ドビュッシー「夢」



太陽の島

1)むかし、むかし

ずっとむかし

世界の果ての青い島に

小さな太陽がありました


がんじょうな岩は苔むして

かたく高くつみあげられて

太陽を支えておりました


星のまたたく遠い空

白く染まった夜明け前

どんな遠い海からも

その輝きが見えました

船乗りたちのみちしるべ

旅する鳥のやすむ場所







2)けれどもある時

大雨の日に

地面がはげしく揺れました

大きくて強い波が

島にむかって押し寄せて

岩の台座はばらばらに

くだけてこわれてしまいました


ころがりおちた太陽は

きらきら、きらきら光りながら

暗い暗い波の底


島は今では海の中

世界の不思議を

のみこんで

青く深く揺れるばかり



… むかし、むかし

ずっとむかし

太陽の島がありました


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