勝戦の計と敵戦の計

孫子シリ−ズ第一弾!
小官なりの考え簡単にまとめました。サバゲでは結構使えそうなモノもあると思うが・・・

T.勝戦の計

瞞天過海
第一計である。「天を瞞(あざむ)いて海を過(わた)る」と読む。
昔、張士期なるものが、巨大な船を巨大な家屋のごとく見せて、唐の二代皇帝太宗をだまして乗せて、無事大海を渡らせた故事に基づく。ふだん見慣れてるモノは気づかれにくい。その心理の盲点をつけと言うこと。

囲魏救趙
第二計
。「魏を囲んで趙を救う」と読む。
前353年、魏が趙の邯鄲を攻め、趙は斉へ救援を求めた。この時、斉は魏の都、大梁を攻撃した。魏軍は驚き邯鄲から引き返していった。斉軍はこれを桂陵で迎え撃ち大勝利をしたという故事に基づく。集中した敵は分散して撃てということである。

借刀殺人
第三計
。「刀を借りて人を殺す」
敵国の矛盾をつき、巧みに他国の力を借りて目的を果たす策。ヒトラ−のラインラント進駐もこれだ。フランスの国内世論を利用し目的を果たした。大陸に近い島国のイギリスも同じ。自らは軍事介入せずに、大陸国家間を紛争に巻き込む外交工作を駆使、その力を弱める。

以逸待労
第四計
。「逸を以して労を待つ」
地形などを利用して防衛しつつ、敵の疲れるのを待つ。しかる後に攻勢に転ずれば楽に勝てる。日本海海戦の勝利は、はるばる回航してきた敵バルチック艦隊の疲労を計算したからこそ勝てたのである。少数を以て多数を牽制。静止を用い活動に対処する戦法である。

趁火打劫
第五計
である。「火に趁(つけこ)んで劫(おしこみ)を打(はたら)く」と読む。
他家の火事につけこんで押し込みを働くことで、ちょっとえげつない。しかし、孫子も言う。「乱してこれを取る」と。敵国に内憂があれば、つけこんで領土を占領する。外患あれば民衆の不満を煽動して味方につける。内憂外患あれば、併合してしまう。これを火事場的泥棒と思う勿れ。国際社会(孫子の場合、中国内)は過酷なのである。

声東撃西
第六計
である。「東に声(さけ)んで西を撃つ」
陽動作戦のことで、戦術の基本である。敵の心理を乱して錯覚を誘い、撃破する方法といえる。

U.敵戦の計

無中生有
第七計
は、「無中に有を生ず」と読む。
文字どうり、虚々実々の駆け引き。ないとみせかけて実はある。虚偽は時がたてば見抜かれてしまうので、徐々に実に変ずる。愚か者にみせかけて油断させておき、実は名将というのも同じである。

暗渡陳倉
第八計
。「暗(ひそ)かに陳倉に渡る」
迂回作戦である。軍事上よく使われる手だ。昔、名将韓信が桟道の修理を待たずに、迂回して陳倉に進み、油断した敵の虚を衝いた故事の基づく。小官もよく使う作戦の一つだ。

隔岸観火
第九計
は、「岸を隔てて火を観る」である。
敵側に内乱があれば遠巻きにして手を出さないことである。無理に攻めると敵は共通の敵に立ち向かうために手を握りあってしまう。これを逆に利用したのがイタリアのエチオピア侵攻。対立する国内世論を一つにまとめ上げる手段に戦争はよく使われる。

笑裏蔵刀
第十計
。「笑裏に刀を蔵(かく)す」
上辺だけニコニコ、腹は陰険ということ。孫子は「敵の対応が不自然にへりくだってる時は攻撃準備をしているときだ。具体的な条件もなく和睦を言い出すのは、他に狙いがある」といっている。
外交の場面ではよくある駆け引きである。

李代桃僵
第十一計
。「李、桃に代わって僵(たお)る」
桃の傍らに生えていた李が、害虫を受け桃の代わりの倒れたという詩篇に基づく。小損に構わず大局を見よ!ということである。太平洋戦争で、ガダルカナル島のこだわりすぎたために、日本軍はかえって傷口を広げた。

順手牽羊
第十二計
。「手に順いて羊を牽く」
大軍が動けば必ず隙が出来る。これを小部隊で攻撃し小さな戦果でも手に入れろ!ということである。商品の瑕疵に文句をつけ、大幅に値下げをさせるというのもこれでしょう。日本では行きがけの駄賃という。がめつい戦法

 


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