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古代エジプトの単位

2008/1/29


古代エジプトで使われていた単位については、まだまだ不明点も多いという。資料によって微妙に単位が異なっていたり、学者さんによって説が異なっていたりする。どれが正しいなんてのは分からんです。古代人に聞かないと。

なので、厳密な話は専門書でも探してください。ここは、中の人がわりとテキトーに「だいたいニュアンス伝わりゃいいよ」ってことで、参考までに纏めてみたものです。

■どうやって単位の中身を推測してるのか?〜長さと角度

現代人の単位では中途半端になってしまう古代エジプトの長さ・重さといったものは、古代人からするとキリのいい数字になっていたハズ。でなきゃピラミッドとか作れないし。
…と、いうのが前提です。

たとえばピラミッドの傾きを測ってみて、「んー、この角度を出すのに、いま手元にある単位をどう使ったらいいのかな?」と、考える。そして1キュービットの高さに対し1パームの底辺を持つ三角形を描いてみたら、その角度がぴったりビンゴ…「ああ、じゃあ、これが角度(セケド)を計算する基準か…」と、納得する。みたいなカンジ。キュービット尺が現代の単位で何センチかを最初に考えた学者さんは、ピラミッドの玄室の長さを計って、その長さを「○分の1」にした調度いい長さが1キュービットになるだろう。と仮定して計算したようです。

角度については、長さの単位を確定したあとでピラミッドの傾きを測ってみて、「この角度を出すのに、いま手元にある単位をどう使ったらいいのかな?」と、考える。そして1キュービットの高さに対し1パームの底辺を持つ三角形を描いてみたら、その角度がぴったりビンゴ…「ああ、じゃあ、これが角度(セケド)を計算する基準か…」と、いう感じで推測してます。

オベリスクやピラミッドの傾きも、農地の管理も税収となる穀物の軽量も、基準となる単位があってはじめて計算できます。
なので、建設記録や税管理などの文書から、単位どうしの関連性を推測している部分もあります。

ただし、時代ごとに違っていた可能性もあるので、現在の説が今後も変わらないとは限りません。あくまで目安ね。違ってても私ぁ責任とれんよ…


■どうやって単位の中身を推測してるのか?〜容積・面積

基本になっているのは長さの「ロイヤル・キュービット」。この長さを基準に、「一片がxxキュービットの容器に入る量」とか、「xxキュービット四方の面積」とかいう関係から計算されてます。たとえば面積の「1セチャト」は「10000平方キュービット」みたいな感じです。なのでキュービット尺の長さが間違えてたら他のも全部変わる事態に。(笑) キュービット尺が数ミリ変わるだけで誤差がかなり出ます。


■数学の教科書から他の単位を推測

長さ、容積などには基本となる単位があって、その単位の上位・下位単位が存在するようです。
現代だと、センチに対してメートルやキロがあるような感じで。古代にも数学の教科書があり、その中に「1キロとは1000メートルのことである。1/2キロは何センチか?」のような問題が書かれていることから、異なる単位の関係を想定しています。
(下の図で「相関」となっている欄)


通称 ギリシャ語名 エジプト語名 相関 現代単位に換算
長さ 腕尺 ロイヤル・キュービット
公的に使用された長さ
メフ 7パーム、
28ディジット
52.4cm
(別説:52.3cm)
- 短キュービット
(小キュービット)
セチェト 6パーム、
24ディジット
44.9cm
(後世のキュービット) 64.2cm
*後世のキュービットは、ペルシア支配時代に使用されたものを指す
掌尺 パーム シェセプ 1/7ロイヤル・キュービット 約7.5センチ
指尺 ディジット ジェバア 1/4パーム、
1/28ロイヤルキュービット
約1.875センチ
チェベト 1/6ロイヤル・キュービット? 約10.4cm※
ネビュ 約65cm※
*チェベトは古王国時代のマスタバから発見された単位、後世に使われたかは不明
タ(メフ=タ) 100キュービット 約5240cm
レメン 74.07cm
*「レメン」は、1辺が1ロイヤル・キュービットの正方形の対角線
ケト 100キュービット 約52.4m
角度 セケド 下図参照
*高さ1キュービットに対し、底辺を1パームとした角度
面積 アルーラ セチャト 1平方ケト、
10000平方キュービット
約52.4u
重さ    デベン 93.3g(別説:91g)
キテ 1/10デベン 約9.3g
    シャト   約15g 
容積 ロー 320ヘカト 約1526.4リットル
カル 20ヘカト
1立方キュービットの2/3
約75.2リットル
ヘカト 4.028〜
5.44リットル
*50ヘカト=1/2、25ヘカト=1/4と記されることから、100ヘカトが1と見なされる概念だったようだ
ヒン
(複数形ヒヌウ)
1/10ヘカト 0.4028〜
0.544リットル
不明 メレト 図形の高さ?

*黒い太文字が、基本になっていると思われる単位。


■古代エジプトの数概念について

古代エジプトには小数が存在しない。数字はすべて分数で表される。
分数は2/3を除き全て分子が1であり、1/2、1/3、1/4… しかない。小数点以下を伴う数字は、これらの分数の和として記述される。たとえば2/5という数は、1/3 + 1/15 となる。


■「ホルスの目」分数について

ホルスの目分数とは、ホルスの目を部分ごとに分解して得られる数字。
1/2、1/4、1/8、1/16、1/32、1/64 を指します。全部足すと1/64足りませんが、そこはトト神が魔法で補い、「全部足して1ですから!! 完全なる数字ですからっ」ということに無理くりなっているらしい。…魔法は計算式に書けないぞエジプト人。

>>古代エジプトの数字


単位は主に以下の文献から合成したですよ。
*リンド数字パピルス 普及版 平田 寛 監修/吉成 薫 訳
*ヒエログリフ入門  吉成薫  弥呂久出版
*大英博物館 古代エジプト百科事典 イアン・ショー&ポール・ニコルソン 原書房
*ファラオの形象 エジプト建築調査ノート 西本真一 淡交社


※チェベト、ネビュについては詳細な資料を持っていないため、正確な数値は不明。1/6キュービットだと10.4cmにはならない。



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