記憶の森



太古の昔からそこにある
古森の奥深くには
時の魔女が棲むと言う

一年じゅう雪が舞い降る木々の間には
青い硝子の蝶が飛ぶ

透き通る肌に
金の髪
彼女の咲かせる小さな花は
とてもよい香りがして
すべてを忘却の時の彼方へ押し流す

冷たい腕に抱かれたものは
みな時を止め
瞬時にして凍りつく

その口付けを受けたものは
みな時から目覚め
瞬時にして動き出す

時の魔女は時を渡る
過去へも そして未来へも…