++ 赤毛のエイリーク ++



むかし、むかし ずっとむかし
険しい岩山をこえた茶と灰色の国に
鷹の部族が住んでいた。

部族には若者が、彼はエイリークと呼ばれていた。
燃え立つような赤い髪のその若者は、
燃え立つように激しい気性を持ち、
若い者たちの中でいちばんの力持ちだった。

けれど粗暴なその腕は、薪にするため聖木を切り倒し、
かまどにするため封印の岩山をくずした。
長老たちは恐れ、乱暴はやめるよう言ったが
エイリークは聞き入れようとしなかった。

そこで、長老たちは祈りをささげ、
祈りに応えた祖なる魂たちは集まって、
鷹の影となって彼に話し掛けた。

「もしもお前が我が身を万能と思い、我が腕で秩序を乱すなら
 それは焔の災いとなって森を焼き、鳥たちのねぐらを奪うだろう
 お前は今から旅に出よ、その罪を洗い流す古えの聖なる泉、
 神々の喉を潤すフェルニルを目指すのだ。」

こうして部族を追放されたエイリークは
たったひとり海を越え、緑と青の国を目指すことになる。
これが赤毛のエイリークの、
そののち千年も語り継がれることになる冒険の
はじまりである。