#1 「勝つ」人と「負けない」人
様々な人間が集まり、そしてそこでまた様々な人間ドラマを垣間みることができるのは、たとえそこが
ネットゲームの世界といえどもなんら変わりありません。
とくにポーカーでは比較的容易に様々なタイプの個性を見つけることができるということにお気づきでしょう。
チャットのコミュニケーションに重きをおく人、黙々とゲームに集中する人、攻撃的な人、
守りに徹する人と十人十色です。そして、勿論ゲームの上手い人とそうでない人がいるわけです。
はじめは自分のことだけで頭がいっぱいかもしれません。でも、他のプレイヤーに動きをよく
観察してみてください。いろいろと気づくことがある筈です。
その人がどのような考えでこのゲームに臨んでいるのか、そしてどのような戦略で
ゲームをすすめていこうとしているのか、等々。
ポーカーに限らず、ゲームに勝つためのポイントはいかに相手の行動パターンを正確に予測するか、
そしてその予測に照らして自分がいかに柔軟に対処できるか、という一言に集約される気がします。
ここではトータルで勝っている人のパターンをわたしなりに解釈し、その行動パターンを掴む
手がかりを述べていこうと思います。勝っている(=強い)人が分かれば
いきおい慎重に対処するようになります。
いわゆる“カモられる”リスクを最小限に抑えることができるわけですね。
「強い」タイプというのは大きく分けて2種類あるのではと思っています。1つは「勝つ」タイプ、
そしてもう1つは「負けない」タイプの人です。
前者は、負けるときは負けるけれどもそれ以上にトータルで勝っている、
しかも時として強烈な勝ち方をすることがある人を指しています。一方後者は、どちらかというと
あまり勝負には参加せず地味だけれども気がつくといつも漸増している人を指しています。
とくにこのタイプは自分があまりポットを獲得できないことよりも不本意な負け方をするのを嫌う傾向にあるようです。
どちらのタイプも、初心者のプレイヤーが来たときは恰好の餌食になると舌なめずりをしている筈です。
このようなタイプの人と同じテーブルに座っているときは特段の注意が必要でしょう。
では、どのように注意したらよいのでしょうか。
基本的に、「勝つ」タイプの人には普段よりもタイト(なるべく手を絞って、いい手のときしか
勝負にのらないこと)に戦うのがよいと思います。「勝つ」人は概してレイザー(無意味に
レイズをしてポットを大きくする人のこと)が好みです。
なぜなら、挑発すれば必ず食いついてくるという確信があるからです。
その意味では常にコールしてくる人も“いいカモ”だと思っているに違いありません。
逆に「勝つ」プレイヤーにとって、自分のアクションにのってこない人ほど
やりにくい相手はいないでしょう。その点から、まずはじめはなるべく
[ 手を絞る ]技術から身につけるとよいかと思います。
「勝つべき時に勝てばいい」という余裕を見せるだけでもかなりあなたに警戒心を
もつことでしょう。あなたに対して無理なアクションを抑えることも十分あり得ます。
では「負けない」プレイヤーに対してはどのように対処したらよいでしょうか。
こういうタイプのプレイヤーにもやはりタイトに身構えるのが有効でしょう。
また、この手のプレイヤーはレイズをあまりすることがありません。ですからよい手がきても分かり
にくいわけです。従いまして、思わずレイズしたくなるようなケースでも「負けない」プレイヤーが
参加しているときはコールにとどめておく勇気が必要でしょう。また、この手のプレイヤーは
前述のとおり不本意な負け方をすると判断が乱れがちになるようです。とくに、よい手をもっていて
有利に試合をすすめながら、最期の札でまくられるというパターンを嫌います。
その点では、彼らにとってコーラー(常にコールしてくる人)も決してやりやすい相手とはいえないようです。
いかがでしょうか?基本的に、自分に有利な試合展開をしていくためにはタイトになることが大切だと
いいたいのです。あなたがそのゲームでチップを獲得したいと願っているならば。
さて、次回はその「タイト」なプレイヤーについてもう少し深く迫ってみることにします。(4/27,1999 なごやん)