eginleif Saga


 おや、いらっしゃい。
 旅人かね。何処から来たのかね。
 まあいい、座りなさい。この私のところへやって来たのには、何か訳があるんだろう?
 何、私の後ろにある大きな石が気になる。
 これはね。封印の石さ。
 ここの下に、忘れ去られた記憶が眠っているんだよ。
 どんな力自慢でも動かせっこない。石の根っこは、大地の底の底の奥深くまで、しっかりと打ち込まれて根を張っている。
 どうしてって、記憶が誰にも思い出してもらいたくないからさ。眠っていたいんだよ。蘇ったって、いいことはありゃしない。面白おかしく書き換えられて、弄ばれて、捨てられて、そしてまたここへ逆戻り。
 おやおや、あんたは、その「失われた記憶」が聞きたくて、わざわざここへやって来たのかい?
 変わってるね。どうしても聞きたい?
ふうん。
あんたは悪い人には見えないが…そうだね。
 なら、特別に少しだけ話してあげよう。過ぎ去りし、いにしえの物語をね…。




表紙へ  >次へ