繋がれた男

100年前 僕は、ここに無く
100年後 僕は、ここに居ない

道行く、見知らぬ人々よ
もし、あなたが目の前で死んだとしても
涙を流してあげられなくて、ごめんなさい

どこかにいるかもしれない神様が、
きっと近くにいるあなたの家族や友達が、
代わりに泣いてくれるでしょう

道行く見しらぬ人々よ
もし、僕があなたの目の前で死んだとしても
あなたが泣いてくれないことを責めたりしません

代わりの涙を空にもらいます
きっと僕のために、あの空は
たくさんの大粒の涙をくれるでしょう
  20年前、僕はここに無く
  20年後、もしかしたら僕は、ここに居ない

  10年前、僕はここにいて
  10年後、もしかしたら僕は、ここに居ない

  けれど100年後
  きっとあなたは 僕を見る
  僕の遺した墓標の上に、
  たったいま書いている、この本の中に――