第3回 : 手札に対する処方箋 part2 -コネクタ及びギャップ-


コネクタ(connectors)とは、2枚の数字が連続している手札をいう。たとえばJTや65などである。
ギャップ(gap)は、QTや96のように、2枚の数字の間に溝のある手札をいう。とはいっても、ギャップという場合は、たいてい前者のようなひとつだけしか溝が開いていないワンギャップ(one-gap)か、後者のようなトゥーギャップ(two-gap)を指すことが多い。
ここでは、ビッグカード以外のコネクタとギャップの扱い方についてみていきたい。


まずは同スーツのコネクタから。

手札: 9 8
関連ハンド: T9s, 87s, 76s
初手のアクション:
LIMP-IN

ABCタイトなプレイヤーを幻惑するのに格好の手札が、ビッグカード以外のコネクタスーツであり、同じくスーツの揃ったワンギャップである。うまくいくと爆発力があるため、わたしも大好きな手札なのだが、のる場所を間違えるとあなたのチップは少しずつだが確実に削られていくことになる。決して扱いやすい手札ではない。

9 8 : favorable flop types

5 6 7

あなたはフロップの時点でいきなりナッツ(nuts: その時点において考え得る最強の手)ができてしまった。これだけを見る限り、恐れるものはなにもない。
このような場合、わざとチェックして自分の強い手を悟らせないようにするのは下策である。ストレートのような手は相手にとって読みにくいため、素直にベットしたい。ただし、あなたの次にアクションをするプレイヤー(もしくはその次のアクションをするプレイヤー)が、チェックに対して必ずベットをしてくるだけではなく、それに対してたいていのプレイヤーがコールしてくるという確信があれば、話は別である。その時は、チェックレイズをすればよい。


4 9 Q

フラッシュドローつきのセカンドペアである。
フラッシュ目があるため、ポットを大きくすることに努めたい。ただし、自分よりも上位のフラッシュに対する警戒を怠らないこと。


6 7 K

ストレートドローができるのも、この手札ならではの特権である。
トップペアであるKをヒットしているプレイヤーがいれば、あなたがターン以降にストレートを引いたとしてもコールしてくる可能性が高いため、インプライドオッズも含めて有利か否かを判断したい。


A 8 9

中途半端なツーペアは、プレイヤーを落とすためにも強気に攻める。下手に隠れたりしないこと。


9 8 : scary flop types

3 6 8

トップペアとはいえ、あまりに頼りない状況である。そもそも、このような手札はペア系の勝負に弱いということを肝に銘じておく。通常は、ストレートもフラッシュも狙えなければ降りる。


5 6 T

ガッツショットドローも当然降りる。引きに行かなきゃ損という考えはなるべく早く捨てたい。


次にギャップを取り上げる。

手札: Q T
関連ハンド: J9s, T8s
初手のアクション:
LIMP-IN

ぎりぎりのワンギャップが、このあたりである。これ以下のランクになると、非常に扱い方が難しくなってくる。 ショートでもない限り、75sや96sといったランクの低いワンギャップ、ツーギャップでのプレーはお勧めできない。

Q T : favorable flop types

8 J K

フラッシュ目のあるストレートドロー。ポットが大きい時にはもってこいの手である。


6 9 T

ハマる可能性も高いが、キッカーもそこそこなので攻めることも出来る。


4 T T

有利な展開が望める。隠れてもよい。


Q T : scary flop types

6 9 Q

キッカーの弱さはいつでも不利となる。最後までついていって負けるというのは、たいていこのようなパターンではなかろうか。


A T J

あなたの手はセカンドペアである。勝ち目は薄い。このようなボードは、たいていポットが大きくなるため、レイズ合戦には決して巻き込まれないこと。


8 T K

同じくセカンドペア。未練を残さないで降りたい。


5 7 7

フラッシュドローではあるが、フルハウスを狙うプレイヤーに見下ろされる可能性が高く、勝負にのってはいけない。
このように、たとえ目的の手役を完成させたとしても相手にまくられてしまう状況をドローイングデッド(drawing dead)という。こうしたドローイングデッドのボードで安易にコールしないようになれば、ビギナー脱出への道は近い。


最後に、スーツではないコネクタの扱い方を紹介して終えたい。

手札:T9o
関連ハンド:T8o
初手のアクション:
FOLD, (LIMP-IN

たいていは、このような手札になってしまうとフォールドだが、負うべきリスクが低ければフロップを拝んでみるのもよい。

T9o : favorable flop types

8-J-Q
A-9-9
7-9-T
7-8-Q

どれも、この手札にとって待ち望んでいたボードである。ルーズなテーブルであれば、ポットを膨らますために、タイトなテーブルであれば相手を落とすために、進んでストレートドローからベットしてみよう。ただし、何とかのひとつ覚えにはならないこと。


T9o : scary flop types

A-J-9

サードペア。とっとと降りる。


4-8-T

キッカーが弱い時はペアでも降りる。


8-9-T

かなり怪しいボードである。6, 7, 8, J, Q など、ターン以降に警戒すべき札は多い。隠れるなどもってのほか。


2-5-8

ターン、リバーで自分の手札がヒットすることに期待しないこと。


手札の扱い方については、ひとまずこんなところである。
あとは、ポジションやテーブルのタイプといった項に目を通し、自分に合ったプレースタイルを見つけていってほしい。



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