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序章 ラアの昇る時之に奉る歌

アニのパピルスより



 天の東にラーの昇る時、之に奉る賛美の歌。

 オシリス、即ちすべての神々に聖なる供物を捧ぐ書記生、アニを見よ。彼は言う、

 『おお、ケペル(ヘプリと同)として、神々の創造者たるケペルとして来り給える汝、今、汝を敬拝し、奉る。汝は昇り、汝は輝く。汝は、汝の母、女神ヌトの内にて光を創る。
 汝は神々の王とせらる。
 汝の母ヌトは両手を用いて汝に敬礼の動作を為す。マヌの地は喜びを以って汝を迎え、女神マアトは朝にも夕にも汝を抱擁す。願わくば、彼、即ちラーが、栄光と能力と勝利を得んことを、また願わくば、地平のホルスとして、生ける魂として出現せんことを。
 オシリスの前に勝利する書記生アニ、すなわちオシリスのカーに捧げ給わんことを。

 書記生アニは言う、万歳、汝ら魂を計測せる神殿の神々よ、汝らは天と地とを秤にかけ給う。
 また、汝らは墓所内の糧食を豊かに蓄えたまう。
 万歳、タテネンよ、汝は一人なり。汝は人類の創造者、東西南北の神々の、実質の創造者なり。
 ああ、汝ら、来たりてラーを歓呼せよ。
 ラーは天の主なり。君主なり。(生きよ、栄えよ、永遠であれ)
 汝ら、彼がマンデトの船にて搭乗し来るとき、美しき姿したる彼を礼拝せよ。高き地に住まう者も、深淵に住まう者も、汝を礼拝す。
 トトとマアトは日々に、また日ごとに、汝の航路を書き記す。
 汝の敵たる蛇は、火に投棄されたり。蛇鬼セバウは真逆様に墜落し、両腕は鎖に繋がれ、両足はラーに切断されん。
 無数の反乱の子らは再び蜂起することなからん。

 老いし者の神殿は祝祭を執り行い、喜ぶ者は巨大なる邸宅の中にあり。神々はラーの昇るときこれを見、光明あまねく世に満ちるに至れば、歓喜雀躍す。

 この、聖なる神の威厳は、地の果てなるマヌにも達す。
 この、聖なる神は日々に生まれ、そのたびに世界を輝かす。
 この、聖なる神はその前に在りし場所へ旅し進む。
 おお、汝よ、我と和らぎたまえ、我に汝の美を見させ給え。

 願わくば、我ともにこの世を旅し進まんことを。
 願わくば、我、アスを打ち伏せんことを。
 願わくば、我、蛇鬼セバウを圧倒せんことを。
 願わくば、我、アポピスを滅ぼさんことを。
 願わくば、我、アブツ(太陽の船につきそう魚)を好き時期に見、アアト船(昼の船?)の水路を導するアント(同じく魚)を、その湖中に見んことを。
 願わくば、我、ホルスが舵取りをつとめ、トトとマアトを侍らす船を見んことを。
 願わくば、我、セクテト船(夜の船。メセクテト。)のへさきをとらえ、アアテト船(昼の船?)の艫をとらえんことを。
 願わくば彼、ラーが、オシリス=アニのカーに、日ごと太陽のかんばせを見ることを、しかして太陽の神を見ることを許さんことを。

 また、願わくば、我が魂が日とともに出現してともに進み、また、欲するときは、いずくへも歩みを得んことを。
 願わくば、我、この名の宣揚せられんことを。
 願わくば、我、この名が供物の上の案板に刻まれんことを。
 願わくば、供物が、我が前に捧げられんことを、供物が、ホルスの信徒の前に捧げられると等しからんことを。
 願わくば、神の歩みいでますときに、太陽の船の中にひとつの席を、我がためにもうけられんことを。
 願わくば、我、勝利の地にてオシリスの前に接見ゆるされんことを。』



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