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宝永4年(1707)、お伊勢さんの鳥居前町「おはらい町」の中ほどに赤福本店が開業した。今や伊勢名物の代名詞も今年で300年を迎えた赤福が、平成5年7月におはらい町の中ほどに誕生させたのが「おかげ横丁」だ。
江戸時代、庶民に流行した「おかげ参り」の故事に因んで名づけられた「おかげ横丁」は、江戸末期から明治初期の風情をテーマに、伊勢路の代表的な建築物を移築、再現している。特徴は妻の部分に玄関を設けた「妻入り」と「きざみ囲い」と呼ばれる雨風に強い外壁の仕上げだ。
約2700坪の敷地内には、芝居小屋を模して作られたお伊勢参りの資料館「おかげ座」があり、江戸時代のお伊勢参りの様子をイメージした展示がある。リアルな表情と2分の1スケールの大きさが何とも面白い。
また、伊勢は「うまし国」と呼ばれるだけあって、ここでの楽しみは、やはり食べ歩き。なかでもずんぐり太く、とろりと濃褐色のつゆに、初めて食べる人が仰天するような「伊勢うどん」はおすすめだ。海の幸あり、山の幸あり、五穀豊穣の国「伊勢」を凝縮したのが「おかげ横丁」かもしれない
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