第22回 名古屋ポーカーオフ(POKER in NAGOYA)


平成13年5月26日(土)快晴 於 愛知県スポーツ会館



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順位ネーム
優勝heba
なごやん
いわた
爆破道
denko_sekka
VP-KID
待宵草
LAC-HERO
Torolic
10高井
11すみ
12にし
13池永


上はテキサスホールデムトーナメント順位表。

序盤、heba氏ファーストアクションで大きくレイズ。ばらばらっと降りるもsbの「伝説」池永氏が考量。NLに 突入しているとあって、リレイズオールインも視野に入れたようだが、結局はコール。手はポケット8。 bbの高井氏が降りて注目のフロップ8h-Ah-Xh。かなりの量をベットしてオールインに。フラットコールの heba氏が開いた手札、AA。ほぼ完璧に見下ろされた恰好。さらにリバーでダメ押しのAが出ては、heba氏が思わず快哉を叫んだのも無理あるまい。
この試合でheba氏が単独首位に立つや、今度はテーブル内第2位のLAC-HERO氏が動く。お隣のheba氏に対して ぶち当てたポケット9にフロップは4-J-4。heba氏ベット、かなり大きくレイズ(オールイン)したLAC-HERO氏。 もしもheba氏がJJではなかったら、このベットは同氏をかなり苦しめたことであろう。この一戦を制し、同氏はダントツのトーナメントリーダーに躍り出た。
一方のわたしはといえば、大苦戦。すなわち、いいとこなし。振り返ってみても、序盤はベットの仕方が殆ど落第点だったと思う。 最後にはオールインにまで追いこまれる始末。相手が36のスティール狙いだったから良かったものの、ATという札ではなかったらかなり悩まされたと思う。 ちなみに、皮肉なことだが、この時の手札が今回一番の大役−ATの2ペア−であった。

さて、中盤もいよいよ大詰めというところで、少々物議を醸した試合があった。当事者はわたしなので、まずは 状況を説明することにしよう。人数は6人、ブラインドは75-150。テーブル内は、依然圧倒的な勢力を誇るheba氏に、いわた、爆破道両氏が続き、それをなごやんが地味に追うというカタチである。
最初のアクションはshort-stack(チップ100ほど)のVP-KID氏、オールイン。heba氏、爆破道氏が降りてわたしの番。手札はAK、そしてここでの決断はレイズ、より正確に言うならば"ミニマム"レイズであった。 勿論、トーナメントにおける常套手段はコールし、なるべく多くのプレイヤーを出来る限り容易に参加させ、short-stackを確実に降すべき、である。言うなれば、レイズは「御法度」といってよい。そのことはわたしも十分承知している。 ではなぜレイズか。ここでのわたしは、無視できなくなってきている量のアンティを獲得したいという目論見よりも、勝負を仕掛けて自分のテーブル内の立場を強化したいという心算のほうが強かった。 従って、ミニマムレイズの意図は、いわた氏かdenko_sekka氏(或いは双方−わたしは出来ることならチップ量の多いいわた氏とは当たりたくはなかったが−)を勝負の舞台に引きずり出すことにあった。
まず、ここでたとえshort-stackに勝たれたとしても、回ってくるブラインドのためにリタイアするのは 時間の問題。ならば、常套手段を用いて「今この時」に落とすことを考えるよりも、AKを生かすことを 考えたほうがよいのではないか。現在のわたしの立場はテーブル内4位、つまるところ仕掛け時と判断したのである。 そして、ミニマムレイズならば、denko_sekka氏がこの勝負にのってくる公算が高いと考えた。 ここはなんとしてでもVP-KID氏を落とすべきという使命感と、わたしの「場違いな」甘いレイズに対する嫌悪感から。 しかも、denko_sekka氏も危ういチップ量である。仕掛け時を窺っていたのは疑いない。それでも、あまり多くかぶせてしまうとするりと交わされる虞がある。 氏がこのレイズにコールしたならば、チップの量を考えると、わたしが第2ラウンド以降ベットした時には コールせざるを得ないと思われた。もしもヒットしなかったら、作戦を切り替えてck-ckでshort-stackを落としにいけばいい。結局、いわた氏が降り、denko_sekka氏のみが迷った末にコール。 そして思い描いたようにフロップでAがあらわれ、オールイン要求をしたのである。以上が、わたしのAKプレーの顛末である。
結果としては2人をリタイアさせたわけだが、やはり−というべきか−ツッコミが入ってしまった。 たしかに、常套手段をとるべきだったのかもしれない。それに、わたしのプレーについても絶対の自信を持っていたわけではない。 とはいえ、そのことについて「トーナメントに対する構造を理解してるのか」とまで言われてしまうと、些か戸惑いを感ぜざるを得ないのである。 少なくとも、今回の件に関して言えば、分かっていてレイズしたのと分からなくてレイズしていたのとでは−このようなことを自分の口から吐き出すのは まったくもって無粋だということを十分承知した上で−雲泥の差があると思う。

プレーヤーは残すところ4人に絞られた。ゲームは比較的静かに流れ、再びAKのなごやん。ファーストアクションということで、今度は正直に大きな手をアピールした。 ばらっと降りてbbの爆破道氏のみコール。フロップでQが出たので不穏な空気を感じたが、ck。 無理せずckで応えれば、Aがターンでお目見えする。爆破道氏、大きなベットでオールイン要求。ここでよもや 負けることがあれば、これまでの苦労が水の泡である。一番あってはならない手札はAQ、若しくは フロップのローカードをセットに発展させたポケットペアである。キッカーの弱いAの2ペアは、 爆破道氏がそんな手で初手のレイズにコールしてくることは考えられない−オールイン寸前ならば別かもしれないが−ので除外。 考えあぐねた末にずずずいっとチップを前に押しやり、ミドルのポケットペアであったのをみて胸をなでおろす。 これで戦える状況になったなごやん。 スティールもよく効いたせいか、「ブラフもたまにはうまくいくんだな(笑)」などとheba氏に言われてしまう。その手の心理戦にはのらぬぞ。今世紀一番のとびきりの笑顔で受け流す。

さあ、愈々ヘッズアップまでこぎつけた。しかもheba氏にチップ量では優っている。前回はいわた氏とのヘッズアップで一敗地に塗れていることもあり、今回はなんとか勝利をものにしたいという気持ちが強くはたらく。
一発目に配られた手札はスーツ違いのA8。limp-inしたheba氏に対してきちんとレイズ。結果はきちんとコールされてフロップ8s-Js-X。 heba氏が小考の末ミニマムベット。同額をレイズしてみる。これもきちんとコールされてターンQs。今度は強気のベット。さんざ迷った挙句フォールド。見過ごせないロスの大きさ。
次なる札は55。悪くない。大きくベットしてみた。しかし、ためらいなく打ち返されてオールインせざるを得なくなってしまう。うーむ。 heba氏Qd-Kdとのじゃんけん勝負はほぼ互角。フロップでローカードが揃い、ターンも同じくローカード。2枚のダイヤが気になるが、heba氏の言葉を借りるなら、流れはまさに今のわたしにある。 だが、流れは突然変わるものだということを、リバーで女王がお目見えする前に気づかなければならなかった。今に始まったことではないが、やっぱり詰めが甘い。



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順位ネーム
優勝すみ
heba
にし
池永
LAC-HERO
denko_sekka
Torolic
待宵草
爆破道
10なごやん
11高井
12VP-KID
13いわた


上はセブンスタッドトーナメント順位表。

たとえチップが絶望的なほど僅かしかなくても、決して最後まで希望を捨ててはいけない。 すみ氏のプレーをみて、そのことを改めて感じさせられた。なにせ、一時は手元に数枚の赤チップしかなかったのだから。 一方、わたしは地味ながら確実に生き残るにし氏のプレーにも注目していた。 後半、氏よりもチップの多いプレイヤーが次々と脱落していった背景には、氏の忍耐強さによるところが大きかったと思う。 どうしても好きになれないプレースタイルの人はけっこういるものだが、そんな中にあって、この人のプレースタイルは割と好きである。

詳しいゲームの経緯は割愛するが、最後は3人が同時にペア同士でぶつかり、それを制したすみ氏が 優勝を勝ち取った。わたしは伏せ札KKで高井氏(99)とともにオールインしたが、AAを隠していたすみ氏に敗れて不本意な結果に終わった。
そういえば、カードの読み違えという極めて初歩的かつ致命的なミスをしでかしてしまったこともここで正直に白状しておく。 自慢ではないが、これ、たまにやるんである。今回は結果として勝ったからいいようなものの、曲がり形にもポーカーサイトなるものの管理者として、負けていたらそれこそ目も当てられない。



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順位ネーム
優勝爆破道
heba
池永
denko_sekka
VP-KID
待宵草
すみ
LAC-HERO
なごやん
10にし
11いわた
12高井
13Torolic


上はオマハハイロートーナメント順位表。

今回はこれまでになくアグレッシブにプレーしてみた。テーブル内6名。印象に残った試合をいくつか拾ってみよう。
開始早々Ah-A-2h-3、ファーストアクションでレイズ。フロップ6のほかはハイカード。すみ氏のベットにコール。 ターンにローカード。ck-ckでリバーもロー。フラッシュ目のようにも見えるため、ここはベット。迷いつつもすみ氏ハイ狙い(6のセット)でコール。
アーリーA345 A-suitedレイズ。コーラー多数でフロップ4h-6h-7s。なごやんベットに降りる者なし。ターンTs。Torolic氏ベット。この人のベットは信じるしかない。ほぼ間違いなくTハイストレートと読む。わたしを含めたすべてがコールしてリバー2s。 同じくTorolic氏ベットでわたしの番。とりあえずレイズで反応をみようとしたが、すみ氏がコールし、 池永氏レイズ。さらにTorolic氏がコールしたものだから読めなくなってしまった。結果は池永氏のハイ(フラッシュ)に、わたしなごやんのローナッツ。
ボタン、A45T A-suitedコール。ロー目に魅力を感じたが、レイズが入り断念。
アーリーAKTXレイズ。sbのTorolic氏のみコール。フロップTヒットで強気のベット。ターンAでベットのつもりがckと発声してしまうミスを犯すが、最後は2ペアでベットし勝利。
アーリーAA3X A-suitedレイズ。VP-KID氏リレイズAKXX、フロップK-K-2。これにコールしてしまい原点近くまで戻す。

かなりきついストラクチャとあって、序盤からリタイアが続出する。わたしも少々アグレッシブさが過ぎたようだ。ミドルのストレートを完成されたゲームで点数を減らすと、すでに後がなくなってしまった。 最後はA33T A-suitedでオールインし、BBの爆破道氏にフロップセットで挑むも、リバーでバックドアフラッシュを完成されてリタイア。
教訓。レイズは控えめに。集中力の持続も課題だ。

卓統合後は、このゲームでもheba氏が快調に飛ばす。フロップ2ペアをターンで完成したセットでまくったり、 2-2-XでもしっかりAAに対して2を持っていて一蹴するなど、もうどうにも止まらない。 denko_sekka氏は粘りをみせたが、一縷の望みをセカンドローナッツに賭けた試合において、池永氏に 完璧なカタチでスクープされて脱落。池永氏は今回も終始好調で、確実にチップを積み上げてきた爆破道氏とともに三者鼎立の状況をつくり上げた。 しかし、いつまで経ってもこの均衡が崩れず、時間も押してきていることから、最後は強制オールインで無理矢理決着をつけることになった。 この点からみると、優勝した爆破道氏も複雑であろう。わたしとしては、この3人の試合の行方をもう少し見守っていたかっただけに、少々残念ではある。


3本のトーナメントを終え、heba氏がオマハハイローの結果を待たずして総合優勝を決めた。 準優勝は爆破道氏、3位はすみ氏だった。


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◆関連サイト◆
オフの予定等はこちら(heba氏)
全国統一ランキングはこちら(Doyle氏提供)
名古屋オフ限定ポイントランキングはこちら(LAC-HERO氏提供)
当サイト以外でのオフレポはこちら(Torolic氏)など
今回のゲスト、VP-KIDこと吠太郎さんのサイトはこちら



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