神宿る大楠


2018年08月12日

 我がふるさとでは、あちこちでクス(楠)の巨木が下界を見下ろしている。植物辞典によれば、「楠は関東以南に分布する温暖地性の常緑高木」であるそうな。
樹齢が500年、1000年、もっと長くて3000年なんてのも珍しくはない。老木の安住の地は大概神社かお寺だ。人は古代より、高木を神や仏が住む場所として崇めてきたからだろう。九州・福岡周辺をふるさとに持つ皆さん、「あなたの村のクスの想い出」があったらお寄せ下さい。
本サイト「伝説紀行」の民話や歴史に登場する場所に植わっていた当時の幼木が、今では巨木となって目の前にいる。1000年先の子孫にも、この恩恵を引き継いでいかなきゃならんだろうな。
 ①田島八幡  ②隠家の森  ③川古の大クス  ④北野天満宮
 ⑤大宰府天満宮 蒲生の大樟  ⑦善導寺の大樟三兄弟  ⑧伐株山
       
       

クスの競演

田島八幡の大クス

 
2018年6月撮影  
     
 まず紹介したいのは、散歩の途中に毎日立ち寄る田島神社の大楠です。幹回りが11㍍を超すというから圧倒させられます。毎年7月に行われる「田島神楽」の背景としても、この大木は欠かせません。
ここを発着点として、テクテク歩きながら、地元の方々が自慢するクスノキを訪ねてまわりましょうか。
幹周り:11.3㍍

クスの競演

隠家の森

   
2015年撮影
     
  朝倉の三連水車から取水口方向を望むと、大きく枝を張ったクスノキが見える。樹齢1500年以上といわれ、幹周りは18㍍・樹高は21㍍と記されています。
 むかし、関所を潜り抜けようとする旅人が、暗くなるまでクスの根元に隠れていたことからつけられた名前だとか。ここは、斉明天皇の時代から続く歴史を体感できる地域でもあります。

クスの競演

川古の大クス
佐賀県武雄市

 
2071年撮影  
   
 長崎自動車道を降りて国道498号を北へ10キロ。遥か彼方にクスの大木が見えてくる。源為朝による大蛇退治の伝説を求めて訪れた時のこと。
武雄市には、この他にもいくつかのクスノキが有名だが、いずれも貫禄十分である。「私たちの自慢ですたい」とは、飲み物などを売っているおばさん。この木、見上げるより、彼方の景色と重ねて見る幹のすごさを推奨したい。近くに、為朝記念館もある。
場所:武雄市若木町
樹齢:3000年
樹高:25m
幹回り:21m

クスの競演

④北野天満宮の大樟

   
 筑後川の支流・陣屋川(久留米市北野町)の辺に建つ朱塗りのお宮さん。1000年も前の天喜2年(1054年)、に創建されたそうです。
西鉄甘木線の北野駅を降りて3分、境内いっぱいに枝を張る大クスは、菅原道真を祭るお宮さんにふさわしく、貫禄十分です。
この神社、道真公と陣屋川に巣くうかっぱの絡みを伝える伝説も盛んです。「誇り高き三千坊」をぜひお読みください。
幹周り:7.5㍍
樹齢:1000年
 

クスの競演

大宰府の大クス

   
 大宰府と言えば「クスノキ」と応えたくなる。それほどまでに、全面クスだらけのお宮さんである。全部で何株あるのか調べたことはない。そのほとんどが1000年以上の樹齢を誇るというから、木陰から道真公がいつ現れても不思議ではない間隔に襲われる。
大枝のトンネルをくぐりながら太鼓橋へ。更に楼門をくぐって本殿に額ずく。
大いにご利益を頂いて、さて裏門に回ると、梅ヶ枝餅が美味しい茶店が待っていてくれる。

クスの競演

蒲生の大樟
鹿児島県

   
 10年前、鹿児島に住んでいた孫に会いに良く通った。ある時、「日本で一番でかいクスノキがある」と聞いて、帰り道に寄った。確かにでかい。
推定樹齢:1500年
樹高:30㍍
根周り:33.5㍍


世の中にはもっと凄いものがあるってこと、知らされた。

クスの競演

善導寺の大樟三兄弟

   
 久留米郊外に建つ善導寺。古刹の境内に立つ巨木の三兄弟。 蝉の鳴き声だけが喧しい季節でした。
樹高:41㍍
幹周り:12㍍
推定樹齢:800年

クスの競演

伐株山

   
 本企画「クスの競演」の最後を飾るのは、度肝を抜かれぬお方も少なかろう、大分県玖珠町に聳える「伐株山」という巨木である。
幹回りが南北に1キロ、
東西に300メートル、
四方に伸びた枝は半径3キロ
にも及ぶ

本当のことを言うと、これはクスの木ではなくて、クスの木の形をした山なのだ。何せ大袈裟なお話が好きな土地柄、いつの間にか途方もないでかいお話になってしもうた。
ぜひ、本サイト「伐株山」を読んで下され。

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