ヌウのパピルスより
印璽監督院の監督者、すなわち勝利を得たるヌウに、下界において口を開かせるの章。
彼曰く、
「今、汝を敬礼し奉る、おお、汝、光輝の主よ、汝は大宮の主にして、夜と暗黒との君なり。
我は汝に来る、これ純潔なるカーなればなり。
その双手は汝の背後にあり、しかして汝は汝の祖先とともに汝の運命を有す。
おお、願わくば汝、我これをもって語り得るだけの我が口を、我に与えたまえ。
また、願わくば汝、雲と闇とのある時期にも、我が心を汝がために導きたまえ。」
死者が死後に喋ったり食べたり出来るようにするためには「開口の儀式」というものが必要だった。
これは、そのための呪文。「大宮の主にして夜と暗黒の君」が冥界の主オシリスを指すとすれば、意味は分かりやすい。