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基本編2 信頼性と妥当性について

その調査法がイカサマか否か、これを使って暴いてやってほしい。


 心理学には、大きくわけて二つの研究がある。一つは、「尺度をつくる」研究。もうひとつは、「その尺度を使って現実を分析する」研究。具体的に言うと、「優しい人」がいたとして、その「優しい」とはどのように定義されるものか、優しさとは何なのか、を考え、「優しさをはかる尺度」を作るのが前者。対して、その尺度を使って「優しい人は○○の世代に多い」「優しい人の80パーセントは恋人を持っている」等の研究を行うのが後者である。
 「尺度」がしっかり作られていなければ、それに続く研究はすべて意味のないものとなってしまう。地味なようで、かなり重要な基本研究なのだ。

 ところで、この尺度に必須として要求されるものに、「信頼性」と「妥当性」、そして「標準化」と、いうものがある。
 それらについて、基本的なところを解説しときたい。(※基本的なとこなので、あまり難しいことは書いてない。…それはこのサイト全般に対して言えることだが。)


 標準化(standardization)とは、いちばん狭い意味で言うと、集団の平均を調べる、ということである。
 たとえばテストをして、クラスの平均点が80点だったとする。その平均点とくらべて、自分の点数は高いのか、低いのか。基準があってはじめて、自分の位置が分かる。平均が40点の時に60点を取ったなら「よく頑張った!」と、言われるべきだろうし、80点の時だったら「もっと頑張れ!」と、叱られても仕方がない。
 標準化には、平均値のほかに主に「標準偏差(SD)」という数値が使われている。
 この標準化を経ていないのが、「投影法」などカウンセリングで使用されている心理検査で、だから私などは「あんなモン信用できるかい」と、文句を言っているのである。(笑顔で問題発言。)

 信頼性(reliability)とは、心理検査で測定されているものが正確で安定したものかどうか、を示す指標である。簡単に言うと、おんなじ検査を繰り返したとき、同じ結果が出るかどうか、ということだ。
 ただし相手は人間なので、気分やその他の条件によって、結果は多少異なる。異なりはするものの、その「差異」をたくさん集めることによって…つまり、大勢の人間をいっぺんに検査することによって、差異が打ち消されると考えている。出てきた差が誤差内に収まっていれば問題はない。
 信頼性を確かめるために使われるのが、同じ検査を同じ集団に対して二回以上行う「再検査法」である。

 妥当性(validity)とは、その検査が目的に合ったものであるかどうか、検査によって測定しようとしている内容が漏れなく測定できているかどうかということを指す。
 自分が使おうとしているモノサシが何を測ろうとしているものかを知らなければ使うことは出来ないし、そのモノサシの目盛りが狂っていたら、測っても意味はない。実は、この妥当性というのが、いちばん難しい。何しろ、絶対的な基準の無いものに対してモノサシを作ろうとしているのだから…。
 妥当性の高い検査は信頼性も高いのが一般的で、信頼性は妥当性の一部に含まれると言ってもいい。


 これらの手続きをきちんと踏まえたうえで作られたものが、正しい心理検査である。本当の心理学者さんたちは、こういう面倒なことを考えつつ、信頼できる心理尺度の研究を日々行っている。占い雑誌に載っているようなチャチなものとは違うのだ。
 そこらへんに出回っているモノを「心理テスト」という名前にだまされて、信用しないように。学者さんが泣くので。
 (ただし、最近では、本物の心理テストを勝手に作り変えた、ホンモノくさい偽者も多いようだ…。)




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