第11回 名古屋ポーカーオフレポート


平成12年5月27日(土) 雨天(於 愛知県スポーツ会館)

今回はゲームフェスティバルの一環として行われた名古屋ポーカーオフ。そのため、 顔ぶれもEJFをはじめとする各種ゲーム会のメンバーも混ざり、賑やかな集まりとなった。 参加した15名の顔ぶれは以下の通り。

ネームコメント
阿部(博)名古屋組。
池永名古屋組。
いぶやん滋賀からだけど名古屋組。オマハハイローのみ参加。
いわた大阪から参加。
鈴村ゲーム会方面より参戦。
高井同じくゲーム会方面より参戦。
谷本同上。
denko_sekka三重からだけど名古屋組。オマハハイローのみ参加。
Torolic名古屋組。
なごやん名古屋組。
爆破道名古屋組。
heba主催。名古屋組。
MILKひさびさのご登場。テキサスホールデムのトーナメントのみ参加。
LAC-HERO名古屋組。
luckystartこちらもひさびさのご登場。オマハハイローのみ参加。

当日の流れは以下の通り。

ライブ(Texas Hold'em) 1hour
トーナメント(Texas Hold'em) about 2h
トーナメント(Seven Card Stud) about 2h
トーナメント(Omaha Hi-Lo 8 or Better) about 2h


順位ネーム
池永(350→355)
爆破道(322→352)
heba(233→229)
LAC-HERO(227→228)
阿部(博)(199→208)
なごやん(150→154)
Torolic(152→101)


まずはテキサスホールデムライブ順位表から。爆破道氏は毎回漸増しており、池永氏に迫る勢い。逆に痛い負け方をしてしまったのがTorolic氏。だが、さすがに熟練者たちばかりのライブなだけあって、ひとりも脱落者はでていない。最初のひとり目になるのは、果たして誰か…(え、わたし?)。



***



順位ネーム
優勝なごやん
阿部(博)
Torolic
池永
いわた
高井
heba
爆破道
LAC-HERO
10MILK
11鈴村


上はテキサスホールデムトーナメント順位表。
序盤、阿部(博)氏とTorolic氏が着実に勝利を重ねていく。これまでは比較的パッシブなプレースタイルだった Torolic氏だが、今回はQQ、KKと、有利なハンドのときは確実にベットするなどメリハリの利いたプレーをし、 つけ入る隙を与えなかった感がある。同じく序盤、初心者を強烈にハメたいわた氏も、 AKでなごやんのチップを削るなど、こちらも楽な展開で中盤の坂を越えた。
そのなごやんは、両隣にルーズなプレイヤーがいる中でタイトに徹し、残るプレーを続けたが、正念場は突然やってくる。相手はLAC-HERO氏。プリフロップでのレイズに、なごやんコール。 AA、KKか、AQか…。迎えたボードはAh−3h−4d。当然のごとくHERO氏ベット、AAはないと踏んだなごやんはレイズ。 しかしHERO氏はリレイズオールイン。チップ差では有利ななごやん、コール。結果はAKのなごやんがとる。振り返ってみてリレイズという選択は厳しかったとはHERO氏の談。 しかし、その後高井氏との一戦で読み違えたのと、先ほどのいわた氏との打ち合いで崩れ、そのあとはひたすら静観モード。

中盤、Torolic氏が伸び悩む中、阿部(博)氏が破竹の勢いで他者を圧倒。中でも印象的だったのが池永氏との打ち合いだった。 フロップK−K−2で同氏ベット、阿部(博)氏ノータイムコール。ターン9。そのまま打ってくる池永氏。 同じくコール。リバーは2。池永氏ベットに阿部(博)氏レイズ。滅多にお目にかかれない 阿部(博)氏のレイズに対して、そこはJ5sのノーペアで打った度胸の持ち主池永氏。 阿部(博)氏のレイズを、自分がKを持っているのかどうかの確認のアクションだと考えたのか、ためらいなくリレイズ。結局キャップまでいきショウダウン。阿部(博)氏の手札はK9sだったという。

一時はチップリーダーにまでなったいわた氏が脱落して、後半戦突入。いよいよノーリミットである。 この時点でチップリーダーは阿部(博)氏。残る3人のチップを合わせても及ばないほどの差をつけて臨む。
始めのうちはノーリミットで強さを見せつける池永氏が果敢にスティールを決め、優位に 持っていこうとするが、100-200というブラインドとアンティの高さに少しづつチップを削ぎ落とされ、脱落。 なごやんもスティールの成功が続くが、最後には詰めの甘さが出てしまう。Q4でチップ寡少のTorolic氏を落としにかかったなごやん。 そのTorolic氏、考量の末コール。手札はQ3。捷ちを信じたのがマズかったか、ターンに3激しくヒットし、打って変わって怪しい雲行きに。しかもそのTorolic氏をほどなくして阿部(博)氏が降し、辛うじて残ったとはいえもはやこれまでのなごやん。 強制オールイン。阿部(博)氏にとっては、まさに赤子の手をひねるよりも楽な展開である。しかし、最後まで分からないのがこのゲーム。
天の悪戯か日頃の行いか、手札3d5dで最後の気力すら奪われたなごやんに対し、阿部(博)氏がオープンしたカードはなんと3s5s。 続く試合も、なごやん24に対し、阿部氏34で今度こそ終わりかと思われたが、ボードはワンペア。 しかもキッカーすべてボード上。前代未聞の展開である。周りも大いにどよめく。 だが、なごやんにとってはたまらない。薄氷を踏むような試合展開に、思わずはやく殺してくれーー!と絶叫。

続く試合。なんとか7のポケットにより辛勝したなごやん。首の皮はまたも一枚つながった。しぶとい。 しかしカードは容赦なく配られる。スモールブラインドで迎えたなごやんの手札はJs2c。考量。 もはや後がない。いくか…。 ただでさえ垂死の状況。さらにひたひたとビッグブラインドの迫り来る音が聞こえる。いくべきだ。 視線は鋭くチップの残量を数える。考量すること30秒弱。だが、とった選択はフォールド。この選択は果たして正解だったのか。

これが最後…。配られた手札が光った。AQ!
一縷の望みをかけて強制オールイン。なんとか押し切り、さらに次に配られたKKで勝って虎口を脱すると、 ひょっとして…という幻想に近い希望が瞼の裏で明滅する。しかし、状況は殆ど変わってはいないのだ。依然、手足をもぎとられたままのなごやん。 堆く積まれたチップの砦の後ろに泰然と構える阿部(博)氏の姿がひとまわり大きくみえる。
手札をみる。…いける……。だが、待て。相手はどんな手でもコールできる。いや、コールすべき状況なのだ。 Torolic氏との一戦が頭の中で鈍くはじけた。駄目だ、ここでコールされては駄目だ。そう思ったなごやんはある行動に出る。 さも自信ありげな仕草をし、なんとか降りさせようとしたのだ。相手はパッシブなプレイヤーである。 もしかしたら効くかもしれない…。姑息?そんな嘲りも、いかにして生き延びるかを考えるわたしの耳には届かない…。

「これはいくでしょどー考えても…」
「(阿部氏の鋭い一瞥)」
「(カードを軽くテーブルに打ちつけながら、チップを一掴みするなごやん。視線は阿部氏へ向けたまま。)」
「うーん、なんだか自信ありそーだなぁ…(迷う素振りをみせる阿部氏)」
「(微笑を絶やさず、おもむろに)さて、どうしますか?」

阿部氏の1分近いベッティングインターバル。そしてフォールド。よし!
なんとか阿部(博)氏相手にまともな状況で一矢報いたいなごやん。その準備はできた。 その後若干の小競り合いを挟み、なごやんレイズオールイン。ここはなんとしてでも仕留めたい阿部氏、 厳しい表情でコール。なごやんA7o、阿部氏6sTc。リバーでAがヒットし、阿部(博)氏の一角を崩す。 とはいえチップ差7:3。依然として山は険しく聳え立ち、覆すのは容易ではない。 それでもうかつにコールできなくなった阿部(博)氏。両者とも微妙な判断を迫られ、その後数ゲームが流れる。

阿部(博)氏のパッシブなプレーに救われたこともあってチップ差をほぼ互角に持ち込んだなごやんがスモールブラインドで迎えた手札、9To。 阿部氏ならレイズはしまい、という読みもあってコール。阿部氏チェック。A−T−6。チェックチェックでターンは4。なごやんベット。暫時考量の末に、阿部(博)氏フォールド。 おそらく阿部(博)氏はハイカードのヒットする可能性に懸けるかどうか迷ったものと思われる。これはおそらく正解。一筋縄ではいかず…。だが、大きな山を越えたのをたしかに感じた。
またも数ゲームを挟み、スモールブラインドで阿部(博)氏が降りた瞬間、次にすべきアクションは決まる。 手札はQx。立場は逆転している。今こそオールインを要求すべき時だ。阿部(博)氏は悩んだが、コール。 A8oとかなり有利な手。やられたと思ったが、ボードにQが微笑み、遂にAは落ちなかった。

終盤は随分とカードにも助けられたが、通常ならば行くべきときに敢えて降りたJ2oが、 振り返れば正しかったのだと思う。また、阿部(博)氏がヘッズアップに慣れていなかったのもなごやん有利に傾いた要因のひとつだと思われる。 なにはともあれ、いつもは辛口のプレイヤー諸氏もナイスゲームと言ってくれたのが嬉しかった。



***



順位ネーム
優勝高井
いわた
LAC-HERO
池永
なごやん
爆破道
heba
谷本
阿部(博)
10Torolic


続いてセブンスタッドトーナメント順位表。
中盤、爆破道氏のレイズオールインの一戦がひとつの山となった。 手堅いプレーでチップを積んだなごやんと、ややルーズなプレーをみせる高井氏の手がかち合った。 チップ差で優勢のなごやんは、フィフスストリートでセットが出来ると、高井氏のベットにレイズ。 少しでも上位に残るには無理をすることはなかったのだが、欲がでてしまう。 LAC-HERO氏からも、オールインプレイヤーをアシストする行為で下策とヤジがとぶが…。 高井氏は降りない。 結果はKKから発展しなかった爆破道氏、なごやんのセット(こちらもこれ以上発展せず)を降した 高井氏(Tハイあたりのストレート)が取り、一躍チップリーダーに。 これで谷本氏らを鎧袖一触した一方の雄いわた氏との優勝争いがほぼ確定する。
長引いたヘッズアップの末、予想を反し、スタッドでは一日の長があるいわた氏を高井氏が降して決着がついた。 とはいうものの、前回は振るわなかったいわた氏、そしてLAC-HERO氏も名誉挽回の一戦と相成ったことはたしかなようである。



***



順位ネーム
優勝いわた
denko_sekka
luckystart
LAC-HERO
heba
いぶやん
高井
なごやん
爆破道
10Torolic
11池永
12阿部(博)


そしてオマハハイロートーナメント順位表。
ひさびさに加わったluckystart氏が2位に入っている。序盤にリタイヤ寸前にまで追い込まれていた同氏だったが、ローを狙いにいったプレイヤー数名を同時に飛ばし、気づいてみたらチップリーダーになっていたという追い上げぶり。爆破道氏はいい攻めをみせるも、リバーで逆転される嫌な展開が続くなどして不本意な結果に。 なごやんとオマハハイロー初体験の高井氏、そしてオマハの攻めには注目のいぶやん氏が相次いでリタイヤしたあとは一進一退の攻防が続く。結果はいわた氏の優勝だが、中盤以降は意識的に慎重にプレーしたというdenko_sekka氏の健闘ぶりにも拍手を送りたい。

今回の総合優勝は、ここ数回苦しい結果が続いたいわた氏に決まり、主催のhebaさんから優勝メダルが手渡された。 今回の結果がご本人にとって一陽来復の兆しとなるかどうか。 なお、2位は高井氏、同ポイントでなごやんが3位につけた。阿部(博)氏は4位だった。 結果は全国統一のレーティング(Doyle氏提供)のほか、名古屋オフのみを対象としたレーティング(LAC-HERO氏提供)にも反映されるので、 興味のあるかたはそちらもどうぞ。

さあ、次回名古屋ポーカーオフは7月1日(土)です。次回は遠征組が多数押しかけ、盛況なテーブルになる予感がします。
またお目にかかります。


文責 なごやん(5/29,2000)



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