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【エジプト限定】オーパーツコレクション

イントロダクション

ここでは、古代エジプト文明との付き合い方、オーパーツかどうかを判別するためのポイントなどを纏めてあります。
管理人の考え方の基本のようなものですので、暇な人はご一読ください。


まずは、この言葉を皆さんに。

●古代エジプトには文字がある

有名なお話ですよね。ヒエログリフといえば社会の授業でも習います。ゆとり教育で四大文明を習わずに来たお子さんだって、どこかで聞いたことがあるでしょう。

古代エジプトの文字は既に解読されています。細かいニュアンスの解釈については諸説ある場合もありますが、読める人は壁画の一文を読んで爆笑できるくらいのレベルまで解説書が出ています。ですので、

 文章を理解していないオーパーツ主張は、意味がありません。

たとえば、壁画の1つの場面を指して「これは電球に見える! だからエジプトには古代から電球があったんだ」と論じることは意味がないです。壁画やパピルス巻物において、絵は、文章で示されている内容と関連しています。たいていの場合、絵は文章の補足になっているか、文章が絵の内容を具体的に説明します。ですから、周囲に書かれた文字を読めば、それが電球なのか神様なのかの判別くらいは、簡単につきます。

この意味が分からない方のために、例をご用意しました。
下の絵をご覧ください。どうやらナイル河で仕事をしている漁師さんみたいですね。絵の間に文字があるのがごらんいただけますでしょうか…



  これのヒエログリフの部分を日本語に直すと、↓こうなります。


          <出典;「ルーヴル美術館所蔵 古代エジプト展(2005年東京開催)」のカタログより>

  夏休みの中学生かよ

古代エジプトって、こんなカンジなんで(笑) ヒエログリフ見て「すごい、荘厳な画面?!」とか思っちゃいけません。奴らは真顔でギャグをかましてくる民族です。墓の壁に「俺ってすごい人間だったんだゼ★」という自慢が延々続いてたり、「えー、それはないだろう」な偉業が偉そうに書いてあったり。辞書片手に真剣に単語を拾って、繋ぎ合わせて意味を理解した瞬間の脱力感とかが楽しい世界です。

古代独特の表現や、クリプトグラフィーと呼ばれる暗号文など、意味の理解しづらい文章などもあり、文章で全てを理解できるわけではありませんが、少なくとも、古代エジプトについて語るときに、絵だけを見て「これは○○に見えるから」というのは、あまり意味を成さないことは覚えておく必要があるかと思います。


●「常識」は日々変わる 〜根拠となるデータが古いと無意味

古代エジプトは、おそらく世界で最も人気の高い考古学ジャンルです。年々新しい発見があり、情報は次々塗り替えられています。
最近だと、たとえば2005年のCTスキャンで、ツタンカーメンの頭骨の内側に写っていた骨片が頭部打撲によるものではなく、死後に剥がれたものであることが確定し、「頭部打撃による殺人」説が完全に消えました。また、クフ王の像はかつては一体のみだったため、そのように書かれている本も多いのですが、1990年以降の発掘で更に2体が発見されています。

他にも現在進行中の様々なプロジェクトがあり、日々様々な研究成果が上がってきているのが古代エジプトというジャンルです。そのため、場合によっては、古すぎる資料は明確な誤りであることがあります。

新しい発見によって瓦解した説に、たとえばギザの三大ピラミッドがあります。
ピラミッド自体は盗掘を受けておりカラッポですので、かつては、これらは実は第四王朝の王たちによって作られていないのではないか? という説がありましたが、ピラミッドの周囲からの物証によって、この説はほぼ消えました。

また、ピラミッドを作っていた労働者たちは奴隷ではなく、自ら進んで、給料をもらいながら働いていたことも分かってきました。
参考までに、昭和35年発刊「王家の谷」(O・ノイバート著 酒井傳六訳)に掲載された「ピラミッド建設」の挿絵は、こんな感じです。



 何か色々違います

若干グリコのマークな後姿が涙をそそる。せめてサンダルくらい履かせてやれよとツッコみたくなる図ですね(笑)
さすがに、最近の本でこんな絵は無いです。エジプト研究が進んでいるという証拠です。古本屋さんで資料を探す際は、情報の鮮度にご注意下さい。


●研究には歴史がある 〜新説が過去の積み重ねの上に立っているとは限らない

古いものに注意しなければならないと同時に、新しく見えるから正しいということもありません。
古い論文の中で何度も繰り返され、既に一般常識となってしまった概念は、意外に忘れられているものです。
オーパーツの扱いに対し「学者はまともに取り上げない」「反論しない」といった批判を行う人はたまに見かけますが、実は50年も前に決着がついている話であることも少なくありません。
たとえばグラハム・ハンコックの本などは、最近判明した新しいことのように書かれていましたが、実は、過去にポシャった様々な説のリバイバルに若干味付けをしただけだったりします。

議論されたのがあまりにも昔すぎて、過去の議論を知らない人が多そうなのが古代エジプトのグライダーやデンデラ神殿の電球の絵です。正体が分かった瞬間に脱力するようなものなので、何度も何度もまともな反論をするのが面倒くさくて、専門家から放置されていた…というのが実情ではないでしょうか。「えー、今でも信じてる人いたの?!」くらいのお話も、ネット上にはよく転がってます(笑)


●情報の原型を掴むべし 〜人から人に伝わるうちに誤情報に

転載も大きな問題です。一次資料からの引用だったものが、二次引用され、さらに三次… と引用を繰り返すうち大もとの出典が忘れさられ、いつのまにかニュアンスも変わってしまう、などというのは良くあること(日本のオカルト本にはこのパターンが非常に多い)です。分かりやすくたとえるなら、mixiやブログの中で波及していく口コミのようなものです。

転載をかさねるうちに、最初は誤りではなかったものが、いつのまにか「明確な誤り」の水準に達することは、よくあります。
たとえばツタンカーメンのヤグルマギクの話はその1つでしょう。
「ツタンカーメン」「ヤグルマギク」で検索してみると、「棺に一輪のヤグルマギクが入っていた」なんてかかれているサイトもありました。「花束」から「一輪」に、いつのまにか変わってしまったようです。ウロ覚えで書いたのか、何か小説とでも混同しているのかは分かりませんが…。

棺にヤグルマギクが入っていたのは嘘ではありませんでしたが、ヤグルマギク以外にもたくさんの植物が入っていたことを述べていません。野でつんできたヤグルマギクをソッと棺に入れた、まで想像を膨らませて書くと、明確な誤りになります。


***
このサイトは、ビリーバーでも懐疑派でもありません。

うたぐり深さは、どっちかというと懐疑派ですが、別に 隠された真実をどうこう とか、オーパーツを信じることがイクナイ とかは言いません。エジプトネタで間違った情報が流されるのがイヤなだけです。だから、自分が正誤を判別できるエジプトネタのオーパーツしか取り上げていないのです。他の文明は知識足りないから厳密な検証とかムリデスヨ。

このサイトに来られる人がどのような考えをお持ちかは分かりませんが、切っ掛けがオーパーツや神秘ネタであっても、うちはドンとこいです。エジプトスキーな仲間が増やせれば、それで宜しい。好きになって調べていれば、おいおい、「何が正しくて、何が正しくないのか」は見えてくるはずです。もしかしたら私も間違えているかもしれません。新しい発見が驚くべき真実を見せてくれるかもしれません。そこは謙虚にいきたいと思いますのでご意見がありましたら日本語でどうぞ。

しかしながら、何も見ようとせず、人に納得させようともせず、根拠も無く「柔軟性がない」だの「夢が無い」だの言いだす人は、大喜びしながらシバキ倒しますので、そのおつもりで。
以上イントロダクションでした。


*てんぷれ*

「科学的に証明されていません」
ケースバイケースだと思うけど、出土品のデータは基本全部残ってるから、証明出来るよ。

「専門家はまともに答えない、調べない」
私は答えてますし調べてもいますよ、聞けばいいじゃん。

「専門家の言うことは信用ならない」
ていうか私がまずシロートだから。どこの学会にも属してないし専攻したこともないから(笑)


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