主な称号
ヘリオポリスの気高い魂
主な信仰
ムカデの神。地面を這う虫であり、基本的にくらいところにいるものなので必然的に冥界に属する存在・大地の神ゲブの眷属とされた。登場は意外に古くピラミッド・テキストから登場している。ただし、ムカデが見た目があまり良くないのと、毒を持つことからサソリの女神セルケトのように無害化してから描写される必要があった。(そのためか、ほぼ図で出てくることはない)
唯一はっきりした図があるのがコレ。 →
第21王朝のものなので、比較的新しい。
役割としては以下。
・ナイルの増水に関わる
・大地の神に属するものとして豊穣を齎す
=
・オシリス(死者)が冥界を旅するために変身する姿の一つとされる
= 死者の書にこの呪文があるため「ムカデが王と一体化することがある」と説明されることがある
・危険な冥界での身の守りの一つとしても呼び出せる
= サソリ女神同様、毒を持つ危険な生き物だが従えれば心強い味方になる、という概念
古王国時代のピラミッド・テキストの神話では、冥界の存在としてしか登場しないが、その後、死者の書でオシリスの一つの形態となり、豊穣神としての属性が付加されて役割が増えている。
なお、本によって、「ムカデは42本の足をもつ、これはエジプトのノモスの数と同じ」という説明がされていることがあるが、古代エジプトのノモス(州)が42州になったのは新王国時代以降で、それ以前は下流の州の数が少なかったので、これも後付けの説明になる。
末期王朝以降のセパは、アヌビスと同等の死者を守護し見送る神として文書の中に登場する。
セパの名前をヒエログリフで書く時は、ムカデを決定詞として使うが、ムカデの見た目は時代が進むと簡略化されてただの線になることが多くなる。
"Zepa, the Centipede: From Numen to God", in: S.H. Aufrère, C. Spieser (eds.), Le microcosme animal en Égypte ancienne. De l'effroi à la venération, OLA 297, Peeters, Leuven 2021, p. 459-481.
神話
・セパの住まいであり洞窟はナイルの水底にあり、そこから水が湧き出すとされた。ナイル河の神ハピの神話とかぶっているが、豊穣神の決まった神話型の一つかと思われる。
聖域
ケラハ、イウヌ(ヘリオポリス)
DATA
・所有色―
・所有元素―
・参加ユニット―
・同一化―オシリス
・神聖動物―ムカデ
・装備品―