後書き
〜の、名前を借りた管理人の回想録〜




そもそも、ネットに入って一年くらいでした。PBC(プレイバイチャット)にはまりこんだのは。

ある人から勧められて始めたものの、これがまた見事に大ハマリ。今も続けているので、もはや押しも押されぬ趣味の領域である事は認めます。TRPGに通じるものもあるし、これが元で自分の趣味を確立したとも、思うし。

そんな中、このキャラが生まれたのです。今だに俺の中に居続けるキャラ、黄 九城(ホワン ガウルン)が。

最初、彼は悪人として登場する予定でした。だから倫理観には結構欠如した部分があったり、人が気にしてる事をずけずけ言ったりと、嫌われる要素がたくさんあるんです。
しかし、俺の倫理観の中に一つ、『どんな悪人にも、それに至った理由がある』ってのがあります。
多分、この思いが彼をここまで変えてしまったんだと、思います。

まず思いついたのは、炎の翼。この翼は物凄い高音を発し、触ったものを燃やしてしまう。だから人を近づける事を恐れて、触られない様に悪びれると言う設定が生まれました。
(今思うと、ここから性格が少し変わったんだと思いますが)
次に出来たのが、キャラの立場。ある組織にいたけれど、自分の翼が危険な事を知り出奔。そのまま、翼が暴走するままに人を殺し続けた過去を持ち、たくさんの人の悲しみを背負ったと言う逸話。
そして、彼は悪の道に走っていったと言うエピソードが生まれ、過去を固めてゆく。
そして、そうなるとふと思う。
『こいつ、本当は良い奴なんじゃなかろうか?』
もう、ここまで着たらこの男を悪人に止め置くのは不可能になっていたんです。少なくとも、ただ卑怯な悪人ではもういられませんでした。
人の運命を嘲う憎まれ役が、悲しみを知るが故に人付き合いを避ける不器用な男に。
ここで、黄は生まれたままに悪を行う『悪人』から、何かの為に悪を演じる『悪役』へと変わって行ったのです。
それでも、最初は悪人で行こうとしてたんだから無謀です。いや、ホントに。

そして、あれよあれよと言う間に本来用意していたメインキャラよりも使い勝手が良くなり、気が付いたらこのキャラを中心に話を作っている自分がいたりしました。
自分の理想とするヒーロー像に、限りなく近づいてたんですよね。

本心を隠して悪役を演じながら、それでも困ったりしている人をほっておけず、結局悪になりきれない善人。
自分の大切なたった一握りを護るためだけに戦う、世界一自分勝手な正義の味方。
天使のなりぞこない、っていう自己紹介に、この辺の願いを含めてたんですけど(苦笑)

ちなみに、この九城。全くのオリジナルかと思ったら実はとんでもない所にモデルキャラがいました。
いや、俺も後で気付いたんですけど。
平成九年に週間少年ジャンプで連載された漫画、山根和俊先生の「JOKER」の主人公に、キャラ色が凄い似てるんですよね。
この街にヒーローなんていない、と弟の死によって知ってしまう主人公キッド。彼は胸に正義の炎を秘めながらも、普段は悪役レスラーとして働く日々。
しかし、本当の悪に対して彼は敢然と立ち向かう。そんな姿に、ふと黄のイメージが重なってしまうのです。
JOKERに付いては、後日漫画を入手してでも感想を書きますので。個人的に好きな漫画なんですが、短いのが非情に残念(ほろり)

そして、最後に一言。この作品、一応捧げものになっております。
まあ、ここで書くのもあれなのですが。
九城の良き理解者であり、恋人だったティセ=コーレインの背後、聖軌駆龍さまと、彼らを動く下地を作ってくれた、PBC「NoisySnow」(現在凍結中。再会希望)の管理人、紫雪様。
この御二方に、多大な感謝を込めて。

2003.9.11未明 寝起きのハイテンションの最中

無我夢中


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