08/21 07:30
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(余白661)健さんメ−ルありがとう。  『孤独』の「孤」はみなし子、「独」は独身者。では、また!



(662)  『軒下より糸にふらりと子蜘蛛思案顔』



(余白663)  『峠越え秋立つ虚無僧らしきひと』



(余白664)  『いざさらば何だか知らぬが千鳥足』



(余白665)  『釈迦堂の鳴らぬ吊鐘閑として』



秋吉台つららは手裏剣のごとく垂れ   2000/08/21 08:43
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(余白666)「あきこ」さま。  『ひえしゆびふれあふまえの若き秋』?



(余白667)  『鉛筆を縦書きにしてすらり鶴』



(余白668)  『手刀をはっしと打って霧を割る』



(余白669)  『ながれ藻のごとし憂き世の身振りまで』



(余白670)  『くろがねの晩鐘鳴らす長崎の』



うねりゆく谷に落蝉なほくねり   2000/08/21 10:10
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(余白671)「矢尽き刀折れ」なんてやだな。「666」上句はどこかにある?



(余白672)  『都落ちしたれば何ゆへ蛇道ゆく』



(余白673)  『追分の旅にて気どり子傘さし』



(余白674)  『若き夜京の下宿で蘭の花』



(余白675)  『若き秋爽涼として筆走り』



詩人死す鎌倉の秋を闊歩して   2000/08/21 11:07
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(余白666)すでに忘れられた詩人石原吉郎は鎌倉と刀が好きだった。小生は彼から小刀と胴の風鈴をもらったことがある。



(余白667)  『源内が斬り殺したる南蛮絵』



秋田佐竹藩の武家屋敷を訪れたときは樅の木に群がる蝉の声でじりじり暑かった.



(余白668)  『牢中の源内の手に筆泳ぐ』



(余白669)  『佐竹藩大刀抜かれし樅の木に』



(余白670)  『絶句する源内おほふ樅濃くし』



海底の泰山鳴動茶の湯立て   2000/08/21 14:40
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(余白671)絵馬さんに、もうひとつ言う事を忘れていた。小生はウイルニツッケ脳症でした。脳に潜伏しているこの敵には手の打ちようがない。



(余白672)  『円月の川にひろがる水すまし』



(余白673)  『伊豆沖の舟はゆらりとおののいて』



(余白674)  『かはたれの素湯をごくりと野に出でぬ』



(余白675)  『砂まじりふきすさぶ松声もなし』



瞳ありきらりくるりと秋過ぎぬ   2000/08/22 01:33
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(余白676)未刊句集  『蛇頭』より。



(余白677)  『とほいなあ黒いソフトにふる雪は』



(余白678)  『蛇うねりしっぽのさきに蝶ひとつ』



(余白679)  『ゆうゆうとうねる蛇頭に秋の斧』



(余白690)  『おれに何問ふのか蛇頭をにらにつけ』



(余白679)  『ゆうゆうとうねる蛇頭に秋の斧』



夜の蝉さらに泣くのか知らぬ気に   2000/08/22 02:25
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(余白691)訂正「679」一句落とす。「690」は-−−−



  『おれに何問ふのか蛇頭をへいげいし』



(余白691)  『夜の蝉さらに泣くのか知らぬ気に』



(余白692)  『夜の蝉鳴きやまぬならおれが出る』



地球儀にほうずきをそえ秋の夜   2000/08/22 12:05
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(余白693)昨日、さりげなく彼女から、ほうずき



( ]白694)  『落雁の迷ふ湖秋移し』



(余白695)  『独吟に落雁一羽病んでをり』



秋声に吊り下がりたる蜘蛛ひとつ   2000/08/22 17:15
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(余白696)一千句まで!



(余白697)  『積乱雲はるかなる下に家一軒』



(余白698)  『しずみ入る原潜の海夏怒濤』



(余白699)  『ほうずきを卓上に置き秋一望す』



(余白700)  『平成の海は荒れるや天の川』



(余白701)  『ひとすじの汽笛をのこして寒き村』



(余白702)  『すんなりと秋踏む妻よりほかの女あり』



(余白703)  『あきかぜの吹きぬけてゆく故郷なし』



(余白704)  『連弾の絶えし句うちのめされて秋』



(余白705)  『吊り橋の架かった句もあり紅葉に』



ほうずきの女はモナリザの影に似て   2000/08/23 00:55
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(余白706)ロシア原子力潜水艦ついに浮上せず。180余人全員絶望。今世紀初の放射能汚染は全世界の海にひろがる恐れあり。航海日誌の最後の一行には何が書かれているのだろう。



(余白707)  『沈黙の海にただようふほうずきが』



(余白708)  『海ゆかばならぬ詩人は秋に死す』



友人の詩人、阿久根靖夫、北京にて客死。



(余白709)  『小原流切り捨てしまへ秋の月』



(余白710)  『花流れなきにひとしき野菊かな』



(余白711)  『あをむけの鰯白磁の皿で観念す』



(余白712)  『打ち込めぬ鉄砲ゆりに鯵黙す』



(余白713)  『はんなりとせぬ軒下で豆腐喰う』



(余白714)  『ぬれ羽色ほうずきの姿浮きたたせ』



(余白715)  『しずめ入る原潜の海にほうずきが』



渚にて世界に平和と死の海に   2000/08/23 02:26
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(余白716)映画  『渚にて』のラストシ−ンは原爆で世界が死滅したあと、原子力潜水艦があてどなく海底に去ってゆく場面で終わる。その背景には、ある宗教団体の「世界に平和を」という垂幕がむなしく風にはためいていた。



(余白717)  『めだかの死われにみえぬや法師蝉』



(余白718)  『初恋やまはり灯籠武蔵野に』



(余白719)  『生涯といふものもなし風鈴に』



(余白720)  『青林檎発止と受け止め手紙そへ』



秋せまりガリラヤの魚泳ぎ去り   2000/08/23 10:51
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(余白721)デカルト曰く  『困難を解析せよ!』。



(余白722)  『夏痩せて淋しき閑に夕茶漬』



(余白723)  『ほうずきのをんなの便り杳として』



(余白724)  『古里の母ひらがなことばの蝉しぐれ』



(余白725)  『一水のまじはりもなし秋の酒』



(余白726)  『子供らの地蔵絵もあり遠い土地』



(余白727)  『天の川流燈浮かべ新涼へ』



(余白728)  『甲斐性もなくはないんだ秋一句』



(余白729)  『花流れ古流一手の蒲活ける』



(余白730)  『ぬしなどはどうせ秋の烏骨鶏(うこつけい)』



秋の暮れ糸引蜘蛛に旅愁あり   2000/08/24 11:03
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(余白731)昨日は新宿百人町の俳句文学館で  『詩塾』。帰り道「あきこ」さん、温子さん、それに渡部俊慧(元俳句研究の編集長)らと詩人吉原幸子邸のちかくを歩く。彼女は難病に陥って久しいが、俊慧君は20数年前に彼女の家に止宿していたこともあり、せめて息子さんにでも、と電話を入れたがだれも出ず。つまり、そうゆうことでした。



(余白732)  『ほうずきの女が消えし野分かな』



(余白733)  『蛇うねるそこらあたりに水のるむ』



(余白734)  『ニュ−トンの林檎受け止め時計みる』



(余白735)  『容赦なく雷を打ち込む地鳴りかな』



(余白736)  『空蝉の月を浮かべし帰途悲しい』



(余白737)  『秋天やさらに影踏む男ゆく』



(余白738)  『百人町月下の詩人沈黙す』



吉原幸子へ。



(余白739)  『もう見えぬ詩人の家に秋の影』



(余白740)  『つらかろふと思ふが月は煌々と』



知床にホテル地の果てあり霰降る   2000/08/24 17:34
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(余白741)あのころのふたりは、まだ若く幼かった。本当に「ホテル地の果て」という旅館はある。ところが行ってびっくり。何と宴会客で満員。地の果て宴会をやっているとはねえ。



(余白742)  『清涼と知床岬にふたり立つ』



(余白743)  『旅笠の芭蕉も淋し不破の関』



(余白744)  『天走るいなずま海底を迷走す』



(余白745)  『大菩薩霧に揉まれし少年ら』



高校生の頃、危うく大菩薩で遭難しそうになった。



(余白746)  『大菩薩鰯雲にも意地があり』



(余白747)  『上高地秋水が心にしみにけり』



(余白478)  『一山の露にしあれば我が生は』



(余白759)  『漁網にも熊ひっかかる秋深し』



(余白750)  『歳事記をひろげれば秋風にほひ立ち』



荒地野菊老ひたるビルの谷に咲き   2000/08/24 23:40
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(余白751)北丸さん、ありがとう。一句献上。



(余白761)  『銀河には地の果てもなし季語はるか』



剣淵町さんに一句献上!



(余白762)  『流氷のながれる果てに春の雪』



(余白752)  『眼鏡(がんきょう)を秋水でひやし鮎を見る』



(余白753)  『ネクタイをしめて処刑の夏終わる』



(余白754)  『月光の甲斐駒ヶ岳影ひとり』



(余白755)  『円陣の座にこぼれたる牡丹かな』



(余白756)  『純米酒秋田の雪を夏に飲み』



(余白757)  『雁渡し芭蕉の密書今日届く』



(余白758)  『蝦蟇よ飛べ一瞬の夏去りゆきぬ』



(余白759)  『風鈴の胴の音色や地蔵坂』



温子さん、何故そこを「地蔵坂」というのですか?



(余白760)  『白刃に虹が架かりし黒部ダム』



台風の眼渦を巻く蛇頭かな   2000/08/25 02:31
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(余白793)  『心の詩集』(文藝別冊・河出書房)必読されたし。小生の詩作品も載っている名編集のムックなり。



(余白794)  『花野にて落人めきし野良のひと』



(余白795)  『秋落ちて手弁当なり夜学生』



(余白796)  『ダリア散る淋しき女優の秋深し』



(余白797)  『樅繁る屋敷跡の教会畳敷き』



(余白798)  『殉教の美学のひとの憂国忌』



(余白799)  『踏絵あり蛇頭が巻きつくマリア像』



(余白800)  『切支丹隠れ教会秋の影』



削除?



鳶職の頭領ひとり梯子酒   2000/08/25 11:35
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(余白801)とびお君、円盤の件で相談あり。御都合は如何?



(余白802)  『秋刀魚抜き手を切りぬ夏の果て』



(余白803)  『秋蝉のしずまる磐石の墓堂に入り』



(余白804)  『赤い羽根野菊の兵には落葉かな』



(余白805)  『青霧の天守閣なし信長忌』



(余白806)  『古書店にガダルカナルの戦記夏』



(余白807)  『はつなつの青簾の家で髪洗ふ』



(余白808)  『俎板(まないた)に魚のしまりや秋冴えて』



(余白809)  『打ちのめす蛇頭がするりと夏の闇』



(余白810)  『夜まわる向日葵もありロシアの地』



子らが散る夕焼の鬼紙芝居   2000/08/25 17:44
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(余白811)「天匂銭をむなしゅうするなかれ時に(槃礼)無きにしもあらず」。どなたか  『はんれい』という人物の名の正確な漢字を教えて下さい。



(余白812)  『はかなきは青べかで身を売る糸蜻蛉』



(813)  『天草に崩れし天上の花切支丹』



(余白814)  『古書店にひっそりと置かれる詩集「野の舟」も』



(余白815)  『炭住の子の眼は黄昏土門写真館』



(余白816)  『指笛はするどし帰校の麦畑』



(余白817)  『釈迦堂に浮きたるなれば源氏螢の末裔か』



(余白818)  『蹄鉄を打たれし馬の夏未来』



(余白819)  『乱戦の平家伝説の秋古里の村』



(余白820)  『断崖の秋にてひと売るや鬼子母神』



修道院暗き眼草刈るをんなあり   2000/08/26 00:05
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(余白821)おるかさん、それは夢だ。だからこそ絶句。



(余白822)  『鳳仙花半島の風は横に吹き』



(余白823)  『将門は天皇に至らず蓬噛む』



(余白824)  『仕手戦に迷ふ秋風兜町』



(余白825)  『牡丹切って泣き出しそうな秋の寺』



(余白826)  『古武道の若き父老いこすもすに』



(余白827)  『神々が秋を争う哲学堂』



東洋大学に哲学堂はある。驚くべきは、そこに和洋混淆の哲学者たちが祭られている。



(余白828)  『哲学の道踏みししぐれの岩清水』



京都「哲学の道」。だれが、そう名ずけたのだろう。



(余白829)  『哲学もホテルなりしか秋異郷』



(余白830)  『夏痩せてふり返る未来斬り捨てて』



(余白831)  『おい蛇頭一緒にゆこふ秋の宿』



(余白832)  『蚊も泣けり忍従の生払われず』



(余白833)  『絶頂の城なき道にあざみかな』



(余白834)  『石礫なげし闘争祇園遠い夏』



京都祇園にある円山公園が学生運動じぐざぐデモの終着点だった。



(余白835)  『若き日は暗し冬のガリ詩集』



乳房ありひるまぬ夏をみごもりて   2000/08/26 12:00
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(余白836)「あきこ」さん、「蛇頭」は「じゃとう」。おそらく俳句の中で、この言葉を使ったのは小生がはじめてだろうと思いますが



(余白837)  『火薬庫にいちめんのコスモス影もなく』



(余白838)  『放浪の秋にとどめの銃声が』



(余白839)  『風鈴は姉妹の絆で鳴りつずけ』



(余白840)  『片足を切断したる義父の盆』



テロリスト秋高く青ざめた馬を引き   2000/08/26 17:45
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(余白841)温子さま、  『天勾銭・・・・』は高山彦九郎でしたか。京都御所にむかって参拝している彼の銅像が四条大橋にあります。彼は戦争中「皇国教育」の一環として扱われたのかな?



「あきこ」さん、「蛇頭」は、句作が生き詰まった時に登場する小生の相談相手でもあります。だから彼を打ちのめしたり、おだてあげたりして、無理矢理にでも一句を吐かせているのです。手塚治虫に「髑髏」のマ−クが出てきますね、あれなんです。ちなみに密売の香港ル−トは「蛇頭」と言います。



(余白842)  『無政府も立ち枯れし秋バ−ク−ニン』



(余白843)  『青ざめた馬を見よてふ秋深く』



(余白844)  『聖書秋どの荒野にも青き馬』



(余白845)  『千年の幹であやふし蝉の声』



(余白846)  『こほろぎは汝がために鳴く懶の谷』



(余白847)  『甚平を贈られし夏涼を着る』



(余白848)  『たましひの鈴虫の聴きたりし』



(余白849)  『秋川で間一髪の鮎逃す』



(余白850)  『紅葉を日傘となして一句打つ』



詩は滅び一句を打って万緑に   2000/08/26 23:03
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(余白851)「水師営の会見」か。そういえば羽月部落の我が家にも、その古いレコ−ド-磐があったようなきがする。



「田村隆一をいかに超えるか」(思潮社主催)。講演、辻井喬、吉増剛造。日本出版クラブ会館。「03−3267−6111」。9月30日(土)一時30分開講。1500円。行ってみようかな?



(余白852)  『ひぐらしは逆光写真となり霞み』



(余白853)  『埋められぬ骨ものこさず空蝉が』



(余白854)  『水馬うき世に残り水すます』



(余白855)  『秋空を完了したし一匙で』



境涯の俳人なりしか野分にて   2000/08/27 00:16
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(余白856)「世界はすべてお芝居だ。男と女、とりどりに、すべて役者にすぎぬのだ」。(シエイクスピア)。



(余白857)  『きつつきや千年の幹に石を打つ』



(余白858)  『病雁の渡りし頃に友は逝く』



(余白859)  『蓑虫のぶら下がりたり秋風に』



(余白860)  『白桃まへに微笑の白き指』



海霧の街口笛ながす漁夫の影   2000/08/27 01:38
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(余白861)「死刑台はもろもろの革命から転覆されていない唯一の建物である」。(ユ−ゴ−)。



(余白862)  『小雨降る杏林に病む医者もあり』



(余白863)  『たたかはぬ擬制の終焉秋暮れぬ』



(余白864)  『荒神輿うねりゆく先海霧に』



(余白865)  『ナルシスの首まだ刎ねぬ水仙の』



蛇苺にくまれしまま畦道に   2000/08/27 10:17
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(.余白866)「自分のつらが曲がっているのに鏡を責めて何になろう」。(ゴ−ゴリ)。



(余白867)  『海辺にてまつかさを拾う秋の音]



(余白868)  『破壊せよとたれかがいひし夏過ぎぬ』



(余白869)  『奇観なり白鷺が川越に舞い降りぬ』



(余白870)  『草餅を野辺にて食べにし閑として』



藤の花木椅子の読書に垂れかかり   2000/08/27 11:28
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(余白871)「絶望は虚妄だ、希望がそうであるように」。(魯迅)。



(余白872)  『野ざらしの旅に発ちたし鴉鳴く』



(余白873)  『百姓の末裔なりし鎌の秋』



(余白874)  『初恋の日記をひらく老いの秋』



(余白875)  『暗緑の椿の密の古里遠し』



窓若葉至難の書物読了す   2000/08/27 12:22
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(余白876)「祭りは終わった。さあ皆さん、お家に帰りなさい」。(アナスタ−シア)。



(余白877)  『蚊が鳴くやおぬしらは去れよ座禅堂』



(余白878)  『秘書秘めし恋いやあるのか夕焼けて』



(余白879)  『打ち水に青蛙飛ぶ武蔵野に』



(余白880)  『打ち水を終えて柄杓の正午なり』



大仏を揺さぶり虫の音が絶えて   2000/08/27 15:27
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(余白881)本日、奈良一帯に地震あり。



「詩は神秘でも象徴でも鬼でもない。詩はただ病むめる魂の所有者と孤独者との寂しいなぐさめである」(朔太郎)。



(余白882)  『書斎にも荒野ありしか鳶が舞ひ』



拙著  『書斎の荒野』より。



(余白883)  『異郷にて生まれし雲に乗りて蝶』



(余白884)  『喧嘩独楽火を散らす冬の少年期』



(余白885)  『独楽一つ秋の廊下で廻はけり』



雲の海しかられて子は泳ぎたし   2000/08/27 17:14
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(余白886)「思想は種子なり、頭脳は田地なり」。(中江兆民)。



(余白887)  『天の雨待ちかねておりざり蟹が』



(余白888)  『天蓋をおしても閉じる涙かな』



(余白889)  『河鹿鳴くゆうぐれに子らのかくれんぼ』



(余白890)  『青年が身をひるがえす餓鬼忌かな』



「餓鬼忌」芥川龍之介の忌日。



便り絶え母よ僕の鳩を撃て   2000/08/27 20:04
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(余白891)森田童子を聞きながら。



(余白892)  『伝書鳩飼う少年に秋立つや』



(余白893)  『戦場の鳩が伝える悲報あり』



(余白894)  『オリ−ブの鳩が撃たれし秋の空』



(余白895)  『海ゆかば見舞うひとなし無名鬼に』



村上一郎の葬儀には大伴家持の「海ゆかば」が流された。独立派の右翼の思想家だった。あれは日本海軍の軍歌だったのだろう。しかし、今聴いても、とても気持ちが和む。日本の軍歌は総じて反戦歌だともいわれている。



おれもなお生きて見せるぞ没樹林   2000/08/27 23:59
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(余白896)さきほどNHKスペシャルで「驚異の微少マシン」を見た。ごきぶりの脳細胞は極端に少ないが(あたかも小生のように)触角や手足の動きは、きわめて精巧に出来ている。そこに注目した東大医療チ−ムは昆虫の動きを観察してコンピュ−タの動きに彼等の機能を組み込み、脳外科の手術に利用するに至った。



コンピュ−タ俳句=昆虫観察。ひどく興味のある問題である。記憶装置ハ−ドデスクのマザ−ボ−ドの回転盤も、おそらく一分間に一万回ぐらいのスピ−ドで動いているはずだ。
さらに興味深かったのは東大教授曰く「人間の立場ではなく昆虫の立場に立って「微少マシン」を案出したとの事。



  『雀の子そこのけそこのけお馬がとうる』



  『やれ打つな蠅が手を擦る足を擦る』



(余白897)  『ごきぶりの触手で動くコンピュ−タ』



(余白898)  『秋の風動くなら僕の消息忘れて欲しい』



(余白899)  『青空は不吉秋にひらいた友の遺書』



「青」は死の色を意味する。



(余白900)  『老人のよふな学生秋一句』



夜の蘭忍ぶ川にて隠れ咲き   2000/08/28 02:05
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(余白901)「何せうぞくすんで、一期は夢よ、ただ狂え」。(閑吟集)。



(余白902)  『ひたと鳴く犬をおさえて秋深し』



(余白903)  『越えるべき峠のはるかに雲の峰』



(余白904)  『一枚の暑中葉書に花切手』



(余白905)  『故郷棄て寺山修司が逝く五月』



朝顔や歯磨匂ふ井戸の水   2000/08/28 11:23
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(余白906)「人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのはばかばかしい。重大に扱わなければ危険である」。芥川龍之介(侏儒の言葉)。



(余白907)  『鞘走るごとき野分に傘向けて』



(余白908)  『ひぐらしは一夜終命鳴き通す』



(余白909)  『玄関に蘭もなければ明日の敵もなし』



(余白910)  『青年は鹿を愛さず若草で』



ほうずきの市にまぎれて涼と咲く   2000/08/28 16:11
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(余白911)「約束を守る最上の手段は約束をしないkとである」。(ナポレオン言行禄)。



(余白912)  『牡丹雪降る街で解く受験生』



(余白913)  『満月や黒部の湖水に閑として』



(余白914)  『闘牛の横綱を引く幼き子』



(余白915)  『あかあかとロシアの鉄塔すくみ立ち』



「あかあか」は季語。ただ今、モスクワのテレビの鉄塔が炎上中との事。



秋独弾楽符の上に家族あり   2000/08/28 17:39
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(余白919)わが詩集  『楽符の家族』からの連弾。



(余白916)  『オカリナにほうずきをそえて吹いてをり』



(余白917)  『秋ひとり楽符をひろげて夏欅』



(余白918)  『卓上に楽符をひろげて秋の音』



(余白920)  『我が哀歌ひぐらしすでにかなでおり』



「鳥は卵から無理に出ようとする。卵は世界だ。生まれようとする者は、ひとつの世界を破壊せねばならぬ」。(ヘッセ)。



小生は納得。皆さんは?



書かざれぬ一章に薔薇の蕾あり   2000/08/28 20:45
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(余白921)「市民ケ−ン」



(余白922)  『修道院神に躓く少女の麦畑』



(余白923)  『人生に踏み荒らしたる野菊かな』



(余白924)  『真夜中に風鈴の蚊屋ひとり寝て』



(余白925)  『蚊屋を吊る子どもの仕事寒村で』



「復讐と恋愛においては、女は男よりより野蛮である」。(ニ−チエ)。



小生は納得。皆さんは?



青桐の椅子郷士館にて枯れてをり   2000/08/29 01:03
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(余白926)「可愛いあの子と夜風のように歌謡曲みたいに流れて見たい」。



(余白927)  『ロダンの接吻堂に入りたり秋野にて』



(余白928)  『歯並びの白き汝なら涼献ず』



(余白929)  『地蔵坂自転車人道をはずれけり』



(余白930)  『青林檎齧り故郷を移し変え』



「おめえがどんなどんな人間と歩いているか言ってみな、あめえがどんな人間か言ってやるだ』(ドン・キホ−テ)。



小生は、いつも、ずる賢い蛇頭と一緒に遊んでいる。さて皆様は?



円窓の下宿にぴたり家守かな   2000/08/29 11:09
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(余白931)「家守」は普通「守宮」と書く。



(余白932)  『さようなら草原の輝き夏終わり』



(余白933)  『ふりかえる草原に涼の蝶一つ』



(余白934)  『のみならずくやしさ残す夏の恋』



(余白935)  『軒下に大根吊るす一軒家』



「我が恋は水に燃えたつ蛍物言はで笑止の蛍」(閑吟集)。



小生は、それほど激しい恋をしたことがない。恋とは一種の病気なのだろう。皆さんは?



夕焼けのひろがる海に魚影浮き   2000/08/29 12:09
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(余白936)  『僕の存在にはあなたが必要だ。どうしても必要だ』漱石



(それから)。とびお君なんかどう思う?



(余白937)  『落蝉のなごりの夏にオカリナを』



(余白938)  『婚期遅れし妹の背に夏の蝶』



(余白939)  『あてどなし散歩の道においらん草』



(余白940)  『歯並びの白き妹果林の実』



火の山の子ら秋川高校の門に入る   2000/08/29 16:30
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(余白941)秋川高校は昔、少年期を過ごした元都下西多摩郡にある。それにしても三宅島のひとびとはつらいだろうなあ。



(余白942)  『祖母も母も京の商家の華道から』



(余白943)  『大覚寺蝉しぐれのみ敷きつめて』



(余白944)  『秋蝉の鳴きとうす声岩清水』



(余白945)  『遠き香の庄内メロン一匙に』



「希望とは、もともとあるものとはいえぬし、ないものともいえない。それは地上の道のようなものである。もともと地上には道はない。歩く人多くなれば、それが道になるのだ。(魯迅・「狂人日記」より)。



なるほどねえ、



皆さんは?



青蚊屋の中で源氏蛍は明滅す   2000/08/30 03:19
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(余白946)温子さま、今夜は「下駄屋」にてありがとう。どうしようもない?人間の旅路は、いつも、そこから始まって、ついに、そこで終着駅に立つものだと思います。しかし、その駅が、もし銀河鉄道としたら、どうします?銀河鉄道には、終着駅はないのです。



小生が、とびお君にマシンを扱うあたって最初に教えてもらったのは、マシンの操作は「詩」であり、しかも、まだ「原始的段階」にあるという事でした。このマシンは、なるほど人間以上に記憶力を持っていてしかも、昆虫のような繊細な「原始的」な感受性を持っています。マシンは我々の思考力をを、すでに越えてしまいました。マシンが異質の感情をもちはじめたのです。



かつて谷川雁は革命にあたって「感受性から先に変われ!」といいました、マシンは、それを暗示しています。世の中はがらりと変わっています。谷内君、小生も変わりました、舌足らずになりましたが、もう眠い、



雲海の切れ目も見えず峠越え   2000/08/30 12:03
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(余白947)根



(余白948)  『切るは罪天上から垂れる蜘蛛の糸』



(余白949)  『蜘蛛の巣をめぐらして秋の死を待ちつくす』



(余白950)  『針金に鬼蜘蛛まきつけ麦畑』



夜蜘蛛張る何を待つのか秋風よ   2000/08/30 17:47
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(余白951)「伽藍とバザ−ル」ヨミマシタ。そしてなんだか絶望的な気持ちになりました。マシンの可能性には読点がない。ねばりずよく勉強してゆくほかなさそうです。



星麿さん、ありがとう。「人道」には「人の道」が、ひっかけてあります。



(余白952)  『からくりの忍者屋敷に枯れ木立』



(余白953)  『老骨の顔に涼とした秋風が』



(余白954)  『耳遠き我に五月を修司逝く』



(余白955)  『洞窟に一本の骨蝙蝠も』



(余白956)  『一本のピ−スの鳩は撃たれたり』



(余白957)  『手のひらのナイフは秋のたれを切る』



(余白958)  『夜蝉の木を這いあがる蝸牛』



ならば温子!生きるとは、そういう事かもしれません。「地雷を作っている弟」ねえ。何だか、凄いイメ−ジです。梶井基次郎が京都丸善にレモンの爆弾を仕掛けたようにね。



温子さん、「詩集」に地雷を仕掛けて下さい。



(余白959)  『秋ひとり夜涼の酒をたしなみぬ』



(余白960)  『霧の寺開いた門に雁ヵ音が』



「およそ人間たるもの、便器にかかっている時ほど真剣で、思いつめ、精神統一を果たしている時は他にない」。スイフト  『ガリバ−旅行記』。なるほど、皆さんは?ちなみに、この旅行記には「日本」もでてきます。壮大なSF小説の元祖でしょう。



月下にて夜鳴鳥のほか閑として   2000/08/30 20:48
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(余白961)「五月雨桔梗」。



(余白962)  『紋白蝶からたちの花にふとまぎれ』



(余白963)  『秋落ちて老ひを乗せたりブランコが』



(余白964)  『公園の秋夜のブランコ揺れてをり』



(余白965)  『ゲルニカの夜に鳴いたか秋の虫』



(余白966)  『ランボ−の秋は砂漠に消えてゆき』



(余白967)  『天蓋の孤独に小さな秋の虫』



(余白968)  『岩石の秋に佇むヒットラ−』



ヒットラ−の思想は、岩石の中の思惟から発想されたとの説あり』



(余白969)  『閉鎖病棟無明長夜の光りあり』



(余白970)  『デザインの崩れし我に花一輪』



漫画家永島慎二に「あなたはデザインの崩れたような体形をしていると言われた事がある。面白くもなんともなし。



五月雨て桔梗の紋章葬列に   2000/08/30 23:53
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(余白971)TRONは思考方法?



(余白972)  『澪標小舟は深き霧の中』



(余白973)  『青菊の影で女はみごもりぬ』



(余白974)  『五位鷺が掬う魚の水尾しぶき』



(余白975)  『恩讐の青き洞窟にひらく空』



「死と病気への興味は生への興味の一形態にほかならない」。T,マン  『魔の山』。温子さま、ならびに、皆さんは?あたりまえ?



西陣や機織の音で秋暮れぬ   2000/08/31 02:31
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(余白976)「学者は国家を装飾するものだ」(勝海舟)。



(余白977)  『西陣で第九を聴く友すでに逝く』



(余白978)  『すれ違いざま秋の鎌鼬』



(余白979)  『新涼の書斎で青地図ひろげをり』



(余白980)  『鬼百合の畦道で殺気立つ子らの殴り合ひ』



「怒りには死ぬまで、年老いるいることがない」(ソポクレス)。温子さんをはじめ、皆様は?



雷雨去るおれをひとりの修羅にして   2000/08/31 09:58
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(余白981)「ことごとく書を信じれば、すなわち書なきに如かず」孟子。



小生のマシン、メ−ル不能。ハッカ−侵入か?



(余白982)  『青い階段のぼりつめやか詩人消え』



(余白983)  『蛇衣しなやかにのこる枯木灘』



(余白984)  『青暖簾結界の内の契かな』



(余白985)  『校庭に喝采も秋廃校す』



「報復という永遠の正しさ」石原吉郎。たぶんユダヤ教からの発想だと思いますが、小生にはきつすぎる。温子さん、ならびに、皆さんは如何?



笹舟を浮かべし野川巨大ダム   2000/08/31 11:38
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(余白986)谷内君、もしかしたら小生は、現代詩を一本の俳句に改校しているのかもしれない。



(余白987)  『冬近し駱駝の瘤にまたがりて』



石原八束著「三好達治伝」



(余白988)  『婚約す夏の怒濤に立ちつくし』



(余白989)  『長岡は遥かなる冬御女の宿』



「ごぜ」出ず。



(余白990)  『地の果てのカサブランカよ夏怒濤』



その名はレギオン秋の風   2000/09/01 02:53
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(余白991)おるかさん、ありがとう。あなたに一言いわれると、何故か、ほっとします。



(余白992)  『蛇のように嘆きの谷の秋暮れぬ』



(余白993)  『火の島は逃れの町か秋深く』



(余白994)  『一碗のシチュウ−に秋の舌ずつみ』



(余白995)  『秋の暮れ十字を切って手を洗う』



露しぐれ命降りけり桐一葉   2000/09/01 16:08
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(余白996)1000句完了!なれど、これから新作に過去の作品を組み入れつつ推敲しなくてはならない。絵馬さんとおるかさん、それに、とびお君の知恵をお借りしたい。



角川春樹「天河物語り」80句を読む。上手い。反省すること、しきり。



(余白997)  『秋青しまぐろ追ふ義兄(あに)も老ひてゆき』



(余白998)  『大仏の肩のあたりの夏つばめ』



(余白999)  『僧の子の受験の机に若葉かな』



(余白千)  『まぐろ追ひ秋一日を終命す』



三宅島全島に避難勧告。三原山噴火の時と同じ。