コラム 古賀 勝

      


【2024年06月30日更新】


神さんも暑さにはかなわん

 ボクの住む福岡城南区には、素敵な祭が息づいていますと。田島八幡宮の夏祭りのこつですたい。お昼ご飯が済んだ頃、住宅街の細か路ば、子供たちが行列を組んで練り歩きます。先頭に立つのはごっつい顔ばした獅子頭さま。子供の行列が済むと今度は、神さんの拝殿で、神楽の舞いが始まります。笛や太鼓、笙の音に合わせて踊り手さんたちが立ち回りしますとです。見物するのは、むかしからのおなじみさんばっかり。首を長くして待っとった子供たちは、踊りにはまるで無関心。ポケットから取り出したコインを差し出して求めた、アイスやお菓子に夢中なのです。

そんな楽しい夏祭りも、今年から秋に替わるんだって。町の顔役さんたちがしかめ面しながら協議した結果だそうな。「なんちゅうたっちゃ、この異常気象で、熱中症が心配で心配でしよんなかとですたい」とのことでした。こっちもしよんなかけん、あと3ヶ月間クビば長うして、待っときまっしょ。(2024年6月30日)


夏至の早起き

 6月21日は夏至。一年で一番夜明けが早い日ということになる。今朝も起床は午前5時前だった。雨戸の隙間からさす夜明け前の東の空が、ボクの脳神経を刺激するから目が覚めるのだ。
早起きして何をするわけでもない。まずは朝刊をめくって、一通り世の中の出来事をチェックするくらいのことだ。読み終わってテレビを付けたら、またまた瞼が重くなってしまった。(2024年6月21日)


政治のコスト

 昨日テレビで、政党党首による討論会を観た。テーマのほとんどが、自民党によるウラガネ問題に端を発した政治資金規正法の成立に関することだった。当然のことながら、攻める野党側は勢いがよい。一方迎え撃つ岸田総理は、相変わらず、政治にはコストがかかるの一点張りで、世辞資金パーティーや企業献金をやめようとはしない。自民党のお坊ちゃま議員や総理は、「政治家になるのは、我が家系の家業だから。稼げなくなる政治は嫌だ」と駄々をこねているようにしか見えない。先頭に立つ総理も、いつになく声張り上げて自らの正当性を並べ立てるが、初手から勝ち目なんてあろうはずがない。
いくら声張り上げても、理屈を並べ立てても、国民はまったくしらけっぱなしなのだからどうしようもないのだ。最近の世論調査を見ても、総理や自民党の「頑張り」を評価する人は非常に少ない。内閣支持率だって、いよいよ20%を割り込んでしまった。各地の首長選挙や補欠選挙も、自民は負けっぱなしである。肝心の東京都知事選挙では、候補者すら出せないでもがいてらっしゃる、今総選挙をやったら、間違いなく与党(自民と公明)の敗北は見えている。
どうしたら国民は、政治への信頼を引き戻せるのか。やっぱり、選挙で政権交代をなし遂げるしか手がないのかも知れないな。(2024年6月20日)


梅雨はいつ来る

 本日ただ今の日時は、6月15日の午前10時。窓から見上げる天空では、筋状の雲が気持ちよさそうに流れている。どう考えても、梅雨どきの空模様ではない。朝刊には、この夏の高校野球大会の組み合わせが発表されていた。
遅く入梅が発表されて、変なときに明けたのでは、地方大会がいつまでも終わらないことになる。心配でしようがない。
適度の雨量は絶対に必要だし。我が儘ばっかり言ってごめんね、八大龍王さま。この夏も、我が人類の泣き笑いに、適当に付き合ってくださいな。(2024年06月16日)


生活の音

 朝目が覚めると、どこからか人の営みの音が伝わってくる。お隣の大将が雨戸を開けている。我が家と同じように、力を出さないとなかなか開いてくれない。若いお父さんと小学生くらいの女の子が、大声で話し合いながら家の前を通り過ぎていった。子供の健やかな成長を願って早朝の散歩らしい。チョキチョキと響く鋏の音、お向かいさんが、庭の紫陽花を切っている。仏前に供えるための切り花なのだろう。
おっとっと、忘れていた。すっかり馴染みとなった裏の小型犬の神経質な鳴き声だ。おそらくご主人様に、散歩のおねだりをしているに違いない。もう少し時間が経つと、今度は小学生たちの登校が始まる。これまた途切れたりすると、こちらの歯車だって狂ってしまう。
表と裏、両隣り、道を挟んで3軒先まで、ご近所の健康な暮らしの一日の始まりである。梅雨季直前の午前7時、住宅街の一角が動き出した。(2024年6月7日)


6月は嫌いじゃない

 6月は雨が多くて嫌いだとか、祝・休日のない月だから嫌とか、なんとか言う人が多い。でも、ボクは6月が待ち遠しかった。何故かと言えば、活動できる昼間の時間が長いからだ。年中就寝時間は決まっているが、起床時間は四季によって多いに異なる。特に夏至が近づくと、外の気配で目が覚める。「昔は鶏の鳴き声がうるさくて」なんてブツブツ言いながら起き出したものだった。が、今は起こされなくても勝手に起き上がれる。鶏のお世話もいらない。
猫額庭のお花たちに挨拶を終えると、あとは長い長い「午前中」が、気持ちをますます急かしてくれる。広げた朝刊で「ホークス勝利」なんて見出しを見つけたら、もう立ち上がってうろうろし始めた。(2024年6月2日)


JRに違和感 

 JRの小さな駅に降り立って、聞こえてくるアナウンスに違和感を感じた。「乗車券を持たないお客さんは、始発駅から乗車されたと見なして料金を頂きます。お持ちの乗車券は、なくさないようにお願いします」という内容であった。(録音しているわけではないので、一字一句の不正確はご容赦を)
後戻りして改札口を観察したら、乗車する場合のカードタッチの機械と乗車券の自動販売機が備えてある。周囲を見回して、駅員らしい人はいなかった。要するに、無人駅なのである。
無賃乗車防止のためのアナウンスなのだろうが、どうも腑に落ちない。駅を無人化したのはJRである。「人を見たら泥棒と思え」的な発想で、無賃乗車した人は、「始発駅から」と脅すような言い方以外に、防止策は考えられないものなのか。(2024年5月25日)


偶然!大谷翔平の日

 偶然もここまで来ると、少々恐くなってくる。5月17日、ロサンゼルスの議会がドジャースの大谷翔平選手を招いて、あるとんでもないことを言い渡した。今後大谷がドジャースに在籍する限り、この日(5月17日)を「大谷翔平の日」と定めると言い、証書を手渡したのである。
びっくりしたなもう。5月17日は大谷選手の父親の誕生日だというではないか。そんなことはどうでもよい。実はこの日は我が輩の誕生日でもあるのだ。1938年5月17日、この日福岡県久留米市の貧しい家で産声を上げた。御年86歳が、偽りのない我が輩の出生の記念日なのである。こちらはささやかに、遠くにいる孫娘から「お祖父ちゃん、お誕生日おめでとう」の祝辞を受けた。
これからは自分の誕生日を聞かれる度に、「大谷さんの日」と答えることにしようかな。そうしたら何かよいことが降ってくるかもしれない。(2024年5月19日)

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