第27回 名古屋ポーカーオフ(POKER in NAGOYA)


平成13年10月27日(土)快晴 於 愛知県スポーツ会館


2テーブルに分かれて争われたテキサスホールデムのトーナメント。
序盤。わたしのいるテーブルはにし氏、待宵草氏、点心乱丸氏といった面々で構成されており、「ごく一部を除いて」 穏やか。初手のレイズもきちんと決まり、緒戦はまずまず。しかし、気を抜いた頃に危険は近づいてくるもので。
ノーリミットに突入するまではかなりルーズにゲームを進めていく点心氏にコールされ、ボード9-J-K。手札AKでターン(ラグ)も同じくベットしたところ、チェックレイズを食らってしまった。これはコールできない。 心優しい点心氏は手札を開いてくれた。QT。文句あるか、ってなハンドである。

さて、ここで今回のイベントを通して最も"questionable"なheba氏のプレーを紹介しないわけにはいかない。
LAC-HERO氏のオールインコールから始まり、レイト付近からぞろぞろとリンプ。このときボタンだったわたしなごやんもA5oでリンプイン。 フロップで7-7-Aと出たが、トップペアだからといって積極的に打つことなどできない。サイドポットはゼロなのだから。魅力もゼロ。
ターンはラグ。当然のようにチェックチェックで意思疎通が図られリバーもブランクカード。しかし、ここにきて暗黙の了解に綻びが生じてしまう。 sbのにし氏はチェックしたものの、なんとbbにいたheba氏が突然ベット!
よもや、こんなところで中途半端なベットはしないであろうと誰もが思っていた。思っていた筈である。わたしも、周りと同じく7の存在を信じて降りた。
そして、注目のショウダウン。氏の手札、K9。いや、見間違えではない。A9でもない。この状況下においては、A9ですら驚くべきベットといえよう。ボードにはKも、そして9もなかった。それをみて思わず凍りつくプレイヤーたちの中で、ひとりだけ満面に笑みを浮かべるプレイヤーがいた。そう、(絶対ダメだと思っていた−本人談)KKをめくってみせたLAC-HERO氏である。
そういえば、以前も同じようなベットでいぶやん氏を助け、物議を醸したことのある同氏。またしても、である。普段、LAC-HERO氏を目の敵にしているように見受けられる氏だが、この一件があって以来、そう言い切る自信が些かなくなってきた。 とにかく、この一戦で瀕死の強敵が一気に盛り返してしまったことだけは確かである。
アーリーからのスティールに失敗すると、今度はわたしの方が危うくなってきた。ついにはATでオールイン(もちろん不本意)し、気合いも虚しくあちらこちらからコールの声が掛かるも、なんとか土壇場で踏みとどまる。それにしても、コーラーのひとりだったLAC-HERO氏の手札の怪しかったこと。まあ、少し前にはA5oなんぞで氏を蹴落とそうと目論んだわたしである。文句は言うまい。

中盤。テーブルも1つにまとまり、いよいよ本戦スタート。みれば、チップリーダーの池永氏に続き、すみ氏もかなりのチップを持ってその後を追っている。点心氏のチップも無視できない量だ。その中で、わたしは原点付近で比較的安定している。 テーブルがまとまった直後、池永氏の中玉レイズにあっさりコールしたのがすみ氏であった。結局、フロップで打たれて(オールイン)しまいフォールド。このすみ氏によるあっさりコールは、議論の余地があるかもしれない。
ビッグスタックに傷をつけたすみ氏と、ますます肥え太っていく池永氏を冷ややかに見つめながら、ただひたすら機を窺うことに徹していたなごやんに、思わぬチャンスが訪れる。bbだったなごやんの手札、J8o。アーリーからの点心氏のミニマムレイズに対して、選んだアクションはコール。ターンまで6-7-9d-Xdと、オープンエンドストレートドロー。チェックで回してくれたおかげでこのカードを見ることができた。リバー、とろけるような甘いTd。姑息に誘わず、500弱(ブラインドの約5倍)をオールインしてみた。一瞬、Tに気をとられてダイヤのフラッシュの可能性を見落とすも、じっと腕組みをして考えこんでいる点心氏の様子からみて、フラッシュはないと判断する。悩んだ末、点心氏のとったアクションはコール。

「フラッシュある? …Jハイストレート。」

何度もうなずくJTの点心氏。わたしと同じく、ボードを見落としていたらしい。
数ゲーム後にAKがきたが、直前で池永氏の大玉レイズが入っていた。AAやKKとは違い、AKは非常にデリケートな判断が求められる手である。今、ここでチップリーダーの池永氏へぶつけにいくのは−たとえ自分が相手よりも有利な状況だとしても−得策ではないと判断した。チップリーダーにぶつけて一番喜ぶのはショートスタックのプレイヤーたちである。先ほどの幸運を生かすためにも、彼らより先に飛ぶリスクを背負う訳にはいかない。わたしの目的は、ここでチップリーダーになって一時の優越感に浸ることではない。少しでも有利な状況で戦い、着実にポイントを上げることだ。
さらにその数試合後、ショートスタックにぶつける機会が与えられた。手前オールフォールドで、配られたのは因縁のカード、K9。しれっとぶつけてみた。 まず、ボタンの点心氏がオールイン。それからにし氏のレイズオールインにためらいなくコールして、両者の持つAを見る。しかし、結局この日はわたしの日だったようである。ボードに9。にし氏は、このゲームの直前に74フロップツーペアでのスロープレーが祟って点心氏にまくられ、かなりの痛手を負っていた。最後のハンドはATであったが、不本意なボードで復活はならず。
その後の展開はよく覚えていない。池永氏がすみ氏を降して自動的にヘッズアップになり、数ゲームのさぐり合いが続いたあと、98sでぶつけにいったなごやんに対してQ3oで受け止めた氏が、Qのワンペアで勝利を決めたことだけは辛うじて覚えている。 気付いた人もいるかもしれないが、ウィニングハンドQ3oは前回のテキサスにおける氏のラストハンドでもあった。


1st 池永

2nd なごやん

3rd すみ

4th 点心乱丸

5th にし

6th いわた

7th heba

8th TA_2

9th 爆破道

10th LAC-HERO

11th 待宵草

12th 高井




セブンスタッドのトーナメント。この日のイベントに限って言えば、すみ氏と待宵草氏とのヘッズアップほど、ひとりのギャラリーとして緊張を強いられた戦いはなかった。
はじめ、チップ差があまりに広がりすぎている状況をみて、これはすみ氏の圧勝だなと思っていた。しかし、一度死の淵から這い上がった待宵草氏の、その後の集中力と忍耐力の素晴らしいことといったらなかった。すみ氏のプレーが決してまずかったわけではない。それ以上に待宵草氏のプレーが充実していたのだ。とくに、ストレートでまくろうとしたすみ氏をフルハウスで最後の最後まで受け止め、相手をコールせざるを得ない状況に追い込んだ一戦は見応えがあった。そして、この一戦が待宵草氏の勝利に少なからぬ影響を与えたことは、ほぼ間違いない。

待宵草氏にとっては、これが初の部門別優勝となる。氏は、比較的ルーズな名古屋のプレイヤーたちの中にあって、セオリーに忠実なタイトプレイヤーのひとりに属するが、プレースタイル自体は総じておとなしい。アグレッシブなプレーを身につけたら、おそらくもっと洗練された恐るべきプレイヤーになるのではないか。そして、その日も近いと思っている。


1st 待宵草

2nd すみ

3rd heba

4th なごやん

5th 爆破道

6th LAC-HERO

7th 高井

8th 池永

9th にし

10th TA_2

11th いわた

12th 点心乱丸




オマハハイローのトーナメント、結果は次の通り。


1st 爆破道

2nd TA_2

3rd 高井

4th 待宵草

5th いわた

6th にし

7th LAC-HERO

8th 池永

9th なごやん

10th heba

11th すみ

12th 点心乱丸


3本のトーナメントを終えて、総合優勝は爆破道氏に決まった。僅差で2位につけたのは待宵草氏、3位はすみ氏だった。


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◆関連サイト◆
次回名古屋ポーカーオフ(Poker in NAGOYA)の予定等はこちら(heba氏)
全国統一レーティングはこちら(Doyle氏提供)
名古屋オフ限定ポイントランキングはこちら(LAC-HERO氏提供)



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