算数授業づくりの会へのおさそい
     学びの園 あしたば へのおさそい

2015年度の予定     【案内の郵送をご希望の方は、連絡先をお知らせください】
  今年度も、第3土曜日にもだわりつづけます。  
次回は、
2015年05月16日(土) 学びの園・あしたば、授業づくりの会  14時から
●2015年06月20日(土) 学びの園・あしたば、授業づくりの会 14時から
2015年07月18日(土) 学びの園・あしたば、授業づくりの会  14時から
●2015年09月19日(土) 学びの園・あしたば、授業づくりの会  14時から
●2015年10月17日(土) 学びの園・あしたば、授業づくりの会  
14時から 
2015年11月21日(土) 学びの園・あしたば、授業づくりの会  14時から
●2015年12月19日(土) 学びの園・あしたば、授業づくりの会  14時から
      気軽に参加ください。お待ちしています。


例 会 報 告

●2014年03月08日(土) 算数授業づくりの会  14時から
●2014年01月18日(土) 算数授業づくりの会  14時か
●2013年12月21日(土) 算数授業づくりの会  14時から

●2013年11月16日(土) 算数授業づくりの会  14時から

2013年10月19日(土) 算数授業づくりの会  14時から
●2013年08月例会は、民教連の『あいち教育大集会』2に合流します。
  9月1日(日) 10:00から  日本福祉大名古屋キャンパスにて
●2013年07月20日(土) 算数授業づくりの会  14時から

●2013年0615日(土) 算数授業づくりの会  14時から
●2013年5月18日(土) 算数授業づくりの会   15時30分から

●2013年4月20日(土) 学びの園・あしたば

○ 2013年03月16日(土) 14:00〜  算数授業づくりの会
  休会
  
 ○2013年3月30日(土) に、

○ 2013年02月16日(土) 14:00〜  学びの園・あしたば

  
まあ、出足は悪かったのですが、最終的には、9人となり、ほっとしましたが、早川さんのすばらしい内容の報告をもっともっとたくさんの人に聞いてもらい、日頃の実践に活かすようにしてほしかったです。私は、小西豊さんの「二宮金次郎とメートル法」と同じように、このレポートを大学で使わせてもらおうと思いました。よかったですよ。聞けなかった人は、大きな損をしたと思います。

○ 2013年01月19日(土) 14:00〜  算数授業づくりの会

【内容】〔0〕先人紹介の巻・その5 
    
私が出会ってきた数教協の実践家を順次紹介しながら、様々な教師人生やら、実践スタイルに触れてみます。今までに、森孝一さん、清宮一さん、斉藤君子さん、武隈隆彦さんを紹介してきました。さて、今回は、星野和夫さん?・・・・。

〔1〕明日からの授業をどうする?    
 ※≪量のカード≫の話

〔2〕教材・教具ネタ         
     
※これだけはやっておきたい算数ゲーム<各学年別に考えてみましょう>
 〔3〕その他   なんでも相談会です。   
      
※当面の困りごと・なやみごと。ベテラン教師と意見交流をしましょう。 

○ 2012年12月15日(土) 14:00〜  学びの園・あしたば

数教協の地区研究会議と重なって、どうしようかと迷いましたが、定例通り開きました。
 そのためか常連さんの参加は少なかったですが、うれしいことに初参加の人が3人もあり、9人にもなりました。Uさんに「いつもと全然違う雰囲気だね」なんて、冷やかされました。

例によって、おしゃべり会なのですが、始めに「斉藤喜博名言集」と題してまとめた【若き人へのメッセージ・4】から、いくつかの文面を読みあいました。「教育技術とは?」「授業参観では?」「政治との関わり」などを読みました。改めて、斉藤喜博のすごさを知るのですが、授業こそ、教師の仕事であり、命なのです。この姿勢を貫くには、あまりにも教育界はゆがみすぎています。でも、少しでも正していこうとする気持ちを失ってしまうとき、犠牲者は子どもであることを感じる教師でありたいものです。

Sさんから、Mさんのレポートが紹介されました。報告は、ある作文の評価をめぐって、評定をどうするか、ということです。評定(通知表)の度に、教師は心を痛めるものです。Mさんの頃は5段階相対評価という時代でしたが、今は到達度評価となり、ある面、随分改善されましたが、まだまだ問題点は山積みです。そうした中で、どう子どもの側に立つか、頑張りどころです。
私からも、若い頃 Mさんからいろいろ助言を受けたことを紹介しました。
  ※集合・整列のこと、  ※読み聞かせのこと、 ※水泳指導のこと、・・・・・

違うSさんから、円の面積の「皮むき法」の実演がありました。今までは、ひもなどを巻きつけてやっていましたが、素材を“すきま防止テープ”で行うものです。円を三角形に等積変形させ、半径×半径×3.14を導き出すのです。 教科書のように、平行四辺形に変形するより、感動的にできます。この他、直径×直径×7/9【エジプト】 とか 円周×円周÷12.5【尾張藩】などの円の出し方も紹介しました。 どなたか、「12.5は、どのように導き出されたのか」を追究してくれませんか。

「Kさんのブログを覗くと参考になるよ」との私の発言から、思わぬ方向に話が行ってしまいました。個人情報のことなどに配慮しつつも、教師の悩みなどを明らかにしていくことは、“共育”の観点からもとても重要なことだと考えますが、いかがでしょうか。

Iさんが、4年「問題の解き方」の実践を 磁気塗板を使って、紹介してくれました。アンパンマンのキャクターを活用するアイデアは、若者、学生さんならではのものと思いましたね。(この磁気塗板は、30年以上前に購入したものです。かつては地域での「算数教室」で使っていましたが、お蔵入りの状態。それを何十年ぶりかでの登場に感激しました)

そうそう、わざわざ「15分間しか参加できないけど・・・」と瑞穂区から、Sさんが 駆けつけてくれました。その熱意に感激するだけで、いいアドバイスができなかったのが残念したが、きっと有益な講師生活を送ってくれると思います。そうした実績を積み上げて、早く正教員になってもらわなくちゃあ。私も、しっかり応援します。

閉会後、是非、報告したいという話をいくつかもらいました。こうして、自然と、話したいという声が出てくるなんて、うれしいことですね。

○ 2012年11月17日(土) 14:00〜  算数授業づくりの会

○ 2012年10月20日(土) 14:00〜  学びの園・あしたば

内容 斉藤喜博「教師論」「授業論」の原点について

話題提供“わかる授業”“できる授業”“たのしい授業”を目指して

        “たのしい学級”“ゆるやかな管理”を目指して  等々

悩み相談室 お困りごと相談。ワイワイガヤガヤ 相談は早いもの勝ち

  ※話し合いたいことを事前に連絡くだされば、資料を準備します。

○ 2012年09月15日(土) 14:00〜  算数授業づくりの会

9月“算数授業づくりの会”報告             2012.9.15

 1日に“学びの園・あしたば”の公開例会と称して、急遽 集まりを持った所為か、今回はちょっとさみしい会になりました。6人の参加でした。

 でも、Kさんが鹿児島の全国大会で学んだことを中心に話してくれて、充実した会になりました。Kさんは、「折り紙」が得意で、今回もいろいろ学ばれ、折り紙作家の川村みゆきさんや全国の折り紙サークルの人たちとも親交を深められたようです。

 正五角形の皿、正三角形の謎などが中心でしたが、『桑名の千羽鶴』の話もありました。〔桑名の千羽鶴49種のうち、30数種折って、我が家のトイレに展示してありますので、どうぞ ご覧あれ!〕 

伝承あそびである「折り紙」は、子どもたちの知育に刺激的な素材です。これを“算数指導の中に、どのように生かしていくか”との研究が全国あちこちで行われています。いよいよ東海地区にも「折り紙教育サークル」の立ち上げの機運が熟してきたようです。

実は、愛知には、折り紙の達人は何人もいます。こうした方々と連携して、小学校段階でも、折り紙を通した算数的活動がどの程度可能かを追究できたらなあと考えるのです。空白の東海地区にもサークルができることを願っています。Kさん、がんばって! 私も支援しますよ!

ところで、斉藤君子さんって、知っていますか。埼玉の「さくらんぼ保育園」の斉藤公子さんではありませんよ。京都の小学校の先生であった方です。「先人紹介の巻・その3」で、今回触れた方です。伝説の教師かも知れませんね。私も、もう30年ほどあった事がありませんが、私の心には強く刻まれている方です。こうした先生方の粘り強い闘いの積み重ねによって、「水道方式」は世に認められるようになったことを記憶しておくべきだと思います。また、私が「かけ算九九の指算」をよく紹介しますが、実は、斉藤君子さんに教えてもらったのが最初です。

○ 2012年09月01日(土) 10:00〜 学びの園・あしたば 特別例会 
 日本福祉大名古屋キャンパス

講座E 若い教師―こんなことやってみたー教育実践交流講座

 “夢とロマン”に満ち溢れている若い教師が、興味ある素敵な実践に出会っても、その実践をなかなか授業の舞台に乗せられない雰囲気が、昨今の教育界にはあるようです。≪授業≫というものは、“失敗から学ぶ”気持ちを大切に、努力の積み重ねによって、力量を高めることができるものなのに、その第1歩が踏み出しにくくては、悲しいことです。
 でも、こうした中でも、「こう、頑張っているよ」「こんなことをしてみたよ」「こんなことができちゃったよ」などと、若いエネルギーのほとばしる取り組みを交流し合えたら、きっと教師としての“生きがい・働きがい”も涌き出てくると思います。
  「うまくいかないなあ」と、一人で悩んでいないで、みんなで、語り合いましょう。そして、「2学期からは、やるぞ!」という勇気がわいてくるような講座にしたいです。  そのお世話を<渡辺靖敏>がさせていただきます。

○ 2012年07月21日(土) 14:00〜  算数授業づくりの会

○ 2012年06月16日(土) 14:00〜  学びの園・あしたば
 「評価・通知表」のことをやりましょう。
 評価と評定、五段階相対評価と到達度評価と絶対評価、通知表と指導要録、評価基準と評価規準、基礎学力と基本学力、     “評価権”はだれのもの? 
◎ 持ち寄り話題
話したいこと、聞きたいこと等をいろいろ出してくださいね。教育に関わることなら、何でもいいです。提供は、当日でも構いませんが、事前に出した人の話題を優先します。  ※事前に連絡いただければ、関連書を準備します。

◎地区大会の“おみやげコーナー”での余ったゲームやパズルを放出します。

○ 2012年05月19日(土) 15:30〜  算数授業づくりの会
   今回も、補講日のため、15時30分の始まりとします。
【内容】〔0〕先人紹介の巻・その1 
        森孝一さんをとりあげました。何度か教室を訪問させていただき、その人柄をお  話しました。
   〔1〕今年度の重点ポイントにしたい単元
   〔2〕明日からの授業をどうする?
     3年・4年・5年の3つのグループにして、
若者とベテランが組んで話し合いました。全体の細かな様    子はつかめていませんが、私は、、私は5年の小数の乗除に参加しました。ちょっとは、見通しがついた    かな・自信がついたかな? いずれにしても、いい雰囲気で進んでいたと思います。
 〔3〕その他   なんでも相談会です。   
   
  
国際理解教育や図工などの話題が出ました。


○ 2012年04月21日(土) 15:30〜  学びの園・あしたば

 昨夜、ギクッときて、本日は最悪の状態でした。。
 
今日は特別に3時半の開始にしました。帰ると誰もまだ来ていません。「こりゃあ失敗かな」と思っていたら、いつもなみに8名になりました。今回も初参加の方があったし、今のサークルの発起人でもあるMさんも1年ぶりに顔を出してくれました。大感激でした。腰の痛いのもすっかり忘れていました。 
 例によって、話題はいろいろですが、明日からの授業づくりに燃えている人が多く、国語・算数の話があちこちで花咲きました。私の理想とする形です。「学びの園・あしたば」は、目前の課題を解決し、明日からの授業・教員生活を意欲的に生き生きとできるように、ベテランが支援する場と考えているからです。(「算数・授業づくりの会」とはねらいが違います) だから、1つのことを参加者全員で討論してもよいし、しなくても気にしません。 なにしろ、本日は、Hさんが分数や角の指導のあり方を熱心に説明していたりで、無茶充実していたと思います。Hさんが、帰り際「ここに来ると、若々しくて、元気が出てくる」とうれしいことを言ってくれました。

 そうそう、写真の話や校務分掌やたけのこの話もありましたよ。


○ 2012年03月17日(土) 14:00〜  算数授業づくりの会
 
卒業式の前後には、会をあまり組まない方が賢明なのですが、頑固に「第3土曜」に固執しています。
 そのため、いつも集まりが悪くなりますが、今年はびっくり。いつものように10名の参加でしたが、そのうち20歳代の参加者が6人もあったのです。若いというだけで雰囲気は一気に盛り上がります。
 また、今回はHさんが「できるとわかるをつなげる授業構成に関する研究」という卒論の概略を報告してくれました。実践例には「分数」「分数の除法」をとりあげて論じています。その分析の切り口は、数教協では、あまりみかけないものです。つまり、教育学に基づく、「できる」「わかる」の観点です。特に印象に残ったのは「わかったつもり」という認識段階の子どもたちとどう向き合うかです。後日、私なりにまとめて、どこかで報告させてもらおうと思います。それほど、刺激的な報告でした。


○ 2012年02月18日(土) 14:00〜  学びの園・あしたば
 今回は「珍しく」というとよい情報のようですが、「都合が悪くて参加できない」という連絡を6つももらっていました(これは、多分に「サークル案内」に中傷事件のことも書いたので、激励の意味もあって連絡してくれたのだと思います)。でもまあまあいつもどおりの人に集まってもらえて、よかったです。
 内容は「文学作品の読ませ方」「原発・放射能のこと」など多岐でしたが、Uさんが 5年の産業学習の実践を報告してくれました。故・松崎重弘さんの『社会を見るメガネ』の実践編ですが、農産物を“量率グラフ”を通して、考えさせるものです。今までは工業分野でのものばかりでしたから、農業分野にも踏み込んだ実践は画期的なものです。是非とも、広く報告する場を持ちたいものだと思いました。 
 原発・放射能についての学習では、内部被爆に関わることを学びました。
 また、「モチモチの木」を題材に、文学作品の読ませ方・指導のあり方について、話し合いました。教材研究の第一歩として、作品の原典にあたることだと思います。「教育的配慮」の基で、ずいぶん書き換えが行われていることが多いのです。これ、要注意!

○ 2012年01月21日(土) 14:00〜  算数授業づくりの会
 
参加者があるかなと心配していましたが、8人にもなり、よかったです。
 報告は、「ネット上での中傷問題の経過」。「分数、分数の除法」「立体の体積」「エストニアの教育」「箱のさんすう」「道徳」「授業づくり秘伝(1)(2)」と相変わらず多彩で、広く、浅くでした。 でも、数学の立場から、塾の立場から、少人数の立場から、学生の立場から、現職の立場など、様々な見地からの意見交流は、とてもいい学びあいになると思います。サークルの一番いいところです。
 今回のキーワードは、「分数をなぜ学ぶのか、学ばせるのか」「底面積×高さの高さをどうとらえさせるか」ですかな。

○ 2011年12月17日(土) 15:00〜  学びの園・あしたば
  
午前中は、あいち民教連の「若い教師の教育実践交流講座」に合流します。
 若い教師の人たち(1年目・2年目)の話を聞きました。異常な勤務状態が続いているようです。夜、9時、10時が帰宅は当たり前だそうです。私の頃と比べてみると、帰宅時間が遅すぎます。若い女教師に何かあったら、教育委員会はどうするのでしょうかね。「こんなでは、結婚もできない」という声もありました。「夢も希望」もなくなりかけるような話でしたが、こうした現実に耐えねばならないには事実。 だから、「あしたば」に来て、ストレスをぬくようにすればよいのです。
 ただ、「あしたば」に参加してくる人は、この段階を乗り越えた人が多いので、次のステップの話も聞きたかったですね。お3人ともしんどい話ばかりでしたから。
 
午後は、いつも通り、渡辺宅で “あしたば”学習会をします。
 
皆さん、午前中に引き続いて、民教連に参加された方が多く、午後は4人だけでした。でも、卒論準備のHさんが参加してくれたので、かえって少人数でよかったです。

○ 2011年11月19日(土) 14:00〜  算数授業づくりの会
 雨の中、9名の参加で充実した会となりました。
今回は、モノづくり{パタパタタイル}が用意してあったことと、卒論を書いている学生さんが参加してくれたことが、よかったと思います。毎年、この時期に我が家へ“卒論”のために訪問してくれるようになり、なんだかワクワクします。もちろん今だけでなく、過去にも結構多くの学生さんが、我が家や学校に来てくれて、いい刺激をもらっています。うれしいことです。
最初にというより、開始前1時間ほど、学生さんと「分数のわり算」について話していました。「わかる」と「できる」の問題を「分数のわり算」をネタに追究されています。
 一応、大学での講義プリント「分数の教え方・学び方」をもとに、私なりの意見をお話しました。問題点として感じておられる「量分数と割合分数を区別できていない」「数式になった途端、単位や量がみえなくなるのでわからない」「学年間のつながりが、公式だけつなげている感じがして、意味理解しないままのスパイラルになっている」等の疑問解決のお役に立てたかどうかはわかりませんが、会が始まってからも、他の方々の意見も聞きました。
 私は、小学校で習う分数には「割合分数」「分割分数」「商分数」「量分数」「分割量分数」があるけれども、実は実生活の中では「割合分数」「分割分数」を使っていて、学校の中では「量分数」「分割量分数」が中心となっていることを踏まえて授業を組み立てることが必要だとか、わり算の構造を面積図を使って説明するけれど、教科書の図の表し方にも無理があることなどを話しました。
 いずれにしても、私も来年度の全国大会で「分数の乗除」の講座をすることになっているので、たいへんいい勉強になりました。感謝しなくてはと思います。

    「パタパタタイルづくり」についてが、本日のメインでしたので、先ず「5のタイル」の起源について確認しました。そのことは、「なぜ、5のタイルでなくてはならないか」とも大いに関わることなのですが、今や「5のタイル」は当たり前という感覚になっています。だから、「数学教室」の実践報告でさえも、教科書と同じように「5の2段の卵パック」の図が出てきています。私は「違うよな」と思っているのです。論争が巻き起こらないかなあ・・

  さて、「パタパタタイルづくり」は、内田さんが準備万端で持って来てくれましたので、思いの外、簡単にできました。この「パタパタタイル」の持ち味は、実際のタイルを使用し、手で量感覚を味わいながら学べることでしょう。素過程の学習になくてはならない教具をつくることができました。
 このタイルは、多治見の内田さんだから手に入るものです。もし、大量に入用な方は、内田さんに相談してください。手に入りますよ。
 ところで、実は、私はパタパタタイルを使った実践をしたことがありません。私が1年生を担任したのは40年前なのです。まだ、「5のタイル」導入は論議中途だったのですよ。
    この他、5年生の面積の指導などが話題になりました。特に“高さ”の指導をどうするかです。全国学力テストでも、いつもこの“高さ”がとらえられなくて、誤答する子が多いのです。納得のいくように指導した芋のです。


○ 2011年10月15日(土) 14:00〜  学びの園・あしたば

 都合が悪くて「参加できない」という連絡をいくつか受けていたので、会が成立するかと心配していましたが、7名もの参加があり,感激です。
 今回は、事前に話し合いたい事柄の申し出がなかったので、私の方で、今 現場で緊急課題になっているのではないかと子安先生の「原発授業プラン」と「倚りかからない憲法教育――震災対応から学ぶ」という論文を準備しました。それが、今回 子安先生も参加して下さったのです。おかげで、これからの課題が見えてきたように思います。例会日の夜、「あしたばで、原発の話が聞けるなんて、思ってもいなかった」と、植村さんが感激の電話をくれました。私などは「本当に勉強になった。でも、わからないことだらけ」という感想です。  
  ※「原発の授業プラン」については、子安さんのHPから取り出せます。また「倚りかからない憲法教育――震災対応から学ぶ」の     論文は、希望の方にはお送りしますので、連絡ください。是非とも、読み、考えていきたいことだと思います。
 次に、中日文化センターでの「折り紙で、さんすう」のレジュメを示しました。一応折り紙で≪図形感覚をみがく≫、折り紙を≪シェーマとして生かす≫、折り紙を≪生活の中に見い出す≫という観点で整理しようと考えてのレジュメなのですが、まだまだ研究途中のものです。なんとか、算数教育の中での折り紙の意義づけをしたいと考えているのです。まだまだ、具体的実践が不足しています。みなさんも是非追究してみてください。
こうした様子を、子安先生が、ブログに参加感想を載せてみえます。ブログを覗くと、参考になることが満載ですよ。


  学びの園 あしたば へのおさそい
    NO。14    201.1001                              渡辺靖敏・植村 修 

 台風15号はいかがでしたか。我が家の東を流れる八田川は堤防から水が溢れ、堤防の斜面は崩落し、“避難指示”まで出ました。私も八田川が決壊するのを覚悟し、1階の仏壇や機器類を2・3階に移動させました。生まれて初めての体験でした。でも、最悪の事態は免れ、1階の書籍類も廃棄しないで済みました。よかったです。 ただ、例会に車で来る方は、御幸橋から北へ下る道は堤防斜面が崩落したため、通行止すので、注意してください。 

 さて、10月は「学校行事とどうつきあうか」「授業研究にどう取り組むか」が大きな課題です。それらを意義ある取り組みにすることも大切ですか、とかくそれらに忙殺されて、教室の子どもたちのことがおざなりになりがちです。教師としての“生きがい・働きがい”をもって、乗り切りたいものです。

現実はつらい、厳しい。ストレスが溜まる。体力が持たない。だからこそ、日頃の疲れとストレスを解消させるために、“あしたば”へ出かけよう!  あしたば”は、人との触れ合いの場、支えあいの場です。≪学びの園・あしたば≫のモットーは、“ゆっくり 急ごう”なのじゃ! 

“あしたば” 学 習 会 1回)

                               迷ったら、味鋺駅よりTELを  
日時 2011年10月15日(土午後2時から  渡辺宅 電話052−901−0291
    終了時刻は、それぞれ自由に決めます            名古屋市北区東味鋺22310   
話題
1.◎2学期の学校行事を意義あるものにするために、どうしますか。                  ・学級経営上、学校行事にどう取り組むかは重要です。子どもや親からの信頼を高めるためにも 手を抜くことは許されませんよ!
話題
2.◎全校の授業研究をどう乗り切りますか。
 ・若いうちは、よくやらされますね。やる以上は、教師力向上に役立つものでなくてはね。「しんどかった!」だけで終わらせないためにも、秘策を練らなくちゃあ。
 ・公開された方は、是非 報告を! 交流をしましょう。
話題3◎自分の困りごと・悩みごと相談、交流〔話題は、教育全般、なんでも可〕
・話題にしたいことを事前に連絡していただければ、関連書や資料の準備を優先的にします。 メールでお願いします。 nabetyan@mwb.biglobe.ne.jp
話題4◎『算数教師知的生活のすすめ』〜〜子どもと教材を豊かに見る法〜〜
      ◎『折り紙で、さんすう』 ・文化センターでの講座のレジュメです。


算数授業づくりの会へのおさそい
    NO.7     2011.05              文責・渡辺靖敏

ゴールデンウィークはいかがお過ごしですか。 4月の“授業びらき”以降、 子どもたちの実態づかみは、順調にできていますか。

 まあ、年度始めの仕事に追いまくられ、やっと軌道に乗り掛けてきたかな?と思えるようになってきたと思ったら、ゴールデンウィークで中休み。元の木阿弥というのが現実でしょうね。  でも、焦りは禁物。焦りやイライラして教壇に立ってはロクな事は起きません。うまくストレスを発散させなくちゃあ、≪授業≫はうまく運びませんよ。

さあ、≪教師修行≫をしようというあなた、自分の思いをワイワイ出して、算数の“授業づくり”について、語りあい、学びあいましょう。 
<遅刻・早退、なんでも可。気楽に参加して下さい。車は、1本北の川沿いに止めるのがベター>                        

 ◎◎◎◎◎◎◎◎◎                ◎◎◎◎◎◎◎◎◎

05月21日(土) 14:00〜  渡辺宅

 【内容】 〔1〕 『あたり量』って、何??   ※新担任が、2年・3年・5年・6年とまで聞いています。

そこで、もう1度「1あたり量」について考えてみましょう。文化センターでのレジュメを用意します。

    〔2〕学期の実践の構想を立てます。  ※昨年度5年の松原さんの実践を紹介します(その部は「数学教室」に投稿しました)。 他の学年の取り上げ順は、連絡の早い方 順となります。すでに、3年は聞いていますけど・・・・・。

    〔3〕今回の「モノづくり」は、 折り紙。  ※座布団折り・模様折りから、「こま」「メダル」 を。

                     また、正五角形から、「さくら」「つる」を。 “折り紙名人”を目指して、ゴー

  〔4〕 困りごと、悩み相談会   ※社会科の達人・早川さんも参加予定なので、折角だから、社会の授業についても、話し合いたいね。



算数授業づくりの会へのおさそい
    NO.4     2010.11              文責・渡辺靖敏

この「会」の目指すところは、つぎの3つです。
【1】【授業名人】と称されている先人の授業論に学びながら、算数の授業のあり方を追究します。
【2】魅力ある授業プラン・学力向上を追究するために“量の理論”の再学習をします。遠山啓の原点に立ち戻り、 学びなおしをします。
【3】 授業ネタの“モノづくり ”をします。

 10月・11月には、どこの学校でも「授業研究」が行われる。自分が授業者となる場合もあるし、参観者として見せてもらう場合もある。どちらにしても、得るものがなければ、時間の無駄です。 斉藤喜博は『授業入門』で つぎのように書いている。 
 授業は、教師や黒板ばかりを見ていては絶対にわかるものではない。私はよく、はじめての参観者には、「教室の前から入って、子どもの顔の変化をよくみながら授業をみてください」というのだが、そうしないと、ほんとうの授業の姿はわからない。授業がどう生き、どう死んでいるかはわからない。
 あなたは、今まで、どの位置に立って、参観していましたか。後ろにどっかりと座っていては、教師修行になりません。教室に残してきた子どもたちに失礼ですよ。 
 さあ、教師修行をしようというあなた、自分の思いをワイワイ出して、“授業づくり”について、語りあい、学びあいましょう。 <遅刻・早退、なんでも可。気楽に参加して下さい>

◎◎◎◎◎◎ 第2回学習会 ◎◎◎◎◎◎

11月20日(土) 14:00〜  渡辺宅

【内容】 
〔1〕 「介入授業」について学びます。

〔2〕 「これからやる○○○の単元の授業をどうしていくか」という検討を中心にやります。よりよい授業をどう作り出し、 子どもたちの学力向上にどう結びつけるか を学びあいます。    ※採り上げる単元は、早く連絡していただいた方 優先とします。
〔3〕   先回、「モノづくり」ができませんでしたので、今回は『かけわり図』に繋がる『かけ算マシーン』を作ります。     ※決めておかないと、時間切れで、結局はできなくなってしまう。他に、是非作りたいという希望がありましたら、事前に連絡をください。   
〔4〕 困りごと、悩み相談・・・
まだまだここが一番のポイントかな?





学びの園  あしたば    へのおさそい   
 
NO.2    2009.10.20                              渡辺靖敏・植村 修 

新しく 学びの園“あしたば”を立ち上げました。その第1回を1017日に行いましたが、予想以上に多く参加いただき、若い人とベテランがワイワイガヤガヤとでき、退職教師である私たちは“若さ”をもらいました。エネルギーが沸きあがってくる楽しさを久しぶりに味わいました。
 1回では、「分数のこと」「小数のこと」「文学作品のこと」「風車のこと」「スタンツのこと」などが話題になりました。もっと幅広く、日頃悩んでいる「学級経営のこと」「子どもや親との接し方」「地域のつかみ方のこと」なども話題にしていきたいと考えています。どんどん話題を持ち込んでください。そして、みんなで、どうしたらよいかを語り合い、学びあい、ストレスを解消しましょう。

本音は、「市教委の『教師塾』に対抗して・・・」と言いたいところですが、あまり構えるのではなく、気楽に参加でき、教師の輪が広がることを期待しています。また、定例の学習会の日以外も“かけこみ寺”のように、退職教師である私たちに声をかけ、活用していただけるとうれしいです。 
さて、第2回の学習会に向けて、事前に準備するものは4本ですが、他にもレポートしたいという声も聞いています。いろいろ学び合い、若きエネルギーをたぎらせ、教壇に立つようにしたいものですね。

近くの若い教師に、“あしたば”のサークルのことを話し、誘ってあげてください。



学びの園 あしたば  へのおさそい

                                          渡辺靖敏・植村 修

 このたび、学びの園“あしたば”を立ち上げることにしました。約30数年間、教科サークルに携わってきましたが(渡辺は算数、植村は国語)、小学校教師は、ひとつの教科だけでなく、どの分野に対しても教育的力量を高めていかねば、子ども・親の信頼も支援も得られない厳しい状況になっています。
そのためにも、一人だけで悩むのではなく、ともに語りあい、ともに学びあう場があったら、どんなにかよいだろうかと考えるのです。 その手助けを、退職教師の2人がさせていただこうというサークルです。
本音は、「市教委の『教師塾』に対抗して・・・」と言いたいところですが、あまり構えるのではなく、気楽に参加でき、教師の輪が広がることを期待しています。

 ◎会の運営としては、・当面、偶数月の第3土曜日。

・話題を1〜2決めて、学び、深め合う。

                  ・持ち寄った話題について、実践交流・意見交流をする。

                 ・1つの話題は、30分程度として、1回に4つ、5つの話題を採り上げる。

                 ・時には、共同研究者を招き、見聞を広める。

 ◎会場は、渡辺靖敏宅とする。(裏面参照)

      〒462−0013 名古屋市北区東味鋺二丁目2310番地

       TELFAX  052−901−0291     Eメール nabetyan@mwb.biglobe.ne.jp

     ◎特典『教育書』貸し出し ・冊数  制限なし

                            ・貸し出し日数   次に借りたいという人が出るまで

                               ※「教育雑誌」の希望者は、事前に連絡する。

東数協&関数協・春の研究大会 IN TOKYO   2007.4.1  by WATANABE

私の探求してきた算数教育 〜〜人間として、教師として、授業に生きる〜〜

0.デモシカ教師を奮起させたこと・・・「東京に学べ!」 ≪連帯の輪≫

  ・人との出会い  生い立ちのなかで
           教育運動≪教科書裁判支援運動≫のなかで

   ・研究会との出会い  地域サークルから、教科サークルへ

愛知民間教育研究団体から、あいち県民教育研究所創設へ

1.書き綴るなかで・・・「教室の外から学ぶ!」 ≪職場の輪≫

  ・開校百周年記念誌「戦争表現にはブラジャーが必要か」「日の丸掲揚問題」

  ・教科書研究<社会><理科><算数><国語><道徳><公民>

・文集づくり、学級通信、学年通信、

     教研だより、実態テスト分析、努力点だより、職場通信→ナベちゃんの教育日記

     則化批判通信→授業づくり通信→資料研究の研究、

     原稿(新聞記事・雑誌など)→実践記録集 

    ※子どもや親に支持される授業! 

2.研究指定校のなかで・・・「実践に学ぶ!」  ≪官民の輪≫           

  ・批判から、共同の学びへ 

     「あなたは、どちらの側につきますか」

   ・“授業の三角形”から見えてくること

・“問題解決の過程” 思考の多様性

     ※考える力のつく授業!

3.授業づくりのなかで・・・「子どもから学ぶ!」≪不退転の論理≫

   ・子どもとともに・・「発達の最近接領域」を耕す 

      「算数がイヤになったら、国語・社会・理科・・があるさ」

      「あなたの○時間目の授業の価値は どこにありますか」   

   ・授業に生きる・・・ゆっくり急ごう

      「わかる」「できる」「生かす」「楽しく」・・・授業の三角形

「基礎学力」と「基本学力」を分ける・・・・評価基準(規準)

      「理解」と「習熟」にこだわる・・・・・・授業評価、教員評価、

     ゆとりへの挑戦、総合学習への挑戦

     ※価値ある明確な授業!

4.夢とロマンのある教師へ・・・・      ≪拡大解釈論≫

   「ぼくら どんなに つらくとも 友を売るまい 心を売るまい」 村上国治

・ 「変えようと自分から考えて 努力しなければ 変わらないもの  自分で変えようと考えて 努力すれば 変わっていくも の  それが 人間、その生活、その考えである」むのたけじ

    「いつでもなんでも精いっぱい 素早く正しくにこにこと 用がすんだらサッサと次へ」

   「学習指導要領は、無視もしないが、尊重もしない」  井上正允 

    “バイパス理論に立ち戻って、カリキュラムづくりを!”




数教協・公開実践講座        2005.2.11  inHiroshima

by watanabe(Nagoya.・Higasiyama)

『わかる割り算の授業』 

0.びっくりすることがいっぱい

 16年ぶりに3年生の担任となった。驚くことがいっぱい。

 《できなくなっている》。 この実感は、学習指導要領が改定後、ますます大きくなったようです。 でも、「できないなあ」「わかっていないよ」「努力が足りないよ」「学力が低下しているよ」等とブツクサ言い、子どもたちに責任を転嫁したような授業の進め方はしたくない。

 なんとしても、子どもたちの知的好奇心をかきたて、興味・関心を高め、思考力を鍛えるような授業展開を工夫していきたい。 そのような思いは、咋夏の高山大会の「5.わり算の意味と計算の指導、多位数のわり算」分科会が、予想をはるかに超える最大規模にふくれあがったことにも表れている。また、わり算という教材に指導要領のひずみが典型的に表れている証拠かもしれない。

 しかし、現場の実態は、やってみたくなった実践プランを 教室の中に素直に持ち込める状況にはない。 少人数指導やTT、習熟度別編成のごり押し施策は 素敵なプランを現場から駆逐しているのが現実です。

それ故、教師の良心として、つまみ食い実践により、心の安やぎを求めて終わるか[かつての法則化や、咋今の?山方式(岸本)・・・・・・]、バイパス理論に基づき、教材(ネタ)に創意工夫を施すかは、“授業づくり”の観点からも、“学力づくり”の観点からも、とても大切なことなのです。 日々の授業実践に夢とロマンをもって、励みたいものです。

1. 授業構想を練る     

 授業づくりを振り返ってみると、        

◎60年代・・・・・・・「教材」主体 vs  わかる授業

◎70・80年代・・・・「教師」主体 vs  楽しい授業

◎  90年代・・・・・・「子ども」主体 

新学力観  vs  「子ども」「教師」主体の授業づくり

◎21世紀・・・・・・「生きる力」 vs  「子ども」「教師」「教材」の三位一体の授業づくり

「確かな学力」    異質協同の授業づくり           

「コミュニケーション能力」  

次に、何をポイントに、授業を組み立てるのかを、先行実践から学ぶ。

※     先の全国大会のレポートより

《教育課程編成能力をつける》

3 年 の わ り 算

徳島・米田実践より 宮城・鈴木実践より
・わり算の基礎・基本として、十進構造をイメージ豊かに獲得させる学習

・計算で扱う数値の範囲は多位数÷1位数はすべて、初めから筆算で、あまりのあるものから指導。

・等分除と包含除の意味指導を明解にするために、1学期に等分除、2学期に包含除を扱う。

 

・日常にあふれているトランプ配り=1あたり量を求めるわり算で導入

・子どもたちを同じスタートラインに立たせるために、かけ算九九を一回適応ですませない、商二位数の問題で導入

・     平等意識を培うために、あまりの無い問題で導入

・操作と関連しやすいように、連続量でなく、分離量で導入

石川・田島実践より 京都・下田実践より
・単元を入れ替えて、1学期に、あまりのあるのも含めて等分除を扱う。筆算の指導と商0も扱う。

・2学期、包含除とお話作り。

・水槽やタイルなどの具体物・半具体物を使った操作活動を取り入れて、わり算を学ぶ楽しさと同時に、自らが式や答えを求めていけるようにした。

・     連続量の数値化にかかわる乗除(量×数がベース)を位置付けて、わり算は、いくつ分を求める場面から導入する。包含除導入

 

千葉・加藤実践より
・単元の構成の工夫・・・・等分除の導入、筆算指導、文章題より

・水槽図でイメージ化・・・・本物のジュースを使う。ディメンジョン使用。

・タイル操作で答えを出す

・九九で答えを見つける

・筆算で答えを見つける・・・・補助数字

・第3用法(包含除)に工夫を

  ・・・・記号を変える【:】 

  ・・・・名称を変える【ドキドキ算】

4 年 の わ り 算

愛知・内田実践より 千葉・浅沼実践より
・1学期、等分除の意味をつかませるため、キャラメルを使う。

・V÷Tでは、タイル切りにより、「おろす」イメージをつかませる。

・2学期、タイルを使い切る貼るの操作をすることでイメージをつかみ、号令に合わせて唱和することで、アルゴリズムをつかませる。

・商の0や引き算の場面の0は基本的に書く。〇を大事にした指導。

わって・かけて・ひいて・ばらしてのアルゴリズム。

・手隠し法

・位ごとに計算

 

《評価基モト準づくりをする》                【資料1】

 こうして、授業の具体化を図ります。1時間1時間の授業を価値あるものにしていくために、授業のねらいを明確にします。咋今の「基礎・基本の重視」と関わって考えれば、「基礎」と「基本」を分けて考えてみることが大切です。この単元・教材の「基礎とは何か」「基本とは何か」と分析していくと、1時間1時間の授業の『評価基準』が明らかになってきます。「授業と評価の一体化」「評価規準づくり」等による創造的な授業づくりへの締め付けにも十分対抗できる教材研究の型であると思っています。

 
 
基礎学力・・・識字力や計算力のような要素的な能力・・・・・・・要するに「土台」

基本学力・・・物事の意味と本質を弁えている・・・・・・・・・・・・・・要するに「骨格」

 

 

2〜1 授業を創る

(1) 3年『わり算』の基礎学力は、・・・・ 

3年生の重要教材は「わり算」ですが、わり算の筆算は出てこなくなりました(正式には4年から)。 そこで、最初の単元「九九の表とかけ算」は、次単元への助走と位置付け、「わり算」の学習の基礎=「1あたり量」をつかめるようにしようと考えました。

 さて、「1あたり量」を基礎学力とするために、「九九の表とかけ算」の単元での投げ込みをどんどん始めました。 2年生で獲得されているべき力ではあるけれど、決して、実践の前提とすべきではないと思います(例え、2年生で押さえられているらしくても、忘れかけているものです)。 ゲームやパズル、紙芝居などもどんどん登場させました。

 さて、「九九の表」に対しては、

 
 
@     一の位の数が、全部ちがう数でできている段は、どの段?

 

A     3の段と5の段の答えをたすと、何の段の答えになりますか?

B     3の段の答えをやじるしのように、2つの数をたしました。いくつ?

    3  6  9  12  15  18  21  24  27

C     9の段の答えに何かきまりがありますか。2つ見つけてごらん?

  ・

 

ただし、沖縄の和泉さんのクラスのような展開はできていません。

 

こんな調子で、どんどん質問します。 Aのような問題も教科書に載るようになり、ずいぶんやりやすくなりました。 Cできまりを見つけさせながら、《指算》にもふれました。知的好奇心をくすぐる作戦です。 もちろん、九九の不安な子もいます。子どもたちのプライドも考えて、九九の暗唱テストはしませんが、「下がり九九」の暗唱はチェックします。 「九九かるた」をします。何度もしつこくします。

 しかし、これで「1あたり量」が十分理解されたわけではありません。 例えば、「九九かるた」をすれば、とり札が「6×3」なのか「3×6」なのかうまく判断できず苦戦する子が必ずと言ってよいほどいます。 そこで、さらに忍たまの授業書「特別講義の段」(服部義安さん創作・尼子騒兵衛さん承認)も登場させ、「1あたり量」にこだわりました[日常語との結びつきを深めるねらい]。

 こうして「九九を記憶しているか」「1あたり量がつかめているか」をチェックして、「九九の表とかけ算」の単元を終え、「わり算」に入っていきました。

(2) 3年『わり算』の基本学力は、・・・ 【資料2】

 いよいよ3年生の算数の重要教材は「わり算」です。 ところが、筆算まで出てくるかと思いきや、出てきません。 九九を使って、商が見つけられる程度の計算とあまりの処理の仕方(文章題)までです。

 そこで、数の意味を考えて、立式し、問題を解くことに力を入れることにしました。 つまり、式や計算をなんとなくやったらできてしまったというのではなく、考える力を存分に鍛えたいと考えたのです。

えんぴつ36本を、9人に同じ数ずつ分けると、1人分は何本になるでしょう。

・36 ÷ 9 = 4          答え  4本

 ÷ 9人= 4本/人       答え  4本/人

15このクッキーを、1人に3こずつ分けると、何人に分けられるでしょう。

・15 ÷ 3 = 5          答え  5人

・15こ÷3こ/人=5人         答え  5人

45cmのテープがあります。このテープを8cmずつ切っていくと、何本とれるでしょう。

・45 ÷ 8   =5 ・・・5         答え  5本

・45cm÷8cm/本=5本・・・5cm       答え  5本

みかん22こを、3人で同じ数ずつ分けます。1人何個になって、何こあまるでしょう。

・22 ÷ 3 = 7・・・1      答え 7こずつ あまり1こ

・22こ÷ 3人= 7こ/人・・・1こ  答え 7こずつ あまり1こ

計算ドリルを、1日2ページずつしていくと、15ページをやり終えるのに、何日間かかるでしょう。

・15  ÷ 2    =7・・・1        答え  8日

・15ページ÷2ページ/日=7日・・・1ページ   答え  8日

ディメンジョンをつけない式ならば、ほぼ全員立式できます。《前の数÷後ろの数》《大きい数÷小さい数》という法則?を適用すればよいからです。商の数・あまりの数がどんな量なのかを考えることもなく、〇(まる)はもらえます。でも、これでは、場面理解をし、立式・計算・解決という思考の過程を踏まえて問題解決にあたったとは言えません。『考える力』もつきません。 つまり、自分がどう考えて問題を処理しているかを確認させながら取り組ませるために、ディメンジョンをつけて(単位をつけて)やるように指示したのです。

 それまでも、ディメンジョンのついた式は、プリントや黒板にも書いていましたから、子どもたちは見慣れており、神妙に考えているわけではありません。 「ディメンジョンのついた式を書きなさい」と言うと、戸惑いが大きいのも確かですが、2〜3度強く指示すると、すぐ意識するようになります。塾通いの子の中にはブツブツ言っている子もいますが、無視です。「ディメンジョンはつけてもつけなくてもいいよ」なんて曖昧な姿勢をとっていれば、塾通いの子は「面倒だから」と言ってつけません。「〇(まる)さえもらえば・・・」と思っているからです。そんな子には、この時期に意識変革をした方がよい結果に繋がることをお説教?します。 ちと、えげつないですが、ディメンジョンを通して、考える力を鍛えるという目標を立てた以上はやり抜かねばね。

2〜2 授業を創る

(1) 4年『わり算』の基礎学力は、・・・・ 【資料3】

 4年生では、わり算の意味づけ《等分除・全体の量÷いくつ分=1あたり量》《包含除・全体の量÷1あたり量=いくつ分》が分かっていることが、基礎です。さらに、しぼれば、「均等分布」「1あたり量」が基礎の基ということになります。つまり、4年生の学習内容は、筆算による計算力なのですが、3年生の基礎を押さえなおすことから始めたほうがよいということです。3年での「土台」がしっかりしていないと、いくら操作活動やアルゴリズムに工夫を重ねても、筆算という計算力を獲得することはできません。

 いずれにしても、学級の実態によって、スタート地点はさまざまになるのはやむを得ないことですが、4年生の担任の最大の悩み事は、筆算指導がなかなかスムーズにいかないことです。

 その原因は、÷1位数の押さえが弱いため、筆算指導も大混乱なのです。

丁寧に操作活動と関連付けて、取り組む必要があります。混乱の原因は、計算の練習量が足りない。習熟・定着が不十分という以前の問題なのです。「教えられていない」。「内容の削減」の言葉で、筆算の系統的指導が破壊されていることにあるのです。

 

(2) 4年『わり算』の基本学力は、・・・・

 先ず、指導要領では、÷2位数で止まっていますが、多位数÷3位数、いやそれ以上で割る(÷多位数)ができる力をつけます。アルゴリズムをつかませ、わり算を適用できるようにしていきます。

 

3.授業を鍛える

 単純には、指導要領の弊害をもろにかぶっての学力低下の表れと考えるのですが、現場人としては、授業で学力向上を目指すしか方法はありません。ところが、競争原理を再び教育の世界に持ち込むことにより、人間性の破壊を目論んでいる。即ち、学力低下の世論を巻き起こすことにより、習熟度別(能力別)や百マスのようなスピード競争こそが学力再生となるという論者・実践家には、子どもたちから「考える楽しさ」を奪ったり、“右向け右”の人間を生み出すことは止めようと語りかけたいものです。

 そのためにも、単元の指導目標を絞り込んで、“考える力”“生きて働く力”を培うように指導展開しなくては、価値ある授業にはなりません。教師の仕事が、生きがいのある・働きがいのあるものでなくなったら、もう日本の教育はおしまいです。

 

「1あたり量」について  学級通信に書いてみました

「1あたり量」について       2004.10.16

 かけ算の学習に入り、「1あたり量」について、どうイメージ化させるのか悪戦苦闘が続いています。

 服部さんの『乱太郎シリーズ』の第1部「正しく報告するのだの段」は、1あたり量の定着を図るものです。

「1あたり量」のイメージを、ある人は“金太郎飴”のイメージでと言い、ある人は“ベルトコンベア−”のイメージでと言い、またある人は“かんばん・チラシ”のイメージでと言います。要は、同じものがずうっと連なっている状態でとらえてほしいのです(連続量的・均等分布)。かけ算が成り立つ前提条件でもあるのです。

ですから、「一皿に3個」と言っても、「1あたり量」としての「一皿に3個」は、同じ状態の「一皿に3個」がいくつもあるのです。それを区別してもらうために、3こ/さらのような書き方を要求しました。確かに、このディメンジョンの表記は難しいですが、書き慣れれば、いろんな場面で見られ、親しみのあるものとなります。 

※「3こ」と「3こ/さら」を図示しなさいとなれば、当然 絵はちがってきます。 まあ、お店の店頭にならんでいるパックづめの状態と、家庭のテーブルの上にならぶ状態のちがいみたいなものと考えればいいかな。

 また、「一皿に3個」がいくつもある状態を、ある点で区切って(「いくつ分」)、全部の数を出そうとする時、“かけ算がつかえる”となるわけです。     ※第2部「みんなで、まじめに作るのだの段」

※同じ状態でなければ、ぜんぶの数を出すには、たし算を使うしかないのです。 私の小学生の頃は、【かけ算=たし算のくりかえし】と教えられました。 確かに、かけ算には、そうした側面もありますが、今は、加減の世界と乗除の世界の違いを意識させて学ばせた方がベターと考えられ、指導するようになっています。

1あたり量》×《いくつ分》=《ぜんぶの量》

 まだまだ、「1あたり量」(第3部「特別講義の段」で、「1あたり量」と日常語との関連を考えます)が十分つかめているとは言えませんが、今後の「かけ算」指導の中で、じっくり取り組みたいと思います。

   ※「1あたり量」は、これから「単位あたり量」→「内包量」→「関数」と発展していきます。

 

「1あたり量」について  PARTU  2004.10.19

 高学年になって、算数のつまずきの最大なものは『単位あたり量』『内包量』です。 ここを乗り切れない子は、数学で確実?に“落ちこぼれ”てしまいます。 「なぜ、乗り切れないか」を考えたとき、かけ算での指導にいきあたるのです。つまり、かけ算の意味をどうとらえどう理解しているかです。

 教科書をみても、かけ算の意味付けは、【たし算のくり返し】→【培】→【1あたり量】と変わってきました。 今や、算数教科書6社すべてが、曲がりなりにも【1あたり量】で導入するようになりました。

 ところが、今の2組をみても分かるように、【1あたり量】の概念形成は、そう容易くはありません。日常生活ではよく使っているのですが、今まで意識することはなかったために、つい“何のことだろうか”と戸惑ってしまうようです。 そんなとき、「わからん」「意味不明」の声を発したまま思考停止の状態に陥ってしまう子が、2組には少なからずいます。 他人に頼って、答えの引出しを図ろうとばかりして、自ら考えようとする力(努力・意欲・気迫)がまだまだ足りないように思います。

 まだこれから、第3部「特別講義の段」で、日常語とのつながりを意識させるべき学習活動を展開しますが、自分の身の回りから「1あたり量探し」をしてもらいたいものです。 そうしたねばり強い取り組みをしない限り、【1あたり量】の概念が培われるとは思えません。「培われない」ということは、九九を覚えても大して役立たないということでもあるのです。よく言われるように「坊主の丸暗記」では有り難味は出てきません。 

いまが、正念場。 私も、全員の子が『免許皆伝』になるように、しごきますぞ。 覚悟!!!!!

・かけ算は、

寝ても覚めても

「1あたり量」のことばかり

 

「1あたり量」について  PARTW  2004.10.25

 小学校算数の難関は『単位あたり量』というのは、すこし算数教育を研究した教師ならば、誰しも言うことです。また、その『単位あたり量』をうまくつかめない原因が『1あたり量』の理解が不十分であることにあるのも周知のことなのです。

 ところが、この『1あたり量』をどこで周知徹底させるのかで議論は分かれます。かけ算のところで扱うのが順当なのですが、「2年生では量認識が不十分で難しいねえ」と言って、先送りにして、丁寧に扱われていないのが現実でしょう。 それでは、いけない。今こそやるべきだと考えて、取り組みを始めているのです(例え、5年生になるまでに忘れてしまったとしても、一度やっておけば、きっとすぐ思い出してくれるであろうと考えるのです)。

 さて、『1あたり量』を問題文から見つけ、式化するドリルをしていますが、全問正解という子はまだ半数くらいです。どこかしら、ミスがあります。

 『1あたり量』の表示として、ディメンジョン( / )の書き方を要求していましたが、式化の段階では「ディメンジョンをつけて書かなくてもいいよ(『1あたり量』を意識して立式すればよいので)」としたのですが、無理してでもつけさせた方が『1あたり量』の意識化にはプラスになるなあと改めて思っています。それは、「つけなくてもいいよ」と言った途端、問題文に出てくる数字だけを使って式を書き、速くやることだけを考えて『1あたり量』の意識など吹っ飛んでしまう子が何人も出ているのです。これでは、思考力は鍛えられません。もちろん、「ディメンジョンをつけて書いてはいけないですか」と質問し、しっかりと式を書き上げている頼もしい子も少数ですがいます(2年生でもちゃんとできるなら、ディメンジョンを徹底させたほうがいいに決まっています。迷っています。「『1あたり量』を意識して取り組む」という程度の姿勢ではなく、「意識していることの証拠を示させながら取り組む」姿勢をはっきりさせた方がよいか、とね)。

 子どもたちは、式をかけば、「全部の数を書くのですか(書きたいのですが)」と言います。でも、私の、冷たい「書きません」と一言で終わっています。『かけ算九九』は完全習得しなくてはなりませんが、あせる必要はありません。しっかり覚えてもらいますから。

  ※『かけ算九九練習器』を現在製作中。手づくりのどこにも売ってないものです。近々 渡します。

 

数教協全国大会に参加して (2003.8.10〜8.11)

1.講座『教師の力量を高める技』

埼玉の渡辺恵津子さんの話が聞きたくて参加しました。このところの渡辺さんの活躍はめざましい。所属は日生連だと思うが、それを乗り越えた活躍である。私が、実践を初めて知ったのは教科研の『教育』誌上です。お顔は、5月の研究局の公開シンポのとき知った(その前にテレビで知ったっけ)。

 さて、講座の話は、“学びの世界を広く、豊かにする授業づくりを〜学ぶ子どもが主人公、困難の中に展望を拓く糸口が〜”と、やはり日生連らしい論調でしたが、「朝のスピーチが、プレゼンテーションになったり、スキルに陥ることのないようにしている」「コミュニケーションの成り立つ討論・関係)を作っていかねば意味がない」という部分は、示唆に富むものでした。私の勤務校の研究テーマに関わる示唆であり、日頃の取り組みを振り返ると耳が痛かった。「討論」という民主主義の土壌のない日本においては、かなり意識的にならないとコミュニケーションは成り立たないのです。原点に立たないと・・・。

2.分科会『倍・分布・割合・比の指導をめぐって』

 間口の広い分科会のレポートを引き受けていたので、準備が大変でした。東海地区として、新たに提起する実践がない。しかし、分科会を充実したものにしなくてはなりません。倍・分布・割合・比の指導のどれにも対応できるように準備をしましたが、正直、内容はうすっぺらなものであったのは否めません。でも5時間半の分科会も時間不足気味で、無事終えることができました。昨年レポートしていた岡山の宇山さんも参加してくれてうれしかったです。それに大阪の亀やんも来てくれたしね。ただ、「割合測定器」派の方がいなくて、討論は拍子抜けでした。全く、昨年度の大会とは異なる展開になったけど、よかったのかなあ。

  ※「量率グラフ」のホームページがあることを聞き、早速開いてみました。そしたら、データを入れ るだけで、  ゲラフにできるようになっていました。なお、私の名までありました。びっくり!

3.数楽サロン『学力・評価・基礎・基本』

 香川の石原さんからの報告でした。あの厳しい職場環境の香川で、ビシバシやっている、やっていくためには、やはり・・・・というか、人間性あふれる話でした。自分の若きころのことを思い出し、話の内容のひとつひとつについては、よくわかるものでした(気持ちが)。

ただ、学力の捉え方は、3月の小学校集会での市川さん(東京)の「現在の学力論争には組みしない方がよい」という論調と同じように聞こえましたが、どうなのでしょうかねえ。量の理論に基づく数教協の実践は、子どもたちに高いレベルの学力を育んでいる。その実践を踏まえて学力論争にどんどん首を突っ込んで数教協運動を進めるべきではないかと思うのです。それが、遠山啓の教えだと思うのですがね。今の対応の仕方は、文科省や日数教の動きを横目で見ているだけ。学力問題にしても、実践を持って鋭く切り込む。そこに数教協の存在感があると思うのですが・・。なんか、数学教育愛好者のサロンと化し、組織もジリ貧になっていくように感じます。

評価についても、聞いている分には、面白く気分も爽快になりました。つくづく関西弁はいいなあと思いましたね。でも、それでは、現場のみんなが一番困っている評価基準との闘いにならないのでは・・。 現場への評価規準の押し付けが、独創性のある数教協を始めとする民間教育の流れを汲む授業を潰すねらいがあるのは明々白々です。「指導要領は最低基準」「発展教材を示した」「歯止め条項を無くす」という文科省の方針も、語句はうまく拡大解釈すればよいのですが、極めて朝令暮改の傾向が強い。だからこそ、私は、授業論(評価論)の立場から、教育評価を論じないとまずいと考えているのです。パソコンでの評価も現場では蔓延していますからね。

4.基礎・基本についても、少し違うなあと思って聞いていました。

「基礎学力と基本学力を何故わけて考えるべきか」 私は、学力論を現場で論じる時、単純明快な?百マス計算のような鍛練主義の取り組みが主流となり、日々の授業は授業でなくなり、固定的な学力しかつかなくなる。また、教師がマニュアル化され、教育に魅力がなくなる(民営化への道)と危惧するから、それをくい止める戦略として、基礎学力と基本学力をわけて考える必要性を主張したのです。

文科省のいう「基礎基本の重視」も「授業と評価の一体化」も否定すべきことではありませんが、今の現場では、ガンバリズムが蔓延し、画一的な教育が幅を利かせます。そこで、“ほうれんそう教師”に問えることは、授業の価値・授業の質を高める仕事です。なんとなく教室へ向かう足が、教えたいことがいっぱいあり、跳んで行きたくなるようになれば、子どもの側に立って、「基礎基本の重視」や「授業と評価の一 体化」に取り組み、豊かな学力を育んでやれると思うのです。

 今、各単元・各授業において、「基礎学力とは何か」「基本学力とは何か」を明らかにすることが急務のように思う反面、いや、自分で意識的に考えて授業に臨むことが大切なことであるとも思うのです。         (2003.8.12記)

 

 

全国研究会議参加記     

 2002年2月10・11日に、全国研究会議なるものに出かけました(実は、もう何回も参加しているのですが、今回は問題提起の大役を受けての参加でした)。

 内容については、また書くことにして、参加の感想ですが、「私の問題意識と全体の流れはかなりずれていた」というのが率直なところです。「総合」に値するような実践は、数教協にもいろいろあるのはわかっています。しかし、現場の状況は、そのような「教科を発展させた総合」をやれないような状態になってきている。だから、「総合でやったことの資料整理としてをグラフが活用された」ということで、教科の側が満足でき、自主研究サークルとしての価値を見出せるというなら、何も言いません。 私は、それじゃあサークルの存在価値を認めえないから、「どうしたら、学力保障ができるか」「削減された教材が補完できるか」の課題を、総合の時間に組み込み解決したいのです。 つまり、総合のカリキュラムづくりをどんどん提起していかなくては、結局は『総合の105〜110時間」は捨てたと同じことになると考えるのです。 このあたりの発想が管理教育県・愛知独特なのか知りませんが、さっぱり通じないのです。 まあ、いろいろ実践も出されていましたが、私にすれば、算数・数学そのものの授業の中でやればいいなことです。総合としてのカリキュラム案として提起していかないと、現場では使えないと思うのです。 私が「二宮金次郎」が総合のテーマとして、最高にいいという戦略わかってほしいね。  

 

2003年5月18日 研究局公開シンポジウム

何が本当の算数・数学の学力か?  レジュメ     by watanabe  

0. 私の思い   ・30年前の中教審答申が、ついに完結?

   ・「指導要領を無視もしないが、尊重もしない」  

   ・学校教育は、学習塾に負けた。

1. 学力問題とのかかわり

  ・新しい学力観→“共通教育”基礎・基本の解体?

  ・1996.3 小学校集会(犬山) “教えと学びの接点”      

 ・2000.3 小学校集会(北陸)  「基礎と基本を分けて・・」と言ってみたけれど      

                                                   2000.11.山口小放映 

銀林浩さん

2000.12 中数協講演

2001.2 全国研究会議

2001.3 小学校集会

2001.6 『教育評論』

 ・2001.3 小学校集会(名古屋) “これからの基礎・基本について”

 ・2001.7「総合的な学習の時間よりも 基礎・基本の重視について」

          「基礎・基本の重視」=“読み・書き・計算”とならないために

 ・2001.8 「基礎・基本と系統学習について」

          計算指導の内容分析こそ、「基礎基本=計算」を打破する

 ・2002.7  「算数における基礎・基本の重視」       

                                    田中昌弥さん 2002.11『現代と教育』 

    授業の質を高めるために

    評価規準の押し付けを回避するために

2. 授業の中で思うこと

  ・2003.5 「こうすれば、本当の学力がつく」コメント

    考えさせる→発達の最近接領域の開拓

         →ネタ開発

    “授業の三角形”のこと→学習集団

研究局でまとめてくれました

現場からの報告 「本当の算数・数学の学力とは?」

名古屋市小学校教諭 渡辺 靖敏氏

率直に言って子どもたちの学力は下がっている。基礎・基本の重視は賛成。ただ現場では基礎・基本=計算。百マス計算は30年前、関西でブームだったが、それが再び出てきたのが現状。 

1995年愛知民研に「共通教育検討部会」が誕生した。新しい学力観が、生涯教育路線に乗っかって「基礎・基本」つまり「共通教育」の解体を目指している、という認識の下に出発し、国民が身につけるべき基礎・基本があるはずであると考えた。現在でも基礎・基本を重視しようとする学校も増えてきている。ただその基礎・基本が計算力に偏ってきている。

基礎・基本という言葉は一体どのように区別すればよいのであろうか。国語辞典で引いてみると区別されていないが、基礎と基本には明確な違いがあるはずだと考えた。漠然と「基礎基本の重視」ではなく、「基礎とは何か」「基本とは何か」を明確にして論ずれば、安易に基礎基本=読み・書き・計算とはならないはずだと予測した。それを2000年3月の小学校集会でしゃべったが注目されなかった。ところが銀林さんが理論化して、2000年12月の中国地区協大会以降あちこちで発言された。(「研究と実践」91号所収銀林論文参照)銀林さんの主張は「基礎学力は土台、基本学力は骨格」「21世紀のあるべき姿は基本学力にある」と説得力のあるものだった。

しかしまだまだ「2年生の重要教材はかけ算です」という言い回しで、「基礎とは何か」「基本とは何か」を意識した論稿はほとんどない。指導のポイントである、「1当たり量の指導は基礎か基本か」「かけ算の意味を理解することは基礎か基本か」「九九の構造を知ることは基礎か基本か」「九九が言えることはどうなのか」などなど、今一歩追及した教材分析をしていかないと、職場での基礎基本の重視の合意点は「九九が言えること」となり、全校一斉に暗唱が始まる。

こんな旧態依然としたままの結末が見え隠れする「基礎基本重視」論議は何の進歩も期待できず、打破しなければならない。それは数教協の存在価値にも関わる。小学校では「数教協=水道方式=計算力」という受けとめが根強い。私は水道方式は基本学力としての位置づけで実践すべきだと考える。数教協の果たす役割は、計算力向上のワザ伝授ではない。

柴田先生は「前に学んだ基本的内容が後の学習の基礎になる。同一の内容が基本となり、基礎ともなるという系統性が教科の本来の指導のあり方」と書かれている。しかし「基礎」「基本」を分けて考えることは、教材を固定的にとらえることではない。教材を見直し、授業の質を高める為に必要なことだ。

計算指導で具体的に考えてみると、「計算ができるようになること」「計算ができること」「計算がわかること」は違う。「計算力」といっても、「答えさえ出せればよい」「活用できることまで視野に入れる」と人によってとらえ方は違う。銀林先生は基礎学力の例として「計算力」を挙げているが、中学以降は基礎学力といえるだろうが、小学校では計算力を獲得していく過程に注目して「基礎」「基本」を分けて分析したほうが、指導のポイントも明確になる。銀林先生の「21世紀はいかに基本学力をつけるかが勝負」とは、計算指導においては十進位取り原理とか、アルゴリズムとか、応用問題とかを重視して論理的思考力をつけるような授業展開をすることだと私は理解する。

授業には教師・子ども・教材という3つの要素がある。これを右のような図にし、授業の三角形と言う。どんなにいい教材も、教師の力量・子どもの状況がよくなければ何にもならない。また、ここには集団という要素も入る。集団がないと討論が深まっていかないからだ。(「数学教室」2003年5月号p18参照)

 現在私は3年生の担任をしている。今の3年生の教材はおもしろくないものが多いので、ゲームや紙芝居などを取り上げて授業をしている。考える力、表現する力をつけるにはいろいろなことをしなくてはならない。「指導要領は最低基準」ということを活用している。

 私は「生きる力」ということも、文科省が言っているからだめだではなく、よく使う。遠山先生が「術・学・観」と言われたが、「術」は基礎学力、「学」は基本学力、「観」は生きる力、というようにうがった形で使っている。

昨年度から新教育課程が始まり、現場は大変。そんな中で自分なりに教材を工夫し、統一テストは拒否して自作のテストを作り、ホームページで情報を保護者に公開している。評価基準も自分で冊子を作った。週案の提出が強要されれば、反省の欄に学校批判を書いて出す。

授業どころではないという教師もたくさんいるが、抜け道を作りながら、学びの骨つくりをしっかりやっていかなければならないと思う。その中心にあるのが数学教育協議会。流されないようにがんばりましょう。

 

ちょっと、書いたけど、どうなったかな?

「家庭の数学書」  割 合         

 「割合」という言葉は、日常生活の中でもよく使われますが、その使われ方は様々です。

 生活語として、「今日の料理の味付けの割合は・・」(比)、「今日のゴミは不燃ゴミの割合が・・」(分布)、「今日の値引きの割合は・・」(倍)のように使われることが多いようです。また、「今日の道路は、速く走ることができた」とか、「今日のプールの残留塩素は濃い」(1あたり量)なども割合の意味を示すものと言えるのです。

 このように「割合」という語は、本質的には「2量の関係を表現する際に使われる用語」ですが、概念としては明確に規定されていないので、実生活・実体験と結びつけて理解を深めるようにします。

[渡 辺 靖 敏]

 大会要項に書いたことは、

 
倍・分布・割合・比の指導にかかわって 

       渡辺靖敏(愛知)

  「割合」と聞いただけでぞっとしますが、そんな私の意識とかかわりなく、本分科会では、毎年、ユニークな実践が提起されてきています(40回の函館大会の時はなかったけど)。

今回も、特色ある実践をと思いましたが、視点を“誰もが挑戦できそうなプラン、たとえ厳しい現場でも対応していけるプラン”を提起します[もとになるのは『わかる教え方6年』の「倍と比」です]

レポートとして期待されるのは、今 注目の「割合測定器」による実践報告や今教科書から啓林館で採用された《比例→比》という流れに基づく報告などです。要するに、近年騒がれている『ゲーム脳の恐怖』を克服する手づくりの授業です。キレル子や荒れる子をも授業の舞台に乗せるのは、数教協の得意ワザです。大いに交流し合いたいです。

特に、討議していきたいことは、時流にかかわる以下の2点です。

・「基礎・基本」として、倍・分布・割合・比というものをどう考えていったらよいのか。

・「割合」の学びをどう生かすか。「割合」を通して社会を見る「総合学習」へ。

また「評価基(規)準」についても避けて通れないと思います。教授の自由を守るためにも方策を交流したいです。